デジモンアドベンチャー エクストリーム~6色の新たなる選ばれし者達の冒険~   作:瑞田高光

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第1話 ~出会いその1~
鴇色と奇跡の出会い


「えっと……ここは…………?」

 

 夕輝が辺りを見渡すと、そこは鬱蒼と木々が生い茂る森の中だった……

 

「やっぱり……ここはデジタルワールド…………なんかな? アタシ、デジヴァイス持っとるし…………」

 

 夕輝はそう呟きながら手に握ったままの鴇色のデジヴァイスを見てギュッと握り締める。すると、一陣の猛烈な風が夕輝の体に吹き付けた。

 

「きゃっ……凄い風やなぁ…………どちらにしても、この点滅している点に向かって行けばえぇんかな?」

 

 夕輝はジッとデジヴァイスの画面を見ながら少し頷くと、赤く点滅している点の方へと向かって走っていった……

 

「それにしても……一体全体何がどうなってるんねやろ…………アレ、アッチも近付いてきてる??」

 

 少しばかり走った夕輝は一度立ち止まって辺りを見渡してから再び画面を見てみると、赤い点滅がコチラの点滅(鴇色)に向かって来ている事が分かった。そして、夕輝は突然ふとこんな考えが浮かんだ。

 

「……あ、でも…………もし敵だったら……?」

 

 そう考えると少し身震いをしてしまったが、すぐに頭を振ってその考えを捨てて再び走り出した。

 

「それはその時! いまは敵だろうと味方だろうと合流しよう!!」

 

 そして、幾分か走っていると……相手が見えてきた。

 

「アレは…………!!」

 

 夕輝は相手が誰かを視認出来ると少し立ち止まって驚きの表情を浮かべた。その相手は赤茶色のボサボサっとした髪で頭にゴーグルを着けている少年で……

 

「だ……大輔君っ?!」

 

 夕輝が一番大好きなデジモンシリーズのキャラの本宮大輔、そしてその少し後ろにはそのパートナーであるブイモンだったからだ……

 

 

 

 

 

「うぅん……ここは…………?」

 

 大輔は、気が付くと木が一杯ある森みたいな場所に立っていた。

 

「ここは一体何処なんだ……初めて見るけど…………って、ブイモンは何処だ!?」

 

 大輔は辺りを見渡していると、自分の近くにブイモンが居ない事に気付いて慌てて探す。すると……

 

「大輔ぇ~!」

 

「あ、ブイモ~ン!」

 

 大輔が声のする方を向くと、近くの茂みから青い子竜……ブイモンが手を振りながら近付いてくるのが見えたので大輔も手を振り返した。

 

「大輔、ここ何処なんだ? 俺達の世界のデジタルワールドとは違うっぽいけど…………」

 

「わかんねぇ。でもよ、俺達がここに来てるって事はこの世界に何か異変が起こったって事だろ?」

 

「どうなんだろ……」

 

「「うぅ~ん…………」」

 

 大輔とブイモンが頭を悩ませていると、突然デジヴァイスの画面が光り始めた。

 

「ん、なんだなんだぁ?」

 

 大輔が画面を見ると、赤い点滅と動いている鴇色の点滅があり、鴇色の点滅が少しずつ近付いている事に気が付いた。

 

「っ……これ、誰か近くにいるのかも!」

 

「えっ、大輔……それ本当!?」

 

「多分な。行ってみようぜ!」

 

「おう!」

 

 大輔とブイモンは頷きあうと、デジヴァイスの画面を便りに二人で走り出した。途中、鴇色の点滅の動きが止まった事もあり、大輔は焦ったがすぐに動き出したため、ホッとして再び点滅便りに走り出した。

 

 そして、かなり点滅が近付いてきたところで……相手の容姿を確認できた。黒髪をポニーテールのように結んでいるらしく……結ばれている髪が走りと同調して揺れており、白の柄つきパーカーに鴇色のズボンを履いた女の子だった。そして、右手にはズボンと同じ色のデジヴァイスが収まっていた。

 見たところ身長は自分のクラスの女子とは然程変わらぬ位かと思えた。すると、相手もコチラを視認出来たのか……コチラを見て眼を丸くして…………

 

「だ……大輔君っ!?」

 

 立ち止まっては大輔の名前を叫んでいた。

 

「え……え?!」

 

「なぁ、大輔……あの女の子…………知ってんの?」

 

「い、いや…………」

 

 これが、五十嵐夕輝と本宮大輔の出会いだった…………


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