【アスキーアート作品】貞操逆転世界の万能蛮族女騎士   作:ぱちぱち

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おまたせして申し訳ありません



青年期 1

 

 

 ――ペラリ、ペラリと音をたててページがめくられていく。

 

 

 

 

 ――なにかの記録を筆に残したことはある。

   だが、おおよそ30年ほどの足跡を記憶だけを頼りに文とするのは初めての経験だった

 

 

 

 

 ――周囲を伺えば、そこには錚々たる顔ぶれの姿がある

   軍務大臣に、縁もゆかりも無い見ながらその強力な超人としての力で瞬く間に客将の地位を得た東方人

   そして王宮内随一の強者である女王親衛隊ちなんで抜剣してんだアイツ

 

 

 

 

 ――ページを捲る手を止め、彼女は一言そう口にした

   予想外の光景を横目で見たせいで動揺した内心を押し殺し、頭を更に深く下げ感謝の言葉を述べる

   数ヶ月に及ぶ慣れない作業の結果は上首尾で終えられそうだ

 

 

 

 

 ――などと油断したのがいけなかったのか

   パタリ、と私が手掛けた手記を閉じ、彼女は短くそう言葉を零した

   周辺を取り巻く彼女の護衛たちが姿勢を変える

   もし何かしらの粗相があったならば瞬く間に取り押さえに来るだろう

 

 

 

 

 ――訂正。取り押さえどころかいきなり斬られるかもしれない

 

 

 

 

 ――そこまでを口にして、彼女は何かを咀嚼するかのように口を閉じた

   剣をブンブン振り回していた親衛隊長と、東方人が怪訝そうな顔を浮かべて腰の獲物から手を離す

   彼女らの困惑を後目に、我らの主は言葉を続けた

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――幼なじみが残した不始末に乱された心を、咳払いで押し流す

   冷静さを取り戻し、主の疑問に答えるためそう尋ねると、聞き覚えのある名前と声が耳に届く

 

 

 

 

 ――ドアの前に控えていたのだろう少女がしずしずとドアを開けて入室する

   ニーナ・フォン・レッケンベル。レッケンベルの名を継いだ少女

 

 

 

 

 ――ゆっくりとした足取りでニーナは玉座に進み、恭しく主に本を差し出した

   あれがデキナイコが残した恥ずかしい名前の日記帳なのだろう

   母を亡くし、一時期は世話をした少女の元気そうな姿に口元を緩めながら、私は主の言葉を待った

 

 

 

 

 ――なにかを探すようにページを捲る音

   傍らに控えるニーナに私が差し出した本を渡し、主は黙々と日記に視線をおくる

 

 

 

 

 

 ――やがて探しものを見つけたのか

   小さくため息のような声をこぼすと、主は日記に落としていた視線を上げた

 

 

 

 

 ――じわりと背中に冷たい汗がたれる

   己は何を見逃していたのか。弁明はいかに

   頭の中のごちゃごちゃとした雑念を脇に追いやり、頭を垂れて主の言葉を待つ

 

 

 

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 ――眉をひそめる主の姿に、一人東方人だけが剣の柄に手をかける

   そして、彼女は一切動こうとしない周囲の姿に再度怪訝そうな表情を浮かべた

 

 

 

 

 ――主と東方人、外来の民たる彼女だけがこの玉座の間に流れる微妙な空気の意味を知らない

   だが、主は私に疑問に答えよと命を下した

   ・・・故に。疑問に一撃で明白な答えを返すために、私は可愛い後輩に声をかける(道連れにする)

 

 

 

 

 

 

 ――歌声が途絶えた後、玉座の間を静寂が支配する

   呼吸音が最も喧しいのでは、という無音の空間の中

 

 

 

 

 ――親衛隊長と二人、冷たい大理石の床の上に膝を付ける

   この程度は当然である。こんな歌をこの国で最も尊い方の前で歌ったのだから

 

 

 

 

 

 

 ――ヴィレンドルフという国において最も低俗でくだらない恥部である

   そして誰しもが恥部だと思っているのに経験した奴は絶対に下の世代にこれを強制する

   私もそうだったし私の母親もそうだった。デキナイコの母のサカナさんもそうだった

   そして下の世代を半裸で歌わせた後に誰しもがこう言う

   「こんなくだらないことはお前の世代で終わりにしろ」と

   もちろん下の世代がそれを飲むことはなく結局この伝統は今の今まで続いている

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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