【アスキーアート作品】貞操逆転世界の万能蛮族女騎士   作:ぱちぱち

5 / 5
青年期2

 

 

 ――当たり前のことだがデカい街には壁がある

   デカいって事は富が集まりやすいって事で、富が集まるって事は狙われやすいからだ

   そんな場所が無防備だったらあっという間に周りに食い荒らされちまうから

   どんなバカ領主でも自身の持つ町や村は守ろうと柵や壁を作ろうとする

 

 

 

 

 ――そしてコレも当たり前の事だが、壁があるなら門もある

   門がなきゃ外との出入りが出来ないからな

   人ってのは居るだけで大量のモノが必要になる

   都市内部だけで全てを賄うなんて出来るわけがない

   だから周辺の物資を運び入れる出入り口はどんな都市でも必ずあるもんだ

 

 

[/aa]

 

 

 

 ――それはこの王都でも変わりない

   そして門があるからうちの家業は代々変わらないお役目を頂いている

 

 

 

 

 

 ――ヴィレンドルフ王都北門の門番長。その御役目を5代受け継ぐジョゥシキ家の嫡子

   対外的には、それがこの頃の私を指し示す言葉だった

 

 

 

 

 ――門番ってのは案外と難しい仕事だ

   持ち込ませてはいけないモノ(者・物)、持ち出されてはいけないモノ(者・物)

   それがまず頭に入っていなければ仕事が出来ないし

   それらの判断のために最新の刑法の知識もなければいけない

   王都内の事件や手配についても常に把握するよう務めなければいけない

   そして『門を守る』仕事である以上ある程度武張った働きも求められる

   他の守衛なんかを下に見るわけじゃないが、かなり専門的な職種だ

 

 

 

 

 

 ――まぁそういう専門性の高さから基本的に門番長ってのはどこも世襲で役目を継いでいく

   平の兵士なら兎も角、責任者レベルの門番騎士はガキの頃から頭に知識を詰め込まないといけないからだ

   ヴィレンドルフに関してはもう一つ、世襲になってる理由もあるがどこの国も似たようなものだろう

 

 

 

 

 

 ――大手門ってのは普段遣いの通用門ではなく数十人が一斉に出入りできる大型の門の事だ

   フル装備の騎乗騎士が5人並んで出てもゆとりのある広さがあり

   通常は締め切られていて余程のことが無ければ開くことはない

 

 

 

 

 ――そしてこの余程のことというのの一つに、騎士団の出陣と帰着はある

 

 

 

 

 

 ――かんらかんらと笑って踵を返し、モブーナ卿は去っていった

   ほどなくして遠方から響く馬蹄の音

 

 

 

 

 ――わが祖国の誇り。ヴィレンドルフ騎士団の帰着

   そして

 

 

 

 

 ――初陣を済ませた友の帰還だ

 

 

 

 

 

 ――ヴィレンドルフの門番は世襲制である。が、これは実は少しだけ語弊がある

   大体は一族の者が門番長を継ぐのだが、実を言うと一族の者である必要はない

   『資格』を持ち、きちんとした教育を受けていれば、誰が継いでも問題はないのだ

 

 

 

 

 

 ――そう、必要なのは『資格』

   ヴィレンドルフ騎士団の出陣と帰着に際し行われる儀式を全うしえる『資格』があれば

   誰が門番長の地位を引き継いでも良いのだ

 

 

 

 

 

 ――自力で持って鉄で補強された重厚な門を開き、勇者たちの出陣と帰還を祝う

   力を尊ぶヴィレンドルフだからこそ生まれ、代々伝わる『儀式』

   これが出来るならば出自の生まれ関係無く門番の一族に迎えられる『資格』がある

 

 

 

 

 ――騎士団長の言葉にドッと笑い声をあげ、騎士団は彼女を先頭に門をくぐる

   城壁の向こうから響く歓声に、街中が騎士団の帰還を祝っているのが伝わってきたのを覚えている

 

 

 

 

 

 

 

 ――そんな空気の中私とデキナイコはすれ違いざまの軽口を交わした

   それに口元を緩めて、そして軽く右手を叩き合わせる

   騎士団を追って門を潜るデキナイコを見送って、私は門を閉じた

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――ー

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――デキナイコの初陣祝いには街にいる悪たれ仲間が駆けつけてくれた

   騎士修行が本格化してからは中々集まれなかったが

   その分、どいつもこいつも集まるはしからハメを外していた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――私も多少戦術に心得はあるし、そこそこの修羅場も潜っている

   戦場を見る目ってやつをもった騎士の一人であるという自負はある

 

 

 

 

 

 ――そんな私が知る中でも一つの戦場を支配するという点において

   デキナイコ以上の将はこの世に存在しなかった

 

 

 

 

 

 ――戦場での悪魔もかくやって暴れぶりで隠れているが

   デキナイコが戦う時は戦う前に9割方勝負が決まっているんだ

   その上であいつは己の化け物じみた戦力を効率よく扱う術を知っている

 

 

 

 

 

 ――あいつに戦場で勝つにはデキナイコがどうしようもないほどに戦略で優位を取るか

   アンハルトの英傑が行ったように一騎打ちでデキナイコに勝つしかない

   経験の浅い無名の騎士だった頃から、あいつは悪魔超人だった

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。