仮面ライダーを作りたかった転生錬金術師   作:黒幕は忍者だと思ってた

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立華カイ
19歳 誕生日8月21日
物心つく頃には天涯孤独。父の上司だったという男が色々面倒を見てくれた。趣味は料理とハーブティー作り。現在はカフェ「EDEN」を経営。健康のために毎日運動を欠かさないOTONAなので、鉄パイプ程度なら生身でも引きちぎれる。
コンダクタードライブの適合者であり、仮面ライダーコンダクターへと変身する。



前回のあらすじ!
 ノイズに追われている少女、立花響を追い掛けた立華カイは、ノイズとは異なる脅威、スクリームとエコーに遭遇する!
 スクリーム、ベートが狙っていた石板に触れる、封印が破れたことによりカイは仮面ライダーコンダクターへと変身してクマエコーを圧倒するも、ベートにはでも足も出ず………!


出会いと不穏の影

 スクリーム………ベートが去り、一応は敵が居なくなる。地面に倒れたままのカイの体が光り、鎧が消える。

 

「うぅ…………ぐっ!」

 

 鎧を纏っていたと思えぬ程の怪我を負い、呻くカイ。ベートに蹴られた横腹がいまだ鈍い痛みを訴える。

 

「カイさん! 翼さんも、大丈夫ですか!?」

 

 ベートにやられたカイと翼と違い、傷らしい傷を追っていない響が慌てて駆け寄る。カイは安心させるためにゆっくり立ち上がりながら響の頭を撫でた。

 

「俺は、大丈夫だ………それより、あの子は?」

「問題、ありません。防人たる者、この程度の傷!」

 

 と、良く解らない理屈で立ち上がる翼。しかし膝を付き、服装がボディスーツからリディアンの制服に変わる。彼女もカイのように変身していのだろうか?

 

「つ、翼さん! でも、血が…………!」

 

 と、エンジン音が響き複数の車がやってくる。ただの車ではない。いや、確かに普通の車や救急車も混じっているが殆どが自衛隊のジープ。事実飛び出してきたのは武装した自衛隊。

 

「翼さん!」

 

 と、黒塗りの車が止まり扉が開いた途端、何時の間にかスーツ姿の男が翼のそばに立っていた。すぐさまお姫様抱っこして救急車に運ぶ。

 自衛官達はすぐさま封鎖するために壁を張っていき、ノイズに殺され炭化された死体を回収していく。

 

 

 

 

「あったかいものどうぞ」

 

 状況が飲み込めていない響に女性から差し出されるコーヒー。擦り傷、打ち身だらけのカイも簡単な治療を受けながら受け取る。

 

「んなっは〜」

 

 と、響がリラックスすると体が光り、弾けブレザーを脱いだリディアン制服へと変わる。響は驚きからコーヒーを落としてしまう。

 

「あわわ!」

 

 と、バランスを崩した響をカイが支える。

 

「あ、ありがどうございます! カイさんに助けられるのは今回で二度目ですね!」

 

 木から降りれなくなった時の事だろう。色々危なっかしい子だ。と、幼女の声が聞こえてきた。振り向くと母親に抱き着いていた。

 何やら規則事項が書かれているらしいタブレットを見せられる。ここから聞こえるだけでも、『国家機密』とか『情報漏洩』とか『政治犯として起訴』だのと聞こえてきた。ただ、どうやら彼女達も帰れるらしい。

 

「じゃあ私もそろそろ………」

「俺も店の鍵を…………」

 

 と、帰ろうとした響とカイだったが何時の間にか黒服達に囲まれる。無表情でグラサンをかけた男達が集まると中々の威圧感だ。唯一サングラスをしていない、先程翼を抱えていた優男が前に出る。

 

「申し訳ありません。貴方方をこのまま帰すわけにはいかないので」

「え? なんでですか!?」

「特異災害対策起動部二課まで、同行していただきます」

 

 と、何時の間にか二人の手首がぶ厚い手錠がハマっていた。

 

「え、あ……あの?」

「っ!?」

「すいませんね。貴方方の身柄を拘束させていただきます」

「なんでえ〜〜!?」

 

 カイの隣ですぐ隣で響が叫びながら車が走り出した。

 

 

 

 

「なんで、学院に……?」

 

 車に乗ったまま連れてこられたのはリディアン音楽院であった。まさかの自分の通う学校に連れてこられ響は更に困惑する。

 そのまま中央棟を歩いていき、エレベーターに乗る。

 優男がなにかの通信機のようなものを角の装置にかざすと更に別の扉が現れ二重に閉まる。更になにかが床から競り上がり、カシャンと音を立て手摺のような物が現れる。

 

「さ、危ないから捕まった方が良いですよ」

「?」

 

 紳士的に響の手を取り手摺を握らせる。

 

「危ないって………だあああああああ!?」

 

 と、一気に急降下し響きが叫ぶ。かなりの深さなのか、ガラス製の壁の向こうでライトが目まぐるしく過ぎ去っいく。やがて開けた場所に出た。壁は、雑な言い方をすれば古代の遺跡に描かれていた壁画と言われ素人が想像するもの、といえばわかるだろう。

 ただ、近代であることを示すように無数の鉄パイプが走っている。

 

 

 

 

「ようこそ! 人類の砦、特異災害対策機動部二課へ!!」

 

 パンパンとクラッカーが弾け紙テープが舞い、『熱烈歓迎! 立花響さま☆ 立華カイさま☆』と書かれた手作り感満載の看板がり

 

「……………へ?」

「ええっと………この、えっと…………」

 

 困惑する響に優男に説明しろと目で訴えるカイ。固まっていた優男もあはは、と苦笑いした。

 

「ようこそ〜! さあさあ笑って笑って、お近づきの印にスリーショット写真!」

 

 と、白衣を着た眼鏡の女性が響とカイを引き寄せスマホで写真を撮ろうとする。

 

「い、嫌ですよ!? 手錠をしたままの写真なんて、きっと悲しい思い出として残っちゃいます!」

「俺は得難い経験だから別にいいけど、まあそういうことなら…………(ふん)っ!」

 

 と、カイが力を込めると手錠の留め具がひしゃげ、はずれる。少し赤くなった手首をプラプラと振るカイはポカンと見つめる響に気付いた。

 

「どうした?」

「え、いや…………あの、どうやって?」

「ああ、俺鍛えてるし。もうそろそろ成人の、いい年した大人だしな……」

「その理屈だと大人の犯罪者に手錠する意味なくなるんだけど」

 

 と、特異災害対策機動二課とやらの職員の一人が呆れたように言う。

 

「フッ。俺には君が鍛えているのは一目見てわかったぞ、まあまだまだ未熟な部分もあるようだがな」

 

 そう言ったのは響達に歓迎の言葉を送った、巌のような大男。露出した腕の一部は鍛え抜かれた腕が見えた。

 

「男なら、完全に壊すぐらいは出来るようにならんといかんぞ」

「俺もまだまだ鍛錬が足りないか」

 

 なんか知らんが悔しがってるカイを見て、響は私の中の常識っておかしいのかな? 手錠って壊せるもんなんだろうかと真理を間違えて覚えそうになっていた。

 

「あ、そういえば………あの、どうして初めて合う皆さん私達の名前を知ってるんですか?」

「我々二課の前身は大戦時に設立された特務機関なのでね。調査などお手のものなのさ」

 

 と、シルクハットを被り杖をポンと花に変える大男。おそらくは、彼がこの集団の中で一番偉いのだろう。その横で先程の白衣の女性が学生鞄を見せてくる。

 

「ああ〜!? 私の鞄!? なぁにが調査はお手のものですか! 鞄の中、勝手に調べたりして!」

「ん、俺は?」

「君は名刺を落としていたぞ」

「やっぱり調査してないじゃないですか!?」

 

 響がプリプリ怒る中、落ち着かせるためか優男が響に近付きようやく手錠を外した。

 

「では、改めて自己紹介だ。俺は風鳴弦十郎。ここの責任者をしている」

 

 と、親しげな笑みを浮かべる大男。やはり彼がこの場の責任者だったらしい。

 

「そして私は〜。出来る女と評判の櫻井了子、よろしくね」

 

 白衣の女性はそう言ってパチリとウィンクを送った。

 

「こ、こちらこそよろしくおねがいします」

「どうも、よろしくおねがいします」

 

 

 響とカイは二人に向かい頭を下げた。

 

「君達をここに呼んだのは他でもない。協力を要請したいことがあるのだ」

「協力って…………あ」

「……む」

 

 困惑するように見つめ合った響とカイはしかし同時に自分達が使用した謎の装備を思い出す。

 

「教えて下さい。あれは一体何なんですか?」

「ノイズに対抗する手段があったなんて、聞いたことないですよ」

「……………」

 

 弦十郎が了子に視線を送り、了子が頷く。

 

「貴方達の疑問に答える代わりに、2つばかりお願いがあるの。最初の一つは、今日のことは誰にも内緒。そしてもう一つは………」

 

 と、響の腰に手を回し耳元に口を寄せる了子。

 

「とりあえず、脱ぎましょっか」

「ふぇ…………だからぁ………なぁんでぇぇぇ!!」

「ほらほら、貴方もおいで〜」

「え」

 

 ついでとばかりにカイも了子に引っ張られていった。

 

 

 幸い翼の傷は深くなかった。シンフォギアを纏っていたおかげだろう。ただし内臓に伝わった衝撃は重かった。ギアを纏っていなかったら死んでいたかもしれない。

 

「あのギアは、奏のものだ」

 

 不意に絞り出されるように呟かれた言葉。怒り、拒絶、悲しみ、嫌悪。様々な感情が混じったその言葉は、まるで言葉自体に黒い色がついているのを幻視しそうで………窓の外に巣を作った蜘蛛だけがそれをじっと見ていた。

 

 

 

 

 

 街のどこか。火事で廃墟となった建物の中。

 壁が崩れ、天井が落ち、人の手が加えられず放置され劣化が広まった屋敷の広間に複数の動物が集まっていた。

 

『いきなり呼び出してなんのつもりだ、アラクネ』

 

 と、不機嫌そうな人の言葉を話したのはこの中では一番大きな身体をした狼。睨みつける先に居たのは一匹の蜘蛛だ。

 

『なんのつもり? むしろ、貴方が私達を呼び出すべきだったじゃない』

 

 その蜘蛛は女の声でそう返し、狼はグルルと低く唸る。

 

『コンダクタードライバーが目覚めたんでしょう? 貴方はその現場に居た』

『それは本当か!?』

 

 翼をバサバサ羽ばたかせ叫ぶのはとまり木にとまった鳥。鷹ぐらいの大きさだ。

 

『だとしたら何故黙っていたのか、独り占めする気ですか?』

 

 そう訪ねたのは椅子の上に乗った魚。種類は不明。細長い体躯をしている。

 

『僕達の中で完成に到れるのは一人だけ。出し抜こうとして、何が悪いの?』

『こいつ、悪びれもなく!』

『随分と調子に乗りますね…………』

『やめなさい、二人共』

 

 憤る鳥の魚を、アラクネと呼ばれた蜘蛛が諌める。

 

『ベートも………確かに私達は完成を競う敵同士でもある。だけど、条件は対等であるべきだとは思わない?』

『………そうかな? 運が絡もうと、結局見つけられないのは性能差だろう?』

『なら、私に見つかったのは貴方の性能のせいと納得して、話してくれないかしら? まだ手に入れてはいないんでしょう?』

『適合者の人間が居てね。なら、アップデートは任せてしまおうと思って。僕はしばらく自分でデータ収集をするよ』

『コンダクターに適合したその人間が邪魔してくるかもしれないわよ?』

『それなら、その時少し痛めつけるだけさ。まあ、こうして君達も存在を知った今、取りに行こうが自由だけど』

 

 狼、ベートの言葉に魚と鳥は不機嫌そうに身動ぎする。

 

『君はどう思う?』

 

 ベートは振り返りとぐろを巻いていた蛇に問いかける。

 

『私達は『完成』すること以外に何かを考える必要なんてない。貴方の言うとおり、各々やりたいように完成を目指せばいいと思うな』

 

 そう言い残すと蛇の体が崩れ始める。

 

『だってさ』

 

 次にベート。

 

『チッ』

『はぁ』

 

 続いて鳥、魚。最後に残ったアラクネは呆れたかのように足を動かす。

 

『皆、本当に自由ね。まあ、私も私のやり方でやらせてもらうけど』

 

 最後にアラクネの体が解けるように消えていった。




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