【完結】とある原典の霊媒作家(ゴーストライター) 作:大根ハツカ
『アレイスターァァァああああああああああああああああああああああああああああああ‼︎』
ドタドタバッタン! と床や扉が軋む。
アランがアレイスターの部屋へ無理矢理押し入った音だった。
アレイスターはベッドに腰を掛けていた。
『なんだ、アランか。こっちは実験中だぞ、静かにしたまえ』
『自分の精子で●●●するのが実験だと⁉︎ 公の場所でそれをやってないだろうね⁉︎』
『やる訳がないだろう』
やった。
この男、
『
『……きみ、ぼくに小説の書き方を教えろと言っただろう。一体何を書いた?』
アランは物語の作り方を教える。
アレイスターは魔術の使い方を教える。
二人は出会ってから暫くして、そんな約束をしていた。
そして、アレイスターはその技術を使ってとある作品を作成した。
というのも、
『ああ、官能小説か?』
『ぶっ殺すぞクソ野郎‼︎』
男性器の表現法だけで三桁に達した超大作である。
ド変態クソ野郎は何処まで行ってもド変態クソ野郎であった。
『前世の作品をパクってるだけの君に言われたくはないな。恥ずかしくないのか?』
『ああん⁉︎ エリファス=レヴィの生まれ変わりを自称してるきみの方が恥ずかしいだろうが‼︎』
『……チッ。痛い所を突かれた。仕方ないから私もきみの尻の痛い所を突k
『きみが言うと冗談に聞こえないんだよ‼︎ 一人で●●●●でもしとけ官能小説家ッ‼︎‼︎‼︎』
ギシギシバッタン! とベッドが軋む。
もちろん、二人が喧嘩して暴れたという意味で。
何の変哲もない日常の一幕であった。
今でこそ伝説の魔術師アレイスター=クロウリーと歴史的有名作家アラン=スミシーであるが、同時の二人は男子高校生の絡みと何の遜色もなかった。数少ないアレイスターの青春とも言える。
何せ、二人の文通のほとんどが下ネタと罵倒のオンパレードである。これには後世の歴史家も頭を抱えた。
友人の少ないアレイスターにとって、アラン=スミシーはアラン=ベネットと同じくらい信頼した友であった。少なくとも、互いに親友と認識する程度には仲が良かった。
二人の友情は永遠に続くと思われた。
……アレイスターの娘が非業の死を遂げるまでは。