転生したらあべこべアニメ主人公だった件について   作:カンさん

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現状6話まで書き溜めしてるのでチートハーレム杯開催期間中は一日一話0時に予約投稿してます


第三話『転生したら原作前から絡まれている件について』

 

 転生した当初、おれは前世との差異に違和感を感じていた。

 黒髪黒目で顔も普通……だったと思うおれは、今世では栗色の髪に青い瞳と今思うとアニメで出てくるキャラみたいな見た目をしていた。前世よりも顔が良くなるーと楽観的に考えていたのが懐かしい。

 ただ、刹那の心を読んで今でこそ納得しているが、この世界いやに美形が多い。フツメン認定されている十和子もはっきり言って美形だ。でも何故か普通の少女と認識してしまう。転生特典か何かか? 

 別に前世の容姿に不満があった訳ではないが、今世のこの体は気に入っている。動かしている感じ、運動神経良さそうだし。

 

 さて、容姿の話をしたが……ふと気になるのは刹那だ。

 流れる様にキラキラと光る銀色の長髪に、赤と青のオッドアイ。透き通る様に綺麗な白肌にスラリと伸びた手足。間違いなく将来はスタイルの良い美少女になるだろう。

 間違いなく前世の姿とかけ離れている容姿だけど……その辺の事どう思っているのだろうか。

 

「そもそも! 何で銀髪オッドアイ!? 痛いんだけど!」

「あぁん? 普通にカッコイイでしょうが!」

 

 いつもの様に喧嘩をしている二人に意識を向ける。

 十和子は彼女の容姿をおれと同じように踏み台転生者のソレと認識しており、その辺の認識にこちら側の世界もおれの世界にも差が無い事が分かる。

 

(ああ、ったく恥ずかしい……! 昔私TUEE系にハマっていた時の黒歴史が……!)

 

 ああ、うん……刹那に突っかかる理由の一つにこの共感性羞恥も入っているんだろうね。

 さて、問題の刹那はどう思っているのだろうか。少し心を覗いてみる。

 

(銀髪オッドアイは至高! 前世で好きだったキャラもそうだったし)

 

 どうやら別に恥ずかしいとか思っていないみたいだ。それどころか今の自分が好きみたい。

 まぁ、本人がそれで良いのなら良いけど……。

 それに彼女の好きという感情は本物みたいだし。

 

「あさひも私の事カッコイイと思うだろ?」

「え? うん、そうだね」

「な……!?」

 

 ふと刹那がおれに話を振って偽りなく答える。

 まぁカッコいいというのもあるけど可愛いとか綺麗とかそっち方面の方が強いと思うけど。

 ただ、おれの返答が予想外だったのか十和子が驚いた表情でこちらを見て、それに刹那がドヤ顔を浮かべる。うん、その顔は無いな……。

 

「ちっ……」

 

 面白くないと感じたのか、十和子はそれ以上何も言わずその場を立ち去った。

 その背中を刹那はあっかんべーして見送った。子どもか。子どもだったは。

 それにしても。

 

(あの子、いつもピリピリして息苦しく無いんかな……)

 

 少しだけ彼女の生き方に思うところがあった。

 

 

 第三話『転生したら原作前から絡まれている件について』

 

 

 保育園が終わり、両親が迎えに来る時間。

 しかしやって来たのは両親ではなく、父の兄である叔父──風間順平だった。

 

「ごめんねぇ、あさひくん。アイツら今日も仕事仕事で……」

 

 呆れて物も言えないとため息を吐く順平叔父さん。

 彼はお父さんの兄弟であると同時に母とも幼馴染でもある。だから二人にとっての最大の理解者であり、よく頼られている存在だ。

 昔から彼には世話になっており、おれは彼の事を今世の第二の父くらいには尊敬している。

 そして例に漏れず美形でよくモテるらしいけど、今のところ結婚する気は無いらしい。今はお爺ちゃん達の家で一緒に住み、小説作家として売れ出し中と、何ともキャラ設定が練られていると言わんばかりの人物だ。

 

「大丈夫です。お父さんもお母さんもおれの為に頑張っているから」

「あさひくん……」

 

 そんなおれの言葉に目頭を抑える順平叔父さん。

 

(この子良い子すぎるだろぉ。アイツらこの子のおかげで今の生活できているの分かっているのかぁ?)

 

 相変わらず涙腺が緩々な叔父さんだ。

 おれの周りには優しい人たちばかりで、本当に恵まれていると感じる。

 

「よし、今日は叔父さんの奢りで好きな食べ物を買ってあげる。何か食べたい?」

「やったっ。ありがとうございます!」

 

 叔父さんの申し出におれは素直に甘える事にした。

 とりあえず彼の運転する車に乗り助手席に座ってから、考えてみる。

 うーん。ご飯はお父さんが準備しているからお菓子とか軽い物が良いな。それに仕事で疲れているであろう二人のお土産にも買いたい。

 その事を伝えると「この子は本当に……」とまた目をウルウルさせながら叔父さんは了承した。泣くのは良いけど運転気をつけてね? 

 さて、何が良いかなと考えてふと思い出した。先生達が最近噂している喫茶店の事を。確か、そこの喫茶店のシュークリームが美味しいって……。

 

「叔父さん。喫茶ラビットのシュークリームが食べたい」

「おっ、あそこか。確かにあそこのシュークリームは美味しいし──よし、そこに行こう」

 

 叔父さんはそう返すと車を走らせた。

 こっちに来てから甘い物が好きになった。前世ではどちらかと言うと苦い物が好きだったのに。これも貞操観念逆転の法則か何かだろうか。

 そんなどうでも良いことを考える事15分。噂の喫茶ラビットに到着。

 外観は清潔で西洋風。店の外から中を見てみると、主夫が多く男性人気が高いみたいだ。

 

「いらっしゃいませー」

「二人でお願いします。できればテーブル席で」

「はい、かしこまりました。こちらへどうぞ」

 

 笑顔で接客する若いお兄さん。チラリと見ると、夫婦であろう男女がキッチンで食事を作り、兄妹であろう二人が接客をしている。他にもバイトらしき人がチラチラ。

 そしてお手伝いをしているのか、おれと同い年の女の子がおしぼりとお冷を──ってあれ? 

 

「十和子ちゃん?」

「? ……え!?」

 

 驚いた顔でこちらを見る十和子だが、おれも驚いた。

 ここの店のエプロン(幼児用)を着ていて、何処となく店員さん達と顔つきが似ている事から察するに、彼女はここの店の人の子どもってことになるのか。

 予想外の事だったのか、十和子は固まってしまい、それを見た彼女の姉であろう店員がこちらに来た。

 

「どうしたの十和子? あら、君はもしかして……あさひくん?」

「え?」

「あの、甥をご存知で?」

「はい。うちの妹が同じ保育園に通っている様で。なかなか友達ができないコイツがよく話題に出している子が……」

「ちょっ、姉さん!?」

「あら〜。そういう事……」

 

 一気に微笑ましそうにおれと十和子を見る叔父さんと店員さん。反対に十和子は居心地悪そうにし、チラチラとこちらを見ている。

 うん、どうしようかこの空気。

 そんな風に思っていると、叔父さんとんでも無い事を言い出す。

 

「良かったら君も、えっと十和子ちゃん? も一緒に食べる? 良かったら保育園での話とか、君とあさひの関係とか色々聞きたいなー」

「え!?」

「あ、良いですね。十和子もそうしなさい」

「いや、でも、店の手伝い……」

「いつも言っているけど子どもが無理するな。お姉ちゃん命令として、しっかりと友達をもてなしてあげなさい」

 

 あ、それとも……、そう言うと十和子の姉はこっそりと彼女に耳打ちすると、十和子はカーッと顔を赤くして「分かったから、早く仕事に戻って!」と追い払ってしまった。彼女の姉は心底面白そうに笑うと、叔父さんからオーダーを受け取り立ち去った。

 

「まぁ、座りなよ」

「は、はい」

 

 叔父さんがニッコリ笑ってそう言うと、十和子はタジタジになりながらも頷いて……悩んだ結果おれの隣に座った。

 その際にチラチラとこっちを見ていたけど気づかないフリをする……が、叔父さんはバッチリ気付いている様でニヤニヤとこちらを見ていた。

 

「さて……」

 

 お冷を飲んで一息入れた叔父さんは目を光らせて十和子を見た。

 

「十和子ちゃん。うちのあさひとは仲良くしてくれているの?」

「いや、その……」

「この子可愛いでしょ? もしかしたらあさひの事好きなのかなーって」

「な!?」

 

 叔父さんの言葉で十和子が物凄くあたふたし始めた。

 いや、その反応をするとバレるというか、答えを言っているというか……。

 隣に居るからか、それとも感情が爆発しているからか、自然と彼女の心の声が聞こえてきた。

 

(げ、原作で知っていたけど順平さんグイグイ来るなぁ……)

 

 ふむふむ。どうやら原作とやらに叔父さんも出演しているらしい。

 まぁ、叔父さんキャラ立っているしね……。

 

(しかし、不味い。このままだとあさひに変に思われ……)

 

 あ、目が合った。

 とりあえず微笑んでみる。するとバッと視線を反対方向に向けた。

 今の反応可愛いな。

 

(……まぁ、あのあさひだし気付かないか)

 

 ごめんなさい、バッチリ気付いているというか、知っているというか。

 てか、おれへのその評価はどういう意味なの??? ちょっとその辺詳しく聞きたいんじゃが。じゃが! 

 

「ふむふむ。あさひはどう思っているの十和子ちゃんの事」

「え?」

 

 叔父さんの矛先が何故かおれの方へと向いた。

 突然のその言葉に少しびっくりした。チラリと十和子もこちらを見ており、どうやら気になっている様子。

 ん〜……なんて答えたら良いんだろう。

 刹那といつも喧嘩していて苦手……って素直に言ったら叔父さんを心配させそうだし、それに刹那や十和子の知る月ノ本あさひがそう答えそうには無い気がする。

 えっと、今までの彼女達の心の声を聞いた情報から考えるに……。

 

「友達だよ?」

「あー、なるほどね……ごめんね十和子ちゃん。頑張ってね?」

「は、ははは……はぁ」

 

 やれやれと少し呆れた様子を見せる叔父さんに、苦笑いする十和子。

 くっ、こいつら……。

 選んだ選択肢とはいえ、その反応は流石にイラッとくる。しかし我慢しなくてはならない……。

 落ち着く為にグイッと水を飲んでいると、ふと隣から心の声が聞こえた。

 

(それにしても順平さんってやっぱり──)

 

 あれかな。原作キャラにあった感想とかその辺かな? 

 ネット小説だと、実際に見ると〜みたいな感じで文量を誤魔化……描写する事があるんだよな。

 それと同じだろうか。

 

(ち○こ大きそうだなぁ)

 

 ──何言ってんのこの娘!? 

 

「ゲホ! ゲホ!?」

「大丈夫あさひ?」

「……?」

 

 

 思わず咽せてしまい、叔父さんに心配される。十和子も不思議そうにこっちを見るが……原因はお前だよ! 

 何でもない、と言って何とか誤魔化すが、正直それどころじゃない。

 この子さっきなんて言った? ち○こ? ちん○って言ったよね!? 

 

(順平さんは作中屈指の巨○キャラ……元々の18禁ゲームのヒロインだっただけに、アニメでも割と色気のあるキャラとして描かれていたけど──実物見て分かる。この人のは、デカい!)

 

 勘弁してくんねーかな。

 多分これは、あれだろうな。おれの世界における巨乳キャラが、こっちの貞操観念逆転した世界では○根キャラが同様の位置に居るって訳か。ふざけんな。てか、ズボンの上から見て分かる訳ないだろう。そのアニメ勃○でもしたんか? 

 おれ嫌なんだけど叔父さんが○起しているのを不特定多数に見られているって事実を知るの。

 新たに判明した真実に辟易としていると、さらに耳を疑う情報が追加された。

 

(血縁だからか、成長したあさひも大きかったなぁ……)

 

 ──おれも将来ち○こ晒すんかい!? 

 まだ全貌も掴めていない原作だが、正直今からでも原作崩壊させてやりたい。

 

「お待たせしましたー。こちらシュークリームです」

 

 暗黒面に堕ちかけていると、十和子の姉がシュークリームを持ってきてくれた。

 おかげで十和子のモザイク処理してやりたい心の声が止まり、おれの視線も目の前の甘いお菓子に釘付けとなる。

 

「まぁ、詳しい話は後にして食べようか」

「いただきます」

「……いただきます」

 

 半ばヤケになりながら口に運んだシュークリームは──姿を消していた。

 あれ? いつの間に。

 もう一つ口に入れてしっかりと味わうと──おれは新たな世界を垣間見た。

 う、美味い……! 噂以上に美味しくてほっぺたが溢れ落ちそうだ……! 

 

(……ふふふ)

 

 そんな時、ふとまた隣から心の声が聞こえた。

 

(やっぱりシュークリームを食べている時のあさひは──可愛いな)

 

 思わず視線をそちらに向けると、そこにはとても微笑ましい物を、息子を見る母の様な優しい目でこちらを見る十和子の顔があった。

 ……むっつりスケベだけど、本当に月ノ本あさひの事が好きなんだな。

 その辺は刹那と似ていて、だからこそ聞かずにはいられなかった。

 

「ねぇ、十和子ちゃん。刹那ちゃんと仲良くは――」

「無理」

「そ、そう……なんだ」

 

 彼女の即答に思わず押し黙った。

 しかし、この質問は失敗だったかもしれない。いや、十和子が刹那を思い出して空気が悪くなったとかじゃなくて、隣の叔父さんが物凄く面白そうな顔をしているから……。

 

「え? 何? もしかしてあさひモテモテ? この子だけじゃなくて別の子にも好かれているの?」

「いや、違、そういう訳じゃ……」

 

 ある意味あっているけど、こいつらが好きなのはおれじゃなくて月ノ本あさひというキャラだからなぁ。

 叔父さんが目を輝かせてこちらに迫ってくるなか、やはり十和子はこちらをチラチラ見ていた。

 

(デカ○ンも良いけど、ショタ○ンも良いな……)

 

 こいつ、ホンマ……。

 心を読んだ結果、彼女の視線がおれの股間に向いているのがよく分かった。

 ……そういえば、刹那もおれの体をねっとり見てたなぁ。当然チ○コも。

 これは、おれの世界で言うと女性の胸をチラチラ見ている男性って事なんだろうか。

 

「……えっち」

「――っ!?」

「? どうしたの十和子ちゃん?」

「い、いえ……」

 

 ボソッと呟いた言葉が聞こえたのか、十和子がギョッとしてこちらを見て叔父さんが不思議そうにしている。

 その視線に気付いた彼女は誤魔化すが、おれの方をさっきよりもチラチラと見ていた。

 おれはそれに気づかないフリをしてシュークリームを頬張る。

 この世界の女性は全員こうなのだろうか。

 辟易としながらシュークリームを味わう今のおれは、性的に見られて困る女性そのもので、その事自体がさらにテンションを下げた。

 

 その後、十和子は叔父さんに根掘り葉掘り聞かれて困り果て、お土産を買って帰る頃にはへとへとになっていた。しかし何故か可哀想だとは思わなかった。何でだろうなー。

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