「さて皆よ、よく集まってくれた。さっそくじゃが、京一。この島に来て何か変わったことはなかったかの」
大広間につき、俺たちはそれぞれ案内された席に座って少し待つと、婆ちゃんがゆったりと現れ、上座に座る。からの、第一声がそれだった。
「変 わ っっっ た こ と しかな゛い゛よ゛」
なんかムカついたので、少し強調しすぎなくらいの声をあげてしまった。俺、この島についてからわけわからんしか言っていないような気がするし。
「まあそうじゃろうな。もう薄々感じているだろうが、この島に足を踏み入れた瞬間から、お前さん以外は全員性別が逆転するようになっておる」
「マジでどうしてナンデ!?」
「それは知らん。だから実はわしも婆ちゃんではなく爺ちゃんだったことがあった」
「やめてくんない!??!?! すでにわけわかんないのにわけわからんの追加しないでくんない!?!!!?」
「東家の男はな、たまにこの島の影響を受けないものが生まれるんじゃ。そいつの種は優秀とされている。京一、お前さんは生まれながらにして優位者の力があるのじゃ。いわゆるチートというやつじゃな。それを残す必要があるので、お前さんを種馬にするつもりで島に呼び戻した」
「孫に種馬とか言うな!! なんだこの島!! 倫理観!! 人権!! あ゛ー!!」
婆ちゃん? 爺ちゃん??? はある意味わかりやすく現状を説明してくれたが、意味がわからんのはわからんままだった。どこからツッコめばいいのかわからない。
「とにかくじゃ。しばらくこの島に留まり、そこのご友人らといい感じになれ。島の者とでも構わん。まあこの島のおなごは全員元男じゃが。あ、さすがに京都には手を出すでないぞ」
「当たり前だよ!! 実の弟……妹!? は無理だわ!! っていうか元男の友人とも嫌だわ!!」
「こんなにカワイイ妹の何が不満だってのさ!! アタシの魅力にクラっとさせちゃうぞ!!」
「うっさいバーカ!!」
「うるさいのう。どちらにせよこの島を出られるのは一ヶ月後じゃ。定期便は月一でしか来ん」
「そんな島あるかァ!!!! あるの?」
「あ〜、すみませ〜んイッチ先輩。とりあえずよくわからんのですけど、オレたちってもともと男だったんすか? 全然実感わかないっすね」
「そうですね……私も元から女だという認識でいますが。何かのドッキリなのでしょうか?」
「俺は男でも女でもどちらでも構わない。今のところ特に不便があるようにも思わないしな」
「ボクもどっちでもいいかな……それよりお腹空いちゃった」
元男連中が混乱しているようだ。いや混乱はしていないのか? どうやら島の謎パワーで元々男だったという認識がすり替えられているらしい。混乱しているのは俺だけなの、なんだかすごく納得がいかない。
俺がワナワナとわけわからんなにかと戦っていると、周りは皆、いつの間にか用意されていた食事に手を付け始めたようだった。
鯛の煮付け……鯛の煮付け!? ひとり一匹!? と、カニ鍋!? ひとりひと鍋!? どんな食事だよ!!
脳内でツッコミを入れながらも、食べてみたらまあ当たり前にちゃんと美味しいので、なんだかそれにもイラッとした。
一通り食事が終わった頃、婆ちゃんがまた喋りはじめた。
「この一ヶ月、お前さんたちには仲を深めてもらうが、子作りは都合上やってはならぬので、それは後々結婚してからにするように。ちなみにこの島の法では重婚オッケーじゃ」
「しねーよバーカ!!!!!!!」