セブルスに成り代わって平穏に生きてみる   作:dahlia_y2001

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セブルスに成り代わって平穏に生きてみる4-4

 

 

 

セブルスに成り代わって平穏に生きてみる4-4

 

 

 

ホグワーツでクリスマスダンスパーティーが開催されるため、外部の人間が通常よりホグワーツに入りやすくなっている。妻レギュラスも吾輩のパートナーとして正式にホグワーツ城へ招待した。実は早めに城へ招いたのはレギュラスに頼みたいことがあるからだ。

吾輩がホグワーツの自室にレギュラスを招くと、レギュラスは興味深げに吾輩の自室を見回した。

 

「別に面白くもなんともないと思うがね」

「あら、興味深くはありますよ、セブ」

 

楽し気にレギュラスは返した。小さい頃から知っているレギュラスは美少女から掛け値なしの美女へとたおやかに麗しく成長している。絶世の美女で性格も良く、心根が優しいとか、レギュラスと結婚出来ただけで吾輩は人生の勝ち組である。しかも、この結婚が政略結婚とは。世間様の政略結婚に喧嘩を売っているのかもしえれない。だから、吾輩がホグワーツ教授になって以降の厄介ごとの連続は人生の幸不幸は差引ゼロという真理に従っているのだろう。

 

「さて、レギュ。実は頼みたいことがある」

「ダンスパーティーのパートナーの件ではないのですよね?」

「パートナーの件は当然お願いするとして、別件だ。レギュはクラウチ・ジュニアと同学年で同寮で親しかったよな?」

「ええ、それなりには」

 

レギュラスは少し警戒しつつ答えた。学校時代とはいえ、夫に異性と親しかったと確認される意図に困惑しているのかもしれない。

 

「・・・・・・マッドアイはクラウチ・ジュニアの可能性がある。吾輩では確信が持てないし、クラウチ・ジュニアを説得することも出来ぬ。だが、レギュならばこれ以上、クラウチ・ジュニアに犯罪を侵させないことも可能ではないだろうか?」

「マッドアイがバーティですって?どうして、そんな・・・・・・」

 

レギュラスは絶句したが、すぐにクラウチ・ジュニアがマッドアイであることを前提に考え込んだようだ。しかし、よく吾輩の言うことを信じてくれるものだ。教授職を受ける際に、今後ホグワーツでトラブルが続くという予言が正しかったからだろうか。

 

「なぜ、バーティがマッドアイに変装した、というよりホグワーツに潜入したのかしら?」

「理由は分からんが、あまり良い目的ではなかろうな」

 

この辺り、原作狂いまくっているのでクラウチ・ジュニアの目的はさっぱり分からない。もっとも、トムに確認済みなのであの人暗躍でないことは確かだ。

 

「吾輩としてはクラウチ・ジュニアにはアメリカに逃亡してもらい、ホグワーツから大人しく消えて欲しいのだ。そのための尽力は惜しまぬつもりである」

「尽力って、アメリカに逃がすことかしら?」

「元クラウチ氏のハウスエルフのウィンキーをお供につける。ところでクラウチ・ジュニアとウィンキーは仲良いのか?」

「さあ?」

 

レギュラスとクリーチャーの関係が珍しいのか。でも、アメリカ逃亡にはハウスエルフの力が必要なのだよな。これはウィンキーの方を説得した方が早いか。というか、この前はクラウチ・ジュニアとの方が、とか言っていたので、卵が先か鶏が先かみたいになってきた。

 

「ともかく、レギュにはマッドアイがクラウチ・ジュニアか、否かを見極めてもらう。そして、彼を説得して欲しい」

「どうやってですか?」

「どうにかこうにか?正体さえはっきりすれば、後は吾輩が物理で解決しよう」

 

結局、最後は物理で解決だ。原作セブルスに比較して常に力押しばかりしている気がしないでもない。原作セブルスが優秀過ぎるのだ。そして吾輩はそんなに優秀じゃない。

 

「というか、今更ですけれど、バーティはアズカバンで獄死していませんでした?」

「動物もどきだとアズカバン脱獄可能らしいし、何気にザル管理じゃないのか、アズカバン」

 

シリウス脱獄前までは、アズカバン脱獄は絶対不可能と魔法省は言い切っていたのだけれど、今となっては・・・・・・である。

 

 

 

 

今日はホグワーツのクリスマスダンスパーティーの夜。三大魔法学校対抗試合中であり、他2校への見栄からか常より気合が入っているらしい。吾輩は毎年、クリスマス休暇は帰省するので(寮監じゃないし)ホグワーツのクリスマスは初めてだ。その為、比較のしようがないが、ホグワーツのプライドから常より飾りつけは上だろう。そして、生徒たちの恋のさや当ても子供らしく可愛げがあって、によによしてしまう。貴族間のギスギス・ドロドロと比較すればスカッと爽やかな感じである。ともかく、ホグワーツ城はいつになく華やかで賑々しく、陰で何かをやるには適当な時である。

 

 

 

目の前には簀巻きにして転がされた男が一人。ここは防衛術教授室である。男は憎々し気に吾輩を見上げている。

 

「プリンス、貴様!!とうとう俺に手をかける気か!?」

「とうとうって何ですか、セブ?」とレギュラス。

「とうとうって何だ、マッドアイ偽」

 

吾輩の呼びかけにピクリとマッドアイ偽は身体を震わせた。マッドアイ偽呼びに反応したのだろう。

部屋には吾輩とレギュラス、そして部屋の住人(簀巻き状態)の三人だ。吾輩とレギュラスはダンスパーティーから直行、ドレスアップしているので何とも変な感じである。皆々、パーティーに気を取られているので、マッドアイ偽を拘束しても誰も気付くまい。また、吾輩とレギュラスが会場にいないことについては、誰も気にしまい。パートナーと共に会場から消えたとしても、ツッコミを入れるような空気読めない者はそうそういないだろう。

 

「さて、時間が惜しいのでさくさく話し合いを始めよう」

「話し合いだと、この暴力教師が!!拷問始める気だろうが!!」

「誰が暴力教師だ、失敬な!!吾輩、生徒に手を上げたことはない!!と思う、多分」

「何でそう自信なさげなの、セブ?」

 

困った風にレギュラスが小首を傾げる。絶対と言い切れる程、吾輩は傲慢ではない。

 

「生徒限定かよ!?」

「教師ならば生徒限定でもんだいあるまい」

「問題しかねーよ!!」

「まあまあ、えっと、バーティ?落ち着いて」

 

ぎろりとマッドアイ偽がレギュラスを睨みつけた。

 

「やっぱり、これはクラウチ・ジュニアなのか?判断ついたのかね?」

「いえ、正直、分からないのですが。バーティがポリジュースで変身しているならば一時間で効果は切れます。ただ、さっきのやり取りはバーティらしいのですよね」

 

会話のテンポがレギュラスの知っているクラウチ・ジュニアらしいそうだ。つまり、ツッコミ側の人間だったか。しかし、ただただポリジュースの効果が切れるのを待つのも暇だ。

 

「メリーアン」

 

バチン

姿くらましと共に現れる吾輩専属ハウスエルフのメリーアン。

 

「セブルス様。メリーアンただいま、参りました。何なりとご用命を」

「元クラウチ氏のハウスエルフを連れてきたまえ」

 

一瞬、凄く嫌そうな表情を浮かべ―――直ぐに真顔に戻ると「ただちに、セブルス様」とかき消えた。

 

メリーアンが素直過ぎる。そして、即、ウィンキーを連れてメリーアンは戻った。酒のコップ片手のウィンキーがぐずぐず泣きつつ呑んでいる。

泣き上戸か、一番厄介な酔い方していないか、こいつは。

ウィンキーは簀巻き男に気付いて、酒の入ったコップを放り投げ(嫌々、メリーアンが素早くキャッチした。酒も零さなかった。流石だ)簀巻き男に縋りついた。縋りついて「坊ちゃん、坊ちゃん」とワンワン泣き始める。

 

「もう、クラウチ・ジュニア確定で良くないか?」

「状況的に間違いなさそうですよね」

 

吾輩の問いにレギュラスが頷いたのだった。

 

 

 

 

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