セブルスに成り代わって平穏に生きてみる   作:dahlia_y2001

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セブルスに成り代わって平穏に生きてみる7-3

 

 

 

セブルスに成り代わって平穏に生きてみる7-3

 

 

 

月日が流れるのは早いものだな、なんて話を闇祓いのフランク・ロングボトムとしている。フランクがホグワーツに遊びに来たので吾輩は自室へ招いてお茶をご馳走しつつ語り合っている。遊びに来たとは言ったが、フランク・ロングボトムは多忙を極める闇祓いの上にロングボトム家当主なので、本当に遊びに来たわけではない。今回は、闇祓いとして卒業予定の生徒をスカウトに来たのだ。優秀な人材は常に取り合いで、特に闇祓いは戦闘センスを問われえるのでスカウトにも力が入るというものだ。もっとも、闇祓いは人気職業のひとつなので、優秀な生徒を選ぶ側ではあるが。

 

「セブルスから見て、闇祓いに向いている生徒は?」

「実技担当のニンファドーラに聞いてくれ」

 

精霊使いの吾輩に聞かれても、正直、分からない。それでも、優秀な生徒といえば。

 

「ミス・グレンジャーは優秀な生徒だが、逆に闇祓いにはもったいない。但し、視野が狭く思い込みが激しそうだから、上司が上手く指導してやらないと」

「エリート候補として育成しろと?」

「そこまでは言わんが、上司には気を遣ってくれ。ドラコはミス・グレンジャーとは別ベクトルの優秀さだ。秀才タイプだが薬学も得手で研究者向き。ドラコの場合、マルフォイ家を継ぐだろうが、独自で研究とかやりそうだ」

 

ルシウスは政治家寄りで魔法省の役職持ちかつホグワーツの理事でもあったが、ドラコは研究家寄りだから、そちら方面には手を出さない気がするのだよな。

 

「ハリー・ポッターはポッター家を継ぐのだよな」

 

フランク・ロングボトムが確定のように言うので吾輩は頷いた。そして、ロングボトム家当主、有力名門当主がそう思っていること―――つまり、ポッター家がハリーの将来について周知の事実として広めているということだ。ハリーがポッター家を継ぐことをドラコがマルフォイ家を継ぐのと同じように既定路線である、と。

 

つい先日、ポッター家の方々、顧問弁護士ブラウン氏がハリーの面談の為にわざわざホグワーツへ訪ねてきた。ハリーが最終学年で将来や就職について考える時期なので今までの沈黙をポッター分家の方々は破った訳だ。吾輩はポッター家の意向は察していたので(大概の名門は予想していたと思う)遅かれ早かれ―――遅かったくらいと思った。

 

 

彼らの面談に付き添うべきはグリフィンドール寮監マクゴナガル教授だと吾輩は考えたのだが、なぜか吾輩が立ち会う羽目に陥った。部外者なので遠慮しようとしたのだ。ところが、ハリーが吾輩のローブを掴んで離さない。仮にハリーが言い募って吾輩に同席を願ったとしても、理路整然と論破することができただろう。だが、ハリーはそんな説得などしなかった。ハリーはただ黙って吾輩のローブを掴んだままで、致し方なくこっちが根負けしてしまったのだ。とはいえ、吾輩は部外者。口を出す権利も義務もないので、ただただ立ち会っただけである。

ポッター家の方々と顧問弁護士ブラウン氏は吾輩のことをよく知っているので碌に説明もなく吾輩が同席しても気にしないようだ。逆にハリーが吾輩のローブをしっかと握っているのを見て(面談中も人のローブを掴んで離さないのだ。別に逃げないのに)微笑まし気にしているのは、正直、イラっとした。結局、面談中は吾輩やることないので、ひたすら隣でお茶を飲んでいた。お茶でお腹いっぱいになるかと思った。

 

ふと、フランク・ロングボトムと話している最中にハリーの面談をまざまざと思い出してしまった。印象深かったのだと思う。名門子息子女でもホグワーツでわざわざ面談をする人はいない。ハリーの場合はやはり特殊事例なのだろう。

 

「ハリーに対してはポッター家分家の方々がサポートに入るので心配無用だろう」

 

面談中、吾輩は口を出しはしなかったが話はきちんと聞いていたのだ。

うんうん、とフランクは頷いた。

 

 

次にネビルの話。ネビルは卒業後、吾輩と入れ違いで精霊使いの教授になる。なぜなら、吾輩の子供(兄と弟)が来年、ホグワーツに入学するのだ。実父と子供でホグワーツ教授と生徒というのは拙いので、どうしたって誰か精霊使いの教授を新規採用せねばならない。しかも、吾輩の子の兄の方が精霊使い、実力ある教授は必須だ。

この件は、幼い頃から吾輩直々に仕込んだネビルに、と前々から打診していたし、ネビルはもちろんフランクにも話を通している。

 

「ネビルは穏やかで根気強い。精霊の力も強く制御も得手だ。教師としての資質も高い」

「高評価だな」

「気が長い性質だから生徒の教育に向いている」

「セブルスは沸点低いから」

 

吾輩、そんなに短気か?気が長い方ではないだろうけれど。フランク・ロングボトムに直接聞くのは止めておく。肯定されそうだし、それで腹が立ったら短気なのを認めることになる。

 

「ただ一つ、問題がある」

「問題?」とフランク・ロングボトム。

「スプラウト教授がネビルを薬草学教授にしたいとか言い出した。吾輩が先に目を付けていたのにずるくないか?」

「うちの子、そんなに教師向きなのか。驚きだ」

 

ホグワーツ教授はエリート中のエリートだから、二人の教授から後任にと願われることなど確かに珍しいことだろう。しかし、薬草学は知らんが精霊学を教えられる人間は希少なのだ。ここは、こちらに譲ってもらわねばと吾輩は思っている。

 

「そういえば、もう一人精霊使いの子がいただろう?」

「風の精霊使いルーナ・ラブグッドのことか?ルーナは精霊使いになって2年から3年。力自体は強いが制御が甘い。もっとも、この短期間での成長具合は著しいものがある」

「性格は?教師としての才能は?」

 

吾輩は考えを巡らす。今までルーナを教師として考えたことはなかった。

それは、ルーナが精霊使いになってあまりにも期間が短かったからだ。吾輩は軽く目を閉じる。

 

「周囲に流されず、自分の価値観に従う性質だ。理論を無視するわけではないが、感覚を重視する―――言いたいことが伝わっているか?」

 

吾輩はフランクを見やった。

フランク・ロングボトムが黙って促す。

 

「成績は良い。そうだな、頭が良いと言うべきか。レイブンクロー生だが、がり勉タイプではない。物事の本質を掴むのが得意。とはいえ、天才、秀才、優等生というカテゴリーには入れ辛い。難しいな」

「就職相談は?」とフランク・ロングボトム。

「魔法省勤務、どこかの店で勤めている姿を想像できない。事務職は向いていない―――能力的不可なのではなく、吾輩がイメージ出来ないだけだ。うーん、父親の後を継ぐ姿もピンと来ない。ホグワーツ卒業したら修行の旅に出そうな感じ?」

「今時珍しく古風なタイプの魔女みたいだな。精霊の制御が甘いならば精霊学教授見習いとしてホグワーツに残したらどうだ?」

「そう・・・だな。ネビルもいるし。同じ風精霊のフィルチもいる。良い考えだ、フランク。ミス・ラブグッドにはそのように話してみよう。最悪、ネビルをスプラウト教授にとられても、ミス・ラブグッドが精霊学教授になってくれる」

「ネビルをスプラウト教授に取られそうなのか・・・」

 

呆れたようにフランクが呟く。ネビルが優秀過ぎるのが悪いのだ。仕方ないだろうが。それに来年入学予定の精霊使いは一人だけなので余計に。

 

「来年だが、トム・レストレンジの進路はやはりレストレンジ家を継ぐのか?」

「ホグワーツを卒業したらマグルの大学に進学予定だ。本人の希望でな。オックスフォードならば吾輩の母校でもあるしアドバイスも出来る」

 

今のトムが教師希望かどうか。どちらにせよマグルの大学を卒業してからだろう。

 

 

 

 

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