それは突然現れた。
もしかしたら、現れたように感じただけでずっと居たのかもしれない。
それはこちらずっと見ていた。
正直怖くて少しチビった。だが、直感というか何というか、本能的な部分でそれが俺の個性なのだと理解出来た。
それは喋った。
確かに個性の中には自我を持つものもある、と聞いたことがあった。
しかし、まさか自身の個性が喋べるとは思わず、またチビった。
『ヨウヤクカ』
それが最初に喋った言葉がこれだった。
だから、現れたのではなく居たのかもと思ったのだ。
『私ノ名ハ、ホワイトスネイク』
それは名前があった。
てっきり俺が名付けるものだと考えていたのに、まさか、名前を持っているなんて思っていなかった。
『驚イテイルヨウダナ、名前ヲ持ッテイルコトニ』
それは、いや…ホワイトスネイクは俺の考えていることがわかるようだった。
まぁ、わかると言うより表情に出ていたから、と言う方が正確だろう。
『名前ヲ教エテクレナイカ』
ホワイトスネイクの最初の質問はそれだった。
なんと今俺がホワイトスネイクを視認するまで一切の音が聞き取れなかったらしいのだ。
フフフ、ならば教えて上げようではないか。
「俺の名前はプッチ、エンリコ・プッチだ」
ホワイトスネイクは目を見開いていたあと、少し微笑んだ。
ウンウン、余程俺の名前を聞けたのが嬉しかったのだろう。
他にも聞きたいことがあれば教えて上げようと言えば、新聞や両親のパソコンを使って調べているから問題ない、と言われた……少し悲しい…
自身の新たな主人はまだほんの小さな子供だった。しかも自身に気付いてすらいない。
だが、少年の家にあったカレンダーを確認して丁度1年がたった頃、そう少年の5歳の誕生日。
少年がこちらを視認した。その瞬間今まで聞き取れなかった音が聞き取れるようになった。
そして、会話が出来るようになった一番に聞こうと考えていた質問をした。
『名前ヲ教エテクレナイカ』
「俺の名前はプッチ、エンリコ・プッチだ」
名前を聞いた瞬間、驚きのあまり目を見開いた。まさかもう一度この名前を聞くことになるとは……。
『フフフ、コレモ運命カ』
★★★
ホワイトスネイクの邂逅から早くも1ヶ月がたった。
この間でたくさんの事がわかった。
1つ、基本的に俺にしか見えないということ。これはホワイトスネイクの能力というより特性みたいなものらしい。でも俺以外の人にも見せようと思えば出来るらしい。実際、個性が発現したと報告する時に両親に姿を現して貰った。
最初は驚いていたが、今ではすっかり馴染んでいる。
2つ、ホワイトスネイクはかなり闘いに向いた個性だった、ということ。
これも実際に、見せて貰った。
射程は約20メートルで、距離が俺から遠いほどパワーとスピードが落ちる。それでも岩を砕いていた。
逆に近くにいるとパワーもスピードも強くなり、車くらいなら簡単に殴り飛ばせる。これは廃車で試した。…バレてないよね?
3つ、ホワイトスネイクの能力についてだ。
これに関してはとても驚いた。その能力とは記憶と個性をDISCにして奪いとる、だ。
聞いたこともない能力でとても興奮した。でも流石にこれは試してない。
DISCは人間からしか取れないため『マダ、ダメダ』と言われた。
大まかに言えばこの3つのことがわかったのだが、正直ホワイトスネイクを使えばオールマイトを超えるのも簡単に出来ると思うし、ヴィランとして思うがままに生きることも出来ると思う。
2度目の人生、折角ホワイトスネイクという力を手に入れたのだ好きに生きるのもいいかもしれない。
──なぁホワイトスネイクはどう思う?
ホワイトスネイクにも意見を聞いてみることにした。結局はこいつがいないと何も出来ないのだから一緒に考えてみよう。
『好キニスルトイイ、私ハ所詮オマエノ個性ダ。
ヒーロー、トイウ者ニナリタイノナラ全力デ手伝オウ。ヴィラン、ニナリタイノナラ、ソレモ全力デ手伝オウ』
好きにすればいい……か……よし!考えるのを止めよう。考えてみればまだ俺は5歳。将来何になるか考えるのはまだ早いのではないか。
そうだ、まだ早い!よし10歳になったらまた考えるとしよう。──それでいいだろ?ホワイトスネイク。
『プッチガソウシタイナラソウスレバイイ』
ホワイトスネイクもこう言ってることだし大丈夫だろ。
急報、何か家に来たんだが
どっちがいいですか?
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ヒーロー
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ヴィラン