『Rぐれい』と申します。この作品は、私が何も考えず、気まぐれのノリと勢いだけで作りました。大昔に存在したカオス物書きの忘れ形見です。
主はたまに精神崩壊します。
学生ゆえ、不定期ですがそれでも宜しければお楽しみください。
「ここ……か……」
メールに添付されていた地図と現在の位置情報を照らし合わせ、呟く。そこは、大豪邸という程でもないが、アパートやマンションとも言い難い大きな家だった。こじんまりとしているがしっかりもした作りの門には、オシャレな筆記体で「order」と書かれている。
震える手で恐る恐る玄関に備え付けられたインターホンを押すと、
「いまいきまーす!」
と元気そうな女性の声が聞こえ、1分もしない間に勢いよく玄関が開いた。
「はーい!!見た感じ、宅配便の人には見えないから……あっ!今日来るって言ってた入居者くん??」
見るからに柔和なエプロン姿の女性は、俺を見てそう言った。
「はい!今日からお世話になります!『
コミュニケーションの始まりは第一印象からとはよく言う。俺は、自分に出来る限りの笑顔と溌剌とした声で答えた。
「入って入ってー!」
出迎えてくれた女性に誘導され、リビングであろう広い部屋に通される。
「お、新入りクン??いらっしゃい!!」
綺麗な黒髪を後頭部でまとめた、いかにもな美人のお姉さんがリビングにあるソファからこちらを見る。
「あ、えっと、『新井 拓』です!よ、よろしくお願いします!」
あ、やらかしたわ。あちゃー…いやね、仕方ないよね。だってお姉さん美人だもん。そりゃ、俺みたいな陰キャにはきちぃわ
「おぉ、いい感じに緊張してるねー。大丈夫だよ、それに…」
お姉さんが隣に目をやるとそこには………よく見た顔が居た。
『幸殿、この服はいかがでしょう?次のデートはその……双子コーデを…』
幸というのは恐らくお姉さんのことだろう。そんな、お姉さんにデートや双子コーデと言った異次元の要求をしているのは、かの有名な源義経、その幼少期の姿である『牛若丸』だった。
「んー?あっ、いいねー!牛若がしたいなら双子コーデしよっか」
『えぇ!この牛若丸、幸殿の為ならどのような服でも着こなしてみせましょう!!』
「えー、何着ても可愛いんだから今更じゃない?」
『ッ……///』
可愛い。ごめん、死ぬかと思った。なんやあれ、百合か?こんなん話しかけたら殺されるぞ俺。
「もー、幸ちゃん!牛若ちゃん!イチャイチャしてないで自己紹介して?」
女性が困ったように言うと、ごめんごめんと言いながらお姉さんと牛若丸は立ち上がってこちらに来た。そして
「さて、ごめんねー。私は『
と、幸さんが牛若丸にアイコンタクトする
『よろしくお願いいたします!幸殿のサーヴァント、ライダー 牛若丸 です!貴方の入居を心より歓迎します!』
おぉ、すげぇ。本物だわ。
「本物……?コスプレ…?」
「アハハッ!面白い反応するね!本物だよ、本物のサーヴァント。ここに来たってことは君もマスターでしょう?」
思わず口から漏れだした言葉に幸さんが笑う。
「えっと、そu…「お!!新入りさん!!??」………」
俺の発言に思いっきり被せられた。声の方を向くと、リビングから続くキッチンの奥のドアから、男性が向かってきた
「あ、はい。新しく来ましt…「知ってる知ってる!新井クンやろ??」………」
また遮られた…というか知ってるんだ。
「今日から来る子の話は予定表に書き込まれとったし。ボクは
「あ、よろしくおn…『マスター!リビングにはいる時は消毒と何度も言ってるでしょう!!』……」
もしかして、俺に発言権無い…?
縁李さんが入ってきたドアから、また知っている女性が消毒液のボトルを携え入ってきた。
「ごめんってー。ついさっきやったやん?手の皮向けてまうてー」
『いけません!新居者の方にもし、伝染病を媒介してしまったらどうするのです!?』
そう言って、女性は慣れた手つきで俺の手にも消毒液を噴射する。
「はいはい……な、手の甲もこう、ゴシゴシしてな…」
一通り入念に手を磨いた縁李さんは、またこちらを見て
「まぁ、見たらわかるやろうけど、ボクのサーヴァント、ナイチンゲールや。よろしくしたってな」
『ご紹介に預かりました通り、サーヴァント バーサーカー ナイチンゲール です。以後、お見知り置きを。』
「あ、よ、よろしくお願いします…」
親の顔より見た医療ヤクザだった。
「とりあえず、今家にいて紹介できるのはこの4人くらいかなぁ、肇久さん配信してるし、シグルドとブリュンヒルデさんはお買い物だし、れんくんと巴ちゃんも配信中かな…まぁ、他の人はあとからかな」
エプロンの女性が喋り始める。なんか、聞き覚えある名前が何人かいたぞ?
「じゃあ、最後に私かな?私は、『
えへへと笑う女性。榛名さんは、そのまま、キッチンに向かい慣れた手つきでお茶を用意し始める
「みんなの分もついでに入れちゃうね?何がいい?」
そういうと、みなが口々に紅茶や珈琲、ジュース等を答える
「あ、私も手伝うよ!拓くんは何がいい?」
俺が紅茶と言うと、OKと笑顔で答え、幸さんがソファから立ち上がりキッチンへ向かう。
「あ、せや。そろそろ拓くんのサーヴァントも見せてよ」
縁李さんに言われ、
「クレーン、霊体化解除していいよ」
俺がそういうと、
『は、はひぃ…』
綺麗な朱色の髪をした高身長の美人が床に倒れていた。
「だ、大丈夫かッ!?」
縁李さんは俺のサーヴァント、ミスクレーンに駆け寄る。
『は、はひぃ…大丈夫です……まさか、 あの牛若丸ちゃんが百合ップルしてるとは……私が英霊でなければ四肢が弾け飛ぶところでございました…』
口元を伝う涎を拭い、息を切らしながらミスクレーンは答える。
「は、はぁ……まぁなんともないんやったらそれでええんやけど…」
「ほんっっっとすみません……こいつ、ご存知の通り極度のドルオタなんですよ…」
そう、俺のサーヴァントであるミスクレーンは鶴の恩返しで有名な鶴女の君であり、優秀な服飾士でありそして……重度のドルオタなのだ。
「そういえばそうやったね。まぁ、よろしくな、クレーンさん」
『は、はい。よろしくお願いします』
「えぇ、何ー?私と牛若のイチャイチャ見てそんなになったの?かーわいー」
『幸殿!もっと私を褒めてください…!』
『ハグゥッ!!??』
クレーンが吹き飛んだ…いやー、見事だな。
「えっと……騒がしいのも居ますが…改めてよろしくお願いします」
俺の言葉に、みんなが「もちろん!こちらこそ」と笑顔で答えてくれた。新たな生活が始まる。