よう実×リコリス・リコイル   作:名無しの冒険者

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前へ進む時

〜たきなside〜

 

 「ここだと思ったっ。リコリスはみんな好きだもんね〜ここ。」

 

 後ろから千束さんが声を掛けてくる。どれだけお人好しなのだろうか。

 

 「この寮で暮らすことはDAに拾われた私たち皆んなの憧れ。この制服に袖を通した時も…。」

 「嬉しかった、よね。」

 

 意外だ。この人は奇想天外、いつも元気。あのお店でも楽しそうに過ごしている。DAの本部にいないのにそんな風に思うんだ。

 

 「ふふっ。そんな意外そうな顔しないで。私だってそうだよ。」

 「なら千束さんにも分かるでしょう。ここが目標だった…!」

 

 一呼吸を置いて私は真剣に耳を傾けてくれる千束さんに言葉を続けた。

 

 「それを私は奪われた…っ!どうしてこんな…。」

 「たきなを必要としている人は街には沢山いるよ。ここじゃなくたって…。」

 

 ここじゃなくたって(・・・・・・・・・)?その慰めの言葉は私には棘にしか聞こえなかった。だからか私の感情が爆発してしまった。

 

 「貴女はDAに必要とされているからいいですよね!?私には…私の居場所は、もうここにはない…。」

 

 ある程度言葉を吐き出したところで落ち着きを取り戻してきた。慰めようとしてくれた千束さんには悪いことをしてしまった。

 

 「…ごめんなさい。」

 「たきな…。」

 

 あんなに嫉妬の感情をぶつけても尚心配の表情をしながら声を掛けてくれる千束さんにはごめんなさいで一杯だ。

 

 「わかってます。全て自分のせい。」

 「あの時たきなは仲間を救いたかった。それは命令じゃない。自分で決めたこと、でしょ?それが一番大事なんだよ。これは翔師匠の受け売りなんだけどね?」

 

 命令じゃなくて自分が決めたこと…。それが一番大事…か。

 

 「それに…たきなの処遇はそれとは関係ないよ。」

 

 どう言うことなんだろうか。処遇は命令違反をした事とは関係ない…?なら何故…。

 千束さんは一呼吸を置いて私に話しかけてきた。

 

 「あの日、通信障害があったことは聞いてる。それは決して技術的トラブルでもなんでもない。さっきもいったけどあれはハッキング。DAの機密性を担ってる最強AIが通信障害なんて起こすのはあり得ない。」

 「ハッキング…。だから取引時間が…。」

 「そんなことで報告できないから…。リコリスの暴走って事で処理したって事。」

 

 そんなこと…そんなことは許されない、いやあってはならないこと!理不尽すぎる…っ!

 司令にそのことをいおうと向かおうとすると千束さんに止められる。

 

 「ど、何処にいくの!?」

 「理不尽です!指令に話して…。」

 「ちょいちょいちょいちょい!!しら切られるだけだってばっ!」

 「ならどうすれば…っ!」

 

 そのとき千束さんは私を抱きしめた。何故?なんでこんなにも理不尽なことをされないといけないの?私はなにかしましたか?なんで…。

 その時千束さんがゆっくりと話しかけてきた。

 

 「たきな…。今は次に進む時。失うことで得られることもあるって…。私もそう。失って得られたこともあった。たきながあの時ああしなかったら私たちは出会えなかったよ?」

 

 失うことで得られることもある…か。そうなのかな…?私にはまだわからない。

 

 「そのことはこれから分かっていけばいいんだよ。これからの事なんて誰にもわからないんだから。」

 

 その時ここでの話を聞いていたリコリス達が何か話し始めた。

 

 「なぁに?」「抱き合ってたって〜!」「青春?」「アハハ!ウケる〜!」

 

 なんでこんな時に空気を読めない事をするのだろうか。千束さんがただ私を慰めようとしてくれてただけなのに…。

 その時千聖さんは私のことを抱きかかえてグルグル回り始めた。

 

 「私は君と会えて嬉しいっ!」

 「ちょ、ちょっと…。」

 「嬉しい嬉しいっ!」

 

 その時優しい笑顔で私に言ってきた。言い終わると私を優しく下ろして話し始めた。

 

 「これも翔師匠の受け売りなんだけど"誰かの期待に応える為に悲しくなるなんてつまらない"って!居場所はある。お店のみんなとの時間を試してみない?それでもここが良かったら戻ってきたらいい。どう?」

 

 喫茶店のみんなとの時間を試す…。千束さんは私に居場所をくれようとしてくれてるの…?

 

 「遅くない。チャンスは必ずくるんだから。その時したい事を選べばいい。」

 「したいこと…?」

 「そう!私はいつも"やりたいこと"最・優・先〜。まぁそれで失敗も多いんだけど〜。」

 「したいこと…。喫茶店のみんなと過ごせば見つかるでしょうか…?」

 「きっと見つかるよ!もちろん私も手伝う。だから前に進もう?」

 

 そうだ。今はクヨクヨしてる時間ではない。前に進む時だ。いつまでもクヨクヨしてたら慰めてくれていた千束さんに悪いから、少しずつ、少しずつ前へと。

 

 「千束さん、ありがとうございます。まだ完璧にとはいいませんけど吹っ切れました。」

 「よかった!それでは、師匠がたきなに酷いことを言ったあいつらをぶちのめすみたいなので?一緒に見に行こう!」

 

 そう言って千束さんに手を引かれ模擬戦場に向かうこととなった。

 

 

 

 

 




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ヒロインは誰がいいか(アンケートで決まるわけではないですが参考の為)

  • 錦木 千束 一択だよね!
  • 井ノ上 たきな に決まってるよなぁ!?
  • 一之瀬 帆波 で決定!
  • 坂柳 有栖 こそが正義!
  • 椎名 ひより しか勝たん!
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