弟子。それはなによりも頼りになる存在である。
勉強会から数日後の夜、テロ組織の動きを察知したらしく明日、もしくは明後日にテロが起こりそうらしい。本当に起こるか分からないができれば起こることがないよう願うしかない。
俺は千束たち、リコリコ組を待っていた。楠木さんからの命令でな。隣には話し相手になって貰うべく事情を知っている帆波がいる。それにしても…。
「暑いな。」
「暑いね〜。」
あの後和解した俺らは周りにもみられてもいいようにお互いこの学校での形に戻した。実際の形に戻るのはこの学校を卒業してからになるだろう。というか暑すぎでしょ。さすが8月って感じだけどな。
「…ん?あれは先生の車じゃないか?」
「そうだね、多分あってると思う。」
やっときたか。うるさいのが来るぞー。心の準備はいいか?…って誰に言ってんだよ俺。
「か、け、るししょー!お久しぶり〜っ!これから何する!?お茶!?スポーツ!?読書!?ボードゲーム!?いてっ!」
「千束、遊びに来たわけじゃないんですよ。」
改めて紹介しよう。翔師匠と呼ぶ急に抱きついてきた俺の弟子、錦木 千束。なんやかんやで頼りになるやつである。そして千束の頭を叩いたのが千束の
「ったく。久しぶりだな。先生も来てくれてありがとう。」
「いや仕事だからな。仕方がないさ。翔、帆波がここにいるってことは…。」
「はい。私が話しました。…結局バレちゃったので…アハハ。」
車を運転してきたのは俺の先生、ミカだ。小さい頃からの体術、剣の技術などなど試行錯誤して教えてくれた人である。というか先生は帆波のことを知っていたのか。先生と話している横で千束は帆波と話をしている。見た感じ前から仲良かったように見えるが…もしかして友達だった?まぁリコリスだったなら不思議じゃないか。
「それじゃ、泊まるところいくか。俺と帆波が案内する。千束はあんまりにも珍しいからってはぐれんなよ。」
「分かってるよ翔師匠!でもここが外部から連絡取れないはずの高度育成高等学校の敷地内かぁ〜。…結局出来ちゃってるけどね。」
おい千束、聞こえてんぞ。それを言うたりなや。可哀想だろ。まぁ今回は非常事態だし仕方がないだろ。
今回のテロでは学校側が生徒に寮から出ては行けないと言う通達を送っているらしい。まぁそれはそうだろうな。見たことのない制服を来た少女達がテロ組織を壊滅させるべく動くんだからな。俺の目的に反することではあるんだけど仕方ないかね。今回に限っては。
「着いたぞ。ここに荷物を置いたらゆっくり休んでくれ。明日からが本番だからな。」
「…それじゃぁ翔師匠。少し2人で話、しようよ。翔師匠…ううん。翔さんにとって大事なこと。」
「!…わかった。準備できたら呼んでくれ。待ってるから。」
「うん、わかった。それじゃぁたきな!早速行こう!」
「ちょ、ちょっと千束!引っ張らないで下さい!」
俺にとって大事なこと…か。
「お待たせ、それじゃいこっか。」
「わかった。帆波、今日はありがとう。また明日な。」
「うん!千束ちゃんもまたね!」
「またね帆波!また明日!」
俺たちは帆波に別れの挨拶をした後、2人きりになれる場所を探していく。といってもこいつはわかるはずがないから俺が先導して、だが。暫く探していると星がよく見えそうな丘を見つけることができた。
「あそこにするか。」
「そうだね。あそこからは星がよく見えそう!」
俺は星が好きだ。無数にも輝く星をみていると心が安らぐ。昔から天体観測が趣味だったのだが最近は忙しくてできていなかった。
「…綺麗だね。」
「…そうだな。ここから見る星も中々にいいもんだな。」
「そういえば翔師匠は天体観測が趣味だったっけ?」
「あぁ。前に話したことがあるよな。前は本当によく見てたよ。」
俺がそういうとお互い無言になり星空を眺めている。俺も千束も、昔に色々ありすぎた。俺は大規模テロの解決。千束は電波塔事件の解決。他にもあるが代表するのはその2つ。両方とも単独で解決したものだ。特に千束なんて7歳のころにしたものだ。普通の子供ならできもしない。お互い色々な部分で壊れているのかもしれない。
「…ねぇ。翔師匠には…ううん。翔さんには目的があるんだよね?それもDAを、リコリスを敵に回すような大きいこと。」
「…そうだな。それはお前も同じだろ?」
「…うん。私はリコリスによって作られているこの現実は間違ってると思ってる。誰かの犠牲によって成り立つ平和なんて、いらない。綺麗事かもしれないけど誰も傷つかないような平和をつくりたい。そのためにはリコリスはいなくなって貰わないといけない。ただ、リコリスのみんなを殺すとかそういうのじゃなくてリコリスという仕組み自体をなくしたいってだけなんだけどね。」
「俺も似たり寄ったり、だな。いつかリコリスのみんなが自分だけの幸せを見つけられるように。それは先生も同じさ。このリコリスによって守られている世の中で誰がリコリスのあいつらを守ってやれるんだ?俺はそこが気に食わない。だからこそ、俺は動いている。結局のとこ、俺と千束の方向性とゴールは同じってことだ。だから一人で抱え込まなくてもいい。」
「…うん。でも何も知らないたきなはどう思うんだろう…?たきなはDAのことが好きだ。リコリコに来た時だってDAの本部に戻りたがってたくらいだもん。私はこのままだとたきなと相対することになる。裏切り者の私とDAを守る騎士のたきな。私はたきなの
それが千束の闇。大事な仲間。それと同じくらい大事な自分の信念。それがぶつかりあって悩みを引き起こしている。俺もそうだ。目的のためにリコリスを切り捨てるのか?それはできない。だからこそ…。
「だからこそ、俺は先生と動いているんだ。リコリスを守るためにリコリスを切り捨てるなんて馬鹿みたいだろ?」
「ふふっ、そうだね。何か難しく考えてたみたい。ありがとう、翔さん。なんか私の相談事になっちゃってるけど今は翔さんのこと。」
「俺のこと…?」
こいつは何を話すつもりだ?俺のこととは一体…。
「そう。翔さん、テロのことを考えてたでしょ?
「!?…あぁ。そうだな。俺は臆病だからな、どうしても考えてしまうんだよ。あの大規模テロの時もそうだ。俺はあの時の英雄だの言われているが実際は大量の一般人を巻き込んで死なしてしまった殺人鬼だ。表向きは事故とされているがただ俺が守り切れなかっただけなんだ。だから今回も…。」
「巻き込んでしまうかも、って?」
「あぁ。俺は折角仲良くなってくれた友達を失うのが怖い。それ以上にお前達を失うのが怖い…っ!俺は、俺には家族と呼べる人はいないから…!」
俺は泣き出す。心の拠り所になっている仲間や友達がいなくなったら何処を拠り所にすればいい?俺には家族はいない、孤児だ。だからこそ心細いしなによりも失うことに敏感だ。俺は今まで前を向いて次に進んできた。それは拠り所があったからだ。ただ、今回に限っては違う。死んでしまう可能性がある。それは俺にとって耐え難いことであるから。
千束は泣いている俺を抱きしめて話し始めた。
「私だってそうだよ。人を死なしてしまうのが怖い。なにより大切な人を死なせてしまうのは一番怖い。けど、私は死なない。死ねない。私の大切な人より先に死ぬなんて私自身が許さない。」
力強く言い放つその言葉は俺の心に突き刺さる。千束の目を見ると優しい目で俺を見ていた。
「翔さん、私たちで守ろうよ、大事な人を、友達を。たきなを、先生を、そして私達自身を。絶対に守ってみせる。だから翔"師匠"も一緒にっ!」
あぁ、そうだな。心配なら俺らが守ってしまえばいい。あの時みたいな失態は二度と起こさない。起こしてたまるものか。絶対に、守ってみせる。
「あぁ!俺らが守ろう!みんなをっ!誰一人死なせやしない!例えテロリストだろうと俺らの目的のためにッ!」
「うんっ。いつもの翔師匠の顔に戻ったね。」
「千束のおかげだ。…ったく、久しぶりに泣いちまったな。それも弟子の前で。」
「この前私も翔師匠に泣き顔見したでしょー!?だからおあいこ!…ふふっ、あははははは!」
「ははははは!」
俺らは歩き続ける。目的のためにも。大事な仲間や友達のためにも。そして
弟子はなによりも頼りになる存在である。
さてさて!今回は翔の目的が出てきました!さらっと千束の目的も出てきましたが…。というよりもやっと千束とたきなを出せた!たきなの出番はもう少し後になるかな…。次回もお楽しみに!
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ヒロインは誰がいいか(アンケートで決まるわけではないですが参考の為)
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錦木 千束 一択だよね!
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井ノ上 たきな に決まってるよなぁ!?
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一之瀬 帆波 で決定!
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坂柳 有栖 こそが正義!
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椎名 ひより しか勝たん!