オレナツ   作:無名3

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第六話 NOフレイム YESファイヤー

一方少し前、俺はと言うと、ガタイのでかいスタッフの部屋を後にした後、又もや自販機の前に立って、ポケットに手を入れ小銭が入っていないかを探している最中だった。

「くそ〜…後十円あればなぁ…」

と独り言を言っていると一枚の紙がポケットからゆっくりと落ちた。そう先程、ロビーで受付人に貰ったサマーキャンペーンの紙だった。俺はその紙を見た瞬間ふと思い出した。

「あー!あのガタイのでかいスタッフに一応スタンプ貰うの忘れた………でもまあいっか…この通り景品は貰ったことだし…」

と言い切り替えると、俺はまたポケットに手を入れ小銭が無いか、諦めず探し始めた。結局隅から隅のポケットまで探したが一円すら無かったため、諦めて部屋に戻ろうとしたが、やはりどうしても細かい事が気になってしまう俺の悪い癖が働き、しばらく自販機の前で一人考え込んでいると、俺はとても良い案が空から降りて来た。

「そうだ!あのガタイのでかいスタッフにスタンプを押して貰うついでに十円も貸して貰えばいいんだ!」

と言う自分勝手な案が空から降りて来てしまったようだ。

「自分の部屋に戻って母さんに借りるのも面倒だし…自販機に近い、ガタイのでかいスタッフの部屋にまた行けば、スタンプを押して貰うついでに十円も頼んで貸して貰えればこれで一石二鳥!いや自販機にすぐ買いに行けるから一石三鳥だわ!」

と言うと俺はルンルン気分で廊下を歩き、あっという間に206の部屋の前に着いた。俺は気分が高まっていた事とガタイのでかいスタッフと仲良くなった気になっており、ノックを忘れ友達の家に遊びに来たかの様にウキウキで扉を開け、中へ入った。

「すいませーん!スタンプ押して貰うの忘れたので押してもらえま…」

とまで言うとすぐ目の前で白い拳と赤い拳がぶつかり合う瞬間であった…。拳同士がぶつかり合うと震度三くらいの地震が起こり、スマホの緊急アラームが作動したと同時に俺は床に尻もちをつき、目の前の光景に唖然としていた。そしてドウェインの手から溢れたマグマが次から次へと畳に落ちて燃え始めると徐々にそれは大きくなり、やがて目の前は真っ赤に染まっていった。俺はやっと我に帰るも燃え盛る炎の中で思わずこう叫んでしまっていた。

「何で俺がこんなことにーーーーーー!!!」と…

俺は今まで能力を持っている人間は何度か見かけた事があったが能力者同士が生で戦っているところは人生で始めて見たな…

と思いつつも「急いで外に出なくちゃ…」

と言い、立ち上がるとすぐに扉の方を向き、急いでドアを開けようとしたが…

「ん…?あれ?開かない!」

とさっきまで開けることの出来た扉が開かず困惑するも何度も思いっきりドアを開けようとした。しかしその努力虚しく一ミリとして扉は開かなかった。俺はなんで開かないんだよ…

と思っていると急にさっきの震度三くらいの地震を思い出した。

「そうか…あの時…地震で扉が歪んだのか…」

と言うと俺はドアノブから手を離し、ゆっくりと床に座りこんだ。終わったな…と思っていると、俺の頭にもう一つの事が思い浮かんできた。

"急がば回れ"

と言う言葉だった。俺はさっきまで一石二鳥とか三鳥とか浮かれていたけど俺の人生が夏休み初日に尽きるとは…みんな今までありがとう…そして恨むぜ自分…

と俺は心の中で思っていると、戦っていた二人が俺の存在に気づき、手を止め、俺の方を見ると二人して同時に同じ言葉を俺に向けて言った。

「誰…?」と…

俺はその質問に「今からお亡くなりになる夏夜純人と申します…」

と生気のない声で言うと二人は俺の言葉を無視し、俺の右手に持っているアタッシュケースに視線を変えるとドウェインは急に目の色を変え、俺に聞いてきた。

「小僧…貴様そのアタッシュケース…まさかとは思うがこの今気絶してる男から貰った物では無いだろな…」

と言う質問に対し「それ…が…何か…」

と俺はもうライフがゼロと言わんばかりの声で答えると、ドウェインは「そうか…」

とだけ言うとターゲットを女性から俺に変え、もうスピードで俺に向かって来た。俺は避ける事もせずただ呆然と座り、ドウェインが向かってくるのを見てることしか出来なかった。終わった…

と俺が思い諦めた瞬間!ドウェインの背中に女性の凍った蹴りが思いっきり入った。ドウェインは左側に吹っ飛ぶもなんとか受身をとって体勢を立て直すと女性に言った。

「お嬢ちゃん…邪魔はやめて貰っていいかな…俺はあの小僧からアレを取り返さなきゃ行けんのでね…」

と言うと「言ってるでしょオジサン…アレは私の物だって…」

とクールに言うとドウェインを警戒しながら俺に話しかけて来た。

「ねぇあんた…純人君だっけ…そのアタッシュケース私に渡して…」

と手を伸ばし言うと俺は一体何のことですか…?

と言わんばかりの目で女性を見つめ返した。女性は「早くして…時間ない…」

と急かしてきた。みんな何でこんなただのイベントの景品が欲しいんだ…

と思いつつも気になり俺は二人にギリギリ見えない角度でようやくアタッシュケースを開けた。そしてみんなが欲しがる理由を俺は知ることになる。アタッシュケースの中には一つの赤色の果実が入っていた。俺はその果実に驚くとシェー!のポーズをとりかけつつも

「マジ?!これがイベントの景品なの?!」

と言い、そりゃみんな欲しがるわけだ…

と思うと俺は果実を手に取り、果実を色んな角度から見回した。

「本物の果実だ…初めて生で見た…」

と見惚れてしまったがこれをさっさと渡せば、渡したお礼に能力を使って扉を開けてくれるかもしれない。

と思うと、俺はまずどっちに果実を渡した方が得策かを頭をフル回転にさせ考え始めた。

えぇとまず、あのスキンヘッドの人は見た感じ冷徹そうだから果実を渡したとしても必ずしも扉を開けてくれるとは限らないか…

とドウェインを分析すると次に白い髪の女性について分析し始めた。あの女性も見た感じ同じく冷徹そうに見えるけど、さっき俺のことを助けてくれた様に見えるし、まあこの子に渡せばきっと扉も開けてくれることだろう!

と考えがまとまると俺は女性に向けて果実を投げた。女性は俺が果実を投げたのに気づくと軽くジャンプし果実を手に取った。「どうも…」

とクールに言うと女性は果実を一口食べ、ドウェインに向かって一口食べ終わった果実を投げつけた。果実はドウェインの体に当たるとドウェインの足元に転がり落ちた。

「どうぞ…例の物だよオジサン…欲しかったんでしょ?それ…」

と微かに笑いながら言うとドウェインは足元に落ちている食べかけの果実を見ながら

「小娘…貴様…」

と怒った声で言った。

俺はよかったー…あの子にあげたのは正解だった

と心の中で思うと女性に向かって頼み込んだ。

「あの〜俺はこれで用済みってことなのでもしよろしければこの扉、開けてもらってもよろしいでしょうか?」

と言うと「わかったわ…渡してくれたお礼に今私が食べた果実の能力で扉を開けて差し上げます…」

と急にお嬢様口調になりクールに言うと女性は扉に手を向け、こう言い放った。

「フレイム…」と…

俺も遂に扉が開くと思っていたが、数秒経っても女性の手からは何も出てこず、そしてしばらくの間、三人は沈黙し、部屋の中は木がどんどんと燃えて崩れていく音だけとなった。

そしてやっと三人の中で最初に女性が口を開いた。

女性は「どうして…」と動揺した顔で言うと、ドウェインは足元にあった食べかけの果実を手に取った。そしてその果実を手で見回すとドウェインは若干驚き、動揺する女性に向けてこう言った。

「残念ながらお嬢ちゃん…君はこの果実の能力を得られなかったみたいだね」

と渋い声で言った。女性は「何を言っている…果実は確かに食べたし、本物だった!能力を得られなかったなんてこんな事あり得ない!」

と少し興奮気味に言うと、女性は手をまた扉に向けて何度も「フレイム!」

と言い続けた。しかし何回言っても手からは何も出ず、それに呆れたドウェインは女性に止めるよう言った。

「もう諦めなよお嬢ちゃん…何回やっても無駄なんだから…」

と呆れた声で言うと「何でオジサンにそんなことが分かるのよ!」

と女性は怒りを噛み締めながら言った。するとドウェインは食べかけの果実を女性に向かって投げ、女性はその食べかけの果実を片手でキャッチした。果実を渡すとドウェインは女性に「よく見てみな…」

と言い、女性はドウェインの言ったことにに渋々従い、果実を見回して確認した。すると女性は驚いた目をし、すぐさまドウェインの方を向くと「気づいたか…」

と女性に向かってドウェインは言った。女性は「気づいたけど、一体どう言うこと…」

とボソッと言うと急に何かを察したかの様に俺の方を向いた。俺は女性が急に俺の方を向いてきたため、どうした急に…

と思っていると「純人君さ…扉に向かって私がさっきやってたようにしてもらえない…?」

と扉を指しながら深刻げな顔で言ってきた。俺は何言ってるんですか〜この人?

と思いつつも一応、確認の為に「さっきあなたがやってたのを俺がやるんですか…?」

と確認すると女性は深刻そうに頷いた。俺はこの女性が能力を使えなかったのと俺とに何の関係があるって言うんだ…

と思いながらも「じゃあ今からやるのででやったら今度こそ扉壊して下さいね…」

と言った。女性は「分かったから早くして…」

と急かしたので俺は「わかりました…」

と言うと扉に手を向け大きな声でこう言い放った。

「フレイムー!!!」と…

そして数秒経ってもまたさっきの女性と同じく俺の手からも何も出る気配は無かった。女性は私の勘違いだったのかしら…でもそれなら一体誰が…

と必死に考えていた。俺はこれってなんかの実験?

と心の中で思いつつ、それにしてもフレイムってなんか必殺技にしてはイマイチピンと来ないんだよな〜

とこれまたくだらない事をこの状況で考えていた。俺がもしさっきみたいな必殺技を作るとしたら…

と思うと俺は扉に向け、今度は小さな声でみんなに聞こえないようにこう言い放った。

「ヘルファイヤー!」と…

なんちゃってと思い、どうせまた何も出ないだろうと思っていた矢先、俺の手がいきなり赤く光出し、勢いよく手から炎が飛び出たのだ。そして目の前にあった扉をあっという間に燃やし尽くしてしまった。

そしてそれに気づいたドウェインと女性は俺の方を見て俺のやったことに唖然としている中、俺だけは思わずどうしてもこう叫んでしまっていた。

「やっぱり何で俺がこんなことにーーーーーー!!!!!!」と…

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