その頃、外ではコテージから外に避難した人達で溢れており、消防車や救急車も何台か停まっていた。そして消防士の人達は水や砂などの能力を使い、能力のない者は消防車の水で消火活動をしている真っ最中であった。
「だめだ!火の勢いが強すぎる!」
と消防士の一人が言うと、その消防士に一人の女性が慌てながら話しかけて来た。
「あの!私の息子がどこにも見当たらなくて!もしかしたらまだコテージの中にいると思います!」
と慌てながら言った。その人物は夏夜純人の母であった。消防士は
「分かりました!私達が必ず助け出します!危ないので下がって下さい!」
と母に言うと、母は少し下がると手を合わせて心配そうに燃え続けるコテージを見ながら
「あんたまで私を置いて先に逝くんじゃないわよ…純人…」
と静かに祈りながら言った。
206号室
俺の手から炎が出たことに叫び驚いていると、さっきまで唖然としていた女性は我に帰り俺に向かって
「純人…オマエ…なんで果実を食べた!」
とまるで冷蔵庫にあったプリンを勝手に食べて怒られた時ぐらいの大声で女性は言った。俺は焦りながらも
「いや!俺は食べてないって!それに君にちゃんと渡しただろ!」
と言い返すと
「じゃあなんでこの果実に二つ噛んで食べた後があるのよ!」
と女性は俺に二つ噛じった後がある果実を見せながら言ってきた。俺はその果実を見て、又もや驚くと
「そんなはずはない!だって俺一口も"食べた記憶なんてねぇぞ"!」
と言い返すと
「あら?遂にこの暑さで頭までおかしくなってきたのかしら!」
と女性はまたお嬢様口調で言ってきた。俺はその言葉に怒りを噛み締め歯を食いしばると
「全然暑くないし!それに頭もおかしくなってない!」
と言い返した。俺達が口論しているとそれに痺れを切らしたドウェインが
「いい加減にしろー!貴様ら!」
と大声で二人に向かって言ってきた。すると今まで口論し合っていた俺と女性はドウェインの大声に驚くと口論を止め、ドウェインの方をゆっくりと向いた。
「貴様らどいつもこいつも俺の仕事の邪魔ばっかしやがって…あげくの果てに依頼人の果実も食べたせいで俺の報酬金もパァに…」
と言うと、ドウェインは両手からまたマグマを出すと
「貴様らこのまま生きて帰れると思うなよ…」
と今日一番の渋い声で俺達に言った。俺は、おいおい…さっきまで呆れた顔して、食べちゃったなら仕方ないよね、みたいな感じになってたのに急にどうした?!二重人格ですか?!このやろう?!
と心の中で思っていながらもこのままじゃやばいと思い、俺は今まで口論していた女性に冷静に話し始めた。
「あの〜お嬢さん…ここは一先ず、一旦手を組んでこの部屋を脱出するってのどうでしょう?」
と提案した。女性は呆れた顔で
「あのね〜私が食べようとしてた果実を先にあんたに食べられて私が手を組むとでも思った訳?」
と正論を言われてしまった。俺はこれはマジでまずい!
と心の中で焦っていると、ドウェインは構えをとり出し、俺に狙いを定めた。
「最後だ小僧…何か言い残す言葉はあるか?」
と聞いてきたため、俺は
「たす…」
と助けて下さいとドウェインに言いかけたが、どうせ死ぬんだったら最後はかっこよく死のう…
と思うと、俺はドウェインに向かって
「カモン!」
と大声で言った。ドウェインは俺の最後の言葉を聞くと少しだけにやけ
「そういうの嫌いじゃないぜ小僧…」
と言うと俺に向かって飛びかかり殴りかかった。一方女性は今度は助けに入らずドウェインが俺に向かって行くのをただ腕を組んで見守っている感じだった。俺はあんな事やこんな事を走馬灯のように思い浮かべると、人生に悔いはあったけど、最後のこの瞬間だけは…
と思うとただ棒立ちし、ドウェインの拳が顔のすぐ近くまできた瞬間、最後に俺は心の中でこう思ったのだった。
悔いはない!!!と…
そしてドウェインの赤い拳が俺の顔面に直撃したのだった…。