オレナツ   作:無名3

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第八話 究極の二択

ここは天国か…いや…目の前が凄く真っ赤だ…きっとここは地獄だろう…それに体が燃えるように熱い…死んでからも俺はこんな目に遭うのか…きっと人生今までなんにもやって来なかったことへの神様からの罰なんだろうな…母さん…先に死んじゃってごめん…

と純人は自分は死んで地獄にいると思っていたが…しかし、ドウェインの赤い拳は純人の顔を貫通し、すり抜けていたのだった。

「何?!」

とドウェインは驚き、突き出した拳を引き戻すと、俺から一歩下がり距離をとった。ドウェインの拳が離れると穴の空いた純人の顔は炎をまとい、みるみるとあっという間に元の顔に戻った。その光景を同じく間近で見ていた女性は、驚いていたドウェインとは裏腹にその光景を見ても平然としており、あたかもドウェインの攻撃が純人には効かないと最初から分かっていたかような顔つきをしていた。

「小僧…その能力…やはり俺やお嬢ちゃんと同じ煉獄系か…しかもおまけに俺達とは違って攻撃が効かない"特殊な煉獄系"の果実のようだな…」

と冷静に言うと、俺はドウェインの聞き慣れた声を聞き、目を開け、自分がまだ生きていることを知った。

「俺…まだ生きてる…」

と小さな声で言うと

俺はあの時スキンヘッドの人の拳を顔にまともにくらった。けど全く痛みはなく、体が熱いだけだった。でもこの体の熱さはスキンヘッドの人の能力のせいじゃあない…この熱さの源は…きっと俺の食べた果実の力のせいだろう…

と心の中で思うと自分の手のひらを見て

「一体俺の体はどうなってしまったんだ…」

と険しい顔で言った。するといよいよ建物が限界に達し、崩れかけてきた。ドウェインはその事を知ると

「この状況は分が悪い…今回は一旦引くとしよう…」

と言い、俺が先程燃やした扉に向かうとその扉を足で蹴飛ばし破壊した。そして

あの炎の能力…いずれは俺がこの世から…

と何かを考えながら思うと、ドウェインは燃え盛る炎の中へと消えていった。そして次に女性も

「じゃあ私もここからはやく出ようかな…」

と言い窓を方に歩き出した。俺もそれに続き

「俺も早く出よっと…」

とボソッと後から言うと

でもどっから出ればいい…さっきのスキンヘッドの人みたく俺も火の中に飛び込むか…?いやいや、俺にそんな度胸はこれっぽっちもない!じゃあ逆にあの女性みたく窓から飛び降りるか…?いやいや、確かにここは二階だし上手く着地するば何事もなく出られるけど、着地に失敗したら…骨折だけで済むけどこれからの俺の夏休みが骨折の治療になっちまうーーー!

と心の中で優柔不断になりながらも

でも飛び降りなかったら確実にここで死ぬ…

と思うと俺は覚悟を決めて窓の方へと向かった。まあ、この女性の飛び方をお手本に飛べば俺も無事に着地出来るはず!

と思った瞬間!目の前で女性が急に床に倒れ込んだ。俺は目の前の出来事に驚きながらもその女性に近づき

「おい?!お嬢さんどうした?!」

と大声で問いかけた。女性は苦しそうに呼吸しながらも

「お嬢さん…て…呼ぶな…」

と俺に言ったきた。俺は

「そんなこと言ってる場合か!」

と言うと、女性のおでこに手を当て、体温を確認する。少し手を触れただけでものすごい高熱だと分かった。俺は、きっとさっきの戦いでの体力の消耗とこの部屋の一酸化炭素濃度のせいだ!

と焦りながらも冷静に考え判断した。苦しそうにして今にも死んでしまいそうな女性を見ながら、俺は一体どうすれば良いって言うんだ…外にいる人達に救助してもらうか…いや、火の勢いが強すぎて建物には近づかない…それに救助を待ってたらこの女性が一酸化炭素中毒で死んじまう…!それかこの女性を見捨てて俺だけでも窓から外に逃げる事は出来る…しかしそれは俺の倫理に反する!かと言って、女性をおんぶして窓から外に飛び降りでもしたら俺の足は折れる…いや確実に折れる…!どうする俺…自分を優先して夏休みを満喫するか…それとも女性を優先して夏休みを犠牲にするか…

と人生で一番と言っていいほど究極の二択を迫られながらも俺は迷わずこっちの道を選択をした。

「よいしょっと…」

と俺は女性を背中に乗せ言った。そう女性を助ける道を選んだのだった。女性は目を開き

「純人…オマエ…なに…を…している…」

と上手く回らない呂律を必死に回して純人に聞いた。

「何って…助けるに決まってるじゃん…俺はレディファーストで人生生きているからな…」

とかっこよく言うと

「それに…」

と言うと背中におんぶした女性の方を向き

「俺が窓から飛んで足の骨を折るのは当たり前だけど、オマエがここで苦しみながら死ぬのは当たり前でもなんでもねぇ!」

と真剣な顔で言った。女性はその言葉を聞くと少し笑い

「ほんと…馬鹿なん…だか…ら…」

と言って純人の背中で気絶した。俺は女性が気絶した事を確認すると、早く飛ばなきゃと思い、女性をおんぶしつつ窓に足をかけた。俺は覚悟を決め

「やるぞ!俺ーーー!」

と大声で言った。するとコテージの外に集まっていた人々が

「おい!あれ見ろ!あの少年!女性をおんぶして窓から飛び降りようとしているぞ!」

と騒ぎ始めた。そして純人の母も俺に気づくと

「純人!」

と口に手を当て、驚きつつも生きてる事に安心した表情を見せた。それに気づいた消防士は俺に向かって

「そこの君ーーー!危ないからやめなさーい!」

と大声で俺に言うと、部下に救助の命令を指示した。しかし部下達が救助するため建物に近づくと、火の勢いがさっきよりもさらに強くなった。

「だめです!火の勢いが強すぎて建物に近づけません!」

と部下は慌てながら言った。俺は一瞬救助に期待してしまったがやっぱり俺がやらなければならない!

と思うと、みんなが見守る中、俺は覚悟を決め女性を背負い直し、しっかりと太ももを掴むと

「じゃあいくぞ!!!おらーーー!!!」

と言った次の瞬間!俺は女性を背負いながら窓から飛び降りたのだった…。

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