「きゃーーー!!!」
と女性の悲鳴が響き渡る。俺は「ぐっ!」
と言い目を瞑りながら足に力を入れた次の瞬間!純人の両足からまるでロケットのように炎が飛び出し数秒、中に浮くと足から出てた炎は消え、無事地面に着地した。俺が着地したのを確認すると消防士の人が俺に近づき
「君大丈夫かい?怪我はないか?」
と尋ねて来た。俺は自分の足が折れていないことを確認すると
「何とか大丈夫だったみたいです…」
と言った。それを聞いた消防士は安心した顔し
「無事で良かった」
と言ってくれた。俺はその消防士の優しさに惚れつつも
「それよりこのお嬢…女性を早く救急車に!」
と急ぎながら言い、女性を背中から降ろすと消防士はその女性をお姫様抱っこし近くにあった担架に乗せると救急車の中へと連れていった。俺はそれを確認すると、これであの女性も助かる…
と心の中でほっとしていた。そしてしばらくして
「純人!!!」
と大声で俺の名前を呼ぶ声が後ろから聞こえて来た。俺は聞き慣れた声と思いつつもゆっくり後ろを振り返ると、案の定、母さんが怒った顔で立っていた。
「純人!あんた避難もしないで何処ほっつき歩ってたの!まったく私に余計な心配かけるんじゃないわよ!」
と怒鳴るように言ってきた。俺は視線を母さんからずらすと
「こうなったのは母さんのせいでもあるんだけどなぁ…」
と凄く小さな声でボソッと言うと
「ん?今なんか言った?」
と聞かれたため、慌てて
「べ…別に〜」
と言うと、俺の母さん、地獄耳すぎるだろ
と思いつつもまた口笛を吹いて誤魔化したのだった。
コテージから少し離れた駐車場
ドウェインは自分の車に腰をかけつつ電話をしていた。
「どう?無事例の物は手に入った?」
と電話からドウェインに依頼を申し出た女性の声が聞こえて来た。
「それが少し邪魔入った。例の物もそいつに食われちまった。」
とドウェインは言うと女性は
「なんてこと…これは不測の事態だわ」
と言うと少し考え、こうドウェインに言った。
「わかったわ…あなたは引き続き任務を続行しその果実を食べた人物を監視してちょうだい。依頼人には私から直接言っておくわ」
と早口で言うとドウェインは電話を切った。そしてドウェインは車に乗り込むとまた何処かへと車を走らせたのだった。
そしてあのコテージの火事の次の日から俺は警察から事情聴取をされることとなり、あの場で起きた事を話すことになった。どうやらあの時のスキンヘッドの人物は、本名アレクサンドラ・ドウェインという男らしく警察もなかなか手がかりを掴めない人物だったらしい。そして俺が部屋から救出したあの女性は今もまだ病院で治療中とのことだが命に別状はないとのことだと、警察から聞き俺は少しほっとした。そして三日目にして俺はやっと事情聴取から解放されたのだった。そしてそれからまた二日が経ち、夏休みが始まって今日で六日が経った頃、俺と母さんは夕ご飯の準備をしていた。
「はぁ…結局一週間のコテージのお泊まりが燃えて白紙になってしまった…」
と俺は落ち込みながらテーブルを拭いていると
ピーンポーン
とドアのインターホンがなる音がした。その音を聞くと母さんは食材を切りながら
「純人ー私今、手が離せないから誰が来たか見てきてもらえる?」
と俺に頼んできた。俺はめんどくさそうな顔をし
「え〜俺も今手が離せな〜い」
と言うと母さんは俺の方を素早く振り向き、包丁を持ちながら
「つべこべ言わず早く行きなさーい!!!」
と大声で言ってきた。俺は驚き
「わかりました!すぐ行ってきまーす!」
と言うと急いで玄関に向かった。そして二回目のインターホンがなり、その音を聞くと
「ハイハイ今出ますよ〜」
と言い、鍵を開けてドアを開けた。そして俺は
「はーいどちら様〜」
とドアを開けると目の前には見覚えのある人物が玄関の前に立っていた。
「あんたは?!」
と俺は驚きながら言った。そう目の前に立っていたのは俺があの時、燃え盛るコテージの中から救出した白い髪の女性だった。その女性は俺が出てきたの見ると
「お久しぶりだな」
と明るい声で言ってきた。俺はまだ驚きつつも
「どうして?てかなんで俺の家がわかった?!」
と女性に驚きながら質問すると
「あ〜特定しました」
とあっさりと普通のことのように答えた。俺はこいつヤベェ女だ
と思っていると母さんがいつまでも帰ってこない俺を気にして結局玄関まで来たのだ。
「あら純人!その可愛らしい子はどちら様?」
と口を手に当て俺に聞いてきた。俺は母さんの方を向くと
「あの時、俺と同じコテージの部屋の中にいて俺がその部屋から救出した女性の方」
と言うと、女性は俺の母さんに向かって頭を下げると
「その節は息子さんに大変お世話になりました」
と丁寧な口調で言った。それを聞いた母さんは
「あらそうだったの!」
と驚いたように言うと母さんは何か閃いた顔をした。
「そうだ!あなたもついでに家で晩御飯食べて行かない?」
と言うと俺は焦りながら
「母さん!そういうのは…」
と母さんに止めるよう言いかけるも女性はすぐさま
「いいんですか!ではお言葉に甘えて」
と笑顔で言うと母さんも笑顔で返し頷くと
「じゃあもう少しで出来るからね!」
と言った。俺はやれやれ…
と思いつつも女性を家の中に入れようとすると、母さんは立ち止まり振り返ると
「そういえばあなたはどうやって家まで訪ねて来たのかしら?」
と聞くと、女性は
「それはこの家をとく…」
とまで言うと俺は会話を遮るように
「あーーー!!!そうだ!母さん!晩御飯が出来るまでこの子と少し近くを散歩してくるよ!」
と大声で言い、女性の手を掴むと
「晩御飯には戻る!それじゃあ!」
と言うとおもっきり扉を閉めた。そしてドアに背をつけると
「はあ…危なかった〜…」
と魂が向けたような声で言った。女性は不思議そうに
「なにかまずかったか?」
とキョトンとした顔で聞いてきた。俺は焦りながら
「まずいに決まってるだろ!特定してきましたなんて俺の母さんに言ってみろ!どうなっていたことか!あぁ考えるだけでも恐ろしい…」
とぶるぶると震えながら言った。俺は頭を横に振り頭の中をリセットすると女性と歩き出した。外はまだ少し明るく空は綺麗な夕焼けが見え、微風が吹いていた。俺は女性と歩きながらふとあることを思い出した。
「そういえば君の名前ってなんて言うの?」
と聞くと、女性は前を向いて歩きながら
「冬野冷夏(レイカ)…」
とボソッと答えた。俺はその名前を聞くと
「へぇ〜冷夏さんって言うんだ」
と言うと、俺は自分の顔に親指を向け
「俺の名前は夏夜純…」
とまで言うと
「そういえば…」
と俺が改めて自己紹介をしようとしたが冷夏に遮られてしまった。俺はせっかくかっこよく自己紹介しようと思ったのに…
と思いながらも冷夏に
「そういえば?」
と聞いた。冷夏は少し暗い表情で
「純人の家を特定した時に一応あなたのことをいろいろ調べたんだけど…」
と言うと俺はそんなことまで調べられんの?!冷夏ハンパねぇ!そして凄く怖!
と心の中で思っていつつも
「そ…それが何か…」
とまさか俺のあんなことやこんなことが調べられたのか?!
と不安になりながらも聞くとどうやら予想は外れ、俺ではなく俺の父さんのことについて聞いてきた。
「純人のお父さんだけど…」
と冷夏は深刻そうな顔で言うと、俺は冷夏よりも先に
「そうなんだよね…俺の父さん…俺が生まれる前に事故で死んじゃったんだ…」
と悲しいそうな表情で言うと次の瞬間、冷夏はこう言った。
「それは違います…」と…
俺は冷夏の今の発言に唖然としつつも
「な…何言ってなんだよ冷夏…だって父さんは車の事故で死んだんだぜ…!」
と言うと冷夏はその事を否定し
「それは誤った情報です…」
と俺に言ってきた。俺は冷夏の発言に戸惑いを隠しきれずにいる中、冷夏の次の言葉が俺の人生で最大の衝撃を走らせた。
「あなたのお父さんは…」
と冷夏は少しため次の瞬間、俺にこう言い放ったのだ。
「あなたのお父さんは殺された…」と…