セレナside
「………う……」
私は…確かネフィリムを絶唱で止めようとして……狐の面をつけた誰かがネフィリムを倒して………そうだ!姉さんとマムは…!
「……え?」
私は勢いよく起き上がった…だけど固まってしまった。
起き上がった時に目に入った光景が信じられませんでした……
だって……目に入った光景が、一面の花畑とその中心に聳え立つ巨木だったんですから…
「私は…死んだんですか…?」
「死んでなんかいませんよ。」
「ッ!?誰ですか!?」
「おっと…驚かせてしまったみたいですね。申し訳ありません。まぁ簡単に説明させていただくと…ここは私の領域です。」
「あなたの…領域?」
「はい。自己紹介をいたしましょう。はじめまして、完全聖遺物『世界樹の領域』に宿った思念体…名をユグドラシルと申します。シルとでもお呼びください。」
「完全…聖遺物…!?」
私は驚愕しました…自分と同じような年齢に見える少女が人間ではないということに…そして意志を持つ聖遺物だということに…
「まぁ、その部分は置いておいて大丈夫ですよ。今あなたが聞きたいのはなぜここにいるのかということですよね?」
「は、はい…目が覚めたらここにいて…」
「簡潔に言いましょう…あなたは死んだことになっています。」
「ちょ、ちょっと待ってください!私は…生きていますよね…?」
変なことを聞いてしまったかもしれません…だけど自分が死んだことにされているということが受け入れられませんでした…だって…私はここに生きて…
「えぇ、先程も言ったようにあなたは生きています。ですが死んだことにした方が都合が良かったのです。理由はわかりますか?」
「いえ…わかりません…」
「わかりました。…まぁ私も簡単なことしかわからないのですが…なにぶん主がやったことでして、詳しい説明も聞いていないのですよ。わかることだけでも説明させていただきます。
…あなたはあの時、あなたが使用するシンフォギア…『アガートラーム』の絶唱でネフィリムを止めようとしましたね?」
「はい…」
あの時、ネフィリムを止める方法がアガートラームの絶唱によるエネルギーベクトル操作しかなかったから……
「それが問題だったのです。」
「え?」
「あなたがあの時、絶唱でネフィリムを止めることができたとしましょう。あなたはどうなると思いますか?」
「どう…とは…?」
「あなたさえいればネフィリムは止めることができる…つまりあなたは死ぬまでネフィリムを止めるための装置として扱われる危険性があったのです。」
「……ッ!?」
その言葉を聞いた瞬間…私の背中に冷たいものが走る感覚がしました……
では…あの時の狐の面をつけた人は私がそうならないために…?
「主はあなたがそう扱われることを避けるためにあなたが死んだことにしたのです…ちなみにアガートラームのギアペンダントも置いてきています。」
「え!?」
私は言われてすぐに胸元を見ましたが、アガートラームのギアペンダントはありませんでした。
…私を助けてくれたことには感謝しています……ですが、他の子は…?
「私以外にも…他の子を連れてくることはできなかったんですか…?」
「……主はあなたがそう言ってくることを予想して私に伝言を頼んでいました……『すまない』…とそれだけです。ですがそれを言う時…主と長く過ごしてきた私たちでも見たことのないような悲しそうな表情を浮かべていました……おそらく助けられるなら他の子も助けたかったのではないでしょうか。」
「………」
私は何も言うことができませんでした…私が助かったことに喜べばいいのか…他の子を助けられなかったことを嘆けばいいのか……もうわかりません…ですが、私が言わなければいけないことはあります。
「…すいません。私を助けてくれた人はどこにいますか?」
私がまず言わなければいけないのは…お礼です。
私の命を救ってくれた人に直接お礼を言わなければ私の気が済みません。ですが……
「今、ここには主はいませんよ」
「そうですか……」
私がなぜだろうかと考えていた時…シルさんの口から驚愕するような言葉が出てきました…
「主は今、戦闘中です。」
「……え!?…もしかしてネフィリムですか!?」
「いいえ、ネフィリム以上の化け物です。…今の主なら良くて辛勝、悪くて相打ちでしょうかね。」
空いた口が塞がりませんでした……ネフィリムを簡単に倒したあの人が死ぬかもしれない、得体のしれない強さの相手……何者ですか…!?
「おそらく…錬金術師でしょう。それも異常なレベルの。」
セレナsideout………
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海斗side
セレナを助けて、シルのところに連れて行った直後にヤバいやつが現れたね〜……
ここまでは万事上手くいってたんだけど……もしかしたら万事休すになるかも……
ねぇ…?…キャロル・マールス・ディーンハイム…!!
「久しぶりだな、東雲海斗。今度こそはオレの計画のために連れて行かせてもらうぞ?」
「簡単に連れて行けると思うなよ…と言いたいところだけどちょっとヤバいかもね。」
何せこちとら2時間海の上走って30分ダッシュして壁ぶち抜きながらダッシュしたからね〜…ちょっと限界なんだよね…!
本格的にヤバくなったら『切り札』使うしかないかな〜そのためには……
「タマモ」
「今は声をかける暇はないと言うことをわかっておるのか?」
「………『
「!?……わかった…死にそうになったらすぐやめるからな…!」
「……ありがとな」
さぁ……準備が整うまでの時間稼ぎと行きますか…!
主人公のピンチ!
……『メインヒロイン候補』との戦いですね。
追記 キャロルの一人称の文字を漢字にしてしまっていたので修正しました。