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昔々あるところに、牧村ユタカ太郎という漁師が住んでおりました。
「完全に太郎いらないよね?浦島ユタカとかじゃダメだったの!?」
牧村ユタカ太郎が海辺へ到着すると、亀が数十人のヤクザにいじめられているのを見つけました。
「ストーップ!それイジメじゃない!完全に【始末】しようとしている場面だよね!?」
亀をイジメていたヤクザたちは牧村ユタカ太郎を見て、一目散に逃げだしました。
「ちょっと待って、俺の武勇伝で強引に話進めるの止められる?」
「助けてくれてありがとうございます。是非お礼をしたいので俺の背中に……へ、へへへ、ま、牧村のアニキが俺の背中に……」
「この前俺をストーカーしてた変態だーーーー!」
そのまま牧村ユタカ太郎は
「ねぇ、俺に拒否権ないの!?絶対乗りたくないんだけれど。」
竜宮城に着くと美しい乙姫様のコスプレをした林田がもてなしてくれました。
「もう、コスプレって断言しちゃった……。」
「変態……じゃなかった、亀を助けていただきありがとうございます。鯛やヒラメ……はもう絶滅してしまったので、お礼にピラニアたちによるロックンロールフェスティバルをご堪能下さい。」
「この乙姫様、海の管理に向いてなさすぎる!!」
浦島が竜宮城でゆったりしている間に時間はあっという間に過ぎていきます。
「うん、俺の意思が完全に無視されるということだけはわかった。」
「……………………………………!…………。……………?」
「ロックンロールの聞き過ぎで俺の鼓膜破れてるよね!?」
そうして玉手箱を貰った牧村ユタカ太郎は再び亀に乗って久々の地上に戻りました。
「おじいちゃんになるのか……、何だか終わりが見えてホッとする。」
牧村ユタカ太郎が地上に戻った瞬間、再び亀が数十人のヤクザにいじめられはじめました。
「もう二度と助けないからね俺!」
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町の上に高く柱がそびえ、その上に幸福の牧村の像が立っていました。 牧村の像は全体を厚い純金で覆われ、 目は二つの輝くサファイアで、 スーツの裏に隠されている
そこに一羽のやけに眼光の鋭いツバメが牧村像のもとへ戻ってきます。
「いわれた通り、売れない画家には金箔を、飢えた子供のいる家にはルビーを、怪我で漁に出られない漁師にはサファイアを貸し付けてきました。」
「そっかありがとう。みんなどうしてる?」
「画家は質屋で換金して即行パチ屋に走っていきましたね。今頃スロット打ってます。」
「今の6号機なんて勝てる仕様になっていないのにね。もうここまで来たらギャンブル依存症以外の病名が付く新しい症例だよ。」
「あと飢えた子供のいる家の母親はホストん所へ行きました。しばらくは遊べるんじゃねぇっすか?」
「ここまで証拠が揃えば言い逃れ出来ないね。児童相談所へ連絡しといて。」
「漁師ですが、傷病手当金をオンラインカジノで使い果たして更には借金までしていたところだったんで、手にしたサファイアで一発逆転目指してますね。まぁ正直ツキがあるとも思えませんので、このまま溶かすと思います。」
「借金を返しても少しは遊んで暮らせる額のはずなんだけれどなぁ。」
「……牧村さん、解ってやっているでしょアンタ。」
「そんなことないよ。最初は本当に善意……ではないけれどウィンウィンの関係で居たかったんだ。それが回数を重ねるたびに薄かった金箔は厚くなっていくし、目や装飾のルビーやサファイアが高価なものになっていく。どうすれば上手くいくのかなぁ……。」
「あいつらはあいつらで刹那の快楽を手に入れた、牧村さんはどんどんと像が拡大をしていく。ある意味ウィンウィンじゃないっすか。まぁ回収は任せてくださいよ。今度、目をサファイアじゃなくてダイヤモンドにしましょうか?」
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あるところに兎の恰好をした新界組長と、亀の恰好をした牧村ユタカがおりました。
「オイコラ、亀テメェ、亀この野郎。世界で手前ほどノロマはいねぇんだよ。何を人並みに肩で風切って歩いてんだ、身の程を
「いえその……え~と。どうしよう。」
「あぁん?その挙動不審な態度が気に食わねぇんだよ。折角の機会だ、ここでどっちが上かスピード勝負をしてみようかぁ。」
「いえ、人それぞれ得手不得手はありますし、僕走るのは苦手なんで。」
「ああ!?ごちゃごちゃとうるせぇなぁ。よしあの山の天辺にある木の下まで競争だ。……とはいえテメェのことだ、色んな抜け道使うに決まってる。【同じ道を走る】【他の乗り物に乗らない】これがルールだ、いいな?」
「ええ、いきなり言われても……。」
「じゃあ俺がコインを弾くから、地面についたらスタートだ。いいな?」
新界兎はポケットからコインを取り出して
「あはは、速さで俺に勝てるヤツなんざこの宇宙にいねぇんだよ!」
新界兎が気持ちよく走っていると、突如サイレンの音と共に
「10:33、スピード違反だな。これほど速度をオーバーしていると署まで来てもらう必要もありそうだ。」
「おいおい!スピード違反ってそもそも何の法律だよ!世界観ぶっ壊してんじゃねぇよ!」
「やかましい、公務執行妨害にされたくなければ大人しくついてこい。」
「はぁ!?ふざけんじゃねぇ!」
二人が口論をしている間に、牧村(亀)はいつの間にか山のてっぺんにある木の下へ到着しておりました。歩き疲れた牧村は木に寄りかかりながら小さく溜息を吐きます。
「ふぅ、鷲尾さんに連絡しておいてよかった。」