一夏は黒いフードを被りながらレゾナンス付近のモノレール駅で待っている。
そして、目的の女性が来たのか視線だけそちらに向けると刀奈が可愛らしい服装で手を振りながら近づいてくる。
「ごめんね〜遅くなって」
「気にするな」
一夏は合流したので先に歩きレゾナンスに向かう。
刀奈は一夏の左腕を掴み抱きつく。
「おい……」
「えへへ♪いいじゃん♪デートなんだから♪」
「はぁ……」
一夏はため息をつくとそのまま歩きレゾナンスに入る。
レゾナンスはGWということもあり人が多くいる。
「さてと……まずはどこに行く?」
「う〜ん…先に洋服でも買いに行きましょうか」
「わかった」
「ねぇ一夏君。こっちとこっち、どっちがいい?」
刀奈は2種類の服を持ち一夏に見せる。
1つは白のブラウスと紺色のスカートに黒のカーディガンを合わせたもの。もう1つはやや大きめのTシャツにデニムのショートパンツに薄手のパーカーだ。
「そうだな……こっちかな」
一夏は最初に見せた方を選ぶ。
「じゃあこれもお買い上げね」
刀奈は洋服を持ち更衣室に着替えに行った。
着替え終わった刀奈が出てきた。
「どう?似合う?」
「ああ、可愛いと思うぞ」
「そっか♪ありがと♪」
刀奈は嬉しそうにしながらカーテンを閉めて数分後にカーテンが開く。
「じゃじゃ〜ん!こっちはどうかな?」
今度は一夏も知らなかったのか別の服を着た刀奈を見る。
こちらはベージュのブラウスに膝上丈のチェック柄ミニスカート。
「ああ、これも良いんじゃないか?」
「ほんと!?じゃあこれも買って来る!」
またまた更衣室に入り着替え終わると出てくる。
「これは?」
次は肌面積が多めの赤のトップスにホットパンツ姿だった。
「…………良いが俺以外の虫が付いてきそうだ」
「…へぇ〜♪一夏君も嫉妬するんだ〜」
「悪いか?」
「全然悪くないよ♪むしろ嬉しいくらいだよ♪」
刀奈は笑顔になりながら言う。
その後試着した服は全て購入して一夏は荷物を持つ。
「ほら、次の所行くぞ」
「は〜い!」
その後一夏と刀奈はレゾナンス内の喫茶店に入り席に座る。
店員がすぐに来たので注文をお互いに取り店員が離れると刀奈は御手洗に向かった。
するとしばらくしてから刀奈が戻ってくる。
何故かニヤニヤしながら。
その理由も店員が持ってきた物でわかった。
「お待たせしました。こちらがオムライス2つと"カップル専用ドリンク"です」
(何でこの店にはこんなメニューがあるんだよ)
一夏は内心ため息をつく。
何故なら刀奈が御手洗に向かったのはこの為だ。
その中身とはオレンジジュースにハート形のストローが刺さったものだ。
店員は笑顔で席を離れた後一夏は刀奈を見つめる。
「なぁ……まさかこれを頼みにトイレに行ったのか?」
「うん♪だってせっかくだしね」
「俺は別に普通のでもいいんだけどな……」
「いいじゃない。別に私達は恋人同士なんだし」
刀奈がそういうので一夏は何も言わず諦めてストローに口をつける。
「…やっぱり恥ずい」
「ふっふーん♪私は満足だよ♪」
刀奈は満面の笑みを浮かべた後、自分も飲む。
そしてお互い飲み終わり会計をして 外に出た。
最後に向かったのはレゾナンス付近にある公園である。
と言っても遊具などはなく広い芝生と花壇があるだけだ。
しかしここはGWということもあり多くの家族連れや若い男女などで賑わっている。
そんな中一夏と刀奈はベンチに座っていた。
「ありがとうね一夏君」
「…何だ改まって」
「こうしてまた一夏君に会えたのが嬉しくて…」
刀奈は一夏が行方不明になった時のことを思い出しているのか表情を曇らせる。
「あの日…凄く胸が苦しかった。
学校にも何日か休んで……家に帰ってからもずっと泣いて……どうして一夏君はいなくなったの?って」
「…刀奈」
「…けど…一夏君は帰ってきてくれた。初めて会った時みたいに助けてくれた」
刀奈はゆっくり一夏に近づき抱きしめる。
「一夏君が何をしようとしているのか分かってる…だけどお願い……私の前から消えないで……もう独りぼっちはいやなの……」
「刀奈……」
一夏は刀奈の頭を撫でる。
「大丈夫だ……俺はお前を置いて消えたりしないさ」
「本当?」
一夏はポケットから小さい箱を刀奈に渡す。
「今はこれしか渡せん。いずれ…俺の野望が終わったら…その…あれだ!指輪を渡すからそれまで待ってくれ」
「……ぷっ!あはははははははは!!」
刀奈は大笑いをする。
「おい……人が真剣に話をしているというのに笑うな」
「ごめんなさい。でもそんなこと言われたら我慢できないよ」
刀奈は箱を開けて指輪を自分の指につける。
「これで……もうどこにも行かないよね?」
「ああ、約束する」
「じゃあこれからは一緒にいられるんだ」
刀奈は嬉しそうに指輪を眺めている。
「ねぇ一夏君、キスして」
「……わかった」
一夏と刀奈はお互いに顔を近づけ唇を重ねる。
そのまま時間が過ぎていきやがてゆっくりと離れた。
「……ありがとね一夏君」
「……ああ」
モノレール駅まで刀奈を見送った一夏はモノレールが行ったのを確認したタイミングで電話が鳴ったので取る。
「…俺だ」
『は〜い一夏?刀奈ちゃんとのデート楽しめた?』
「お前に関係あるか?」
スコールはニヤニヤしながら電話をしているだろうと一夏は面倒がりながら聞く。
『次の任務だけど…またIS学園に行ってもらうわ』
「今度こそアイツを殺れるのか?」
『今回もハズレ。今度転校してくるドイツの子のISにあるシステムが組み込まれてるからそれを起動させろって』
「……わかった。いつからだ?」
『3週間後にIS学園で行われる学年トーナメントでよ』
「わかった」
一夏は電話を切り裏路地で足を止める。
「隠れているのは分かっている……出て来いよ」
一夏は無銘剣虚無を手にして振り向く。
すると曲がり角から黒服の男が4.5人が現れる。
黒服の後ろから白衣の男が現れ前に出る。
「久しいなNo.0000」
「成程。あんたあの研究施設にいた奴か……何の用だ?」
「答えは簡単だ。お前の処分だ」
そう言うと黒服達は銃を構える。
「大人しく捕まる気はないぞ?」
「それはこちらも同じだ。貴様のせいで我々の計画は台無しになった。だからここで死んでもらう」
「やれやれ……せっかく自由を手に入れたっていうのに」
一夏はため息をつくと無銘剣虚無を構えた。
「殺れ!」
黒服達は一斉に銃撃を開始する。
一方一夏は避けること無くその場に立っている。
銃弾は貫通しているのに一夏は平然とした顔で見ている。
「な、何故……何が起きている?!」
「簡単な事だ……俺は不死鳥……死ぬことのない存在だ」
「馬鹿な!?ありえない……こんなことが……」
「信じられないなら信じなくていいさ。どっちにしろ、お前らはここで消えるんだからな」
一夏は右手を前に出すと炎が男達を飲み込む。
そして数分後そこには誰もいなかった。
「……少しやり過ぎたか」
裏路地の外からサイレンの音が響き走る音が聞こえたので一夏はすぐ様その場を後にした。