メス堕ちしたくない俺の苦難八割TSチートハーレム記   作:丸焼きどらごん

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更新頻度詐欺をしてしまいましたが最新話です!(すみません!



55話▶千里眼のバシュトレーゼ(魔族バシュトレーゼ視点)

 千里眼のバシュトレーゼ。

 

 彼女は魔王軍幹部であるが、元々戦う力をほとんど持たないか弱い存在だった。影も薄く、幹部だというのにバシュトレーゼの事を知らない魔族も居るほどである。

 しかし千里眼という特異な力を買われ、魔王の側近くへと仕えていたのだ。

 

 そして魔王がたった五人という数に負け、倒れたあと。彼女にある力が発現した。

 

 自分と同じように魔王の亡骸から権能譲渡(ギフト)により力を授かった者は他にもいたようだが、バシュトレーゼは自分こそが最も魔王の寵愛を受けていたのだと確信した。

 何故ならば受け継いだ力は魔王の存在を世に知らしめる、いわば魔王の象徴とも言える"黒星草"のもの。

 

 それを得た時……バシュトレーゼは歓喜した。

 

 

 

 

 嗚呼! 自分は魔王様に愛されていてた!!

 

 と。

 

 

 

 

 この時、彼女が魔王へ抱いていた"信望"は"愛"へと変わったのである。

 

 愛しい魔王を屠った人の英雄は憎らしい。だが魔王が死ななければその愛を身に受けることも無かったため、感謝もしている。

 故に。考えた結果、バシュトレーゼは彼もとい彼女を魔族へ受け入れることで手打ちとしようと考えた。

 

 魔王が最後の力でかけた呪いはどういうわけか英雄の性別を変えるもの。

 バシュトレーゼはその意味を考えに考えて……そしてたどり着いた答えでもある。

 おそらく魔王は自分を倒すほどの英雄に魔族の子を産ませ、繁栄への礎にせよと残された魔王軍に示したのだ。

 

 さて、ならばそのための種馬は誰にする? と考えた時。都合よく英雄に惚れた馬鹿が居た。

 女になった英雄の正体に気が付いていなかったようだが、そこはさして重要ではない。これは使わない手は無いと彼の行動を視野に入れつつ、バシュトレーゼは暗躍を始めた。

 

「ああ、ああ! 最愛なる魔王さま! このバシュトレーゼ、魔族の繁栄をもってあなた様の弔いとさせていただきます! 他の薄情な者どもとはわけが違うのです!」

 

 恍惚とした表情で叫んだバシュトレーゼの英雄ミサオ観察は、その日から幕を開けた。

 

 

 

 

 

 まず相手は魔王を倒したほどの猛者。女になったからといって、それは弱くなったと同義ではない。普通の方法で手籠めにするなどまず不可能だろう。

 現に魔王が倒された後、すぐに仇をとろうと英雄ミサオを追いかけたアルマディオは無様に敗北している。その力を見るに、下手をしたら魔王と戦った時以上に強くなっている可能性すらあった。

 ゆえにしばらくは千里眼を用い様子を見ることにしたバシュトレーゼである。

 

 

 英雄ミサオ。

 この男の何が怖いかと言えば、その成長速度だ。

 

 

 数年前にぱっと現れたかと思えば、各地で魔王軍の邪魔をし続けた男。

 見ていた限りたまたまその場に居合わせたから、といった理由が大半のようで特別正義感から戦っていたわけではなさそうだが、次第にその存在は魔王軍の中でも広まっていった。

 強い相手との闘争を好むアルマディオがまずミサオをつぶしに向かったのだが、あえなく敗北。持ち前のしぶとさで生き伸びたものの、その後も敗北記録は積み重なる。

 そんなアルマディオを試金石にしてミサオの実力を測っていたバシュトレーゼは、その力が日を追うごとに強く、大きくなっていったことに戦慄していた。

 

 

――――この男、何かしらの祝福(ギフト)を受けている。

 

 

 そう確信する程度には、その強さは尋常ではなかったのだ。

 

 

 

 女になってからのミサオはそのまま複数の土地を回っていたが、そこには規則性を感じていた。案の定最終的に彼らが行きついたのは特殊な手順を踏まねば入れないであろう、半異界の精霊が住まう街。

 そこから先はより強力な結界が施されていたため、バシュトレーゼの力をもってしても覗き見ることはできなかった。

 が、その後の彼らを更に追う過程で、目的地の書かれた紙を手にしている場面を見られたのは僥倖である。目的地さえ分かれば先回りして色々仕込むことも可能だからだ。

 

 彼らが目指していた先は五つの迷宮。どれも恐ろしく難易度が高い。

 

(まあ、魔王様の力を授かった私にとってはどれも脅威ではないが)

 

 バシュトレーゼのそれは慢心でなく、事実。

 現にこうして英雄一行を捕らえ、ミサオに薬を打つことも成功している。

 

 これも先回りし、アルマディオにミサオの居場所を教え上手く使ったからこそ。

 単独で篭絡に成功すればよし、しないならそれはそれで最高戦力であるミサオを足止めし仲間と分断する一助となれば良し、と。

 バシュトレーゼはアルマディオを利用した上で、先にのこのこ迷宮の奥へとやってきたミサオの仲間を人質にするため捕らえたのだ。

 この高難易度迷宮では自身の千里眼も効果は薄れるが、それは最奥で待ち受けていれば何も問題は無い。バシュトレーゼは、ただ待っているだけで良かった。

 

 彼女らの抵抗は激しかったが、あらかじめ罠を仕込み、更には迷宮最奥の高位迷宮魔物すら黒星草の養分とし蔓の物理攻撃力を上げていたことで勝敗は決した。

 ……それもミサオ用に用意していた薬を一部用いなければ危なかったが。

 

 

 

 感度を五十倍にする薬。

 それは快楽を高める意味合いの他に、痛み膨れ上がらせる効果がある。

 

 媚薬とよく混同されがちだが、"感覚全てを鋭くする"のがこの薬だ。

 使い方によっては己へと用い、あらゆる感覚器官を鋭くすることで高スピードの敵に対応するための諸刃の刃ともなりえる。

 

 

 

 精製方法が極めて難しいため惜しくはあったが、それを使わねばミサオが来る前に彼女らを無力化するのは不可能であろうと……薄めて霧状に立ち込めさせ、使用した。

 効果はその分薄れるが、節約と的確に効果を与えるための賢い選択だったとバシュトレーゼは自負している。

 

 

 突如として膨れ上がった痛み。その不意打ちは、強さゆえに痛みに鈍感になった強者にほど効く。

 目論見通りミサオの仲間達にも効果は覿面で、生じた隙に黒星草の物量でもって圧倒した。残念なことに相手の強さと黒星草自体の攻撃力を考えると殺せこそしないが、動きを奪うには十分。更には捕らえてさえしまえば魔力を吸収できるため、そのうち抵抗らしき抵抗も出来なくなるはずだ。

 

 あとは捕らえられた仲間に動揺したアイゾメミサオに原液に近い薬を打ちこみ、こちらは快楽で封殺する。そのために黒星草が精密な動きを出来るよう練習もした。

 

 

 

「ぅ……く……っ。あぅ」

「あははははははは! どうだ? 英雄、アイゾメミサオ。女の体で受ける快楽は気持ち良いか?」

「し、師匠!」

 

 

 

 現在アイゾメミサオは太い蔓に拘束されており、細い蔓が服の間から入り込みその体をまさぐっている。その間魔力吸収も同時に行っているため、そのうち立つことも出来なくなるだろう。

 もう一匹仲間がいたようだが、こちらは雑魚。薬を使うまでもなくとらえることが出来たので、現在は師匠らしいアイゾメミサオの痴態をよく見せてやろうと上からつるしてやっている。特等席だ。

 

(さて……。あの馬鹿が生きていれば蕩けたこいつをくれてやればいい。もしくたばっていたら他の魔族だな。誰が良いか)

 

 

 先ほどアルマディオが空に落とされる場面が見えたが、生きていようが死んでいようがバシュトレーゼにとってはどちらでも良い事。

 出来るだけ優秀な魔族を種馬にあてがうに越したことは無いが、なにもそれはアルマディオでなくともよいのだ。

 バシュトレーゼは頭の中で有力な候補を絞ろうといくつかの顔を思い浮かべ始めたが……。

 

 

 

 ブチリ。

 

 

 

「ん?」

 

 

 何かを引きちぎったような音に尚を上げる。

 すると目前には何かの影が迫っており、避ける間もなくそれはバシュトレーゼの顔を強かに打ち据えた。

 

「ぶべゅッ!?」

 

 無様な悲鳴を上げてしまった事にかっと頭に血が上るが、自分の顔を打ったものがなんであるかを確認して「え」と困惑の声が零れる。

 

 

 

 

 それは蔦だった。

 

 アイゾメミサオを拘束していた太い蔦。

 

 それが無残な断面を晒し転がっている。

 

 

 

 

「……え?」

 

 尻もちをついている自分に影が差す。

 バシュトレーゼはおそるおそる顔を上げ……。

 

 

 

 

「こんの、クソガキぃ……! お仕置きの覚悟はできてんだろうなぁぁぁぁ!! お尻ぺんぺんじゃすまねぇぞテメェコラァッ!!」

「びゃああああああ!? お前、なんで!?」

 

 魔族のバシュトレーゼが言うのも変だが、悪鬼もかくやという表情をしたアイゾメミサオがそこに立っていた。

 拘束していた蔦も、体をまさぐらせていた蔦も全て引きちぎられている。

 

(ば、馬鹿な! それほどの力、出せるはずが……!)

 

 しかし現にアイゾメミサオは拘束から逃れている。それもかなりの怒りを持ってバシュトレーゼをねめつけていた。

 

 

(まずいまずいまじゅい! この距離は、ダメだ! す、素の私に戦う力は……!)

 

 慌てて残りの黒星草に指示を飛ばしミサオを襲わせる。だが。

 

 

「しゃらくせぇ!!」

 

 

 襲う先から千切られる。千切られる。千切られる!!

 

 ついには守るものもなくなって、バシュトレーゼは胸ぐらをつかまれ持ち上げられた。

 

「な、なんで」

 

 時間稼ぎにもならない問いかけは単純に混乱から生じた疑問。

 この作戦が完璧たりうるためにバシュトレーゼはここまで準備を費やした。薬の出来も完璧だ。

 だというのに何故動ける!?

 

 

 バシュトレーゼの問いかけに、ミサオは額にぴくぴくと青筋を浮かべながら叫んだ。

 

 

 

 

 

 

 

「こちとら腹が痛くて死にそうなんだよこのスカタンがぁぁぁッ!!!! しかもメス堕ちポイントまで溜まっちまっただろうがよどう責任取るんだこの痴幼女!!!!」

 

(あ)

 

 

 

 

 

 よくよく見れば、いきり立っているわりにミサオの顔は今にも死にそうなくらい、青い。

 

 …………どうやらバシュトレーゼは、相手の体調まで考慮に入れていなかったらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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