メス堕ちしたくない俺の苦難八割TSチートハーレム記   作:丸焼きどらごん

64 / 80
60話▶灼熱迷宮~立ちはだかる環境脅威

『ひとつめ』

 

 ぽつりとつぶやき、幼い美貌に人外の瞳の輝きを宿すそれ……魔王と呼ばれる存在は、自らの手を眺めた。

 左手の小指。白く細い指先に納まる貝殻のような爪は、現在黒く染まっている。

 

『僕の事なんかよく見てないだろうし、ミサオは気づかないだろうなぁ』

 

 嘲笑うような。そして……ほんの少し残念そうなその声は、昼間の疲れでぐっすり眠っているミサオには届かない。

 密やかな企みは今はただ小さな手のひらに収まっている。

 

 

『さて、ふたつめはまだ放置しておこうか。まったく、こんな仕掛けが用意されていたなんて。我がことながら不思議な体だ。いや、体はもう無いんだし魂かな? ……本人すら知らないというのはどうかと思うが。これまでの厄災の魔王はどうしていたのか興味があるね。僕みたいに肉体が滅びても現世に居座る例が珍しいのか……さて』

 

 首をかしげて思考するも答えを掴むことまでは求めていない。

 ただ「そういうもの」であると、魔王となった魂に用意された本能が教えてくる。

 

 さらりと。触れられないミサオを頬を撫でる仕草をすると、魔の王は謡うようにささやいた。

 

『君が解呪への手がかりを手に入れたように、僕は復活へのカードを手に入れたようだよ? これでイーヴンだ』

 

 音はまるで睦言のように甘い響きを伴うが、それは甘味を装った毒であることを魔王自身が一番理解をしている。

 うっそり笑う魔王の声は、夜闇に紛れて消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■ ■ ■

 

 

 賢者に示された迷宮二つ目。その名称は"灼熱迷宮"とすることにした。

 

 理由は天空迷宮の時と同じというか、特徴そのまま。地下迷宮でもよかったのだが、こちらの方がしっくりくるような場所だったからな。

 表層はともかく地下にあるなら迷宮内は涼しいのでは? と考えていた俺だったのだが、迷宮は予想をあっさり裏切ってくれた。

 

 とにかく蒸し暑かったのである。

 もう完全にサウナだよあれ。

 

 壁は全部目に優しくない赤色。その色の印象通り迷宮内はとにかく全てが熱くて暑かった。

 一部は熱された鉄板のようで、うっかり触れると大やけどである。

 

 俺もみんなもレベルや技量でいえば強者なわけだが、それでも弱い"環境"というものがある。

 蒸し暑い日本の夏を知る俺としては多少ましだったが、アシュレ、シャティ、モモが特に辛そうだった。

 

 アシュレは重装備だからその中に熱がこもるし、シャティとモモは単純に熱さに弱いっぽい。

 後者は二人とも軽装なのだが、シャティは翼、モモは毛皮があるからだいぶ蒸れたようである。取り外しのできない種族特徴としてのものだから大変だ。

 

 

 ちなみに余談だが、シャティは白を基調とした服なので一部透けてだいぶセクシーなことになっていた。眼福。そこだけは迷宮に感謝したい。

 いつも距離感の近いシャティだが、こういったふとした瞬間に垣間見える無防備さからしか得られないものだ有るのだ。あるったらあるのだ。

 

 

 

 砂漠住まいのガーネッタや、その弟のアルマディオ(結局こいつ中までついてきやがった。頼みを聞いてもらっておいてあれだがそれでいいのか魔王軍)は比較的平気そうだったが、それでも"湿度"を伴った暑さには眉根を寄せていた。耐性はそこそこあるものの、だいぶ不快に感じたようである。

 ルキは意外にも蒸し暑さに強さを発揮して、水分補給など甲斐甲斐しく仲間の世話を焼いていた。

 

 そう、水分だ。

 

 灼熱迷宮の何が辛かったかって、水分不足。

 滝のように流れて体から失われていく水分と塩分に、結局は慣れている勢も途中で苦しくなり止む無く引き返す事となった。

 水魔術で何とかしても良かったのだが、迷宮の構造や深度も分からないまま常に水分補給用に魔力を消費するのは流石に無計画だし、あと水魔術で出した水って飲料用にはちょっと向かないんだよな。

 そのまま飲めるといえば飲めるが、出来れば煮沸した方がいい。生だとワンチャン腹を壊す。

 

 

 どうも灼熱迷宮はその熱さそのものが迷宮攻略を阻む大きなトラップのようだ。

 他に目立った罠こそ無かったが、シンプルだからこそ強いってのを思い知らされた。

 空調に仕えそうな魔術についてはピンポイントで阻害する魔術式が組まれているみたいで効きやしねえし。

 

 だから灼熱迷宮の攻略に関しては熱源となっているトラップをどうにかするか、こちらの阻害をしている魔術式をどうにかして空調魔術が効くようにするか、水分塩分を大量に持ち込み補い続けて力技で突破するかの三択と思われ。

 

 

 明日はその対策についてみんなと話し合う予定だ。

 

 見つけにくい、入りにくい、強さだけで攻略できない。迷宮という名にふさわしい場所なのかもしれないが、少々難儀しそうである。

 

 

 

 

 

【俺のチートハーレム記 ○ページ目の記録より】

 

 

■ ■ ■

 

 

 

 

 

 

 

「ぁふ……ねっみ……」

 

 あくびをかみ殺しながら寝床から出て行くと、もうみんな先に起きていた。

 昨日は手記をなんとかまとめたまでは良かったんだけど、俺も思いのほか暑さにやられていたらしい。疲労でいつもより多めに寝てしまった。

 

「おぁよ~」

「おはようミサオ。ふふっ、眠そうだね?」

 

 ナチュラルな動作でアシュレに頭を撫でられた。どうも髪の毛が跳ねていたらしいな。

 そのまま自分ではとても扱えないような長い癖毛を、アシュレが器用に編んでいく。朝はだいたいシャティかアシュレが髪を整えてくれるのだ。

 

 そのままぼ~っとしていると、飲み物に口をつけていたガーネッタが苦笑する。

 

「あの迷宮には参ったね。暑さに慣れてる私ですら辛かったんだ。みんな大変だったろう」

「はい……さすがに」

 

 昨日の疲れを引きずっているのか、ややぐったりとした様子のシャティ。他のみんなもだいたいそんな感じだ。

 やはりいくら体を鍛えようと、強くなろうと……慣れていない環境に適応するのは大変である。

 

 

「空調に関する魔術が一切使えないのが痛いね……。シャティ、あれを解析するのは難しそう?」

 

 俺の髪を整えてくれつつも、珍しく精彩を欠いた様子のアシュレが問いかける。

 砂漠を行く際はシャティの空調魔術を用いてどうにかなっていた鎧の問題。それが迷宮では大きな壁となって立ちふさがっているため、彼女としてはなかなかに参る案件だろう。

 軽装の鎧もあるにはあるが、それでもあの空間はきつい。

 

「このシャティにおまかせあれ! ……と言いたいところなのですが、残念ながら、はい。難しい……かもです」

 

 シャティはアシュレに頼られて嬉しかったのか勢いよく立ち上がったが、そのまましゅんと肩を落としてしまった。心なしか翼もへにょっとしている気がする。

 

「だろうね。解析と解除そのものはシャティならどうにか出来るだろうが、その術式を発生させている魔術機関を迷宮内で見つけださない事には無理だろうさ」

 

 空調魔術を阻害している魔術機関。それさえ見つけだして破壊もしくは効力の解除をすれば迷宮攻略は一気に楽になる。

 でもそれを探している間にも体力を消費するわけだから、行って戻ってを繰り返しての長期戦になりそうだ。

 現状では一番確実そうな方法だけど……う~ん。地道。

 

 首をひねって考え込む俺だったが、シャティがぱんっと手を叩いて表情を明るくした。

 

「……そうだ! もしかすると空調魔術そのものは邪魔をされても、その効果を宿した品物ならば妨害をかいくぐれるかもしれません!」

「根拠はあるのか? そのような安易な対策でどうこうなるような迷宮には思えなかったが。貴様ら程度ならともかく、この俺様の魔術すら妨害するというのに」

 

 真横から水を差されて笑顔を引きつらせるシャティ。

 それを巨体から嘲るように見下ろしているは赤髪の魔族……アルマディオだ。

 

 なんか昨日迷宮の中までついてきたし、その後もずっと我が物顔で近くに居るんだよなこいつ。

 俺達が世話になっているのはこいつの姉であるガーネッタの家なので、他人の俺達より親戚のこいつがいて当たり前と言われたらそれまでなんだけど……いや、でもなぁ……。

 ちょっと前は姉でも容赦しないとか敵対を厭わない感じだったのにどうしてそう図々しく寛げるんだよ。なんか釈然としねぇの、数度目。

 

「あなたは何故普通に会話に混ざってきているんです? 迷宮の入り口係として以外、お呼びではありませんわ」

 

 協力してもらっている反面、どう穏便に追い出したもんかと頭を悩ませているとシャティがざっくり反撃した。

 

「世話になっておいてなんだその言い草は! おい、アイゾメミサオ。やはり俺様にしておけ! こんな乳だけデカい女より!」

「は? 大きな乳はステータスだが!? それにシャティは可愛いし頭もいいし強いし可愛いんだぞ」

 

 思わず反射の域で返したら可愛いと二回言ってしまった。事実だが、自分の深刻な語彙力不足に悔しさを覚える。

 それにしてもこいつ、こんな美少女を前に乳デカいだけとか眼球ないのか?

 

「な、なに……」

 

 なにやらショックを受けているようだけど、まずお前は比べる土俵にも上げてねぇんだよなぁ。

 

 そしてシャティはといえば、勝ち誇った表情でおかえしとばかりにアルマディオを嘲った。

 

「まあ。まあまあまあ! 先日わたくしが申し上げたことが頭からすっぽりぬけてらっしゃるのですかぁ~? ミサオ様の性認識は男性のままなのですよこのおまぬけさん。はなからあなたなんて相手にされていないんです。可愛いと言って褒めてもらえたわたくしと違って!」

 

 胸に手を当ててどやぁぁぁっと背後に擬音が出てきそうなシャティだったが、はたと気づいて更に噛みつく。

 

「いえそれもそうですが誰が乳だけ大きい女ですか!! 色んな意味で失礼じゃありません!? また雷をぶち落とされたいんですか!?」

「フンッ! あんなもの対して効いておらんわ! この間はタイミングが悪かったのだタイミングが! アイゾメミサオによる攻撃の後だったからな! 調子に乗るな雑魚め! 」

「へえぇ~! そうですかー! なら試してみますーぅ!?」

「…………」

 

 魔王討伐直後のアルマディオ襲撃。その時の嫌な出来事を一瞬思い出しかけたが、きっと気のせいである。

 俺は何も覚えていない。あの時の思い出はガーネッタ姐さんとの初チューという美しい思い出に彩られるばかりだ。俺もシャティもブチ切れる事になった"妙なこと"なんて無かった。断じて。

 

『…………』

(無言でリプレイ画像を脳内に流すなテメァっッ!!)

『いや、面白いかなって。ミサオの反応が』

 

 すっかり忘れていた魔王が見たものを俺の脳内に流せるリプレイ機能。それにより他人目線から野郎にキスされる瞬間を見せられ、頭を掻きむしりたくなる。

 抹消した記憶を鮮明に思い出させるなよ!!

 

 ま、魔王の野郎。あいかわらず俺が嫌がることをノータイムで実行してきやがるぜ……! なんて邪悪な野郎だ。

 

 

 今すぐ床を転げまわりたい衝動を抱える俺だったが、シャティが本当に雷魔術を放ちそうな雰囲気を醸していたのでなだめ入る。

 待て待て待て!

 

「しゃ、シャティ! ムカつく気持ちは分かるがここガーネッタの家の中だから!! ご迷惑だから!! あれ、これこの間俺が言われる側じゃなかったっけ!?」

「あっはっは! 私は構わないよ? おもしろいからね」

「そこは駄目って言ってくれよ家主!!」

 

 ガーネッタ、寛大過ぎないか? まあシャティも本気でやるとは思わないけど。

 …………。思わないけど、それでもひやひやする。

 

『一瞬、間があったけど?』

(思考の間にまでつっこんでくるんじゃねぇよ)

 

「……チッ、ここはミサオ様に免じて矛を収めて差し上げますわ。……それで? 根拠でしたか。当然あるに決まっているじゃないですか」

 

 シャティはそう前置くと、灼熱迷宮のトラップにも物……アイテムなら対抗可能と思われる根拠を述べ始めた。

 

「あの迷宮に巡らされた魔術式。術式発生源が分からなかったので魔力の流れを手繰り寄せて、遠隔解除しようと試みました。それ自体は不可能だったのですが……分かった事が一つありますの。妨害は生物に対しては大きく影響を与えますが、半面無機物にはその効果を発揮しないようでしたわ」

「いつの間に……。やはりシャティは頼もしいね」

「まあ! アシュレ。お褒め頂けて嬉しいですわ! ……もっと褒めてくださってもよいのですよ?」

「シャティ、すごいけどすぐ調子に乗るのはよくないと思う」

「そんな!?」

 

 モモから冷静なつっこみを受けてショックを受けるシャティ。

 優秀な魔術師であり知識も豊富、切れ者と旅では常に頼りになる彼女だが、こういう所とか可愛いと思う。

 女になるまですっかり清楚な子だと信じ込んでいて、その性癖や最近の暴走っぷりにはちょっとたじたじになることも多いけど……まあ、女になって唯一。唯一!! 無理くりいいことがあったとひねり出すならば、こうして仲間の新たな一面を知れたことだろうな。

 

 にしても、アイテムか。

 

 

「そうなると、その品物を仕入れる必要があるわけですが……。僕、持ち歩けるほどの空調魔術道具って知らないです」

 

 そう言ってルキが視線を向けたのは、砂漠のど真ん中にあるガーネッタ宅の空調を一挙に担っている据え置きの魔導器具だ。

 元居た世界で言う所のエアコンなわけだが、実を言うとこれが滅茶苦茶デカい。

 

 見た目的には縦長の直方体で、冷蔵庫で表現するよりはスパコンみてぇって言った方がしっくりくる。

 どっしりと重そうで、とてもじゃないが持ち歩くような代物ではないわな。

 一応俺なら出来なくも無いが、入り口はともかく迷宮内の狭い通路なんか通れないだろう。両手が塞がって不便だし。

 

「それは……」

「わーっははははは! やはり詰めが甘いようだな有翼族!」

「あなたは黙ってくれます!? それか人の詰めが甘いというなら、代替え案を出してはどうです。でなければただのやかましいヤジですわ」

 

 むっとしてアルマディオを睨むシャティだったが、奴は素知らぬ顔だ。

 時折俺の方をチラチラ見ては期待のこもった目で見てくるのでもしかすると聞かれるのを待っている……いい案があるのかもしれないが、絶対聞いてやるものかと黙殺した。

 お惚れた弱みにつけこんでいるとはいえ、これ以上頼って借りを作るのはごめんだぜ。

 

 

 

 さて、そうなると……どうするか。

 あとちょっとでいい考えにたどり着きそうなんだけどな。

 

魔術付与(エンチャント)して作るのは駄目?」

「うう~ん。難しい、でしょうね……。付与時間が過ぎたら魔術をかけなおさなければなりませんが、そうなると迷宮内です。空調魔術なら、きっと道具に付与する前に効果が散らされてしまいますねぇ」

「ああ……それもそうか」

「となると、軽量化した空調魔術道具を作ってくれそうな技師を探してオーダーメイドでもするしか……」

 

 そこまで考えて、ぴんっと来たものがひとつ。

 

「ん? 技師? オーダーメイド?」

 

 あっと口を開く。

 

「なら俺の魔術装甲を直してもらいがてら、ロハルドさんの所へ行ってみねぇか? あの人ならどうにかしてくれるかも」

「ロハルドさん?」

「天空迷宮で言ってた魔装工芸核(アーティファクト)の技師だよ」

「!!」

 

 そう。今は壊れているが、以前俺の魔術装甲に使う魔装工芸核(アーティファクト)を仕上げてくれた人だ。

 

 俺の言葉にルキが限界まで目を見開いて頬を紅潮させる。そこからは期待と憧れの感情が窺えた。

 でも、わかる。わかるぞ、ルキ!魔装工芸核(アーティファクト)を用いての変身もとい魔術装甲ってかっこいいもん。憧れるよな~。

 

 俺は初めて魔術装甲という物を知り、その足で張り切って魔装工芸核(アーティファクト)の材料となる素材を集めまくりロハルドさんを訪ねた時の事を思い出した。

 始めは全然取り合ってくれなかったのだが、俺が魔装工芸核(アーティファクト)にこめたいこだわりを話し始めたら早かった。

 途端に乗り気となって、二人であーだこーだ言いながら性能やデザインについて話し合い、たった一つの魔装工芸核を作り上げたのはいい思い出である。

 

 

 

 ロハルドさんは優れた魔装工芸核技師だ。その技術は何も専門としているものに留まらない。

 

 彼の腕ならあるいは……。

 

 

 

「ほう! アイゾメミサオ、お前の魔装工芸核(アーティファクト)もロハルド製だったのか!」

「……"も"!?」

 

 アルマディオが再び意気揚々と会話に入ってくるが、苛つくより前にその内容に虚をつかれてしまった。

 

「……まさか、お前のも?」

「無論! 最高のものを求めたならば奴の元へ行くのが当然だ」

 

 ふふんっと胸を張って誇らしげなアルマディオだったが、俺はと言えばがっくり肩を落としていた。

 ……ロハルドさん、自分の眼鏡にかなえばどんな相手にも品物を作ってくれる人だとは知ってたけど。せめて魔王軍に優良アイテム渡すのやめてくれ。こいつ含めてちょっと前まで魔王軍の被害とかシャレにならなかったからな!?

 

 絶対脅されたとかじゃなくて嬉々として作ったに違いない。想像がつく。

 

『おや、僕の可愛い部下にも力を貸してくれるとはなかなか素晴らしい人物じゃないか』

 

 魔王はなにやら技師に興味を持ったようだ。やかましい。

 

 ロハルドさん、かっこいい大人かつ優れた技師ではあるんだけど……同時に自由過ぎる趣味人という印象も強い人なのだ。アルマディオの話を聞いてより一層その印象が強くなった。

 

 ……会いに行ったらその辺のことも聞いてみようかな。

 

「ふふふふふ。これもまた運命。ならばともに赴き俺様とアイゾメミサオの婚約指輪をロハルドに作らせ……」

「だりゃあッ!!」

「ぬわぁーーーー!?」

 

 たわけたことを言っていたので窓から砂漠に放り出しておいた。しばやく太陽に焼かれてろ。

 

 

「ま、ダメもとだけどさ。気分転換も兼ねて行ってみないか?」

 

 気を取り直して仲間達に提案してみる。

 

 実は冷凍魔術の体系化を行った賢者カリュキオスに聞くのが一番手っ取り早い気もするのだが、それはロハルドさんの所へ行って駄目だったときでも構わないだろう。

 あの賢者の住処は軽く行くにしては手順が面倒すぎるのだ。

 

 ロハルドさんのところならちょっと足を延ばせばすぐだし、俺の魔術工芸核の修理の事もあるからな。

 ルキもこうして興味を持っている事だし、まだ師匠らしいことをしてやれていない身としてはこういった機会を作るのもいいだろう。

 なんつーか、社会見学的な?

 

「いいですね! 確かロハルド様のお住まいは……」

「うん、そうだね。私もあそこに行くのは賛成だ」

 

 シャティとアシュレ、そして視線を送れば他の仲間も頷いている。

 暑さでやられていた所だし、ここは療養の兼ねてな。

 なんといったってロハルドさんが住まう地域は気分転換にはもってこいな場所なのだ。

 

 

 ともかくだ。どうやら俺達は地下迷宮攻略のために、もうひとつ過程をはさまなければならないらしい。

 

 

 

「よし! じゃあさっそく行こうぜ。……べたつく汗をながしがてら、な」

 

 

 

 

 

 

 

 




2024/3/7>>微修正
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。