光の戦士と暁のベル・クラネルがダンジョンにいるのは間違っているだろうか   作:dukemon

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アウトレア・レコード2は面白いです


ベルとリリ

1、

 

過去から帰還したベルの報告により、元《暁の血盟》構成員は今、仁竜こと第八霊災のベル・クラネルの救出を最優先事項として定めた。

しかし、失ったイデアは未爆弾のようなもの、放置ができない。

だから、オラリオにおいても最重要人物となったベルは引き続きイデアの捜査に当たっている。

そして今、彼は結構困っている。

 

「初めまして、お兄さん。突然ですが、サポーターなんか探していたりしていませんか?」

 

と、クリーム色のローブを着て、深く被ったフードから栗色の髪が見える小さな少女が言っていた。

 

ベルは現在、捜査のために上層に潜っている。

故に髪を黒く染めて、武器を安物の大剣に変わった。

過去で闇派閥の根拠地はグノッソスだと判明したが、さすがに希望の竜詩を地上で使って侵入するわけにはいかない。

ダンジョン上層を探索し、その連絡路を見つけようとした。ここ数日は三階層まで調査して終えた。

普通に考えると、この少女の提案を拒否するほうがいい。

でも……

 

「僕でよければ。契約書がありますか?」

 

ベルは彼女を放っておけない。

彼女の円らかな瞳の中で、寂しかったという気持ちが滲みだしている。

 

「え?」

 

快く承諾したベルに、少女は面喰ってしまう。

 

ベルはお人好しだけど、バカではない。

眼前の犬人の少女が魔法や魔道具で姿を偽装しているのはすでに見破った。

初めて会ったのも嘘だ。

昨日、冒険者の争いを仲裁したベルは彼女を一度見たことがある。もともとの種族は小人族(パルゥム)だ。

 

(目的は盗みだろう)

 

昨日、彼女はベルのサブウェポンのナイフを見つめている。

それはロックが作ったオリハルコンのナイフで、大業物としか言えない一品だ。

タタルやゲロルトのような超一流の専門家に比べてはさすがに劣るけど、ロックはアーテリスでは最高峰の職人。

オラリオでは、ヘファイストスとゴブニュのような鍛冶神だけが彼の技術に上回るだろ。

 

「ありませんか?それじゃギルド員から契約書をもってきますよ」

 

「いいえ、契約書があります!即答したのは珍しいから、少々驚きました」

 

微かな疑いの色が彼女の目に浮かび上がったけど、ナイフの魅力には抗えないようだ。

ベルは再びロックの物作りの才能に対して呆れている。

 

一週間の契約期間、報酬と契約金などを確認してから、ベルは《ファブニール・ミドガルズオルム》と署名して、さらに指印をつけた。

ベルはミドガルズオルムの系譜、ドラゴン族に《守る者(ファブニール)》と称えられたから、偽名ではない。

 

「えーと、ファブニール様?」

 

「フェルと呼んでいいですよ、リリルカさん。僕の名前は長くて発音にくいでしょう。ダンジョンでは呼びやすい通り名をするほうが安全と思います」

 

「それでは、リリのことはリリと呼んでください」

 

 

 

 

 

 

(そろそろ、潮時かぁ)

 

契約が結んでから六日後、リリはそう思っている。

彼女から見れば、フェルという冒険者は絶対に下級冒険者ではない。

ステイタスは大したものではない。そのくせ、読みという一点はずば抜いている。

 

(ステイタスは全部Fクラスなのに、8階層で無傷なんてありえません!わざと手を抜いています!嘘が下手すぎます!偽名を使うなら、呼ばれた時の反応くらい練習してください!)

 

プロの詐欺師であるリリから見れば、いいや、誰でも簡単に嘘を見破られるほど、この少年は純粋すぎる。

 

「よし、これで終わり。ありがとう、リリ!」

 

「いいえ、これはすべてフェル様のおかげです」

 

リリができたことは、ボウガンを数発撃つだけだ。

 

「僕はそう思わないよ。リリは本当に強い」

 

赤い目の少年は困った表情で言った。

ここ数日、数えきれないほど、彼に称賛された。

少年の嘘下手はかえって、誠実を示した。

 

 

(なんで自分に対する評価がこれほど低いのか……)

 

ベルから見ても、リリは有能だ。

戦況をよく見ているし、判断が早くて的確。

ステイタスの数値が低いのは確かだけど、それだけだ。

 

(神の恩恵は彼女に合わないかもしれない。あるいは昔の僕のようにきっかけはない……よし)

 

「僕が言ったことは慰めではないよ。戦う時、最も重要なのは自分ができることを考えること、そして現状を把握すること。リリはそれをよくやっている……赤字になるかもしれないけど、リリはソロでこの八階層からオラリオに帰れる」

 

「…いえいえ、リリのようなか弱い犬人のサポーターは強いフェル様がなければ、この階層で野垂れ死にます」

 

「犬人ではなく、小人族(パルゥム)だ」

 

この言葉に、リリは冷や水を浴びせたような気分となった。

 

「っ!」

 

「今の行動は君の有能さを示したよ。一瞬で退路を判断して、バックパックから爆弾を取りだそうとする。さらに、モンスター誘いの匂い袋を用意している。敵と自分の実力差を理解しながら、逃げるために最適の手段を取ろうとしている。これができる人を、僕は無能と呼べない」

 

「………目的はなんです」

 

「リリを放っておけない。これは偽善と言われるかもしれないけど、僕は君を助けたい」

 

そう言って、オリハルコンのナイフを鞘と共にリリに渡した。

リリにナイフを渡すという旨を記された譲渡書も差し出した。

彼女は瞠目した。

 

「これは恩恵が刻まれた時、師匠がくれた祝いの品だ。大事なものだけど、リリに託すよ。君のほうが必要だと思う。それと、やるべきことが終わって、もう一度僕と冒険したければ、いつでも………あ…………」

 

彼女は話も聞かずに、ナイフと書類を抱きしめ振り返って走り出した。

そして、大笑いをした。

 

「さようなら、フェル様。もう会うことはないでしょう」

 

「いいえ、またね。あと、君は今日誰かにつけられている。帰る時は気を付けて」

 

2、

 

ベルは正規ルートを歩いて、7階層についた。

その途端、数人の男性冒険者に囲まれた。

 

「僕に何か用ですか?」

 

「ああ、そうだ。アーデをどこにやった、ガキ?あいつを殺したか?」

 

「彼女は先に帰りましたよ。半時間前に八階層で別れました」

 

殺すという発言が普通に飛び出した時点で、この者たちの考えは読めた。

彼らはリリの金品を強奪し、殺害しようとする。

 

「それじゃあ、一つ提案があるんだ……」

 

「断ります」

 

「なんだと!てめぇ、せっかく俺はいい稼ぎを教えてやろうと」

 

「コツコツと稼ぐのが性に合うからです。それでは」

 

今度、ベルは全速を出した。

数分後、彼は地上に立っている。

しばらくしたら、リリは地上に現れた。

魔法を解除したようで、今回は小人族(パルゥム)の姿だ。

 

「リリ」

 

「え…………なんで……」

 

「あ、いや、少し心配になったから、ナイフの換金が終わるまで付き合うよ。それと、値段について少し気になる。ああ、もう君のものだから奪い返しなどは考えていない」

 

さっきの対話で、ベルは痛感した。

《ソーマ・ファミリア》が想像以上にやばい。

もし、ナイフを奪おうとする人に、リリが殺されたら、自分を一生許せないだろう。

 

「フェル様、レベルを教えてください。レベル1ではリリより早く地上に到着することは不可能です」

 

「……………レベル2」

 

「やはりそうでしたか。無力な下級冒険者をからかって、さぞ楽しいでしょう」

 

「僕は自分の都合で下級冒険者に偽装している。結果的に、リリを騙したことについて、心から謝罪する。しかし、信じてください。僕は一度も君を……」

 

「わかっています。フェル様がリリをからかうつもりはないくらい。あと、フェルというのは偽名でしょう」

 

「え」

 

それから、リリは歩きながら、ベルのへたくそな嘘をいちいち指摘した。

「そんな……完璧な偽装なのに」と項垂れるベルに、リリは容赦なくその幻想を打ち砕いた。

 

二人は路地裏を進んでいく

はじめて来た場所に、ベルは物珍しく周りに観察しているが、リリは慣れたようにダンジョンらしい複雑な小道を進み、ある建物の前で足を止まった。

 

少し開いた場所に佇む、老舗。

掠れて文字が見えなくなる看板が、その一軒家の上で首を傾げていた。

ドアを開けて入るリリを追い、ベルも店に踏み入れた。

 

「おお、またお前さんか」

 

白いひげを蓄えた丸禿のノームが情報紙から顔をあげた。

 

「お願いします」

 

リリが抜き身のナイフをカウンターに置く。

ノームの店主はそれを一目見ると目が丸くなった。

彼が店の奥に消えて、何十分後戻ってきた。

 

「こりゃ、値段がつけられん」

 

「何ですって!?」

 

「これは第一級武装だろ?確かに高いけど、値段がつけられないほどでは………」

 

ベルは疑問を投げた。

店主の答えは短かった。

 

「見ろ」

 

彼がナイフに魔力を込めると、刃から文字が浮かび上がった。

神聖文字が輝いて、光を放っている。

 

「武器として使うなら、確かに数千万じゃのう。が、これは芸術品だ」

 

ノームは文字を指差しながら、作り手の腕に感嘆した。

一つ一つの神聖文字は米より小さい。

オラリオ最高級の彫金師なら、オリハルコンにこのような文字を書けるかもしれない。

だが、彼らは第一級の武装を作れない。専門外だ。

つまり、これを作った者は鍛冶と彫金、二つの技術を極めた。

敬意をもって、店主は辞書を取り出し、文字の解読を挑む。

 

「【アクロの丘、始まりの火】……こりゃあ、英雄譚?」

 

「もしかして、エピメテウス?」

 

「そう、あの古代の英雄」

 

ベルはロックと交わした対話を思い出した。

それは終末を破ってから、暁の血盟解散の直後。

 

 

「これから、みんながバラバラになって、自分が行きたい道へ進んでいく。その前に、一つ聞きたいことがある」

 

「なんですか?ロックさん」

 

「ニーズヘッグを会いに行く理由を、お前はこの前に話した。しかし、一日悩んでから迷いが晴れた原因が知りたい。何かがあるだろう」

 

ベルの顔が赤くなった。

 

「少し恥ずかしいけど、ロックさんが知りたいなら……実は子供の頃読んだ英雄譚を思い出しました」

 

そして、大好きな英雄の決意を暗唱した。

 

「『私は愚かだ。並外れた才もない。私が選ばれたのは、たまたまそこにいただけのこと。けれど、そんな私にも、できることがあるのなら。私はそれを全うしに行くのだ』

僕はただ彼の真似事をしましたよ」

 

「お前が記したエピメテウスか。珍しい選択だな。こちらでは最も人気があるのはアルバート、アルゴノゥトやフィアナ騎士団など。あちらでもそうだろ?」

 

ベルは頷いた。

エピメテウスは確かに人気がない英雄だ。

 

「それでも、彼のおかげで、僕は生まれました」

 

「なら、俺も彼に感謝しなければならないな」

 

 

「裏側の文字は見たこともないものだ」

 

アーテリスの共通語だ。

 

「僕が読める。

『エピメテウスは英雄の器ではなく、ただ己ができることを全うしに行った凡人だった』

『彼は嘆いた。人々の心に根付く絶望に』

『そして、天の炎より尊い聖火を灯そうとした』

『祈りが受け継がれ、あまたの英雄を生み出す』

『聖火の名は希望(エルピス)、終焉を打ち砕く力なり』

ロックさんらしいな」

 

そう言って、ベルはカウンターからナイフを取って、リリに手渡した。

 

「これを買えるのはたぶん鍛冶神や美神の派閥だろ。リリ、行こう」

 

「ふざけないでください!!!」

 

リリは突然怒り出した。

 

「フェル様ってなんですか!馬鹿ですか!」

 

「ば……馬鹿……」

 

「なんでそんな貴重なものを知り合って数日の小人族(パルゥム)に渡したのですか!大事なものでしょう!!」

 

「えーと」

 

「安い憐憫で渡せるものではないでしょう!なんで……」

 

「理由なんて、見つけられないよ」

 

ベルはうずくまって、リリの目を見つめている

 

「強いて言えば、あの日、リリが僕の前に現れた。他の誰ではない。リリだから、僕はこのナイフを渡した」

 

大粒の涙が栗色の瞳から流れ落ちた。

リリは我慢することができず、声を出して泣き始めた。

 

「痴話喧嘩はよそでやれ」

 

「違います!!!!」

 

ノームの店主は疲れそうな表情でリリとベルを追い出した

 

3、

 

リリからソーマ・ファミリアの現状を聞いたベルは本拠地に行き、改宗が必要な金を取り出した。

二人はソーマ・ファミリアの正門前で合流し、中に入った。

ベルは冷静に来意を告げ、手持ちの大金を門番に見せると応接室に連れられ、酒を出された。

 

「リリ。ソーマ神は会談を応じると思うか?」

 

「思えないです」

 

「……なら、ここで待つ意味はない」

 

神酒入れの小さな杯を見つめながら、ベルは呆れ果てた。

ベルはすでに変装を解除し、今回訪れた時も真名を門番に話した。

団長のザニスはレベル1で災厄を退けたという話を信じられなくて、神酒の魔力でベルを虜にするつもりだと、二人は理解した。

 

「僕は随分舐められたようだ」

 

そして、一口で飲んだ。

 

「え!!!!!」

 

「美味しいけど、それだけだ。酒は楽しく飲むもので、これは全然楽しくない。吐き気がする」

 

ベルはこともなげに言っていたが、これははったりだと自覚している。

歯を食いしばって、ようやくその魅力を耐えた。

 

「ベル様、手から血を……」

 

手を見ると、神酒を抵抗するために握りしめた拳から血が滲みだした

(リリはこんなものとずっと戦ってきたのか……)

怒りが心から込み上げた。

 

魔力感知でソーマの居場所を判明すると、ベルはなりふり構わず突っ込んでいく。

止めようとする団員たちは一睨みで黙らせた。

団長のザニスはデコピン一つで沈んだ

リリは顔を青ざめて、ベルの後を追った。

神室の中で、ソーマは外の騒ぎを気にせずに、数種類の植物を磨り潰している。

 

「ソーマ神、あなた方に話をしに来ました」

 

神は答えず、酒の調合を続いている。

何度も話しかけて、ようやくベルとリリに反応した。

 

「簡単に酒に溺れる子供達の話を聞くことに、何の意味がある?」

 

ベルの苛立ちが爆発した。

もともと酒に強くないベルは神酒の魔力に屈しなかったけど、アルコールに自制心を少し失った。

 

「わかった。酒の話がしたいなら、心からの感想を言おう。ソーマ神、一口しか飲んでいないが、おめえの酒は最悪だ」

 

ソーマは目を見張った。

 

「ああ、そうだ。眷族に招待されて、一口飲んだ。飲んで、気分が悪くなったぞ」

 

「彼が言ったことが本当か?」

 

ソーマは神室外にいる団員たちに聞いた。

 

「あ……ああ、ザニスに言われて、神酒を……」

 

「吐き気がする酒なんて初めてだ。リリが退団したいのも頷ける。水やジュースで割るほうがいい」

 

挑発だとわかっているが、ソーマの矜持はその発言を無視できない。

彼はため息を吐いた。

 

「ジュースと水を持ってこい」

 

それからの状況は混沌となった。

 

 

「水で割ればこの神酒の清涼感が失われ特徴が亡くなる!」

 

「違う!この酒が濃すぎる!水や氷を入ってちょうどいい」

 

「それは貴様の舌が馬鹿だから!!!」

 

ソーマ・ファミリア全体は酒以外無関心だったソーマが誰かと言い争うところを初めて見た。

さらに、神酒を飲みながら、それを美味しいと認めない少年を畏怖の念を抱いた。

 

「「まずい!!!」」

 

「これは本当にまずい。芸術的にまずい。笑いが出るほどまずい」

 

「いったいどこの馬鹿がドリアンのジュースを持ってきたんだ」

 

しかし、なぜかその酒にまつわる口論を見ると、笑いが込み上げる。

ソーマは怒りながら、楽しそうにベルと口喧嘩をしている。

もう一方、ベルは慣れない酒に酔っぱらっている

 

『エピメテウスは英雄の器ではなく、ただ己ができることを全うしに行った凡人だった』

ベルの言葉を思い出したリリは、己ができることを考えた。

そして、神酒を取って、飲み果てた。

ソーマ、ベルと団員達は瞠目した。

長い沈黙を経て、リリは口を開けた。

 

「ソーマ様、神酒は美味しいけど、リリは楽しく飲めないです。どうか、リリの退団を許してください」

 

4、

 

翌日、リリはヘスティアと共にソーマ・ファミリアに行った。

ベルはもともと同行するつもりだったが、リリは自分の手でけじめをつけると申し出を断った。

数時間後、二人は本拠地に帰った。

リリは晴れてヘスティアの眷族となった。

その晩、ヘスティアはベルと単独と話した。

 

「ソーマはサポーター君に謝罪と祝福を与えた。そして、ベル君に感謝を」

 

「感謝?」

 

「久しぶりに誰かと楽しく酒盛りをしたって。はるか昔、アゼムと飲んだことを思い出したそうだ」

 

「あの人の前世の交友関係はどうなっています……………!」

 

「そうなの考えても無駄だよ。ちなみに、神酒作りはやめたようだ。神酒を飲んでも、子供は素直に楽しまないと言った。これからは子供と一緒に酒作りを励むそうだ」

 

「それでいいです。ぎりぎり、アゼムの継承者が殴り込むのを避けたようです……それと、アーテリスのことはどこまでリリに話しますか?」

 

「それはボクに任せよ!英雄譚を翻訳した礼で、昨日の朝ロックからいい本をもらった。それを使えばいいよ」

 

数日後、ベルは自信満々の女神を信じて詳しく聞かなかったことについて、激しく後悔した。

 

 

 

 

「ベルく~ん、この本に書いてあったことは本当なのか?」

 

「嘘ですよね。ベル様は女性に口説きまくる最低なクズなんて」

 

二人の手にある本の表紙は『黒の竜騎士ベル・クラネルの旅路 新生編』、『黒の竜騎士ベル・クラネルの旅路 蒼天編』という。

 

「ご、誤解です!お願い信じて!!」

 

二人の目はシヴァの氷より冷たいと、ベルは心から思った。

 

 

 




黒の竜騎士ベル・クラネルの旅路

タタルの大繁盛商店の目玉商品。
グ・ラハ・ティアの提案で、ベルの同意を得て出版したもの。

着想は仁竜ベル・クラネルの旅路という本で、第八霊災から50年後出版したものだ。
本の内容は仁竜の述懐と回想録。
新生編、蒼天編、第八霊災編と災後編から構成される。
英雄たちとの思い出、無力だった自分に対する悲嘆、そして死者の代わりに希望の灯火を灯そうとする決意などが書かれている。
第八霊災後のアーテリスではかなり人気がある物語だ。

ベルの同意の元に、タタルが編纂し始めた『黒の竜騎士ベル・クラネルの旅路』は新生編、蒼天編、漆黒編と終末編から構成される。
一部の人物以外は偽名で登場するが、基本的には事実を基づいて記したもの。
内容はベルの冒険記録で、新生編と蒼天編はすでに出版されたが、漆黒編と終末編は執筆中だ。

売り上げは天井知らずに上がった原因は、口説きのバイブルとしての価値が高すぎる。
種族問わずに、ベルと親交がある女性登場人物は蒼天編まですでに30人以上を超えた。
その言行のすべては好きな人がいる男性にとって大変参考になるものだ。

ちなみに、グ・ラハ・ティア以外の暁の構成員は中に記載された女性遍歴を見て、頭が痛くなった。
ロックが「超につくほどの天然だらし。あの頃は成年だったらとっくに押し倒されただろう」と評した。

実は仁竜の時は(バディ)が何翼いる。その事実を知っているグ・ラハ・ティアは誰にも言わなかった
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