後天騎士の権能譚〜ハーレム築き上げないと即死!?〜 作:ちっぽけな石ころ
三月、高校三年生たちは卒業を終え、ある人は恩師に挨拶をし……またあるものは思い人に告白をするものもいた。
生まれて1年八ヶ月で保育所のスタッフに告白してから99回目の春の季節。
しかし御子柴傑は諦めなかった………灰色の中学の青春をこの卒業式に人生を賭けていた。
中学一年から恋していた女子高生を体育館の裏側に呼び込み
「夢見さんっ!!好きですっ!!俺と付き合ってくださいっ!!」
御子柴傑は目の前に少女に告白していた。少女は少し考え込み口開く。
「傑くん………いつも気さくだし明るくて、私が困っていたら助けてくれるほどに優しい山城くんが好き………」
今ここで御子柴傑の恋が………
「なんだけど、あなたを恋愛対象としてみると、虫唾が走って反吐が出そでずっと三年間我慢していたのごめんなさいっ!!」
「確かな手応えからのまさかの卒業までの三年間、まさかの衝撃事実!!」
御子柴傑はあまりの落下の高低差に、自分の人生は失恋で死ぬと感じでいた。
ー○●○ー
「……これで100回目の失恋………神さま、俺何か悪いことしましたか?」
夕方、御子柴傑は一人寂しく帰っていた、目には涙が溜まり失恋をまだ引きずっているのかその足取りはとても重かった。
「はぁ……………うん?」
御子柴傑は何かに気づき、視界の先にあったのは
神社だった。
「うわ…………汚い」
鳥居の表面は剥がれており、石畳は割れその隙間から雑草が生い茂っていた。手を洗う手水舎は口から水を出す龍の銅像までにも苔が群生していた。
「ていうか、こんなところに神社なんてあったんだ…………ずっと住んでいたけど知らなかった………」
御子柴傑は周りを見ながらも神社の敷地内に入り、そのまま前へと進んでいった。
「ゴミは無いし………きっといるんだけど………ボロいなぁ」
御子柴傑の視線の先にあるのは拝殿だったが、一段とボロボロである。ここに神さまが住んでいるなら気の毒とさえ感じていた。
「ここにきたのも何か縁かもしれないし………」
御子柴傑はポケットに入れていた長財布を取り出し、チャックを開き五円を取り出した。
「これでなんとか…………次こそは彼女ができてきゃっきゃうふふな青春ラブラブ学生生活を過ごさせてください!」
五円玉を古びた賽銭箱に投げ入れ、鐘紐を掴み左右に揺らした。3回手を鳴らしお辞儀をした。
「ふぉっふぉっふぉ………若いのが感心するわい」
「えっ!?誰!?」
突然聞こえた声に御子柴傑は驚き、周りを探すが人影が見つからない。
「ここじゃ……お主が投げ入れた賽銭箱を覗いてみろ」
また声が聞こえた山城は声の指示に従い賽銭箱を覗いてみる
するとなんというかでしょう、賽銭箱に髭を生やした初老の男性が生えてきたではありませんか。
「うわぁぁぁ!!賽銭泥棒!!」
「こんな気色悪い方法で賽銭箱を取ろうとする賽銭泥棒がおるか!?………わしは八百万の神にして、この神社の神様じゃっ!!」
顔だけで登場し、自身を神と名乗る変質者に御子柴傑というと
「そんな気色悪い方法で登場する神様がいる方がおかしいわっ!!」
未だに賽銭箱に顔だけを出している
「うわ………すり抜けたということは本当に変質者じゃなくてもののけの類……」
「神を物の怪とよぶな、この罰当たりがっ!!」
「………大丈夫じゃよ、傑………お主は選ばれたのじゃからここで祈願せずともお主の運命の人と出会うことになっておる」
神様の言葉に御子柴傑は驚き、固まったが震えながらも声を出した、、
「う、運命の人が………こんな俺にも………ああ、わかった……運命の人じゃなくて
「お主は東○グールか!?」
100回も告白しては失恋した御子柴傑は神の言葉を違う意味に聞き間違えた。
「運命の人とは……この無数に枝分かれした世界でもいつか必ず出会う最高の恋愛パートナーじゃ」
「無数に枝分かれした世界、最高の恋愛パートナーっ!?」
「そうじゃ、一目見た瞬間に互いのことが好きで好きでたまらなくてそこに性別の概念もひっくり返るほどにな」
「お互いのことが好きで好きで、性別の概念がひっくり返るほどにっ!?」
「ああ、そうじゃ……だが傑よ、注意するのじゃ、人生山あり谷あり……恋も然り好きだからと言って、やましいことがすればすぐに嫌われるから気をつける」
「…‥人生山あり谷あり、すぐにやまし「ええい!!お主はさっきからわしの言葉を繰り返しておって!!先の話が進まん!!」………」
同じ言葉を繰り返す御子柴傑に堪忍袋の尾が切れた神、なんとなく理解した恵はは咳き込む。
「ゴホン………なんとなくわかりましたけど、俺は幸せな恋を過ごせるんですね」
「ああ、しかもお主の運命の相手は一人だけじゃない、それはもう選び放題なんじゃ!!」
「ま、まじっすか!?………でも、俺今までそういった出会いはなくて選び放題って………」
すると神はポケットからチョークをとりだし、石畳に円を描きだし、中央にはばつ印をつけた。
「……… まあ、わしがサボってスマ○ラやっていて、間違えてお主の運命の相手たちを別世界に飛ばしたんじゃがな」
ボソリととんでもないことを呟いた神様の言葉を、運命の相手のことしか考えてない御子柴傑には聞こえず、傑は小躍りしていた。
「あ、嘘じゃないんだろうな神様にっ!!俺はその世界で運命の相手に出会えるんですよね!?」
「あ、ああ……神は嘘を掴ん……さあ、この陣の中央に立つのじゃ、これを同じの運命の相手がおる世界に転生させる」
御子柴傑の視線を見ずに神はそう答えた。
「わかったよ………」
神の言葉を信じ、チョークで描かれた陣に立つ。
「もし、これで嘘だったらこの神社を社会的にも物理的にも燃やしてもいいですか?」
「いやっ!!いくら信じきれないからって物騒なことを神を脅すか、このゆとり世代がっ!!では、いくぞっ!!」
物騒なことや呟いた傑を早く異世界に転生させたいと思った神は鈴紐を力一杯引っ張った。それと同時に何かが恵の頭上に高速で落ちてくる音が聞こえた。
「うん?………この音はどべぇっ!!」
傑の後頭部に何か硬いものが落ち、傑は倒れた。意識が朦朧する中、なにが自身の頭におちてきたのか確かめようとした。
それは黄色く、丸く表面はお餅のようにすべすべしたそれはチーズだった。
何故、空からチーズッ!?と思ったがすぐに目がは目の前にいる神が要因だと理解した。
「やっぱり今の時代、ラクレットチーズによる転生じゃな………魔力とか使わないで転生できるから楽で良いわ………お主に良い人生を……」
「そ、そんな転生………あるわけないだろう………ガクッ」
御子柴傑はそのまま意識を落とし、その人生を終えた。
【死因】空から飛来した数十キロあるラクレットチーズによる後頭部損傷。
「やべ…………うっかり、傑の恋センサーも破壊してしまった…………まぁ、なんとかなるだろう、ス○ブラしようー
ー○●○ー
「青い空、暖かい日差し、散る桜はさぞ美しいものだろう…………地下牢に閉じ込められていなければ穏やかな学校生活を過ごせたのにっ!!!!視界も気分も180度変わるのになぁっ!!」
現在、御子柴傑はとある場所の地下牢に閉じ込められ、天井から吊るされている鉄の鎖に足を縛られた身動きが取れない。
「こなくそぉぉぉ!!」
左右に揺れ暴れるが鎖がちぎれる様子が見れずに御子柴傑は心の中で落胆した。
「落ち着け俺………そうこんな時は素数を………俺、そこまで賢くなかったから無理だわ………とりあえず状況を整理して………」
「それは簡単よ………あなたがこの学園にふさわしくないからよ」
鉄格子の扉が開き、そこにいたのは赤髪の少女だった。赤い赤髪は腰まで伸びており、学祭服を着込み、両手には籠手、足には具足を装着し、腰には鞘を納めたロングソードを携えていた。
「意義あり!!学園にふさわしくないって……俺は正式な手順で受けて……君って中学生?もしかして場所間違えた?」
身長は170はある御子柴傑は逆さでもみてわかるほどに身長が低く、中学生と勘違いした御子柴傑は赤髪の少女に質問すると、少女は顔を赤らめた。
「わ、私は中学生ではありませんっ!!このワッペンをみてわかりませんかっ!?」
少女は袖を引っ張り、御子柴傑に見せた。そこには生徒会役員と書かれ金の刺繍があった。
それをみた御子柴傑は驚いた。
「俺と同じ高校生って…………嘘でしょ」
「まだあなたはそのようなことを………私のどこをみて中学生と勘違いしたですか!?」
「そりゃ………まぁ……」
御子柴傑の視線は少女の未発達な胸を見つめる………ほぼ壁と言っても過言ではないことに御子柴傑は心の中で憐れんでいた。
その気配に察知したのか………少女は腰に携えていたロングソードを鞘から抜き、御子柴傑の喉元に近づける。
「ひいっ!!
「あなたはどうやらご自身の立場をわかっていないらしいですね…………」
少女の目にハイライトは無く、いつでもあなたをどうすることもできると剣で警告する、今ここで少女の胸のことをバカにすれば御子柴傑の喉に穴が開くだろう。
「い、いや何もないっていうか…………うん!!そうだっ!!なんで俺が学園にふさわしくないからって地下牢に閉じ込められるんだよっ!!いくら生徒会関係だろうと、拉致監禁は罪だろうっ!!」
少しでも命を長らえようとする御子柴傑は話を戻した。
「それは簡単です、ここは異能を持ち騎士を目指すため切磋琢磨に学ぶための場所、異能を持たないあなたがここに踏み入ることすら罪なのですから!!」
高らかに御子柴傑が捕まった理由を言った少女だが、それで納得できない御子柴傑は困惑していた。
「そんなので納得できるかよっ!!それに俺はちゃんと実技だって異能だっちゃんと……あるしっ!!
「へぇ、それなら今ここで見せてもらえないでしょうか?その鎖は私の異能で作ったもの、拘束程度なのでちょっと異能を使えば簡単に砕けますよ」
少女の言葉に御子柴傑の視線は泳ぎ、少女を見つめずに汗を大量に流す。
「い、いやあ………それは、使えないというか条件というか………ぶっちゃけ反応してくれるかわからないし」
はっきりしない言葉に少女はため息を吐きながら、指を鳴らした。
それと同時に御子柴傑の足を絡みついていた鎖は解け、蛇のように動き少女の元まで近づいた。
「どぅべ!!」
突然拘束が解け、御子柴傑は地面とキスをした。
「興醒めだわ……だけどひとつだけ言っておきます。この学園は異能を持つものだけが通う場所、爆発事故なんて当たり前……いえ、それだけならまだ平和と肝に銘じていたほうがいいわよ」
少女はそれだけを言い残し牢屋から出て行く。
「いてて………くそ、不幸だ」
鼻血が出ていないのかを確認しながら御子柴傑は慌てて待ち合わせ場所に走っていった。
ー○●○ー
「あっはっはっ!!まさか、時間通りに来ないと思ったらまさか生徒会に因縁をつけられるなんて、さすが私の弟よ」
見事な調度品が立ち並び大きな机にふかふかなソファで足を組む白髪赤目の女性が笑っていた。
「そりゃ、ねえぜ、義姉ちゃん……俺だって好きでそうなったわけじゃなくてて………」
頭を掻き御子柴傑はうんざりしていた。
「まあまあ、ため息を吐けば幸運が逃げるよ」
誰のせいだと思いながら義姉を見つめる。
御子柴有紗、この世界における御子柴傑の義理の姉である。なにかとお世話になっているために頭が上がらない御子柴傑。
「まあ、そうね……あなたはレベル0で
「それなら義姉ちゃんがどうにかしてよ、一応ここの理事長なんだろう?」
「そうはしたいけど、いくら身内だからって特別視したらスポンサーとかそれこそ生徒会にあとで怒られるのよ、私にできることなんてせいぜいここをあなたの避難場所にするぐらいよ、あと……これくらいかな」
御子柴有紗はポケットから取り出したものを御子柴傑に向けて投げ、綺麗に放物線を描き、御子柴傑の両手に落ちた。
「……鍵?」
「あなたがこれから三年間過ごす学生寮の部屋の鍵よ………荷物もそこに届いてるわよ」
「はあ………そういうことなら………」
「じゃあ、あなたがこれからここで入院しないことを祈り………あ、辛いからってここで自殺だけはやめてね」
「新たな門出を進む弟を、さらに不安に思わせるんだ、この義姉は!?」
ー○●○ー
真っ白な壁のマンションの前に御子柴傑は見上げた。
「ここが………これから三年間住む場所………人工島だからってここまでするとか、やっぱりこの世界色々おかしいぞ……」
そう言葉に出しながら、タマンションの中に入り…義姉からもらった鍵の番号を見比べて向かうった
「よし………とりあえず、この一年間は事故とかに巻き込まれないようにっ!!」
そう意気込み、御子柴傑は扉に鍵を挿し入れ、ドアを開いた。
「────ハ?」
入ってすぐに御子柴傑は視界の先に移るのをみて呆然と立ち尽くした。
「な、なんであなたがいるのっ!?」
それは先程御子柴傑を拉致監禁した少女、しかし少女の服装は学生服では無く、タオル一枚を身体に巻いているだけだった。
少女は理解できず、浅く息を吸い、今の現状にとまどい言葉を失う。
柑橘類の洗髪料の香りが部屋を漂う。
わからない、どうすればいい。今、目の前にいる変質者を拳で撲殺することが優先だと少女は思う。
しかし、今は昼であり人工島であり、学園都市でもあるここで今はダメだ、やるなら晩だ。
そのまま両者は見つめながら、数秒の沈黙が訪れる。
その沈黙を最初にぶち壊したのが御子柴傑だった」
「───なんか、三年間不安しかなかったけどね」
少女を見つめ、御子柴傑はさわやかな笑顔で見つめる。
「ありがとう、おれの不安はきえて」
右の親指を立て、
「俺はここでなんとか無事に過ごせそうだっ!!」
「無事に過ごせるわけないでしょうがぁぁぁぁ!!」
叫びとともに身体の呪縛が解けた少女はテーブルに置いてあった分厚い書物を手に取り、豪速球で御子柴傑の顔面に叩きつけたっ!!
「─────!!」
避けることもできず見事に顔面に書物をぶつけた御子柴傑はそのまま地面に吸い込まれるように倒れ、そのまま意識が消えた。
TS、バトルものは次の話ででます