凛久は今、雄英の大きな門の前に立っていた。
倍率300倍という、厳しい受験戦争を勝ち抜いた生徒として、その校舎を見上げる。
新しい環境への緊張はあるが、それ以上にこれからの雄英高校ヒーロー科での日々への期待が胸に溢れ、自然と自信が湧いてくる。
設備、教育、ヒーローへの就職率、どれをとっても最高峰の高校『雄英高校』。その校舎へと、足を進めた。
☆======☆
「ここか……、っと、大きい扉だな」
僕はゆっくりと扉を見上げる。
雄英に新入生案内役の生徒や教員はいないようで、この教室にたどり着くまでに結構な時間を要した。事前に送られてきたパンフレットだけでは情報が足りなかったのだ。
僕はここに辿り着くまでの苦難を思い出し、感慨に耽るのをやめて、扉を開けて中に入ることにした。
カタリと、机の揺れる音に目を向けると先客がいたようで、雄英高校の制服を着た女子生徒が席に座って勉強していた。
入学初日なのにもう予習だろうか。
彼女は、僕が教室に入ってきたのに気がついていないようで勉強を続けている。綺麗な黒髪を後ろで縛っており、上品ながらも活発な印象の女子だ。
結構早い時間についたと思っていた僕よりも早く、教室にいることに若干驚きつつも、声をかける。
「おはよう。僕は伊吹 凛久、今日からよろしくね」
「おはようございます。私は八百万 百、今日からヒーロー科同士、よろしくお願いしますわ!」
どこかのお嬢様のようだとは思っていたが、喋り方からも品の良さが表れている。やはり、と言うべきか【八百万】といえば日本で知らない人はいないレベルの大きな財閥だ。
「ところで、まだかなり早いけど八百万さんは、いつからここに?」
「実は私も2分ほど前に着いたばかりでして、そんなに早くからいたわけではありませんわ」
他愛のない話をしていれば、すぐに時間がたち、教室も賑やかになってくる。
「……!」
「…………だなァ⁉︎」
「………………んとにヒーロー志望か⁉︎」
「友達ごっこがしたいなら他所へ行け。ここはヒーロー科だ」
教卓の方から声が聞こえて、言い争っていた二人も席に慌てて席に着いた。メガネをかけて注意をしていた生徒はまだしも、ツンツン金髪頭の不良のような生徒もおとなしく従ったことに僕は驚いた。ああ見えて、かなり小心者なのだろうか?
「ハイ、静かになるまでに8秒かかりました。全く、合理性に欠けるね」
教卓にはモゾモゾと寝袋から出てきた男が立っていた。
まだ受け止めきれていない生徒たちをよそに、話を続ける。
「担任の相澤消太だ。よろしくね」
(((担任!?)))
明らかに不審者の出立ちの男の教師宣言にクラスのみんなの心の声が一つになる。
「早速だが、コレ着てグラウンドに出ろ」
相澤先生は寝袋から体操服を取り出す。
「更衣室は、朝お前たちが入ってきた玄関の隣にある。10分後に集合だ。遅れるなよ」
そう言い残すと、相澤先生は教室から去っていった。
☆======☆
「「「個性把握テスト!?」」」
「入学式は!? ガイダンスは!?」
「ヒーローになるならそんな悠長な行事に出る時間はないよ」
体操服に着替えて、グラウンドに集合したみんなに向かって相澤先生は、『個性把握テスト』なるものを実施すると言い放つ。
「中学校の頃もやったことがあるだろう。個性禁止の体力テスト、これを今度は個性ありで測定する」
50メートル走、ハンドボール投げ、立ち幅跳び、反復横跳び、上体起こし、握力測定、持久走、長座体前屈の8種目をするらしい。
実技試験で一位だったという、先程机に足をかけていた生徒の爆豪が手本としてハンドボール投げをして、とんでもない記録を叩き出した。
「なんだこれ! すげー面白そう!」
「個性思いっきり使えるんだ! さすがヒーロー科!」
みんなが全力で個性を使えのかとはしゃいでいると、相澤先生の目がギロリと鋭くなる。
「……面白そう、か。君達はヒーローになる為の3年間をそんな腹積もりで過ごす気なのかい?」
そして、底冷えのする声で続ける。
「よし。トータル成績最下位の者は見込みなしと判断し、除籍処分としようか」
「「「「えええええ!!?」」」」
なんか深夜テンションでなんも考えずに書いてた。
エタらない自信はないです。
個性把握テスト...どうするんだぁ...思いつくまで次話が書けない。