Monster Hunter~黒戦記~   作:あたあめ

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5話目です。
今回は熱い(?)バトルな感じです。
それでは、そうぞ。


真紅のとどかぬ獅子

「レギル!レギル!」

 

レギルの自宅の外からドアを叩く音が聞こえる。ローケンだ。レギルはのっそり起き上がり、寝起きのおぼつかない足取りでドアを開けた。

 

「レギル!アルムルがいなくなった!」

 

開けた途端聞こえた知らせにレギルは耳を疑った。

 

「な・・・アルムルが?なんでですか・・・?」

 

「わからない!なにか君の家に置き手紙などないか?!」

 

レギルは急いで自宅を見渡す。するとベッドの左下の床。あった。レギルはその手紙を拾い上げると、ローケンにも聞こえるように読みあげた。

 

「僕はレギルのためにクシャルダオラを探してペイントボールを投げてきます。この吹雪ならクシャルダオラもいるでしょう。ペイントボールが付いたら僕は村に戻ります。ご心配なく。 アルムルより。」

 

「なんて・・・ことだ・・・」

 

ローケンが絶句する。

 

「意味が・・わからん・・ペイントボールを付けに夜の雪山に?あのアルムルが?」

 

レギルは明らかな違和感を覚えた。あの怖がりなへたれハンター、アルムルが一人で夜の雪山に行くなどレギルは考えられなかった。

 

「レギル!考えるのは後にしよう!アルムルを救うのが先決だ!」

 

レギルは頷き、ローケンと共に夜の雪山へ行く装備を整えることにした。

 

「私はいつもどおりの装備で行く!君はここにあるギザミ一式を装備してくれ!サイズは少し小さいが、我慢してくれ!それと、双剣を用意した!【ツインフレイム】だ!」

 

【ツインフレイム】とは火竜(リオレウス)、雌火竜(リオレイア)から作られる双剣で、火属性が強い。雪山に行くのならうってつけの双剣だろう。レギルはその一回り小さいギザミ一式と【ツインフレイム】を装備した。

 

「よし。出発だ!ホットドリンク、砥石、それに回復薬を持て!」

 

レギルはローケンに言われたその三つのアイテムをポーチに入れて、さらに村長からもらった、強走薬、鬼人薬、怪力の種をポーチに入れた。

 

「走るぞレギル!ついてこい!!」

 

 

 

雪山は、奥地に行けば行くほど地形がいびつになり、吹雪が強くなる。慣れないレギルはもはや前も見えない。レギルが前に進むのに手間取っていると前方からローケンの声がした。

 

「ここらへんはドドブランゴの縄張りだ!!気をつけろ!!」

 

ドドブランゴは雪山に住む牙獣で、別名「雪獅子」。ブランゴの群れのリーダーで、ブランゴより体格が一回り大きく、好戦的だ。レギルはドドブランゴに怯えながらゆっくりと進んでいく。すると、レギルたちは開けた場所に出た。

 

「道が開けた!アルムルが休んで止まるとしたらここだ!!探せ!」

 

レギルはひたすら探した。ただアルムルが生きてることを願って・・・

 

「っっ!!」

 

レギルはアルムルを見つけた。が、首があらぬ方向へ曲がっている。死んでいるのだ。レギルは思わず、地面に向かって嘔吐した。

 

「レギル・・・アルムルの死体をポッケ村へ持って帰ってやろう・・・。しかしこんな雪山の奥地ではネコ荷台も呼べないからな・・・どうやって運ぼうか・・」

 

ローケンがそう呟くと突如、物陰からローケン目がけて巨影が飛び出してきた。ローケンは恐るべき反応速度で【飛竜刀】を抜き、受け止めた。

 

「ドドブランゴ・・!」

 

ローケンは険しい顔をして【飛竜刀】を構えた。

 

「上位じゃなきゃいいけど・・」

 

そうローケンが言うと同時にドドブランゴが突進してきた。ローケンはその攻撃を間一髪で回避し、つかさず【飛竜刀】で斬りつけた。

 

カキィン!!

 

雪山によく響く金属音が鳴り響く。ローケンはよろけた。

 

「斬れない・・・上位?!」

 

レギルは絶望した。相手はドドブランゴ、しかも、上位だ。通常より格段に強い個体で、いくらローケンといえども歯が立たない。

 

「くっ・・!レギル!アルムルの死体はいいから行け!!」

 

ローケンが振り向いてそう言ったのもつかの間、ドドブランゴの容赦ない拳がローケンに振り下ろされ、ローケンは鈍い音と共に吹き飛ばされた。

 

「ローケンさん!!」

 

レギルはローケンの名を呼んだが壁にぶつかりピクリともしない。

 

「な・・・」

 

レギルは目の前が真っ白になった。

 

ローケンさんは俺をかばおうとして死んだ・・・・

ああ・・。結局俺も死ぬのか・・・

せめて、クシャルダオラは見ておきたかった・・・・

 

・・・あ?

待てよ・・あの手紙・・今思い起こしたらアルムルの字じゃねえ・・・。

誰のだ・・?

もし・・・これが仕組まれてるものだとしたら・・・

誰がやった?

 

そう考えてる間、ドドブランゴは目前まで迫っていた。ドドブランゴがラリアットで突進してきた時、レギルは左に転がって回避した。そして、ドドブランゴがとりあえず来ないエリアまで移動した。

 

「はぁ・・はぁ・・ここなら少し時間がとれるだろ・・・。クソ・・仕組んだ奴を見つけたら殺してやる・・・。その前に、あの猿も狩らないとな。」

 

レギルは逃げるという選択肢を忘れて、ドドブランゴを狩るという考えだけが頭を支配していた。

 

「奴を倒すには少なくとも鬼人状態を解いちゃだめだ。強走薬を飲もう・・。それと、攻撃力もあげる必要があるな・・・」

 

鬼人状態は双剣限定の状態だ。スタミナを消費する代わりに、攻撃力と身体能力が上がる。

 

「ローケンさんは双剣との呼吸を合わしてうんぬんかんぬん・・・って言ってたな・・」

 

レギルは村長から貰った、鬼人薬と強走薬を飲んだ。

 

「よし。鬼人化。」

 

そう呟くと、レギルは双剣に全神経を集中させた。レギル自身、原理はよくわからないが、双剣とレギルの身体が赤く光り出した。

 

「鬼人化は成功したな・・・」

 

すると向こうから影が迫ってくる。ドドブランゴだ。レギルはドドブランゴがくっきり見える位置まで行くと、怪力の種を食べた。

 

「ようクソ猿・・・よくも二人を殺してくれたな・・・」

 

レギルは笑みを浮かべてこう言った。

 

「狩ってやるよ。」

 

その言葉が合図になったように、レギルとドドブランゴは当時に飛び出した。またもやドドブランゴのラリアット突進が来るが、レギルは右に転がって回避した。

 

「双剣は手数で勝負・・!斬ってやる!」

 

レギルはドドブランゴを斬ろうとする。が、瞬間移動のようにドドブランゴの身体が後ろに移動したのだ。バックステップだ。レギルはバックステップによって後方、3mほど飛ばされた。そして振り下ろされるドドブランゴの拳・・

 

「くっ・・・!」

 

レギルはパンチを喰らい、壁に激突した。なんとか受け身をとって死にはしなかったが、頭から出血している。起き上がるとレギルは頭に衝撃が走り、視界がクリアになった。多大なダメージによって脳内麻薬であるドーパミンが分泌されたのだ。

 

「はは・・・こいよクソ猿・・」

 

ドドブランゴはまたもラリアット突進で迫ってきたが、レギルは右足で地面を強く蹴り、わずか1mm差ほどでかわした。いわゆるステップ回避である。

 

「鬼人乱舞・・・!!」

 

レギルは隙だらけのドドブランゴの後部に鬼人乱舞を喰らわした。相手は怯むが、同時に叫んだ。レギルは突然の咆哮に、思わず耳を塞いだ。

 

「グルルルル・・・」

 

猛獣を思わせるその声と共に口から白い霧のようなものが出る。怒り状態だ。

 

「怒ったか・・クソ猿・・」

 

レギルはそう言うやいなや、ドドブランゴに飛びかかった。ドドブランゴは拳を振るが、レギルはドドブランゴの股下をあお向けで滑り、ドドブランゴの後方についた。

 

「うおおおおお!!!!!」

 

ドドブランゴが振り向くと同時に、レギルは双剣の片方でドドブランゴの顔面を突き刺した。鮮血が白い雪面に滴り落ち、ドドブランゴはグラリと倒れた。

 

「アルムル・・ローケンさん・・俺、倒したよ・・」

 

緊張の糸が切れて、レギルはその場に倒れてしまった。

 

 

 

 




今回はバトルシーンの流れを切りたくなかったので、一話分がさらに長くなってしまいました。
今後もがんばりますので、よろしくおねがいします。


相変わらず、前書き後書きに何を書けばいいのかわかりません。
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