今回は熱い(?)バトルな感じです。
それでは、そうぞ。
「レギル!レギル!」
レギルの自宅の外からドアを叩く音が聞こえる。ローケンだ。レギルはのっそり起き上がり、寝起きのおぼつかない足取りでドアを開けた。
「レギル!アルムルがいなくなった!」
開けた途端聞こえた知らせにレギルは耳を疑った。
「な・・・アルムルが?なんでですか・・・?」
「わからない!なにか君の家に置き手紙などないか?!」
レギルは急いで自宅を見渡す。するとベッドの左下の床。あった。レギルはその手紙を拾い上げると、ローケンにも聞こえるように読みあげた。
「僕はレギルのためにクシャルダオラを探してペイントボールを投げてきます。この吹雪ならクシャルダオラもいるでしょう。ペイントボールが付いたら僕は村に戻ります。ご心配なく。 アルムルより。」
「なんて・・・ことだ・・・」
ローケンが絶句する。
「意味が・・わからん・・ペイントボールを付けに夜の雪山に?あのアルムルが?」
レギルは明らかな違和感を覚えた。あの怖がりなへたれハンター、アルムルが一人で夜の雪山に行くなどレギルは考えられなかった。
「レギル!考えるのは後にしよう!アルムルを救うのが先決だ!」
レギルは頷き、ローケンと共に夜の雪山へ行く装備を整えることにした。
「私はいつもどおりの装備で行く!君はここにあるギザミ一式を装備してくれ!サイズは少し小さいが、我慢してくれ!それと、双剣を用意した!【ツインフレイム】だ!」
【ツインフレイム】とは火竜(リオレウス)、雌火竜(リオレイア)から作られる双剣で、火属性が強い。雪山に行くのならうってつけの双剣だろう。レギルはその一回り小さいギザミ一式と【ツインフレイム】を装備した。
「よし。出発だ!ホットドリンク、砥石、それに回復薬を持て!」
レギルはローケンに言われたその三つのアイテムをポーチに入れて、さらに村長からもらった、強走薬、鬼人薬、怪力の種をポーチに入れた。
「走るぞレギル!ついてこい!!」
雪山は、奥地に行けば行くほど地形がいびつになり、吹雪が強くなる。慣れないレギルはもはや前も見えない。レギルが前に進むのに手間取っていると前方からローケンの声がした。
「ここらへんはドドブランゴの縄張りだ!!気をつけろ!!」
ドドブランゴは雪山に住む牙獣で、別名「雪獅子」。ブランゴの群れのリーダーで、ブランゴより体格が一回り大きく、好戦的だ。レギルはドドブランゴに怯えながらゆっくりと進んでいく。すると、レギルたちは開けた場所に出た。
「道が開けた!アルムルが休んで止まるとしたらここだ!!探せ!」
レギルはひたすら探した。ただアルムルが生きてることを願って・・・
「っっ!!」
レギルはアルムルを見つけた。が、首があらぬ方向へ曲がっている。死んでいるのだ。レギルは思わず、地面に向かって嘔吐した。
「レギル・・・アルムルの死体をポッケ村へ持って帰ってやろう・・・。しかしこんな雪山の奥地ではネコ荷台も呼べないからな・・・どうやって運ぼうか・・」
ローケンがそう呟くと突如、物陰からローケン目がけて巨影が飛び出してきた。ローケンは恐るべき反応速度で【飛竜刀】を抜き、受け止めた。
「ドドブランゴ・・!」
ローケンは険しい顔をして【飛竜刀】を構えた。
「上位じゃなきゃいいけど・・」
そうローケンが言うと同時にドドブランゴが突進してきた。ローケンはその攻撃を間一髪で回避し、つかさず【飛竜刀】で斬りつけた。
カキィン!!
雪山によく響く金属音が鳴り響く。ローケンはよろけた。
「斬れない・・・上位?!」
レギルは絶望した。相手はドドブランゴ、しかも、上位だ。通常より格段に強い個体で、いくらローケンといえども歯が立たない。
「くっ・・!レギル!アルムルの死体はいいから行け!!」
ローケンが振り向いてそう言ったのもつかの間、ドドブランゴの容赦ない拳がローケンに振り下ろされ、ローケンは鈍い音と共に吹き飛ばされた。
「ローケンさん!!」
レギルはローケンの名を呼んだが壁にぶつかりピクリともしない。
「な・・・」
レギルは目の前が真っ白になった。
ローケンさんは俺をかばおうとして死んだ・・・・
ああ・・。結局俺も死ぬのか・・・
せめて、クシャルダオラは見ておきたかった・・・・
・・・あ?
待てよ・・あの手紙・・今思い起こしたらアルムルの字じゃねえ・・・。
誰のだ・・?
もし・・・これが仕組まれてるものだとしたら・・・
誰がやった?
そう考えてる間、ドドブランゴは目前まで迫っていた。ドドブランゴがラリアットで突進してきた時、レギルは左に転がって回避した。そして、ドドブランゴがとりあえず来ないエリアまで移動した。
「はぁ・・はぁ・・ここなら少し時間がとれるだろ・・・。クソ・・仕組んだ奴を見つけたら殺してやる・・・。その前に、あの猿も狩らないとな。」
レギルは逃げるという選択肢を忘れて、ドドブランゴを狩るという考えだけが頭を支配していた。
「奴を倒すには少なくとも鬼人状態を解いちゃだめだ。強走薬を飲もう・・。それと、攻撃力もあげる必要があるな・・・」
鬼人状態は双剣限定の状態だ。スタミナを消費する代わりに、攻撃力と身体能力が上がる。
「ローケンさんは双剣との呼吸を合わしてうんぬんかんぬん・・・って言ってたな・・」
レギルは村長から貰った、鬼人薬と強走薬を飲んだ。
「よし。鬼人化。」
そう呟くと、レギルは双剣に全神経を集中させた。レギル自身、原理はよくわからないが、双剣とレギルの身体が赤く光り出した。
「鬼人化は成功したな・・・」
すると向こうから影が迫ってくる。ドドブランゴだ。レギルはドドブランゴがくっきり見える位置まで行くと、怪力の種を食べた。
「ようクソ猿・・・よくも二人を殺してくれたな・・・」
レギルは笑みを浮かべてこう言った。
「狩ってやるよ。」
その言葉が合図になったように、レギルとドドブランゴは当時に飛び出した。またもやドドブランゴのラリアット突進が来るが、レギルは右に転がって回避した。
「双剣は手数で勝負・・!斬ってやる!」
レギルはドドブランゴを斬ろうとする。が、瞬間移動のようにドドブランゴの身体が後ろに移動したのだ。バックステップだ。レギルはバックステップによって後方、3mほど飛ばされた。そして振り下ろされるドドブランゴの拳・・
「くっ・・・!」
レギルはパンチを喰らい、壁に激突した。なんとか受け身をとって死にはしなかったが、頭から出血している。起き上がるとレギルは頭に衝撃が走り、視界がクリアになった。多大なダメージによって脳内麻薬であるドーパミンが分泌されたのだ。
「はは・・・こいよクソ猿・・」
ドドブランゴはまたもラリアット突進で迫ってきたが、レギルは右足で地面を強く蹴り、わずか1mm差ほどでかわした。いわゆるステップ回避である。
「鬼人乱舞・・・!!」
レギルは隙だらけのドドブランゴの後部に鬼人乱舞を喰らわした。相手は怯むが、同時に叫んだ。レギルは突然の咆哮に、思わず耳を塞いだ。
「グルルルル・・・」
猛獣を思わせるその声と共に口から白い霧のようなものが出る。怒り状態だ。
「怒ったか・・クソ猿・・」
レギルはそう言うやいなや、ドドブランゴに飛びかかった。ドドブランゴは拳を振るが、レギルはドドブランゴの股下をあお向けで滑り、ドドブランゴの後方についた。
「うおおおおお!!!!!」
ドドブランゴが振り向くと同時に、レギルは双剣の片方でドドブランゴの顔面を突き刺した。鮮血が白い雪面に滴り落ち、ドドブランゴはグラリと倒れた。
「アルムル・・ローケンさん・・俺、倒したよ・・」
緊張の糸が切れて、レギルはその場に倒れてしまった。
今回はバトルシーンの流れを切りたくなかったので、一話分がさらに長くなってしまいました。
今後もがんばりますので、よろしくおねがいします。
相変わらず、前書き後書きに何を書けばいいのかわかりません。