あれから3日、オレたちはずっとバラティエに滞在している。そのお陰か、サンジ以外のコック達ともそれなりに仲良くなった。
コック達から色々な話を聞いたけど、やっぱり気になるのは〝真っ赤な目の男〟の話だな。
目が真っ赤になるほどワインを飲んだあげく、体に引火して爆発したらしい。やっぱりコラソンなのかな?
風貌を聞いてみたんだけど、引火した時のインパクトが強すぎてよく覚えていないらしい。この謎は今世でもお預けかぁ。
オレは今、メリー号に戻って自由時間だ。
子供向けの辞典はあらかた読み終わったし、ナミさんに別の本でも借りてみようかな?
甲板から、まだナミさん専用の女部屋へ降りて、ノックする。
「どうぞ〜」
「ナミさん、何か本を……!?」
部屋へ入るとナミさんが着替えていた。
いや、この言い方だとエッチなハプニングみたいだな。実際には着替え終わってるんだけど、問題は別だ。
今世では初めて見る肩を出した服装、その格好で露わになった左腕には刺青が無かったんだ。
「なによ? ジロジロ見て。アンタまさか!?」
「ち、違う!」
「そう言えば最近、やけにナルトくんと仲良いわよね? そういう目で見るなら、この部屋出入り禁止にするわよ?」
ナミさんは腕で体を隠し、オレに見られないようにする。誤解だ!
確かにサンジは、ナミさんの魅力について語ってくるけど。オレにやましい気持ちはないんだ!……おそらく。
何か、言い訳を……ん? アレは!
「そ、それ! その首からかけてるヤツが気になって!」
「ああ、
「水晶?」
「そうよ。大切な物だから肌身離さず持ってるの」
そう言ってナミさんは胸元に水晶の付いたネックレスを仕舞い込んだ。
なんだっけ? どっかで見た事あるんだよなぁ。うーん? 原作だったような、違うような?
とにかく誤解が解けたみたいだし本を手早く借りて、部屋から失礼してきた。
でも、刺青が無いって事は、もしかしてアーロン一味に入れられてないのか? その割には、お金に執着してる感じだけど……。
どのみちもう直ぐ分かるか。クリークとミホークが来てバタバタしてる内にナミさんが一人で離脱する
今は借りてきた本でも読んで暇つぶしするか。
そういえば、よく確認しないで借りて来ちゃったんだけど、どんな本なんだ? 〝ルイ・アーノートの大冒険記〟? 大冒険?
あ! さっきのネックレス、アバンのしるしに似てたんだ。ONE PIECE関係なかったよ。
「おれがこの店に要らないって言うのかクソジジイ!」
「海賊にでもなって早く店から出てっちまえ!」
本も読み飽きてきたので店に戻ったら、サンジとゼフさんがまた喧嘩してた。ここ何日か、ずっとこの調子だ。
ゼフさんに恩を返したいサンジと、オールブルーを見つける夢のために旅立たせたいゼフさんだ。お互いにソコは口に出さないから、結局口論になる。
でも、他人がどうこう言う問題じゃないからな。オレには原作通りの形に落ち着くことを、願うくらいしかできない。
さてと、ルフィがちゃんと働いてるか覗きに行こうかな〜。
ん? 厨房へ向かう廊下に
「
「読めるのか!? お前さん!」
うお! ゼフさんか、びっくりした〜。でも、日本語が全くない世界なのかと思ってたけど一応は存在してるんだな。
「そいつは、おれが海賊だった頃に
「ある国?」
「ああ、そこで知り合った侍に将来店を出す話をしたら、コイツを書いて寄越してきたんだ」
ワノ国ですね分かります。この世界だと、ゼフさんは〝新世界〟まで行ってたんだな。10年くらい前の話なんだろうけど相当な実力だったんだろう。
けど、10年前のワノ国か。原作だとオロチとカイドウに支配されてるハズだけど、この世界だとどうだったんだろう?
「ゼフさん、ワノ国って……」
「? なんだ? やけに店の方が騒がしいな。ありゃガレオン船か?」
「オレ、見てくる」
窓からガレオン船が見える。多分ギンが、クリークを連れて来たんだろう。ワノ国の事も気になるけど後回しだ。今聞いたって何かが解決する訳じゃないしな。
「すまん……!!!」
あ! もうクリークがメシ食ってる! 感謝してる風に装ってるけど、どうせこのままピラフ一皿で完全回復して店内で宣戦布告するんでしょ?
それにしても、あのクリークやけに
うーん、今更サンジを前にしてメシを食わせるなとは言えなよなぁ。けどこの後の展開を知ってるから、せめてピラフ半分くらいに減すよう交渉して……
あぁ! 言ってるそばから裏切った! メシをくれたサンジにラリアットかましたよ!
なんか、体型も原作みたいなになってるし。ホントにピラフで完全回復したの!? 生命帰還の方がまだ納得できるんだけど。
あれ? でも
もしかしたら、部下たちの食料を融通してやれば大人しく出ていく展開になったりするんじゃ?
「食あたり
あ、もう無理かな。パティが大砲撃ち込んじゃった。
「やったか!?」
やってない。
「なかなか、いい趣味の
「なんだ!? 盾!?」
「オイオイ。あれで無傷かよ!?」
なんだアレ!? ウーツ鋼の鎧じゃなくて、体を覆う位に大きくて武骨な盾を出してきた。あんなの服の下に隠せないだろ!
って言うかさっきのガリガリ状態の時、服の下に何も付けて無かった。ホント、どこから出したんだアレ?
「大人しく言うことを聞けば、殺さないでやる。いいか、餓死寸前のおれの部下が百人近くいる。その分の食料と水を用意しろ」
「百食分はあるだろう。さっさと船に運んでやれ」
「オーナー・ゼフ!?」
ゼフさん、さっきから居ないと思ってたけど食料を用意してたのか。
一先ずクリークは部下へメシを食わせるために出ていったけど、この先どうなるんだろう?
「すまねェ! ナルトさん!
おお! ギン! さっきまで
「オーナー! 何で、みすみす敵を増やすようなマネを!」
「奴らが向かってくるようなら相手してやりゃいい。だが、そんな
「あ、ああ。今すぐにでも離れなけりゃいけねェ!
「ギン、だれだ? アイツって?」
「〝
「〝
ふぃあ くろっせあ? 何だソレ? そもそも英語ですらなくないか? 七武海ってネーミングはどこ行ったんだ!?
ゾロは鷹の目が来るかもって聞いて戦う気マンマンになってるし。
「かつては〝
「知ってるのか、ゼフさん!?」
「仮にもこの海の
「ああ、東の方でデカい海戦をやった。最初はおれ達が優勢だったんだが、アイツ等〝鷹の目のミホーク〟と〝海賊女帝ボア・ハンコック〟が参戦してきて一気に劣勢になった……」
ハンコック!? 遠征しすぎじゃない?
ギンの話をまとめると、クリークが誇る50隻の大艦隊はミホークに次々と
後方にいた旗艦と周りの船は撤退を決めたんだけど、船員が軒並みハンコックに石化させられてしまい、結果残ったのは旗艦を含めてたったの3隻。
その内の1隻を取り仕切っていたギンが
無事にハンコックは
なんでも残りの1隻を指揮していた船長が、クリークの〝ビブルカード〟をミホークに渡してしまったんだとか。
おかげでクリークはずっと追いかけられる羽目になって、食料の補給もできなかったらしい。
「おれの船も鷹の目に斬られ、ひとり小舟で
色々とおかしな点が多すぎて、何からツッコメばいいやら。
まず、どうしてハンコックが〝
それに、〝ビブルカード〟だ。聞けば合流する時の為にクリーク海賊団の幹部はみんな持っているらしい。でも原作だと〝ビブルカード〟って〝新世界〟でのみ作れるって設定だったよなぁ。
まさか、クリーク海賊団は〝
「ギン!! とっとと来い! 鷹の目が来やがった!!」
「!! すまねェ、ナルトさん! おれはもう行かなきゃならねェ!」
「気にすんな。腹減ってる奴にメシを食わせただけだ」
「ルフィー! おれは〝鷹の目〟と戦いてェ」
「そっか。がんばれよ!」
「オイオイオイ! 正気かよゾロ! 相手は私掠撰だぞ!」
「オッサン達は船を動かしておいてくれ、さっきの話じゃメリー号までスッパリ斬られちまうかも知れねェしな」
そうだ! メリー号! ナミさんは!?
「よし! ならウソップとエダは、ナミと一緒にメリーを避難させといてくれ!」
「了解だ
「え? あ、うん。ゾロ! 死ぬなよ!」
「おう!」
副船長とオレはメリー号に戻ってきた。すぐに船を出さないと! もうミホークの舟が見えてる!
「ナミさん! 出航準備だ!」
「もう出来てるわよ! クリーク海賊団が来てるって言うのに、なんで直ぐ出てこないの!」
「すまん! 説明は後だ。とにかく船を動かすぞ!」
バラティエの桟橋には、もうクリークのガレオン船とメリー号しか停まってない。他の客はとっくに逃げ出してたんだな。
オレたちが船を出した直後、ガレオン船は
うわっ! 船の瓦礫が沈んだ衝撃で海が荒れてる!! バランスがっ! 落ちる〜!?
「バカ! しっかり捕まってなさい!」
「ナミさん! 助かった!」
「エダ! 緊急事態だ!〝根〟を使ってメリーを陸地と固定してくれ!」
「!!わかった、やってみる!」
船体を傷つけるから使わないようにしてたけど、緊急だ!〝根〟を甲板から船室まで貫通させ、さらに船の側面から外へ飛び出させる!
岸まではギリギリの距離だな! 届かないか!?
ドン!
急に船体が岸へ寄った! よし! 一気に地面へ突き刺して、船体を岸辺へ無理やり固定する。
「ふぅ、思いつきで大砲を使ったが上手くいったな!」
副船長が岸と反対方向になる左舷側の大砲を撃って、船体をわずかに動かしてくれたのか。おかげで助かったけど、大砲の音でミホークに敵認定されてないよね?
「ちょっと! 何なのよ一体! どうしてガレオン船が急に崩れ落ちたの!?」
「斬られた」
「はぁ!?」
「いや、説明下手か! アレをやったのは〝鷹の目のミホーク〟で、奴の標的は〝
「鷹の目って
「ワシの聞いた話じゃ、指定された獲物以外は狙わないらしい。だから、手を出さなければ大丈夫なんじゃないか?」
「でも、ゾロがミホークと戦うって」
「なにやってんのよー!!」
「ごふっ!」
殴られた。〝根〟を出してるから、オレ動けないのにヒドくない?
「はぁ。アイツの野望は聞いてたけど、なにも世界最強に今挑まなくてもいいでしょ?」
「なんでオレ殴られたの!?」「ノリよ!」
じゃあしょうがない。取り合えず海も静かになったし、根を戻そうかな。
「エダ! 根っこを戻す前に試しておきたい事があるんだが」
こんな時でも実験ですか!? まぁ付き合うけど。何だかんだで副船長の指示は的確だからな。
おれの目の前で、巨大ガレオン船が斬り分けられた。ギンって奴の話で聞いちゃいたが、これが
『ばかじゃねェのか、お前真っ先に
店を出る前に、あのコックが言ってきた言葉を思い出す。あの野郎には死を覚悟してると返したが、エダからは死ぬなと言われてつい返事しちまったな。
おれは心のどこかで、まだ生きたいと願っているんだろう。そりゃそうだ、何も死ぬために〝鷹の目〟を探してたんじゃねェ。
勝つ。それしか道はねェ。
おれの名を、〝豪剣のゾロ〟って呼び名をあの世まで響かせるには越えなくちゃならねェ壁だ!!
力を貸せ!
最後の刀の銘はもちろん捏造です。
この世界のゾロは刀の名前を聞いてきたので、村のジジーがその場のノリで適当に付けた。という設定です。
枯れた自分が炉を使って
次回はゾロvsミホーク 果たして刀は折れるのか!? お楽しみに。