植物好き(仮)と麦わらの一味もどき   作:浅学寺のえる

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kubiwatukiさん、ドラム缶さん、トリアーエズBRT2さん誤字報告ありがとうございます。


第24話〝5人目〟

 バラティエへ入ると、ルフィ達は既にテーブルへ着いていた。

 少し寝過ぎたかな? いつもはオレの方が早起きなのに待たせちゃったな。

 

 「エダ! 男に戻ったんだな!」「なんか、背が伸びてねェか?」「顔付きも、どこか精悍になったような……?」

 

 「さっき、起きたら戻ってた」

 

 「なんだ、喋り方も戻っちまったのかよ」

 

 「まあワシは、こっちの方が落ち着くけどな」

 

 「けど、あいかわらずガリガリだな!」

 

 そう言えばロビンだった時と目線が変わらないな。ゾロが言う様に、背が伸びた……違うな、猫背が治ったんだ! これは嬉しい! 自分じゃ矯正しようとしても無駄だったからなぁ。

 でも、顔付きが云々は鏡を見てないから今は分からないな。あとで確認するとして……

 喋り方は戻ってるのか。自分だと判りづらいんだけど、確かに頭の回転も戻ったような気がする。やっぱり、ロビンの脳を使ってたって事なのかな?

 

 席に着くと、ナミさんも店へ入ってきた。う、さっきの事があるから少し気まずい。

 

 「ふぁ〜、おはようアンタ達」

 

 「おう!」

 

 「なんだ? 寝不足か?」

 

 「お前さんは平気か?」

 

 「え? 一昨日、丸一日寝てたから平気」

 

 って、副船長は何で今オレにも聞いてきたんだ? まさか〝見聞色〟で!?

 もしかして、さっきの顔付きが精悍になったって発言も()()()()()()だったのか?

 ……ヤブヘビだな、ここは素知らぬフリで流しておこう。

 

 テーブルに5人が揃ったら、サンジが朝食を配膳してくれた。その後、サンジも席に着いて食事が始まった。

 おお! 東の海(イーストブルー)での麦わらの一味が全員揃ってる! 改めて見ると壮観だなぁ。あ、またバルトロメオみたいな思考になってる。

 

 アレ? このスープに入ってる黒いのは……?

 

 「お? 虫が入ってたか、気になるんならおれのと替えてやるよ」

 

 「サンジ、この虫の名前は?」

 

 「……あいにく虫には詳しくねェんでな、ハエか何かだろ?」

 

 正解は〝バッチー〟……って何でこんなどうでもいい事覚えてるんだ? 時々、頭の中に原作のコアな情報が浮かんでくるんだよなぁ。

 とりあえず、スプーンで出せば問題ないな。伊達に無人島生活してないって。

 

 「なんだ、結局飲むのかよ。まあ、いいんだけどよ」

 

 「サンジも、どんどん飲め。ほら、水」

 

 「お、おう。何なんだよ一体」

 

 そうだ、虫で思い出したけどオレが作れる()()()()()()も食材の保管なんかには役立つかな?

 虫除けや軽い殺虫効果のある毒なんだけど、多分除虫菊(ジョチュウギク)の成分なんだと思う。蚊取り線香の匂いがしたし。

 前世で()()した毒しか使えないって確信できたのもコレのお陰だ。

 〝一度のプッシュで、部屋から虫が消え失せるよ!〟みたいな触れ込みの殺虫剤を使った時の話だ。

 

 ある時、部屋にコバエが出たので殺虫剤を使ったんだ。コップに入った飲み物があった事も忘れて。

 しばらく経って、部屋で漫画を読みながらいつもの流れでコップの飲み物を飲んだら、とんでも無く苦い味がした。

 その後ネットで調べた情報によると、あのタイプの殺虫剤は()()()で水槽がある部屋なんかで使うと魚が死ぬ事もあるんだとか。

 よく見れば説明欄にも書いてあったから完全にオレの不注意だったんだけど、おそらくあの体験があったから()が生成できるんだと思う。

 

 そう言えば、フィルムZの冒頭でもウソップが殺虫剤を散布してチョッパーの飲んでた牛乳とかが不味くなるってシーンがあったなぁ……ってまた原作知識が浮かんできた。

 これって、もしかしてロビンの意志がオレの脳内で……!? まあ、単にオレの頭の中が ONE PIECE で構成されてるだけって可能性も否定できないけど。

 

 

 「はぁ〜、食った食った!」

 

 「どんだけ食うんだよテメェ!」

 

 「ごちそうさま。私は出航前に少しやる事があるから船に戻ってるわ」

 

 「あ、オレも手伝……」

 

 「ならワシとエダは、バラティエの屋根を修理しておくぞ」

 

 「悪ぃな。ここの連中は、大工仕事は苦手でね」

 

 そうだ、屋根の修理をするんだった。ルフィが都合3()()ゼフさんの部屋の屋根に穴を空けてるから、もう天井の面積よりも空の方が広いらしい。

 最初のゴムゴムの風船で飛ばした砲弾、2回のクリーク爆弾で吹っ飛んだルフィ、その全部がゼフさんの部屋へ落っこちるって何かの引力が発生してるんじゃ?

 

 

◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 「よしエダ! パーっとやっちまってくれ」

 

 「そんな簡単じゃない!」

 

 バラティエの建物に使われている既存の材木は、メリー号と違ってオークの木じゃないからな。

 そう、オレの能力は副船長の実験のおかげで新しい発見があったんだ。

 

 鷹の目がガレオン船を沈めたせいで海が荒れ、メリー号の船体を傷付けるのを承知で〝根〟を使い、岸辺へと固定したあの時。

 副船長に実験だと言われ、樹液で穴を補修しながら〝根〟を抜いてみる事になった。出来ないと思いつつもやってみたら難なく出来てしまった。

 

 オレが能力で出す木材は、副船長が図鑑などで調べた結果〝オークの木〟と呼ばれる植物の物だと判明した。なんか女騎士の天敵みたいな名前だけど、図鑑を見た感じだと日本で言う〝(ナラ)の木〟に近い特徴だった。

 それで、同じ木材を使っているメリー号ならば能力を伝播(でんぱ)させられるんじゃないかと推測したらしい。

 副船長の読み通り〝根〟を引き抜く時に、補修を意識したら〝根〟と船の既存部分とがキレイに癒着したみたいで、穴の痕跡は一切判らなくなった。

 

 バラティエの場合は前段階として、オレが板を出し副船長が釘を打って既存の部分と繋げてからじゃないと能力で一気にとはいかない。

 幸いと言っていいのか既存部分が殆ど残って無かったから、天井と屋根を一度壊してから()の部分だけを副船長に繋いでもらった。

 こうなれば、残りは一気に作れる。左右の手で交互に板を出しながら、どんどん癒着させて隙間を埋めていく。

 お絵描きツールで言うバケツみたいな感じだ。散々作らされてるから、もう角材や板は簡単に出せるようになってるし、エネルギーも朝食分で足りそうだ。

 

 

 「ふう、こんな所か! 悪ぃなおやっさん、瓦までは作れねェみたいなんだ」

 

 「隙間がねェんだから雨も入らねェだろう。天井だって新築みてェに綺麗だし、ありがとよ」

 

 「じゃあ、オレは出航前まで船に戻ってる」

 

 朝の事もあるし、ナミさんと話しておかないと。こういう、気まずさは早めに解消しないと! 時間が経つほど余計に話しにくくなるしな。

 

 「おっと、待ってくれ。お前さんが気にしてた〝薔薇亭(ばらてい)〟の文字……あの国について話しておきたい事がある」

 

 ああ! そうだクリークが来たせいて聞けなかったんだった。でも、ワノ国もとい〝ヒノモト〟の話は昨日の夜ナミさんから聞いたんだよなぁ。

 

 

 「なに、そう長い話じゃねェ。この世界の果てに近い場所にある〝ヒノモト〟をお前さん達は目指してるんだろ?」

 

 「まあ、そんな所だな。ワシはメリー号を最果てへ導くまでが目的だが、その過程でヒノモトへは寄るんだしな」

 

 ナミさんも会った当初はオレの日本語を聞いてヒノモト出身だと勘違いしてたらしい。

 話を聞いて分かったんだけど、古くからこの世界の言語は基本的に英語のみで統一されていたらしい。

 まあ中には、マールデ(なにがし)だの四掠撰(フィアクロッセア)だのと他言語由来っぽい単語もあるみたいだけど。それらは、伝承から(もじ)ったものや、響きのいい方言を使っていたりするそうだ。

 

 それで肝心の日本語なんだけど、コレは唯一の他言語国家である〝ヒノモト〟で使われているものらしい。

 一応、日本(ヒノモト)語を使う集落なども世界には僅かにあるらしいけど、聞いた時の印象だとそれらは相当レアなケースなんだと思う。

 

 「おれがヒノモトへ行ったのは10年以上前だ、あの国の情勢が今どうなってるのかは分からねェ」

 

 「まあ、そうだろうな。何しろ〝鎖国国家〟だしなぁ」

 

 「だが、そこへ至る航路くらいなら分かる。あの国へは、大陸から南方の島々を経由して行くのが正解だ。間違っても九里へ直接行っちゃいけねェ」

 

 ヒノモトなんて言うから、ワノ国とは別物かと思ったけど同じ地名もあるんだな。

 でも、九里かぁ。確か、おでんが治める前までは荒れてたハズだけど、10年前って? あと、南方の()()? 鬼ヶ島しか無いんじゃなかったっけ?

 

 「九里ってのは、そんなにヤベェ場所なのか?」

 

 「ああ、問答無用で襲ってくる野蛮な連中だ。言葉が通じねェ。ヒノモト語なら通じるって話じゃねェぞ、最初(ハナ)から人の話を聞く気がねェって事だ」

 

 「こわっ」

 

 ヒノモト語話せるから、オレが大活躍。なんて一瞬思ったけど、無理そうだ。

 

 

 「南方の島でガイドを雇って、兎丼辺りへ行くのを勧める。まあ、大分先の話になるだろうから頭の隅にでも仕舞っておけ」

 

 「ありがとよ。経験者の貴重な話は、旅する上じゃ何より大事だからな」

 

 「ありがとう。ゼフさん!」

 

 副船長は、ああ言ってるけど。未知を楽しむのも旅の醍醐味だ。ルフィだって原作でワンピースについてレイリーの口から聞くんだったら冒険を辞めるって言ってたし。

 オレも昨日、この世界の未知を楽しむって決めたんだ。ヒノモトの謎は、自分の目で確かめる事にしよう。

 

 


 

 

 このレストランも見納めか。

 たく、アイツら下手な芝居しやがって。おれを旅立たせようとしてんのは後になって分かったが、おれの作ったスープを捨てる事はねェだろうよ。

 ジジイまで一緒になって捨てやがったが、その後に言われた言葉で旅立つ決意ができた。

 

  『フザけんなクソジジイ! てめェの作ったスープが、これとどう違うってんだよ!!』

 

  『うぬぼれんな!! おれァ世界の海で料理してきた男だぜ!』

 

 それにあのジジイが、()()やがった。

 思い出したくもねェ奴らに、大した意味もなく散々殴られた事はあったが、ジジイのそれには確かに()()()()が込められていた。

 その後、店の外へ出たおれが聞いてるのも知らずにアイツらはスープを美味そうに飲んでやがった……。

 

 おれの夢、オールブルーを探す旅。ルフィー達の目標にしてる海に、その可能性はある。

 それに、どうせ旅に出るなら気の合う連中の方がいいしな。まあ、あの剣士は気に食わねェ所もあるがよ。

 だが、ふとした瞬間に思い出しちまう。

 

 剣士のヤツが、己の野望を捨てずに最後まで折れねェ姿を。

 ルフィーが巨大な爆弾を前に、己の身を(かえり)みず弾き飛ばした姿を。

 ジジイが見せたあの技の数々。ずっとおれの心に残っている失われた右足……あの時だけは確かに()()()()()()

 そして、エダが死を覚悟して敵と玉砕しようとした姿。

 旅立つと決めた後も、あの瞬間のあいつらの姿が目に浮かんでくる。

 

 一つ懸念だったエダがレディーになっちまった件は、今日になったら呆気なく片付いてやがった。しかし、あの美女は一体どういう存在なんだろうな。

 確かにあの時、エダとは違う人格だったんだ。中身がエダなら、おれだって戦闘中に見惚れはしなかった……ハズだ。

 ナミさんは何やら会話をした様子だったが、隠しているみてェだし詳細を聞くのも(はばか)られる。これもジジイの教えだな。

 

 女のウソは、許すのが男だ。

 

 


 

 

 「それじゃ、しっかり届けてね」

 

 ゼフさんの部屋を出て、船へ戻るとナミさんが白い鳩を飛ばしていた。足に金属の筒が見えたし、伝書鳩?

 

 「ナミさん、今のは?」

 

 「あら、もう修理は終わったのね。今のは伝書鳩って言うのよ」

 

 「それは知ってるよ」

 

 「む。あんたホントに無人島で()()()()()も生きてきたの? テーブルマナーだって知ってたし、ルフィーやゾロより常識があるんじゃないの?」

 

 「えーと、それはホラ。んー……」

 

 「はぁ、おしゃべりだったのは昨日だけみたいね。どうせ、人間誰しも人に言えない事が一つや二つある……って感じの事を言いたいいんでしょ?」

 

 「そう! ソレ!」

 

 結局、ナミさんにも前世の事だけは伝えられなかった。この世界じゃ原作知識はあまり当てにできないし、何より物語の結末を知らないのだから、迂闊に話す事はできない。

 それに、原作初期の敵だからとクリークをどこか侮っていたり、前の島では北の海岸と南の海岸を間違えたりと。原作知識に振り回されて、周りを巻き込むのはもうゴメンだ。

 

 オレが隠し事をしているのは、ナミさんも察していた。でも、ナミさんにも言えない事があったようで、お互いそこには触れる事はしなかった。

 

 

 「それで? 伝書鳩の送り先が気になるんでしょ?」

 

 「う……」

 

 「別に秘密じゃないから良いわよ。あの鳩はね、ブギーって海賊の所にいる〝トリトリの実〟の能力者が送って来てるの」

 

 「ブギーって昨日言ってた?」

 

 「そう、私があんたのいた島へ行った経緯は話したでしょ? あれから何度か鳩が来て、お互いの居場所を報告し合ってるの」

 

 「ブギーの目的は、オレの能力なんだっけ?」

 

 「予想ではね。でも不審な点はいくつかあるし、結局会ってみない事には分からないわ」

 

 ナミさんは、ブギーという海賊……まあ、バギーだよね。昨日の状態でブギーって聞き取れたんだから、この世界だとブギーって名前なんだろう。

 それでブギーとナミさんは一つ取り引きをしていて、無人島を自然豊かにした()()とブギーが所有しているクリスタルを交換するんだとか。

 

 ナミさんのお姉さん、エイダさんの形見であるクリスタルは同じ物が世界に四つあるらしい。

 形見だけあれば別にいいとナミさんは言っていたけど、きっと気になってるハズだ。だって、絶対四つ集めたら願いが叶うとかそういう(たぐい)のアレでしょ?

 

 「さっきの鳩で、落ちあう場所が決まったわ。次の目的地、ココヤシ村……私の故郷でブギー達と会う予定よ」

 

 「その事ってルフィ達は?」

 

 「ルフィーは知ってるわ。って言うか、ブギーと決着を付ける為に私に連絡役をやらせてたんだから」

 

 「決着……」

 

 「そろそろ出航の時間ね。コックさん達も見送りに出てきてるわよ」

 

 いつの間にか、そんな時間か。

 桟橋に人が大勢出てきてる。まだ、クリークの影響でお客さんは一人もいないから全員で来てくれたんだな。

 パティとカルネが特大スプーンを構えてる。きっと、サンジへ襲いかかって返り討ちにあうんだろう。

 

 

 「そうだ。ナミさん、昨日の事は……」

 

 「昨日も話し合ったけど、旅の間は仲間以上の関係にはならないって約束したでしょ? 男に戻ったからってそこは変えないわよ?」

 

 「分かってる。でも絆は深ま……」

 

 「もう! 口下手が余計な事言わないの! あんな、無茶をもうしないって言うんならそれでいいわよ」

 

 「もうしないよ」

 

 朝イチでぶん殴られたからどうなる事かと思ったけど、いざ話し出してみれば何も問題なんて無かったな。

 

 

◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 案の定パティとカルネは返り討ちにあった。

 

 他のコック達は、サンジへ別れの挨拶をしてる……ん? なんか、既に和解してる雰囲気。

 オレが寝てる間に、スープを捨てられたりゼフさんに殴られたりするイベントが発生して、サンジは旅立つ決意をしたって聞いたんだけど。

 そうか! 原作だとその後にすぐ旅立ったんだけど、オレが寝込んでたせいで時間が空いちゃったんだ。って事はもしかして、ゼフさんへの挨拶も済ましてたり……?

 

 「おいナルト」

 

 「!」

 

 「カゼ、引くなよ」

 

 

 やばい、もう涙が……!

 

 「オーナーゼフ!!!…………長い間!!! クソお世話になりました!!!」

 

 「この御恩は一生……!!! 忘れません!!!!」

 

 土下座してお礼を言うサンジ、バラティエの人達、それにオレ達、というかゾロ以外は全員もらい泣きだ。ルフィは上を向いて黙っているけど、目尻に光るものが見えている。

 

 「ナルトくん……!」「ううう、泣かせるぜ」「サンジぃ……うぅ」

 

 「たく、揃いも揃って大泣きしやがって」

 

 ゾロだって、多分泣きながら誓ったばっかりだろ。無粋だから絶対に言わないけど。

 

 パティ達に惜しまれながら、サンジも船に乗り込んだ。いよいよ出航だ。

 

 

 「……なんだよ、クソ剣士」

 

 「いや、無粋な事は言わねェよ……ジジーに恩があるのは、おれも同じだ。別れが言えただけテメェは果報者だよ」

 

 サンジは何か察したのか黙って会話を終え、バラティエへと振り返った。

 

 「また逢おうぜ!!!! クソ野郎ども!!!!」

 

 「いくぞ! 出航!」

 

 大勢のコック達に見送られながら、船は北へと進み出す。目指すはココヤシ村、でもその前に……

 

 

 

 「えー……新しい仲間、ナルトの加入を祝して……」

 

 「「「宴だー!!!」」」

 

 「はぁ、3バカ」「おいおい、食材に余裕はあるがまだ旅立って5分だぜ?」「こういう連中だ、慣れろよクソコック」

 

 

 「そういやテメェ! さっきの話! ウチのジジイは、まだ生きてるっつーの!!」

 

 「はは、悪ぃな! 殺しても死ななそうなジイさんだったもんな」

 

 「ああ! 世界を巡って、ジジイがくたばる前におれの料理を認めさせてやるぜ」

 

 なんだかんだで仲良いよなぁ。お、このワイン美味いな〜。あれ? そう言えば、みんな酒飲んでるけど大丈夫なのかな?

 

 「ところで、皆の年齢って?」

 

 「あ? 何だよ、海賊にそんなの関係ねェだろ」

 

 「まあまあ、ゾロくん。エダも気になっただけで悪気はねェだろ。ちなみにワシは、45だ」

 

 「私は、20よ」

 

 「「おれは、21だ」」「「あァ!?」」

 

 「ししし、お前らホント仲いいよなー。おれは、じゅ」

 

 「オレは23だ!」

 

 副船長は別として、ナミさん達との年齢差からルフィの年は想像できる。でもここって、2年後の設定だったんだな。

 パッと見だと冒険したての頃なんだけだなぁ。ゾロは目に傷が無いし、ナミさんもロングヘアーじゃない、サンジも髪で隠してるのは左目側だし。

 ルフィは多少大人っぽく見えるかな? 副船長は……例外すぎるから論外だ。 

 

 「ねえ、あんたの歳ホントに23であってる?」

 

 「確かに歳上には見えねェな」

 

 「お前、無人島にいた時どうやって数えてたんだ?」

 

 「えっと、冬が来たら一年」

 

 ちゃんと10年前からは日付を刻んでたけど、それ以前は植物みたいな生活だったからなぁ。

 

 

 「はぁ、あんた多分20ぐらいよ」

 

 「だな」「冬が来たらって植物みてェだな」「たまに、時期外れな花が咲くアレか」

 

 「なぁ、おれの歳はじゅ」

 

 へぇ、オレって20(ハタチ)かもしれないのかぁ。まぁ、精神的には35くらいになってるハズなんだけど……転生してカウンターがストップしてるのか、まるで精神が成長してる気はしないなぁ。

 それよりも、ルフィが飲んでるのはきっとワインじゃないな! アニメでウイスキーピークの時に出てきた、何故か酔っ払うブドウジュースだろう。きっと。

 ほら原作でも、あんま酒好きじゃねェしって言って盃を断ってたし。

 

 

 「おいエダ、お前ワインが飲めるんだったら乾燥させたり凍らせたフルーツでも食えるんじゃないか?」

 

 「マジか! 作って!」

 

 「手が空いたらな。悪ぃが、レディー以外のリクエストは後回しだ」

 

 「ふんっ! 変化(へんげ)!……」

 

 「……何やってんだ?」

 

 ダメ元で、印を結んでみたけどロビンに変身することはできなかった。

 

 仲間が増え一層賑やかになった船上では、夜まで宴が続いていた。海は未だ穏やかなまま、船は北へと進む。





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