クソ! せっかく解放されたってのに、あの煙野郎に対抗できるのはルフィーだけかよ。マリモの奴は剣士を見つけたなんて言って離れちまったが、そんな敵ホントにいたのか?
おれは目と耳、両方ふさがれちまったから、解放されるまで外の状況は分からなかったが……エダとブルックが頑張ってくれたようだな。
しかし、
……おれも〝覇気〟ってのを使えるようにならないと、この先キツくなりそうだな。
あの〝炎〟も、今は何故か出せないしな。
さて、今おれに出来る事はあるのかね?
ルフィーは……1人でも勝てそうだな。素早く動き回り、煙に捕まらないように上手く立ち回っている。スモーカーって野郎の動きも、間欠泉を食らったからか大分鈍くなってるな。
一緒に捕まってたブギーの手下達は、もう仲間に助けられてるか。まあ大半はテントの中にいたんだから、敵襲にさえ気付けば対応してくるよな。
船長のブギー……エダの親父だっていうアイツは、隅の方に隠れて状況を伺ってるみたいだが……ありゃ一体?
「ナルト! 手が空いてるなら手伝ってくれ!」
「ぜぇ、ぜぇ」
「かまわねェが……そのジイさん! 村のドクターか!?」
「ああ、ワシらと一緒に煙に捕まってたみてェだ」
「クソ! 見境なしかよ、海軍……!」
副船長が支えてる逆側の肩を担いで、ジイさんをテントまで連れて行った。
テント内の中央部分。本来ならサーカス団が曲芸を行う場所に、大勢の村人達が集まっていた。海賊達は、村人が外へ出ないよう言い聞かせてるみたいだが、なんだか物々しい様子だな。
「ドクター!?」「また海軍が!?」「ベルメールだってやられたんだぞ!」
「落ち着け村人共、ブギー船長が出て行ったんだ。海軍なんて、直ぐに追っ払ってくれらぁ!」
すっかり悪者扱いだな海軍。
まあ当然の話だな。村のドクターは海賊みたいな格好をしちゃいるが、一般人なんだ。それを襲っちまったんだから、村人に対して怒るなって方がおかしい。
それにしても、ナミさんのお母様までやられたのか! 見る限りでは元気にしちゃいるが、レディーに手を出すとは許せねェな海軍。
万が一を考えてなのか、この女に合わせてヒノモト語で話しちゃいたが、誰かが聞いてたとしても信じねェだろってくらい荒唐無稽な話だったぜ。
まさかエダが、あの無人島にそんなモンを残してたなんてな。
「で? その予言ってのは、今ので全部か?」
「いえ、私が知っているのは三分の一に満たない程度です。今話したのも重要な事だけですので、残りはあの男に」
「まあおれは、未来の話に興味はねェんだが…… 」
「ダメです! 海軍の上層部が情報を握ってるんですよ? しっかり対策してもらわないと、捕まっちゃいますよ!?」
「いや、おれらを捕まえるのがお前の仕事だろ」
「……一つ聞きますけど、あなた達は市民から略奪を行った事がありますか?」
「ねェよ。ウチの船長は〝ピースメイン〟ってやつらしいからな。海賊からしか略奪はしねェ方針だ」
「なら、捕まえる理由はありません!」
ヒノモト語が分かるってだけで面倒な事に巻き込まれちまったな。エダから話を聞くにしても、共通語より
そのナミとエダは、まだ何か話し込んでやがる。おれも人の事を言えねェが、一応今は海軍との戦闘中なのによ。
「てんめェ! クソマリモ!! なにレディーとお近付きになってやがる! 今は戦闘中だろうが!!」
「ちっ、うるせェのが来やがった」
「あなたは……! 確か〝サンジ〟!」
「な!? どうしてそのあだ名を? テメェか、マリモ!?」
「ちげェよ。おれなら……ダーツとでも教えてる」
「なんだ? ダーツって!?」
「ダーツまゆげ」「アァ!?」
「ふふっ、やっぱり仲が悪いんですね。では、私はこれで」
なに楽しそうに言ってやがんだ……まさか、予言ってやつにはそんな事まで書いてあんのかよ!? これは、エダを問い詰めねェといけねェな。
「そうでした!〝雪走〟の所在は不明ですが〝三代鬼徹〟はヒノモトにあるそうですよ」
「そうか、ありがとよ」
ヒノモトか、大分先の話だな。まだ折れた刀の供養もしてねェんだ……当分はエダにもらった
斬れない分〝竜王〟の修行にもなるしな。
「おい、マリモ。今のは〝ヒノモト語〟ってやつだろ?」
「あ? だからなんだよ? エダだって使ってんだろうが」
「…………レディーを口説くには、ヒノモト語の方が受けがいいのか?」
なに言ってやがんだコイツ?……ああ、猫の女とエダが話してる時、こいつもフラフラと広場までやって来てたな。
このバカは放っておくとして。
ルフィーが戦い出してから、もう結構な時間が経つ。そろそろ決着が付く頃か? そういや、たしぎと名乗ったあの女。自分の上司が劣勢だっていうのに全く気にしてなかったな。
く、武装色の覇気ってヤツはやはり厄介だな。
こいつが覇気を使えるなんて情報は無かったんだがな。やはり予言なんて曖昧なもんを信じるべきじゃなかったのか?
だが、あれは外へ漏れれば世界に混乱を招く厄介な代物だ。世界のどこかに、あんな物を放置してた奴が居るんだとすれば、海軍が情報を秘匿した所で意味がねェ。
あの予言を書いたやつは〝麦わらの一味〟にいると踏んで、そいつを捕まえる為にここまで来ちまったが……。
やりたくもねェ不意打ちをしてまで捕まえたってのに、こんな失態を晒しちまうとは情けねェ。
もう部下も、たしぎ以外は全員倒れちまってる……おれの葉巻と同じ毒と言ってやがったな。この葉巻にそんな毒があるってェのか? 念のため本部の科学班に調べてもらうとするか。
部下たち全員を基地へ返すためにも、今は麦わらをどうにかしねェとな。たしぎはまだロロノア・ゾロと戦っている筈だ……おれがここで倒れる訳にはいかねェ!
「まだやんのか! ケムリン!」
「麦わら! お前は、この先〝海賊王〟にでもなるつもりか?」
「? なんだそれ! 聞いた事ねェぞ!」
こいつは、予言を知らねェのか。実際に会ってみて思い知ったが、予言通りの単純な性格だ……アレを書いた奴とは思えねェな。
……やはりブギーの息子が怪しい。
「おれは、海賊王ってのにはならねェぞ! 知らねェからな!」
「はっ、そりゃそうだな! 知らなくて当然だ。
「なんだと?」
おいおいブギー! 隠れてたんじゃねェのかよ!
放っときゃ麦わらが倒してたってのに、余計な事を! もしお前が負けちまったら、
「テメェが出てくるとは……! わざわざ、サーカスが始まるまで待ってたんだがな」
「〝バラバラ フェスティバル〟!!!」
「すげー! バラバラになっちまった!」
「いくらバラけようが、おれには効かね……!?」
ギュルルルルルルル
アレは!? スモーカーの周りを高速で回転して、風を起こしてるのか?
煙の特性を考えれば、風が弱点だとも感じるが……さっきから吹いてるこの強風の中でも、スモーカーは能力を使ってたんだ。あれじゃ、倒すことは……
「ぐっ、なぜだ!? 体が
「スゲーぜ! ブギー船長!」「竜巻きを起こした!」「あんな能力まで持ってたとは……!」
そんな能力はない! 20年一緒に行動してるが、あいつの能力はバラバラになるだけだ。
しかし……竜巻きか。最初の回転で上昇気流でも作ったのか? 今の天候を考えると、スモーカーが動けない理由は上空から下降してきた寒気のせいだろう。
冷えた空気によって体が重くなった上に、激しく渦巻く気流の中だ。あの状況で能力を使い煙に変化しちまえば、身体が
ブギーは絶対に狙ってやった訳じゃないだろうが、運だけはいい奴だ。おそらく、このまま勝負がつくな。
「あらら、随分とやられちまってるな。スモーカー」
竜巻きが消えちまった!? 突然現れたアイツの体は……氷か!? ブルックの奴も凍らせる技を使っていたが、
あれはクザン大将だ!〝ヒエヒエの実〟の能力で
「あー、千両道化。海軍の狙いは〝麦わらのルフィ〟だ。ここは勘弁してくれねェか?」
「た、大将ぅ……!!?」
「だれだ! おまえ!」
竜巻きと同じように、ブギーの勢いも無くなっちまったな。これ以上ボロが出る前に、なんとかしねェとな……!
「おれは、えーと……なんだ。お前のじいさんに、昔
「じいちゃん!? 今どこにいるか知ってんのか!?」
「20年以上前の話だ。
「そっか。ならいいや。ケムリンの仲間なんだろ? 戦うのか?」
余計な事言ってんじゃねェ! 麦わら!!
チキショー! なんで大将が来てんだよ! 麦わらが狙いなんて言ってたが、スモーカーって野郎をボロボロにしちまったのはおれだぜ!?
ロジャー船長をバカにされて、ついやっちまったが……まさか、おれに
ここは、そーっと居なくなるしかねェ。奴の気が変わらねェうちにそーっと。カイリキも手招きしてやがる、やっぱり持つべきものは長年の相棒だぜ!
「あー、勘違いするな。海軍の狙いは確かにお前だが……おれは散歩に来ただけだ」
「なんだ散歩か」
「……アンタ、指令を受けたんじゃ、ないの、か?」
「目が覚めたかスモーカー。お前だって、指令も無しに勝手に来たんだろうが」
「クザン大将!」
「あー、たしぎちゃん。
「は、はっ! 了解しました!」
「……何を勝手に!!」
いいぞ! 帰れ帰れ! サーカスだって中断してんだ。海軍はとっとと帰っちまえ。海兵たちだって、寝てるだけの奴が多いみてェだな。あのメガネの女に起こされて、徐々に帰って行きやがる。
「お前の落ち度だスモーカー。テントから出て来た村の人達を見てみろ」
「……!!」
なんだ? 危ねェって言ったのに、出て来ちまったのかよ。だが全員、海軍を睨んでやがんな……そんなにサーカスが見たかったのか!?
「〝千両道化〟は未だ
「それだけじゃない! ドクターは煙で攻撃されたんだ!」「ベルメールだって!」「私の場合は、ちょっと違うんだけど……」
「テメェ、ウチの客に手を出したな?」バリッ……!
ドドォォン!!!
突然〝雷〟が落ちた。
ヒノモト語で口説き文句を教えろなんて言いやがる、うるせェコックのせいで時間を無駄にした。
いい加減無視して、ルフィーの元へ向かおうとした瞬間に雷だ。まさか、ルフィーに直撃してねェだろうな!?
「ししし、いやぁビックリした!」
「…………」プスプス
「な、な、一体なにが……?」
「うぉぉぉぉ! キャプテン・ブギーの怒りで、雷が落ちたぞー!!」「なんて、お人だ! もはや神だぜ!!」
ワァァァァ!
ルフィーとブギーは無事だった様だが、この騒ぎはなんなんだ? 歓声の音が大きすぎて、さっきから降り出した大雨の音がかき消されてやがる。
ブギーの海賊団と村人達は、あの雷をブギーが落としたもんだと決めつけてやがる。さすがに偶然だろ。本人は口を開けて呆然としてるんだぜ?
「やっちまったな千両道化。おれは、戦うつもりなんて無かったんだが……ここまでスモーカーを痛めつけられたら黙ってられねェよ」
「な、元はと言えば! そ、ソイツが村人を傷付けたんじゃ、ねーか……!」
「道理に合わないのは承知の上だ。だが……」
「〝
今度はなんだってんだ! 炎みてェな線で貫かれて、あの氷の奴の胴体から上が砕け散ったぞ!?
「あらら、おっかない
あいつ! 身体が砕けたのに生きてやがるのか!? 海軍の大将って話は遠くからでも聞こえてたが、こんなバケモンだったのかよ!
「フッフッフッ! 今でも上司だと思ってやがるなら、
「あー、なんだ。アレだ忘れてた」
「とぼけやがる。次は覇気を込めるが、答えは同じか?」
「わかった、わかった。こっちだって
「派閥か……今はそれで誤魔化されといてやるよ。だが、この国からは今すぐ出て行け」
「……こっちは友達をやられてるんでね。そういう訳には行かねェんだわ」
「だったら、おれも
次から次へと、どうなってやがんだ!? 後から来た2人が戦い出したが、滅茶苦茶なんてもんじゃねェぞ! 能力と覇気、その両方が別次元の強さだ。
今のおれじゃ鷹の目と闘った時の、あの領域に至れたとしても……
「ちょっとー! 麦わらの一味、集合ー! いそいで!」
「ナミ! 今までどこにいやがった!?」「おいエダ! ナミさんとベタベタしてんじゃねェ!……お、炎が出た」ゴォ!
「どうしたんだナミ? あとよ、なんで皆〝麦わらの一味〟って呼んでくんだ?」
「それでいいんだ!」「おまえはずっと言ってたからな」「ヨホホホ! いいですね、麦わらの一味!」
「ん? そういやエダ、この雨でも動けてんじゃねェか。前にワシの島で嵐が来た時は、ナミが助けたって聞いたんだが」
「ああもう!! 聞きなさいよ! 沖に海軍の船が集まって来てるの! 急いで出航するわよ!」
「「それを先に言え!」」
「でもナミ。故郷なんだろ? もういいのか?」
「もう挨拶は済ませたわ。ホントは雨が降り出す前に船を出したかったんだけど……誰かさんが!」
「ごめん。もう大丈夫だ!」
「よし! 行くぞー!! じゃーなー、ブギー!」
ブギーは展開に着いていけてないからか、まだ放心してんぞ。ありゃ聞こえてねェな。
クソ! 沖に海軍がいるって話だったが、もう上陸してる連中がいやがる!
あのスモーカーって奴の部隊よりも数段強ェ! こりゃ、誰か
「麦わらの一味! 抜けさせんぞ!」
「おいクソ剣士! 相手の方が剣の数が多いぞ!!」
「あァ!? テメェこそ、グルグル回る能力者に苦戦してんじゃねェか! ぐる眉のくせによ!」
「喧嘩するな!〝サビサビ〟は、オレが戦う! ゾロは、絶対ダメだ!」
「ナミ! ウソップ! ブルック! 先に船へ行け!!」
「先に行ってるわよ!」「メリーは任せろ!」「了解です
ルフィーの号令で3人は船へ向かったか……メリー号が無事だといいんだが。
去り際にブルックが使った技で、敵の人数はある程度減ってくれたが……能力者の4人は健在か。
おれの相手は腕や脚が、高速で回転する能力だ。エダが言うには、車輪らしいが何で知ってんだよ!
そのエダが戦ってるのが〝サビサビの実〟の能力者らしい。触ったものを錆つかせるなんて剣士の天敵みたいな能力だぜ。
で、剣士が戦ってる奴は
だが、ルフィーが戦ってる奴なんてブギーと似たような能力だ。身体がボールみたいにバラバラになるから戦いにくいぜアレは!
「あんたの相手は私達よ。海軍!」
「メイプルさん!」
あのお姉さまは!? 人魚? いや、魚人か? どっちでもいい! この島にこんな美人がいたなんて!……アーロンパーク、魅惑の楽園だったかも知れねェ!! 畜生、行けばよかった!
「〝八刀流〟同士の戦いよ! これなら分かりやすいでしょ? エダ」
「最初から、計算くらい、できる!」
あのヤローまたしても!? うおっ!? なんだ? また炎が燃え上がった!?
「だが、好都合だ!!〝
「ぐふ」
「やった! サンジ!! でも
「うるせェ!! いいから行くぞ! レディーに助けられるのも情けねェが、あのお姉さま相当の手練れだな」
「ルフィー! 行くぞ!」
「おう! ありがとう、おまえ達!!」
「ナミをよろしくね♪」
口が尖った魚人の水鉄砲で、錆の奴相手にも有利に戦えてるな。ブギーもどきの方は、空手使いの魚人が相手をしてくれている。
ありがてェ!! あのレディーしか目に入ってなかったが、何人も助っ人に来てくれてたんだな。
あれがメリー号! 私がこれから乗り込む船ですか!
ヨホホホホ! ブギーくんの船は船首が象でしたが、今度は羊ですか! いい曲が浮かびそうです。
おや? あの2人、いえ2人と一匹は……!
「ようやく来たか〝麦わらの一味〟」
「モージさん! カバジさん! それに、リッチーさんも!」
ガルルル
「船を守ってくれてたの!? ありがとう貴方たち!」
「おれ達の船を守るついでだ。礼なら、知らせてくれたジンベエにでも言っておけ」
「ありがとな、お前ら! ワシが船番をしてなかったばっかりに、迷惑をかけた」
「副船長! すぐに出航準備よ! ブルックも手伝って!」
「ええ、では皆さん! またどこかで!」
小振りながらも、なかなか良い船ですね! この荒れた海でも、どうにか出航できそうな予感がします。
「東からの風! これなら、すぐに出られるわ!」
「皆さんを待たなくても良いのですか!?」
「ルフィーがいるのよ? 多少の距離なら飛び乗ってくる!」
「まあ、そうだな。よし! 出航だ! 沖の戦艦はワシに任せろ!」
頼もしいですねェ。
副船長のウソップさんが砲撃して、沖にいた海軍の船が一隻沈みました……って、どんどん隣の船も沈んでいってますよ!?
「凄いですウソップさん! 一体、何をしたんですか!?」
「……へ? す、全て計算通りだ!!」
「嘘でしょソレ。たぶん副船長の砲撃に合わせて、ジンベエ親分が〝槍波〟で船を撃ち抜いてくれてるのよ」
「なんだぁ、嘘でしたか」
「ワ、ワシだって3隻くらいは巻き込みで沈めてる!……ハズだ!」
「はいはい。親分は私達を表立って助けられない事情があるから、表向きは副船長の
「先程、ルフィーさん達の救援へ向かってくれた魚人の方々は大丈夫でしょうか?」
「メイプル達は、アーロン一味だから大丈夫らしいわ。海軍だって〝魚人海賊団〟の構成員を把握してないでしょうからいくらでも言い逃れできるって言ってたわよ?」
「海軍が調べにきても、魚人なら海に潜っちまえば見つからないしな!」
確かに、海軍には
追い風を受けた帆船が、岸の向こうから顔を出す。
「メリーだ! あいつら上手くやったんだな!」
「ところでエダ、今ブギーに貰ったもんは何なんだ?」
「厄ネタ?」
「ゴムゴムの〜」
「おい待て!」「まさか!?」「あ、アニメ版か」
「〝ロケット〟!!」
慌ただしく、4人の男が船へと飛んで行く。
いく人もの助けを借り、またいくつかの運に恵まれ、情熱と歓喜に包まれたココヤシ村を後にする。
新たに生まれた伝説の影で、別れを告げた村人はごくわずか。
誰にも知れず、旅立ちを見守る男の眼に映るのは総勢7名の海賊たち。
仲間が揃い村人達にも負けぬ程の歓喜に満ちたそのさまを見て、一人ほくそ笑む。
船は行く。嵐の海を切り裂く一筋の〝光〟を頼りに、荒れた海原を突き進む。