今思えば、マール・デ・グレミオにいた2年間はずっと心に雲がかかっているみたいだった。
姉の仇を討つことだけを考えて、地中海を航海し続ける日々。そして、海軍との軋轢……自分で決めたのだから後悔は無い……
そう必死に言い聞かせてきたけれど……きっと限界だったのだと思う。
ルフィーに出会って、私は自分がどういう人間だったのかを思い出せた。
私はずっと、自由を求めていたんだ。
仇がもう存在しないと聞いた瞬間、私の心にかかっていた雲は晴れた。
お姉ちゃんが、なにか失敗する度によく言っていた〝過去を悔やむより、
それを胸に、後悔しないよう
自由に旅をして、自由な
姉の形見のクリスタル。これと同じ物を集めれば、私達の両親について何かが分かるかもしれない。
でも、もうどうでもいい。久々に帰ってきた故郷で実感できたんだ。
私のお母さんは、ベルメールさん。姉は、エイダお姉ちゃんとノジコ。お父さんは……きっとゲンさんね。
エダに言った、形見のクリスタルさえあれば他は要らないって気持ちはもう揺らがない。
今は他に〝生きる〟意味を見つけちゃったんだから!
だから、きちんと答えたい。
「ねえ、エダ……月がきれいですね」
今は雲が分厚く空が見えないどころか、夜ですらないけど。
あんただって脈絡もなく私に
無人島から出て、まだたったの2週間程度……気付けばずいぶん遠くにまで来ているな。
今思うと、島で活動していた10年間はとても空虚なものだった。まあ、それ以前はさらに空虚だったけどね。
ずっとバカなテンションで、孤独を無理矢理ごまかしていたんだ。あのウサギでさえ、心の支えになっていたんだろう。
島の動物が居なくなり、心の誤魔化しがいよいよ限界を迎えようとしていたあの時。
ルフィ達と出会ったんだ。
そして、オレの心は救われた。
まだ拙い英語で交わしたナミさんとの会話は、停滞していたオレの時を動かしてくれた。
島からの旅立ちには少しだけ勇気を出したけれど、それからの航海には後悔なんてなかった……駄洒落じゃないぞ。
その後、原作の世界じゃないと知って落ち込んだ事もあったけれど……
ああ、たった今も
きっと〝
ONE PIECEの最終回を見たかったっていうオレの願いは、もうどうでもいい。無いものは無いんだ。
でも世界の謎……悪魔の実、レッドライン、魚人、ミンク族。これらは
多少違う形になっていても、この謎を解き明かす。それが、オレの新しい願いだ。
そして誓ったんだ〝この先何があっても、ナミさんを必ず守る〟と。
ナミさんとエイダさんへ 勝手に誓ったものだけれど、そうあれるよう生きていきたい。
「ねえ、エダ……月がきれいですね」
曇っているどころか、夜ですらないけれど……オレを見つめている
……まいったな。オレの心を支えてるのは〝願い〟と〝誓い〟なんだと思ってたけど、勘違いだったようだ。
ナミさんは〝光〟だ。
オレの心がどれだけ曇っても、彼女が心を照らしてくれる。だから……
「貴女を愛しています」
「え?……どういう意味よ?」
「貴女を
「……ありがとう」
「うぉっほん! そろそろ、ええかの?」
「ジンベエ親分!?」「ジンベエ!?」
いつから見てたんだ!? オレの見聞色を持ってしても気配を読めなかったぞ!
慌てて抱擁を解いて、なにか話がありそうなジンベエへと向き直る。
「無粋な真似はしとうなかったんじゃが、そうも言っておれん。海軍の艦隊が、この村へ向かって来ておる!」
「それって私達を!? どうして艦隊なんて!?」
「ブギーも今は追われる身。艦隊で来たのはあやつを捕らえるためじゃろう。だが、ここに
「艦隊って、どれくらい?」
「10隻はおったぞ! 国と戦争でもする気かと正気を疑ったわ!」
バスターコール並!? 中将が5人もいたらさすがに……!
いや、そうと決まった訳じゃないな。千年竜編でネルソン提督って奴が、複数の軍艦を指揮してたんだ。階級は忘れたけど、所属は〝
ネルソンの包囲網を、当時の麦わらの一味が突破できたんだ。まだ希望はある!
「どうしよう! 10隻なんて数、包囲されちゃったらお終いよ!」
「安心せい。わしも四掠撰ゆえ、表立っては助けられんが……砲撃の一発でも撃ってもらえば、それに合わせて沈めてやる!」
「そっか!〝槍波〟!」
「ワッハッハ! 最近の海軍の横暴さは目に余る! 丁度よい機会じゃ!」
「それじゃ、エダ! すぐにみんなを呼んで、出航しましょう!」
「待った。家族に、挨拶を」
「そんな時間……!」
「大丈夫、まだ猶予はあるわい。わしは万が一に備えて海に戻っとる。ゲンゾウにも声をかけてやっとくれ!」
「当たり前でしょ! ありがとう親分」
ナミさんはテントの中へ入って行った。
周りを見渡してみれば、今戦ってるのはルフィとスモーカーだけみたいだ。スモーカーは海楼石の十手がないからか、大分押されてるな。
ゾロはさっきまで、たしぎと話してたみたいだけど今はサンジと喧嘩してるな。まったく! オレが言えた義理じゃないけど、一応海軍との戦闘中なんだぞ。
副船長とブルックは広場には見当たらないから、テントの中かな?
「さて、エダと言ったの。まだ、お主には話があるんじゃ」
「え!? 誤解だ、浮気してないっ!」
「そんなモンは
ゲンさんに続いて、ジンベエまで父親枠かと思って焦ったぁ。ホントに浮気してないのに焦っちゃうのは、デービーバックファイトのせいだな。
「昨日、ゲンゾウがこの村の過去を話したそうじゃな。その件の……
ジンベエが語ったのは、ティーチの件だった。
実際に対峙していたジンベエは、数日前にリク王へ謁見した際〝カリブ海の海賊〟について幾つかの情報をもらったそうだ。
カリブ海にある海賊島〝ハチノス〟 そこに拠点を構える〝エブリシング・D・ティーチ〟通称:黒ひげ。
その黒ひげの特徴が、12年前にココヤシ村を襲ったキャプテン・ジョークと同じだったという事。
このことはまだ村人へは伝えていないけれど、急激に勢力を拡大し出したティーチの情報は、やがて世界へと知れ渡るだろうと危惧していた。
オレに、その際はナミさんを支えてやってくれと頼んできた。元からそのつもりだと答えると、ジンベエは満足し一言挨拶を交わして海へと向かって行った。
しかし、ティーチにカリブ海か。それだけ聞くと
あまり史実の海賊、ONE PIECEの元ネタになった人物は詳しく知らないオレだけど、黒髭〝エドワード・ティーチ〟ぐらいは知っている。
まあ、史実の黒髭もそれはそれでヤバいんだけど。ジンベエが補足で話した内容の方が問題だ。
バリウッド王国……おそらくアメリカだな。そこの軍隊が戦った際に、ティーチの口から語られた〝ヤミヤミの実〟のチカラ。
『熱くもない 寒くもない 痛くもない シビレもしない。
ゲンさんから聞いた話で、斬撃も銃弾も
そんな奴を相手取れるとしたら、やっぱり魚人が適任なんだろうか? あとは、海楼石か……
「フッフッフッ!! 随分と悩んでるな。エダ」
「!? ド、ドフラミンゴ!?」
「〝ド〟は要らねェ。フラミンゴでも
馬鹿! 過去のオレ(十数分前)!! なに、とんでもないフラグを建ててるんだよ!
怒ってるのか!? 分からない! 眉間のシワは常に寄ってそうだし、サングラスで目元も見えない! あ、サングラスは原作とちょっと形が違うな。
「そう怯えるな。おれは
「それって……!」
「おまえの書いた予言、いや物語だな。海軍が隠そうとも、こういう話は
あ、そうか
でもドレスローザの話を聞いた限りじゃ、ミンゴはいい奴かもしれな、い? あれ? 動けない?
「さて、103個目以降の情報を話してもらおうか?」
「そこまでしか、知らないっ……!」
「そうか。なら別の質問だ、どうやって知った?」
「……頭に、浮かんで、きた」
「フフフフフ、粘るじゃぁないかエダ。
なんなんだよ!? 見えない糸でグルグル巻きにされてるんだろうけど、嘘かどうかも見抜けるのか!?
マントラ? いや、オレの心音でも聞いてるのか? どっちにしろ絶対絶命なんだけど!?
「お前は知ってるだろうが、おれの婚約者は〝ギロギロの実〟の能力者だ。最近じゃ、
「どこにいるんだ!?」
「あ? 居るのは、王宮だが……ああ、おまえが嘘を言っていないと見抜いたのは糸で心音を聞いているからだ」
「まぎらわしい!」
「フフフフフ、元気じゃねェか。さっきの話を踏まえた上で最後の質問をする。〝ONE PIECE〟と〝EIICHIRO ODA〟あの物語で必ず頭に書いてある共通文字。あれはどういう意味だ?」
答えようがない!? っていうかONE PIECEの意味を聞いてくるって事はやっぱり……! まあ、平気だけど!!
「答えられないのか? それとも、こっちで喋らなけりゃ上手く話せねェのか?」
「ヒノモト語がマイナーって設定どこ行った!? 喋れる奴多すぎないですかね!?」
「そうでもねェさ。ヒノモト文化の集落か貴族くらいしか話せねェからな」
「貴族? ああ、大体察しが付いた。アンタも貴族って事だろ?」
「まあ勝手に想像しておけ。これ以上は引き伸ばさねェ、このまま航海を続けたけりゃ質問に答えるんだな!」
「オレは
「おまえ……!! ラップは分かるか!?」
「え?」
呆気なく糸の束縛は解かれた。
本格的なラップなんて分からないから、エネルのキャラソンで誤魔化したけど……なんか、感動されてる!?
ミンゴはラップが好きなんだけど、理解してくれる人間が近くに全く居なかったらしい。あんな駄洒落に食いついてくる程、理解者に飢えてたんだな。
例の質問の答えは、言えない事情があるんだろうと勝手に納得してくれた。急に優しくされるとDV夫みたいで……ってこのネタは前にもやったな。ミンゴの場合シャレにならなそうだしやめとくか。
それから、ミンゴは口元をさり気なく隠してヴィオラに
曰く、ドレスローザの女を一度愛したのなら浮気は〝死〟だと。うん、それもう聞いた。
曰く、ギロギロの実は、心の中を全て見透かしてくるから絶対にバレる。それオレには関係ないよ。
そして、オレがアド・オリーチェ教会という組織から狙われる可能性を教えられた。
〝EIICHIRO ODA〟は逆から読むと〝アド・オリーチェ〟になるらしい……微妙に違くない?
でもこの偶然の一致で、ミンゴはオレを教会の関係者なのかと疑ってたらしい。表題と原作者名を書いてた事でそんな
まあミンゴが言うには、〝
「さて、忠告は以上だブラザー。世界はこれから大きく動き出すだろうが、おまえはこのまま航海を続けろ」
「ありがとう、ミンゴ!」
「フッフッフッ!! いずれまた会う事になるだろうな。物語ではドレスローザへ来るのは、まだまだ先なんだからな」
もし次に来るとしても、国民がオモチャになってるなんて事はないと信じよう。
ナミさんの挨拶も、もう済んだかな? オレもテントの方へ……
「おれは、海賊王ってのにはならねェぞ!」
わお! ちょっと前のオレだったら耐えられなかった爆弾発言! でも、もう全然平気!……へいき!
ロジャーが処刑されてないって事から、
海賊王って概念だって存在しないんだろう。
でも〝
テントへ行こうと思ったけど、もう村の人達は外に出てきたみたいだ。
「あ、エダ! やっと来たわね! もう、急がないと雨も降ってきそうなのよ!!」
「ごめん。友達が……あ、男の友達」
「それくらい別に気にしないわよ? ふふっ、月がきれいですね」
脈絡がない!? いくら、それしかヒノモト語を知らないからって……!
「あ、あと貴方を愛しています。ちゃんと覚えてるわよ?」
「急には、ヤメテ……!」
「ナ、ナミ!! こんな所で何を言ってる!?」
「え? もしかしてゲンさん意味が分かるの!?」
ゲンさんまでも!? 貴族……じゃないよな。名前がゲンゾウって言うくらいだからヒノモトの文化で育ったのかな?
「最初のは〝ネコメソーセキ〟だろ! ヒノモトの文化では有名な話だ!」
「それって昔の1,000ベリー札の人? 小説家で確か翻訳もしてたって……?」
「とにかく! 私のようにヒノモト語が分かる人間もいるんだ!……外でそういう事を言うのは、控えなさい」
「はぁい」
ネコメソーセキ……5,000ベリーは何て人だったんだろう?
ナミさんとゲンさんのやり取りを見てたら、ノジコさんも微笑んでいた。
「ゲンさん、まるで父親ね。そうそうエダ、あんたが作ったっていう〝蚊取り線香〟ありがたく使わせてもらってるよ」
「あれ? 売ったんじゃ、なかったのか」
「ナミが村で配ってたわよ? はぁ、あんたには売ったって言ってたのね。そういう所が不器用な子なんだけど……これからも、妹をよろしくね」
「任せてくれ」
「頼もしいじゃない!」
「ベルメールさん! 怪我は?」
「平気よ、ナミに斧の使い方を教えたのは私よ? それと……昨日畑で言った事は、冗談じゃないわよ? 旅に疲れたら、ナミと一緒に帰ってきなさい」
「それは……まだまだ、先だと思う。でも、ありがとう」
「それじゃ、行ってきます! みんな!」
「行ってらっしゃい!」「仲良くするのよ!」「気をつけて行けよ」
よし! 麦わらの一味を集合させ……
「待て! エダ!! 昨日言いかけた事だが……」
「大丈夫! 悲しませない! 絶対に!」
「……分かっているならば、いい。お前も、気をつけて行けよ」
寒っ! ナミさんの家族と話してて、周りの状況を全く見てなかったけど……?
なんか、青キジがいる……こおりタイプは、もれなく植物の弱点なんだけど。
「エダ! 雷雲が出来てるわ! あんたちょっと背が高いから、屈んでなさい!」
いや、オレよりよっぽど大きい青キジがいるけど。
「テメェ、ウチの客に手を出したな?」バリッ……!
ドドォォン!!!
わりぃ、おれ死んだ。のシーン!? 雷はスモーカーに直撃したのか!? 黒焦げになってる!
う、雨が降り出してきた! しかも結構強いやつだ! マズい、このままじゃまた……。
「歓声がうるさいっ! エダ!? あんた、また?」
「ごごごめめんん」
「よいしょっと!!」ズボッ!
「え!? 動ける!?」
「あの時も、そうやって〝根〟を張ってたでしょ? もしかして、無意識なのかしら?」
それだけだったの!?
身体が勝手に、嵐で飛ばされないように〝根〟を出してたのか? 本能的に、動かないようにしちゃってたのかもしれない。
それにしてもナミさんが、オレを軽々抱え上げるとは……。
いや、そのおかげで弱点を克服できたんだ。カラクリが分かれば、本能は理性で制御できる。
いつの間にかミンゴが参戦してるけど、ダチってオレの事? でも、顔を立てるなんて言ってるから違うのかな?
「麦わらの一味、集合ー! いそいで!」
「ナミさん! オレを、抱えたままだ。離して!」
あ、サンジが燃えてる。
その後、ホントにバスターコールみたいな展開になった。
オニグモ中将、シュウ大佐、ベリーグッド大佐、シャリングル大佐。全員、知ってる能力者だ。
普段は原作知識をひけらかしたりしないけど、緊急事態だ! 能力を教えることで、シュウとゾロの対決だけは阻止できた。
ナミさん達を逃して少し経った頃、メイプルさん達〝アーロン一味〟が救援に来てくれた。
あの場を引き受けてもらい、今は海岸沿いを走っているんだけど。あれってブギーだよな? オレ達が戦ってる間に先回りしてたのか?
「なんだブギーか」「息子に別れでも言いにきたのか?」「先に行ってるぞエダ! 急いで済ませろよ」
「……息子うんぬんは置いといてだな。こいつを持ってけ、エダ!」
「これって、クリスタル!? でも緑色だし、ニセモノ?」
「本物だ!! スットンキョー! 4つとも色が違ェんだよ! それぞれの〝エンドポイント〟に対応してるって話だ」
「!……でも、それって、3つなんじゃ?」
「良く知ってるじゃねェか。まあ、判明してるのは3つだな。〝海のヘソ〟〝虹の霧〟〝デービージョーンズのロッカー〟」
海のヘソはルフィが行ったんだったよな? 虹の霧って、50年前と繋がってる不思議な場所だったっけ?
「そいつは〝ロッカー〟にあったらしいぜ。どうやって入手したのかは分からねェ、ロジャー船長からの預かりモンだからな!」
「それじゃあロビンに?」
「
「シキ!? でも、どうして、虹の霧?」
「金獅子のシキっていやぁ、本来ならジジイになってる歳なんだ。だが〝虹の霧〟で50年前に姿を消し、最近になって当時の姿のままで現れたって話だ」
若いシキって事か!? やめてくれ! NTRのニオイがプンプンするぞ!?
「まあそいつが無茶苦茶なコトこの上ねェんだ! 大きな島を丸ごと空へ持って行っちまうし、とにかくとんでもねェ奴だから、よ!!」
「だから……?」
「そのクリスタルを狙ってるから気をつけろよ!」
「ふざけんな! 赤っ鼻! 返す!!」
「うるせェ!! おれだって、ロジャー船長から押し付けられたんだ! 息子に渡して何が悪ぃ!!」
ー 嵐の海を進むメリー号 船上 ー
とんでもない厄ネタを押し付けられてしまった。
「ふーん? じゃあ、あんたが持ってなさいよ。お父さんの形見って事になるかもしれないでしょ?」
「ブギー死んだのか!?」
「死んでない! 逃げてった!」
「なあナミさん、海が荒れてるが針路は大丈夫なのか?」
「ええ、あの灯台〝導きの灯〟が見えるでしょ? あの先が〝ジブラルタル海峡〟よ!」
「ならいよいよ大西洋か! その前に進水式といかねェか?」
大西洋とかジブラルタルとか! せっかくの進水式なんだし、もっとロマンがある名称にして欲しかった……そうだ!!
「ナミさん! これからの航路に、名前は?」
「そういえば名前は無いのよね。多分これからも、名前は付けられないわよ? 今じゃ海賊しか使わないルートだし」
「だったら────」
程なくして、サンジが用意した酒樽を囲み進水式が始まった!
「おれはオールブルーを見つけるために、そして世界を巡り料理の腕を磨く!」
「おれは、ピースメインだ! あと、じいちゃんも見つけてやるか」
「おれァ大剣豪に……侍の本場、ヒノモトを目指す!」
「ヨホホホ! では私は、友との再会を願いましょう!」
「私は世界地図を描くため!
「ワ、ワシは勇敢なる船乗りとして名を上げ! 故郷へと伝わる程に世界へ名を轟かせ! この世界を巡り、メリーを最果てへと導き! やがて故郷へと凱旋するためにっ!!」
「いや、長い長い」
「これから大海原に出るってーのに、もう帰ること考えてんのかよオッサン!」
「お前らだって大概長かったじゃねェか! ワシの野望は多いんだ!」
「まあ副船長はいつものこととして、あとはあんただけよ?」
そうだった! 皆の野望に聞き入ってて何も考えて無かった!
どうしよう!? オレの野望?〝
他には、えーと……?
「はやくしなさいよ!」
「オレは……あー〝悪魔の実〟の謎を 解き明かすために!」
「初耳だぜ?」「まあ植物好きだしな」「植物ってカテゴリでいいのか?」「ししし、とにかく!」
「あ、ちょっと待って! これからの航路なんだけどね、名前を付けてみたの────」
行くぞ!!!〝
以上で第一部〝地中海編〟終了です。近日中に、設定集や幕間などを追加する予定です。
私生活の都合で更新は不定期になると思いますので、ここまで読んで頂いた皆様へここで感謝を述べさせて下さい。
この小説を書き出して、一月半。短い間でしたが、お付き合い頂き有難うございました。
これまで、自分で勝手に決めた朝9時に更新するというスケジュールに、なんどか首を絞められました。
書き終わるのが当日の朝になることも多々ありましたが、どうにか冒頭の進水式まで話をつなげる事ができました。
誤字の報告をしてくださった皆様、感想をくださった皆様、作品の評価をくださった皆様、そしてここまで読んでくださった全ての方、改めてありがとうございました。