私の意識は、一隻の海賊船を目撃した瞬間から始まったと言えるわ。
私と
だけど、生まれてから10年間 植物のように生きてきた私は、意識が芽生えたと言っても赤ん坊と変わらない状態だったわ。
身体の方は あなた が動かしてくれていたので、私は頭の中にある
───その中でも、ONE PIECE に関する記憶は特別なものだったわ。
向こうの世界で、あなたが2歳の頃に始まったアニメーション。
意識のみの存在だった私は、寝ることも食べることも気にせずに、全ての時間をアニメの視聴に使っていたの。
まだ子供だった私の意識は、物語を通してあらゆる学習をしていったわ……情緒が育まれたと表現するのが一番相応しいかしら?
そして物語の舞台が〝
そこで登場した〝ミス・オールサンデー〟を視て確信したの───あれは私だと。
ようやくロビンとして人格が確立した私だけれど、この世界でのロビンは恐らく
それに、あなたが私の存在に気付いていない様子だったので、最近まで私から接触するのにも躊躇いがあったの。
いえ、混乱させてしまったわね。まずは、今まで通り 順序だって説明するわ。
あなたが向こうで亡くなるまでに視た〝ワノ国編の途中まで〟のアニメを見終わって、私は珍しく取り乱してしまったわ。ここで終わりなの? と。
そこから、あなたの記憶を手当たり次第に漁って──いえ、記憶を読み解いていき原作漫画の存在へ辿りついたのよ。
けれど、原作の方も物語の完結までは記憶の中には無かった。ショックだったわ。
一先ず、原作を探す過程で記憶の中から見つけ出していた劇場版を視ることで、探究心を落ち着かせようとしたのだけれど……余計に物語の続きが気になってしまったの。
どこかにあるかもしれない。そう思って、また あなたの記憶を漁っ──いえ、該当する記憶を探し出し、読み取っていったの。ふふっ、まるで〝
その過程で、ガイドブックやマガジンの記憶を見つけ出したの。でも、あなたは文章を流し読みするクセがあったから……記憶を読み解くのに苦労したわ。
───いえ、今にして思えば解読する過程も楽しんでいたのだと思うわ。気にしないで?
話を戻すわ。結局、〝物語の結末〟はどこにも無かったの。
当時の私は知らなかったけれど、完結前に あなたが亡くなっているのだから当たり前ね。
仕方なく、私は ONE PIECE 以外の記憶も視る事にしたわ。
ええ、途中から〝あなた自身の人生の記憶〟を読むことは中断していたの───ふふっ、確かに〝物語〟ほどとはいかないけれど、私にとっては未知の記憶なのだから楽しかったわ。
学生として、勉強している記憶で同じ様に私も学んだわ。それに、飽き……いえ、気晴らしに ONE PIECE を最初から視聴し直す事も度々あったわ。
頭から通しで視る事を〝マラソン〟と言うのでしょう? けれど1000話以上あるから、
え? コマーシャルはあるわよ? あなた 本放送で視た時の記憶の方がハッキリしていたから。ふふっ、私も記憶を読む事に慣れ始めていたから、2回目以降はCMをスキップしていたわ。
それでも流石に時間がかかるから、どうにかできないかと考え始めた頃───
だから私もそれに倣ってある工夫をする事にしたわ。
ええ、そうよ? たまにだけれど、外の光景も観ていたの。それに感覚だって一緒なのよ? あなたが怪我をすれば、私だって痛いのだから。
今だって、
〝
あなたなら、説明不要でしょう? 私は分身を作る事で、ONE PIECE を視る私 と あなたの記憶を視る私 の役割分担をする事にしたの。
ええ、頭の中でも能力は使えるわ。実際は、脳内でのイメージだけなのかもしれないけど……能力のトレーニングにはなるのよ? その証拠に、クリークと戦った時にはイメージ通りに能力を使えたもの。
───いえ、あの時が初めてではないのよ? 実は分身を使い始めた頃から、あなたが寝ている間ならば身体を自由に動かせるようになっていたの。私があなたよりも能力を使い熟せているのは、
また話が飛んでしまったわ。ふふっ、あなたのクセが
分身を使うことで、私の時間は倍に増えたの。一度戻せば、知識の共有もできるのだから……え? 分身ってそういうものでしょう?
それと、倍と言ったけれど──正確には、寝る必要が無かったのだから〝毎日6時間の睡眠をする人〟と比べるのならば2.6倍 といった所かしら? ええ、だから私の精神は10歳という訳ではないの。分身を使い始めた期間を考えると、23歳程度ね。
話を戻すわ。私はさらに あなたの記憶 から〝ONE PIECE〟のゲームやバラエティ番組の情報を見つけ出したの……ゲームの方は実際に遊ぶ事はできなかったけれど、キャラクターのモーションを参考にして
───けれど、私にとって大きな転機となったのはバラエティ番組の方よ。
あのパーソナリティの二人が話していた考察という言葉。
私は、その言葉が心に強く響いたの。きっと、私の根底にある探求や解読にも通じる概念だからね。
ふふっ、パーソナリティの
そう言えば、昨日あなたが悩んでいた〝ニカの考察〟だけれど……奇跡的に生き残った人の中で、ルフィと接点のなかった〝カマキリ〟の事を忘れていない?
それに、ニカの恩恵で奇跡的に生き残るんだと仮定しても、割と紙一重な場面も多々あるのよ?〝ホビホビ〟の能力でオモチャにされてしまった
ふふっ、やっぱり
────ごめんなさい、あなたの前世は
落ち着いたかしら? いえ、私こそ ごめんなさい。私が学べる場は あなたの記憶だけだったから……。
ありがとう───では、話を再開するわ。
そこからの私は、考察をする為の糧となる情報──つまり、脳内に存在する すべての情報を集め、学習していったわ。英語もその時に学んだのよ?
え? 同じ知識が元なのに私の方が英語を理解しているのは何故かって事かしら?
例えるなら、あなたの脳は物が乱雑した部屋。私の方は整理整頓された書斎といった違いかしら? 2つの脳が両立できているのは、おそらく
脳の話は置いておきましょう。
私は一通り学習を終えた後、一つの仮説を立てたの。
〝ここは、原作が初期構想 段階だった頃の世界ではないか?〟と。
今の状況ならば、ナミの髪色や ゾロの二つ名 ウソップの年齢 サンジの名前……他にも様々な原作との矛盾点が沢山あるわね。
けれど、あの頃の判断材料は〝ブギーの海賊船に描かれていたマーク〟と〝水面に映った あなたの顔〟だけしか無かったのよ?
あなたは完全に忘れているけれど、ブギーのイラストは単行本に載っているのよ? まだ〝SBS〟が始まる前のオマケページね。
それに、あなたの姿は ガイドブック や マガジン に載っている〝植物好き〟そのままだもの。
落ち着いて!?
〝植物好き〟というキャラクターが初期プロットに描かれているの。
もちろん〝麦わらの一味〟だから安心し……
ゴメンなさい、いきなり衝撃の事実を突き付けてしまって。あなたのメンタルが
『ロビンはそんなこと言わない! もう騙されないぞ、この偽物め!』
ふふっ、
『言い訳する時点で、もう黒だよ……それにさっきボロが出て、ちょとだけ
む。元はと言えば、私の学習環境があなたの脳内しかない事が原因でしょ!──んん、原因じゃないかしら?
『ムリすんな。ほら、ロビンのマネならオレもやったし! 92巻の表紙とか。そういうお年頃なんでしょ? 分かってるから』
そういう あなたの雑な性格が、私に悪い影響を与えてくるのよ? 最近はマシになってきたと思ったから接触したのに……。
ふぅ、不快だけど まだ途中だったから、話を戻し……あら? 時間切れね、ナミが着替えを持ってきてくれたみたい。
『え!?』
「ちょっとエダ。さすがに裸で堂々としてられると、私も困るんだけど……!」
『オレじゃない!』
「ごめんなさいナミ。着替えがないから仕方なかったの」
「……! ロビンなの!? エダは!?」
「ふふっ、恥ずかしがっていたから交代したのよ」
「そう。あ、これ私のだけど……サイズが大きめだからロビンでも着られると思うわ」
「ありがとう」
この緑のボーダーは〝STRONG WORLD〟の衣装に似ているわね? どうせなら髪型も寄せてみようかしら。
けれどナミもさすがに、下着までは用意してくれなかったのね。とりあえず上はタオルで……ん。
脳内で、あなたはずっと視界をカットしてるみたいだけど。鏡に映っている姿は、是非見てもらいたいわ。
『もう着替え終わったって事?』
ええ、服を着た感覚は伝わっているでしょう?
『……じゃあ、
どうかしら? 我ながら完璧な
『な!?…………さっきの仕返しか!? この暗黒女め!』
ありがとう。私にとっては、最高の褒め言葉よ?
『ふう、やっぱり
「急に交代するなよ!? まだ色々と説明が終わってないと思うんだけど?」
「わ! 急にどうしたのよ!? 今度はエダなの!?」
「ごめんナミさん! ちょっと、ロビンを問い詰めてくるから!」
まだ、この
『ひどいわ。私はロビンよ? あなたは、エダでいいのでしょう?』
それって、エダ って呼び捨てでいいならロビンの事も呼び捨てでいいって話じゃ無かったのか!?
───まさか、さっきチョロっと聞いたアレか? この世界のロビンはオレって話?
『そう。ブギーが言っていたでしょう? 二重人格の話。あれがそのまま真実よ? あなた、本当は
じゃあ、〝悪魔の実の意志〟に憑依したって推測は間違い……?
『いつも通りの勘違いね。そんな我の強い意志があったら、実を食べる前後で ルフィ や カク の性格がもっと変質してる筈よ?』
なら、脳内暗黒女が〝悪魔の実の意志〟って事? オレが変質しないのは、それこそ我が強いからだ!!
『違うわ、相変わらず穴だらけの考察ね。私も人間よ。主人格じゃないというだけ』
主人格がオレって事?
『ええ。その証拠に、あなたの意識がある内は許可をもらわないと交代できないもの』
……けど、自分の名前をロビンだって知ってたのは、赤ん坊の頃にブギー達から聞いたのを覚えていたんじゃ?
『その頃は、私達の人格は一つだったと言ったでしょう? 私だって赤ん坊の頃の記憶なんて無いわ。名前はアニメで知ったのよ?』
アニメって元も子もないないなぁ。それで偶然、この体の名前もロビンだったって事なのか……? なんか都合が良すぎない?
『ついでに言えば、普段あなたが忘れている細かい原作知識を
たまに閃いたように原作知識が頭に浮かんでたアレが!? じゃあ落ち込んだ時に頭の中でかかってた
『それも私。この前は曲をかける前に、ナミに元気付けられていたけれど』
じゃあ結局、ONE PIECEにド
……でもオレが気絶している間、勝手にナミさんへロビンって名乗ったりもしてたんだよな?
『あの時ロビンと名乗ったのは、あなたがエダと名乗り出したからよ? 女として生きる覚悟があるのならば、ロビンを譲るのだけど?』
……はぁ、オレは
考えてみれば、クリーク戦で助けられてるんだし暗黒女なんて言って悪かったよ。遅れたけど……あの時は、ありがとう。
それと改めてよろしく、
『……一言余計よエダ。それだと、偽麦わらの一味のココアみたいじゃない』
よく覚えてるなぁ。オレでさえデマロ・ブラックしか名前覚えてないのに……なんか悔しいな!
ああ、あと色々とサポートしてくてたのもありがとう。ロビン。
『ふふっ、サポートと言うなら 植物の性質変化や毒の生成……それこそ、さっきのデンプンを作るのにも大分協力しているわ。あなた、組成をしっかり覚えていないでしょう?』
なんか滅茶苦茶 お世話になってる!? もしかして、新技の閃きとかも全部!?
『ああいう子供っぽいのは、私じゃないわ。私から発想した技は、毒くらいかしら』
なるほど、納得〜!
「ねぇ! ずっと真顔で黙ってられると怖いんだけど!」
あ、脳内会話に集中するとそうなっちゃうんだ。『ナミを放置するのは可哀想よ?』分かってるけど、まだ話が───
『なら、もう一度交代しましょう。1つ試してみたい事があるの』
「〝
「おわ! なんだ急に!? これって、分身?」
「ロビンが2人に!?──ああ、そっちはエダなのね」
「これなら話しやすいでしょう? 分身を作って、そちらへエダの意識を移動させてみたの」
って、オレが分身なのか!? まあオレじゃ能力で分身を作るなんて無理だし、しょうがないのか……?
「でも、どうせなら男の身体で分身を作ってくれても……」
「それだと会話にならないでしょう? あなたの脳は、英語がアレだから」
にせロビンめ、ひどいこと言うわ────ん? 脳内にツッコミが来ない……と、言うことは! 解放されたんだ!! 素晴らしいぞ分身!
なんせさっきまで〝オレの 脳内暗黒女が ニコ・ロビンを自称してる件〟って感じだったんだし。
「ところで、エダの方はどうして
え!? ナミさんに指摘されて、洗面台の鏡で確認してみれば確かにメガネをかけている。
そういえば原作でも、どうして分身が服まで再現できてるのか不思議だったんだけど……本体が装着してない物を再現するなんて小技も使えたのか!
うーん、改めて観察しても年齢が若いのと 肌が白いこと、あとは髪が緑なことを除けば……ってここまで来ると服装だけ〝STRONG WORLD〟のスタイルだな。
うぅ……感覚的にホットパンツ的なものを履いてるのは分かってるんだけど、服の裾が長くて完全に隠れちゃってるから、まるで───!
「ナミ。彼が眼鏡をかけているのは、そういう趣味よ」
「そう……ありがとうロビン」ドスッ!!
「え──?」
「……ひどいことするわ」
裾を捲ってホットパンツを出した方がマシかも?なんて下らない事を考えていたら、ナミさんが背中からブスリとナイフを刺してきた。
まったく気が付かなかった……やっぱり見聞色なんて無かったんだなぁ。
『あら。お帰りなさい。分身ごと意識が消滅したのかと思ったわ』
え?
──そういえば、分身がやられたけどロビンにフィードバックは無いんだろうか?
『大丈夫みたいね。ワノ国編で分身がやられても本体は無事だったじゃない』
う。ホント、妙に詳しいな。ONE PIECE を語れる存在はありがたいんだけど、脳内ってのがなぁ。思考も全部ダダ漏れっぽいし。
そう言えば、にせロビンは なかなか素を見せないけどコツとかあるのかな?
『私を
まさか、さっきナミさんをけしかけたのはロビンだったのか!? 一体どんな手を使って……?
「ナミ。分身を作るのにもエネルギーが必要なの。
「…………ぇ? もしかして、エダ、まだ生き゛てるのぉ!!?」
「泣くほど悲しむのなら、刺さなくてもいいじゃない……」
ナミさん───複雑だ! 分身じゃなきゃ死んでたかもしれないし! そんな、泣きながら嬉しそうな顔をされても……!
でも、それだけ愛が強いって解釈でいいんだろうか? うーん? そう考えれば、少しだけ嬉しくもなくもない様な?
『ヒトの脳内で惚気ないで』
「〝
「ヒトの脳内って言ったな! それはオレの身体だぞ──ってさっきより声が高い? 目線も低いし」
「エダ……? よかった!!」
「わぷっ! ちょっと待って状況が分からない!」
「そろそろラウンジに移動しましょう? 他の皆も戻ってきてるかもしれないわ」
「……どうかしら? ゾロとナルトくんは、また狩り勝負に戻ったみたいだし。副船長も多分 一緒ね」
「なら、ルフィとブルックは居るかもしれないわ。先に行ってるから、
「ええ……少し落ち着いてから行くわ」
そう言ったナミさんに軽々と抱っこされて、丁度 鏡と同じ高さになった。体が小さいのは、エネルギーがどうとか言ってたし分身を作るのに節約でもしたのかな?
鏡の方を見れば、10歳くらいの幼女ロビンがコチラを見返してきた……何故かメガネまでかけてるし!?
あの暗黒女! イタズラにしてもやり過ぎだろ!? オレにどれだけ属性を足す気なんだ!!
確かに、原作でも子供になった名探偵とコラボしてたけども! 向こうは性別まで変わってないぞ!
「エダ? よね? さっきは、その……ごめんなさい。私、ああなっちゃうと自分を抑えられなくて……」
「大丈夫! ちゃんと生きてたし! それより、どうして急に?」
「ロビンから、あんたの趣味が眼鏡って聞いて──頭の中に、あの
「そういうのじゃないから! 前にも言ったけど、オレはナミさん一筋なんだ!」
「──うん」
「このメガネだって、度が入ってないんだし必要ないんだ! こんなのポイって」
「あ、なら私がかけようかしら?──どう?」スチャ
「最高……!」
「──そう。これって、喜んでいいのかしら? なんか、ヘコむわ……」
ナミさん。ロビンのイタズラの所為で、こんなに悲しませてしまったのか……。
まだ、どこか落ち込んでいるナミさんを笑わせる為に、オレも笑顔を見せてみる。この姿なんだし、ここはやっぱり───
「デレシ!!」
「なによ? その笑い方! あはは!」
さっきロビンも言っていたけど、この世界はやっぱり原作が構想段階だった頃なのかもしれないな。
ナミさんの経歴は大分違うけれど、目の前の笑顔は前世でも良く見ていた
どこか違っているけれど、どこかが同じような世界───ロビンが巡り合う筈だったサウロに、この先出会うこともあるのかもしれないな。
明るさを取り戻したナミさんと笑い合いっていたら、いつの間にかラウンジまで来てしまっていた。
さっき、まだ狩り勝負中だなんて言ってたのに───部屋の中にはオレ達以外の一味が勢揃いしてるんだけど。なんかロビンは勝手に馴染んでるし! サンジとブルックがやたらと興奮して話しかけてたなぁ。
でも、これヤバイよな? 予言がどうとか、ロビンの事とか そういうのは今どうでもいいんだ。
今の問題は、オレが〝幼女になって ナミさんに抱っこされたまま 〟仲間の注目を浴びてるって事だ!!!
「なあ、その子供だれなんだ?」
「ロビンちゃんの妹かい?」「似たようなものね」
「いやお前ら、今この場に居ない奴を思い出せば分かるだろ」
「ワシは見聞色で分かってしまった」
「え? という事は、坊ちゃんが お嬢に!?」
ヤメテ!! その眼差しは、さっき800万ベリーを慰められた時よりもキツイ!
今すぐ自害して、
ー ドレスローザ M・G支部 ー
「アンタも来てたんだな代表。フッフッフッ! あの物語でも息子の旅立ちに居合わせていたが、偶然なのか?」
「おれは、その物語を読み
「フフフフ、モルガンズを見つけ出せたのも
「その厄介な情報とは、お前のファミリーの事を言っているのか?」
「そいつは深読みが過ぎるぞ代表? あの物語に出てくる連中は、おれの部下じゃあない。アンタが知る通り、ヴィオラとロシーだけがおれの
つくづく厄介なモンだ。トレーボル だの ディアマンテ だのという連中とは全く面識がない。この世界に居るのかすら不明だ。
エダが残した物語、あいつの表情から読み取れた限りだが───アレは〝別の歴史を歩んだ世界〟の話だろう。
鍵になるのは、天竜人、レッドライン、そして……アド・オリーチェといったところか。
「ならばいい……これからおれは、ソルベ王国へ赴く事にする。お前は引き続き、海峡の防衛にあたってくれ」
「ああ、問題ない。今も
「果たして本当に〝暴君〟ならば、な」
「フッフッフッ! あまり物語を鵜呑みにしない方がいい」
「……そろそろカラスと落ち合う時間だ」
相変わらず、連れないヤロウだ。だが、何かしらの確信は持っているんだろう。
この男が代表として、クセの強い M・G の幹部連中をまとめてくれている内は、おれも文句はない。
───いずれ来るだろう、時代の終わりを乗り越える為にも M・G は必要だからな。あの物語と同様に謎の多い男だが、その時までは代表として働けるよう手助けしてやるさ。
「フフフフ、1つ重要な事を聞き忘れてたな───〝麦わら〟の母親は、一体 誰なんだ?」
「何故それを聞く?」
「ただの興味さ。その反応は、おれも知っている女なのか?」
「…………」
「まさかとは思うが、