植物好き(仮)と麦わらの一味もどき   作:浅学寺のえる

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第43話〝800万の男〟

 ー 下町・港へと続く道 ー

 

 「なあ! 敵は倒したのに、なんでこんな急いでんだ!?」

 

 「さっきも言ったでしょ、ルフィー! 敵の規模が全く分からないからよ」

 

 「船に残った副船長とブルックが心配だ。急ぐぞ、ナミさん!」

 

 「わかってる! 私達は先に戻ってるから、荷物は頼むわよ男共!」

 

 「お任せを! ナミさん!」

 

 「あ、ずりィぞエダ!」「あいつも男だろうが……」

 

 これも適材適所。

 弾薬類、食料に水、あの量の荷物を持って走るのはアイツらじゃないと無理だもの。

 その代わりに、急いで船の無事を確保するのが私たち。

 私と……(ハイヒール)でどうにか走れてるエダ(ロビンの姿)と……

 ドサクサで仲間入りした、この女──

 

 「ねぇロビンさん。あの連中、どうして私を狙ってるのかしら?」

 

 「オレはロビンじゃないぞ? けどまあ、ビビが狙われるのは原作通りだしなぁ……」

 

 「げんさく?」

 

 「エダ、その話はあと! 今は急いで船へ戻るわよ!」

 

 「了解だ! 次の角を曲がれば一本道だから、もうすぐ着くハズ!」

 

 「街の構造が、割と単純で良かったわ。ルフィー達だって、さすがに迷わないでしょ」

 

 「オレ達の方が大分先まで来てるけど、ちゃんと後ろから着いて──なっ!?」

 

 「どうしたのロビンさん。後ろになに──がっ!?」

 

 「ウソでしょ、()()!?」

 

 なんで、道のあった場所が──穴に変わってるの!?

 

 

 「ふぅ、ハデに動いたせいで腰に来るねェ〝コッ〟だよ!〝コッ〟!」

 

 「キャハハハ、さすが〝町落としのドロフィー〟ね」

 

 「本名言うんじゃないよっ! この〝バッ〟! 秘密組織だろーがっ!」

 

 「大丈夫。秘密を知った人間を消しちゃえばいいだけでしょ?」

 

 「この〝バッ〟! ()()()()()だよっ!〝運び屋ミキータ〟!」

 

 ふーん。〝町落とし〟に〝運び屋〟ね。

 ミキータは、あの時〝キロキロの実〟能力(ちから)で体重を軽くして衝撃を和らげたのね。

 そうでもなきゃ、ルフィーの一撃をくらって立ってられる訳ないもの。

 

 「大穴のせいで、近くの家も倒壊してるわ……! ひどいっ!」

 

 「キャハハ。狙われてる身で、他人の心配? 大丈夫よ。ここはいくら壊したって構わないの」

 

 「オメーらが下町へ入るまで待ってたんだっ! 町ごと潰してやるよっ!!」

 

 ドロフィーは十中八九〝モグモグの実〟のモグラ人間ね。今も人獣型だし。

 こちらも目立ったダメージは無し。さっきは形勢不利と見て、途中で逃げたんだわ。

 そして今度は、大穴を作って私達を分断したって訳ね。

 

 「キャハハハ──あなた達を人質にすれば〝麦わら〟も言う事を聞いてくれるかしら?」

 

 「大人しく捕まりな小娘! もう()()()()()()()もいねーんだからなっ!!」

 

 「ナメんじゃないわよ!!」

 

 ガラ悪っ。やっぱこの女、王女じゃないわ。

 私だってナメられるのは大っ嫌いだけど、わざわざ敵の挑発に乗る必要もないのよ?

 一応まだ一人、男だっているんだから──

 

 「……ビビ、そのマント貸してくれ」「え?」

 

 〝生命帰還〟紙絵武身(カミエブシン)

 

 「え!? 男になった!? しかも、コイツって800万の……!」

 

 「〝バッ〟! そーゆー手品だよ! 前にサーカスで見たことあんだ。アタシは!」

 

 「ならコイツを身代わりにして、さっきの女は逃げたってコト?」

 

 「そっちは後で捜しゃいいよ! 今はまず、800万の〝ザッ〟から叩くよ!」

 

 

 「もう! なにも敵の前で元に戻らなくてもいいのに」

 

 「ごめん、ナミさん。()()()じゃないと本気で戦えないんだ!」

 

 射撃の構えをとると、ロビンの胸が気になって戦えないんでしょ! 知ってるわよ。

 ま、敵の2人も都合よく勘違いしてるから、問題なさそうね。

 

 そうやってマントを羽織ってると、初めて会った時を思い出すわ。

 あの時は痩せすぎで、目もギョロっとしてたから〝不審者〟かと思っちゃったけど。

 ここ最近は、トレーニングの成果なのか身体つきも良くなってるし、ちょっと頼もしいかも。

 

 でもね、エダ……

 そのマントがめくれたら一気に〝変質者〟よ? 中はロビンの服のままなんだから!

 

 「ねぇ、エダ。そのマント──」

 

 「ナミさん。オレが〝モグおば〟を倒す! ミキータは任せても大丈夫か?」

 

 「あ、うん。確かに向こうの方が厄介ね。分かったわ!」

 

 「モグ!? おば!?」「キャハハハ! そっちの男は任せるわ、モグおば!」

 

 「この〝バッ〟!! アタシを甘くみた事、後悔させてやるよ!」

 

 「あ、ちょっと待ってくれ。靴を脱がないと〝根〟が出せな──」

 

 「ンな暇与えないよっ!〝モグラ塚ハイウェーイ〟!!

  ボコココココココココ

 「おわっ!? 離せっ! ちょ速い、速いっ!!」

 

 あの技は、ロビンの話してくれた物語で副船長(ウソップ)が食らったのと同じものね。

 地中からエダの脚を掴んで、そのまま高速で移動してる。

 下町の建物を壊しながら進んでるから、エダにもダメージがあると思うけど……

 まあ、大丈夫でしょ! 木造の家しかないし、あいつも意外と打たれ強くなってるしね。

 

 「うわぁぁぁ! ちょ、うおっ! いったん、っ! 止ま……っ!!」

 

 悲鳴を上げる余裕があるみたいだし、気絶さえしなければ平気……よね?

 うん。最悪の場合、ロビンが居るわ! へいき!

 

 

 「行っちゃった……ねぇ、大丈夫なの()()!?」

 

 「()()でも、やる時はやる男だから……!」

 

 「キャハハハ、仲間の心配をしてる場合? あなた達2人。もう誰も守ってくれないわよ?」

 

 「男がいなくて困ってるのは、案外そっちの方じゃない?」

 

 「──どういう意味?」

 

 「パートナーがいなければ、アンタなんか怖くないって意味よっ!」

 

 エダが私に、コイツの相手を任せた理由。なんとなくだけど分かるわ。

 戦闘において〝キロキロの実〟の能力は、Mr.5の爆風を利用してこそ真価が発揮される。

 1人だけの状態なら、能力者としてのアドバンテージは少ないハズ!

 

 

◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 〝1万kg(キロ)プレス〟!!! ドゴォォン!!

 

 「「きゃああああぁぁ!!?」」

 

 「こっちに避けないでよ!」「アンタこそ、邪魔!」

 

 お姫サマのせいで、危うく攻撃を受けちゃう所だったわ!

 って言うか、なんで飛び上がれたの!? 話が違うっ!!

 アイツが落ちてきた地面なんて、陥没してるじゃない! 

 あんなの一撃でもマトモに食らったら、死ぬわ!!! 生捕りなんじゃなかったの!?

 

 「ちょっと、泥棒猫! さっきまでの自信は何だったの!?」

 

 「あんな強いと思わなかったのよ!」

 

 「あなただって賞金首でしょ!? たしか6600万ベリー! ホントは、強いんじゃないの!?」

 

 「私だって困ってんの! いきなり、そんな懸賞金額かけられたんだから!」

 

 「キャハハハ、()()()()()には裏があるって話はホントだったのね! さあ、もう一度いくわ!!」

 

 また飛ぶ気!? 一体、どうやって……!?

 あれは……! そうだ! さっきもあのロープで何かしてたハズ!

 確か、ロープの結び目を解いたら、急に突風が?

 荒唐無稽な話だけど、あのロープが〝風を起こす道具〟だと仮定して……

 敵はそれを利用して空高く飛び上がり、狙いを定めてからの急降下。それがアイツの攻撃手段。

 

 そして私達が避ければ、すかさず距離をとって反撃のスキを与えさせない。

 どの道、ナイフだとリーチが短すぎて届かないんだケドね。せめて、斧があれば……

 違うわね───無いものは無いんだ。

 背に腹は変えられないわ。今、アイツを倒すには──!!

 

 

 「また飛び上がった!? 今のウチに隠れなきゃ……!」

 

 「待って()()! あんた泥棒なんでしょ?」

 

 「え? そういう、あなたこそ」

 

 「私のは濡れ衣! いいから教えて。アイツの持ってるロープ、盗む事は可能?」

 

 「……無理よ。戦ってる時は、スキがないもの」

 

 「そう。だったら────」

 

─────────

──────

───

 

 〝1万kg(キロ)プレス〟!!! ドゴォォン!!

 

 「ッ!! かすっただけなのにっ……!?」「泥棒猫!!」

 

 

 「キャハハハ! 上手く避けるじゃない。でも、脚を怪我したのなら次はないわ!」

 

 「ビビ!」「分かってる!孔雀(クジャッキー)スラッシャー〟!!

 

 「ムダよ? 狙いは、このロープでしょ?」ふわっ

 

 「なっ、避けられた!?」

 

 「キャハハ、残念! 折角だから教えてあげる。このロープは〝風の結び目〟というの。3つある結び目は、1つ解けば〝そよ風〟が起こり、2つ解けば〝強風〟そして、3つ解くと〝突風〟が起こるのよ!」

 

 秘密組織とか言ってたのに、よく喋る女ね。

 でも、おかげで仕組みが理解できたわ。さっき、ビビの攻撃を避けた時は〝そよ風〟を使ったのね。

 体重を1kgにまで軽く出来るのなら、わずかな風でも移動手段に使えるんだわ。

 それにさっきまでの攻撃は、結び目2つだけを解いてたから〝強風〟

 

 つまり、あれより上があるってコト───!

 

 

 「さあ、説明はお終い! 次で確実に1人は仕留めるわ!!」

 

 「結び目が3つ……まさか〝突風〟で飛び上がるの!?」

 

 「便利な道具ね! 私も欲しいんだけど!」

 

 「キャハハハハ! 組織の裏ルートのみの、限定品よ! それじゃあ、お望み通り〝突風〟で終わらせてあげ───っぶ!!?」

  ズゴォォォン!!!

 

 「うわ〜、スッゴイ勢いで()()ぶつかったわ。イタそー」

 

 「あなたの作戦でしょ? 泥棒猫」

 

 「何言ってんのよ。あんたこそ、敵が〝突風〟を使うように上手く誘導してたじゃない」

 

 「え……誘導? 私、別にそんなつもりじゃ……!?」

 

 アレって、演技じゃなかったのね。てっきり、ナメられた仕返しなのかと思っちゃった。

 でも助かったわ。〝強風〟を使われてたら、あそこまで強く激突しなかったと思うし。

 

 


 

 〜 3分前 〜

 

 アイツが飛ぶ手段は〝風を起こす道具〟と〝その風を受ける道具〟つまりよ。

 穴さえ開いちゃえば、真上へ飛ぶコトは不可能。気流に揉まれて、きっと何処かへ衝突するわ。

 私がアイツの気を引くから、あんたが傘に穴を開けて! 孔雀なんたらで出来るでしょ?

 


 

 

 私が脚を怪我しちゃったけど、アイコンタクトで咄嗟に役割を交代できた。

 ホントはお姉ちゃんの形見だから、ナイフは投げたくなかったけど……案外綺麗に飛ぶものね。

 うん。刃こぼれも無しっ! コレって意外と凄い品なのかしら?

 

 「念の為、縛り上げてきたわ!」

 

 「あら容赦ない。でも、その用心深さは気が合いそうね()()

 

 「そっちこそ、気配を消した見事な投擲だったわ……な、()()

 

 「ぷっ。ナマイキ! あんた、年下なんだから〝さん〟付けしなさいよ」

 

 「な!? 私がいなかったら負けてたクセに!」

 

 「む。斧さえあれば私だって……。けどまあ今回 勝てたのは、ビビのおかげね。ありがとう!」

 

 「うぅ、急に態度を変えないでよ!? ナミ、さん……

 

 照れちゃって。結構、カワイイところもあるじゃない。

 エダに関しての誤解も解けたと思うし、この子とは仲良くなれるかもね。

 さてと、ここは一先ず安全になったけど エダの方はどうなってるのかしら?

 

 


 

 

 ー 下町のはずれ ー

 

 「はぁ、はぁ。ようやく止まったか、モグラ!!」

 

 「ゼェ、ゼェ、あれだけ()つけてやったのに、丈夫すぎるだろオメェ!?」

 

 「オレが丈夫な訳ないだろ!」

 

 「あン?」

 

 女性陣の間じゃ、一撃で気絶する事に定評があるんだぞ。オレは!

 そんな悪口を言われてたから、とっさに逆転の発想が閃いたんだけどな。

 一度でも壁に激突したら終了。だったらその前に、壁を()()()()()()()()()って。

 そりゃもう必死に〝枝〟でハンマーを作って壊しまくったよ!

 ──『フフ、客観的に想像するとレトロゲームみたいで面白かったわ』

 

 のんきかっ! タイミング間違えたら、ロビンも一緒に死んで──

 

 

 「って、生捕りなんじゃなかったのかよ!?」

 

 「ゼェ、ゼェ、オメーは対象外だよ」

 

 「……じゃあ、その対象は向こうの二人か?」

 

 「これ以上は教えねーよ! この〝バッ〟! にしてもアレが効かねェのは、メンドーだねっ!」

 

 戦法を変える気か? それなら逆に助かる。

 原作ウソップみたいに靴を脱げば、あの技は簡単に破れるんだけど……

 この(ブーツ)まったく脱げる気がしないからな! これじゃ、根も出せない。

 多分、ロビンよりオレの方が若干足が大きくて中で引っ掛かってるんだ。

 

 でもモグおばが息を整えてる今なら、生命帰還に集中できる。一度、ロビンになって──

 ──『ダメよ。さっきの騒動で、下着がどこかへ飛んでしまったもの』

 はぁ!? 緊急時だぞ! マントがあるんだし、少しくらいなら別に──

 ──『ナミに言いつけるわよ? 色々と』

 

 「……よし、モグおば!!」

 

 「なんだい急にっ!! 腰にくるねっ!」

 

 「見てくれ、このブーツ」

 

 「あン? 女モノのハイヒールブーツ? ふざけた格好しやがって!」

 

 「気に食わないなら、その爪で切り刻むんだ! ブーツだけだぞ? 足は傷つけないように頼む」

 

 「ンなモン勝手に脱ぎゃいいだろ! この〝バッ〟!! 800万のクセにエラそーだねっ!!」

 

 「うぐ」

 

 「ひょっとしてオメー、その靴脱げねェのか?」

 

 「……!?」

 

 意外と鋭いぞ!? しかも、また地面へ逃げられた!

 けど、大丈夫だ。まだ焦る時間じゃない……

 ロビン曰く、ビブルカードに載っている〝町落としのドロフィー〟は1400万ベリーの賞金首。

 

 散々、オレの800万を馬鹿にしてくれたけど大差ない額だ。

 ──『1.75倍は割と大きいと思うわ』

 そんな差は、紙一重だ! なにより、オレは絶対に勝てる自信がある。

 

 なんせ、敵は〝じめんタイプ〟だ。植物が負ける道理がない!!

 ──『急に不安になったのだけど……』

 

 いや、能力の相性は大事だろ?

 今だって、能力を利用して敵の位置は おおよそ探知できてるんだ。

 辺り一面にバラまいた〝葉〟が、地中を移動するモグラの振動に合わせて動いてるだろ?

 その中でも特に激しく動いてるのが、オレの後方だ。これだけ判ってれば───

 

 

 土竜(モグラ)平手撃ち(バナーナ)〟!!

 

 紙絵(カミエ)スッ

 

 「なっ、避けやがった!?」

 

 「800万を侮ったな!〝パフューム・ショット〟!!」ピシュ

 

 「なんだい、こんなカスみたいな攻撃……っ!? クサッ! 臭いよ!? 〝クッ〟!!」

 

 一般的にはいい匂いだ!

 ロビンと同じ、カサブランカの香り……その 濃度マシマシver. だけど、

 思った通り()()()()()()には耐えられないみたいだ。

 

 前世で〝害獣〟としてモグラの知識は仕入れていた。

 地中での生活がメインのモグラは、視力が弱い。その代わりに、嗅覚がかなり発達している。

 だから畑を荒らされる前に、臭いを利用して追い払う。それがオレの知ってるモグラ退治だ。

 よしっと、これでもかってくらい〝蔓〟でグルグル巻きに出来た!

 

 関節も曲げられないように固定したし、カンペキだろ。

 ──『容赦ないわねエダ。相手は女性よ?』

 

 「うーん。じゃあ、呼吸しやすいように口だけは解放しとくか」

 

 「ぐ、クサッ! イタタッ、ほどきなっ! クサッ!!」

 

 「まだ匂うのか!?」

 

 ──『やっぱり口も塞ぎましょう。匂いを付けた〝葉〟で塞いでみたらどうかしら?』

 

 「ぐむむ。ぐぐ〜っ!! むーっ!!」

 

 さっきより、えげつない事になってるケド……ロビンを怒らせたモグおばが悪い。

 それにしても、あっさり勝てたな。

 敵の攻撃手段も原作通りだから避けやすかったし。

 あとは情報を聞き出したい所だけど、この状態だからなぁ……。

 取り合えず、モグおばはここに放置して。オレは、ナミさん達と合流するか。

 Mr.5が居ない状態のミキータになら、負けることはないと思うけど……色々と心配だ!

 

 放っておいたら、またビビと喧嘩してるかもしれない!

 ──『大丈夫。ナミはあれで、ビビの事をそれなりに認めていたハズよ?』

 そうなのか?

 ──『現に、あなたがビビのマントを着ていても怒らなかったじゃない』

 

 言われてみれば確かに!?

 咄嗟にビビからマントを借りちゃったけど、なんて危ない橋を渡ってたんだ。オレは……!

 

 

 んんっ。にしても、結構 遠くまで移動したんだなぁ。ほぼ街の外みたいな場所だ。

 ──『下町の道はガレキで塞がれてるわ。一度中層へ戻った方が早いんじゃないかしら?』

 町の惨状はモグラのせいだけど、オレも壁を壊してるし……よし、中層から行こう!

 ──『相変わらず、変な所で小心者ね。壊れた建物に人はいなかったのに』

 良く見てるなぁ……オレにはそんな余裕なかったけどなぁ。

 ──『仕方ないわ。あなた、ハンマーで手一杯だったもの───ちょっと待って!』

 え!? まさか、あの状態からモグラが復活したのか!?

 

 ──『違うわ。そこのガレキに引っ掛かってるでしょ? 私の下着が』

 黒のレース……。ちょっと待て! まさか、これをオレに着けろと!?

 ──『あら、着けたいの? 一度交代しようと思ったのだけど。そういう事なら──』

 

 わー!! お願いします!!

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