植物好き(仮)と麦わらの一味もどき   作:浅学寺のえる

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第44話〝疑惑〟

 ー 中層・路地 ー

 

 ふぅ、エライ目に合った。正直、モグラ戦よりもピンチだった。

 一度優勢になると、畳み掛けてくるからなぁ……ロビン。

 オレをからかって満足したのか、今はまた脳内に篭ったみたいだ。

 

 下着の件はロビンに拝み倒して解決できたし、ついでに靴も脱げたんだから結果オーライだ!

 中層は建物も無事なようだし、道だって塞がってない。

 このままナミさん達のもとまで一気に───

 ドゴォン!!

 「うおっ!? 言ってる側から、壁が壊れたっ!?」

 

 「……ぐっ!!」

 

 「誰かが激突してきたのか!? って(ディエス)・ドレーク!!?」

 

 「オマエは……?〝麦わらの一味〟か。確か懸賞金800──」

 

 「っそんな事より! なんで壁をブチ抜いて吹っ飛んで来たんだ!?」

 

 「私が蹴り飛ばしたの。フフっ、姿をくらました〝植物好き〟までいるなんて幸運ね」

 

 え……敵はバロックワークス関連じゃなかったのか!?

 金髪にメガネ、手に持ってるのは、イバラの(ムチ)……ついでに、色っぽい雰囲気。

 間違いなくカリファだ!!

 

 まさか、他のCP9までこの街に……!?

 いや、それよりも───!!

 

 「なんでそんなハレンチな格好してるんだ!?」

 

 「この服は、そこの男に千切られてしまったの。まったく、ひどいセクハラ」

 

 「ドレークが?」

 

 「ご、誤解だっ!」

 

 「ああー、なるほど……。戦ってる内に、千切れただけと見た!」

 

 「そ、そうだ!!」

 

 「それで、女の裸に弱いのがバレて。そのまま劣勢になったと」

 

 「別に弱くなど……!」「なんて洞察力!? けれど、裸じゃないわ。無礼者っ!」

 

 誤解だらけのこの街で、オレも散々な目に遭ったからな。

 ドレークの焦り方を見れば、故意なのかどうか見抜く位はできる。

 大方、恐竜に変身して噛みついたものの〝鉄塊(テッカイ)〟で凌がれたとか、そんなトコだろ。

 服はまあ……ギリギリ少年誌に載せられる程度の破れ方だけど、ドレークにはあれでも目の毒なんだな。

 

 さて、そんなドレークの事は気の毒だけど……別に同盟を組んでる訳でもないんだ。

 カリファのターゲットにはオレも含まれてるようだし、ここは逃げの一手と───

 

 「く、()()()()()にさえ行かなければこんな事には……っ!!」

 

 「フフ、変なトラップのせいで服は台無しになったけど、おかげで丈夫な鞭が手に入ったわ」

 

 ん? 路地裏……トラップ……? 

 それにカリファの持ってる()()()の鞭を、手に入れた?

 

 ハッ……!?

 それってオレが仕掛けた(バリ)荊棘罠(ケイドトラップ)なんじゃ!?

 路地裏に残ってた最後の罠が発動して、カリファがトゲ付きの蔓に挟まれたんだ!

 それで、服がビリビリになり……ドレークがピンチに。

 挙句の果にはカリファにイバラを回収され、鞭として有効活用される始末っ。

 

 どんだけ伏線張ってるんだよ! オレの罠はっ!

 せっかくルフィが騒動を起こさなかったのに、オレが原因で起こったトラブルが多すぎる……。

 それもこれも、あの山賊がトラップひとつでダウンしたせいだ! く、アイツが全部の罠に引っかかってればこんなコトには……!

 

 悔やんでも仕方ないな。文字通り、自分で蒔いた(タネ)だ。

 正直、六式使いの相手なんてしたくなかったケド……どのみち、オレもターゲットにされてるんだ。

 ここは全力でサポートさせてもらうぞ!!

 

 

 「ドレーク。相手は、共通の敵だろ?」

 

 「ああ……理由(ワケ)あって、おれは不利な状況だ。共闘してくれるのなら有難いっ!」

 

 「まかせろ!」

 

 「植物好き……戦闘力は未知数との報告ね。けれど、実質1人で私に勝てるかしら?」

 

 「1人では戦わせん! オマエ、そのマントをあの女に被せてくれ! それで問題は解決だ」

 

 ダメだ。別の問題が起こる。

 マントを犠牲にして、場に1人〝変態〟を特殊召喚するコトになるからな。

 そんな危険を冒さなくても大丈夫だ。援護の為の仕込みは、もう終わってる───

 

 「おいどうした!? 協力してくれるんじゃないのか!?」

 

 「フフ、さっそく仲間割れ?」

 

 飛ぶ指銃〝(バチ)〟っ!!

 

 「えっ!?〝六式使い〟!? けれど、そんな遅い攻撃は簡単に避け──うっ、なにコレ!?」

 

 「あれは植物のツルか!? オマエ、いつの間に罠を仕掛けた?」

 

 「そんなコトより追撃を! 相手は〝アワアワ〟だ。あんな罠は簡単に──」

 

 「アワアワ……? いや、そんな筈は」

 

 「くっ……なんて屈辱! まったく、抜け出せないっ!!」

 

 「──えっ?」

 

 会話中にカリファの周辺へ〝蔓〟のトラップを仕掛けて、ハッタリ指銃(ニードル・ショット)で誘い込んだだけだぞ?

 ツルを身体に巻きつければ一時的に露出度も減るから、トドメはドレークに任せるつもりだったのに……。

 なんか、戦闘終了してる。

 

 ここへ来て、オレの戦績が急激に伸びてるのは一体……?

 調子が良すぎると逆に怖いんだけど!? 絶対、あとでしっぺ返しがくる流れだろ!?

 

─────────

──────

───

 

 

 「──巡礼者の息子である貴方が、なぜ()()の意に背くのかしら?」

 

 「その意とやらに殉じて死ねと言うのか? 生憎だが、おれと(バレルズ)は考えが違う。そして、忘れるな〝尋ねる〟のはコチラ側だ」

 

 「じゃあ、オレから一つ。どうして〝アワアワの実〟の能力者じゃないんだ?」

 

 「その名前からすると超人(パラミシア)系!? 教会の人間が食べる訳ないわ。無礼者っ!!」

 

 「どういうコト?」

 

 「おれに聞くな……。教会は()()()()()()能力者を排斥しているという意味だろう」

 

 それは何となく聞いてた話だけど──カリファが教会に所属してるのがイマイチ謎なんだ。

 ミキータもモグラも、教会絡みなのか? でも、2人とも()()()だしなぁ。

 例外もあるみたいだけど、さっきの反応だと超人系の〝キロキロ〟は教会的にアウトだよな?

 と言うことは……ミキータ達は、教会とは全く別な組織。

 つまり現在、2つの勢力に襲われてるコトになるっ!?

 

 「下層から戦闘の音が聞こえるな……〝麦わら〟の船も下町の港だったな?」

 

 「そうだ! 情報も欲しいけど、仲間が心配だ! オレはもう行くぞ」

 

 「フフ、残念ね。もう船長の〝麦わら〟は、教会の手によって粛清されたんじゃないかしら?」

 

 「なっ!? 教会の手って、まさか──!?」

 

 「〝海イタチのネロ〟〝お料理格闘家ワンゼ〟どちらも精鋭よ」

 

 脅かすなよっ! ルッチかと思って焦っただろ!?

 

 


 

 

 ー 下町・穴で分断された路地 ー

 

 「追い詰めたっしょ〝麦わらの一味〟! シャウ!!」

 

 「しゃう〜? なんだ、コイツ?」

 

 「ほっとけよ、ルフィー。今は、この大穴をどうするかが問題だ」

 

 「だがよマリモ。追い詰めたなんて言ってるし、コイツが穴を空けたんじゃねェか?」

 

 「コイツが!?」「なにィー! おれ達の邪魔すんな、オマエ!」

 

 「え……? うぉ!? デケェ穴が空いてるっしょ!?」

 

 なんだよ。違うじゃねーか!

 コイツはどうせ、さっき武器屋の前で襲ってきたチンピラの仲間ってとこだろ。

 せっかく新しい刀を手に入れたってのに、骨のない連中相手で試し斬りにもならなかったぜ。

 

 「穴で足止めとは不運な奴らっしょ。まあいい、おめェらはこの〝海イタチ〟のネロが──」

 

 「とにかく急がねェと! レディー達が心配だ。待っててくれ! ナミさん、ビビちゃん!」

 

 「ししし。向こうはエダが居るし大丈夫だろ」

 

 「ハッ……! そうだよ! 穴を開けんのが得意なヤツが、ウチにいるじゃねェかっ! 盲点だったぜ」

 

 「えーっ!? じゃあ、エダがやったのかコレ!?」

 

 「ああ。あの野郎、レディーを独り占めする為にこんな大穴をっ!」

 

 「ンな訳あるか。真に受けんなルフィー」「なんだ、違うのか」

 

 「クソ! なんとかして合流しねェと! ほっとけば、ビビちゃんまでアイツの毒牙に……!」

 

 たく、仲間を簡単に疑いやがって。色ボケ コックめ。

 その場合、真っ先に無事じゃ済まねェのはエダだろ。

 ナミの持ってる やたら切れ味のいい短刀で刺されて終いだ。

 それが分かってて他の女に手を出す程、あいつもバカじゃねェ……ハズだ。たぶんな。

 

 

 「シャウ!!」

 

 「うおっ、危ねェ! 急にキレやがった!」

 

 「ずっと無視してたからだろ」「そうかー? ナルトしか狙ってねェぞ、アイツ」

 

 「なんなんだお前! 妙な動きしやがって!」

 

 「……まさか、おめェが。〝麦わらの一味〟だとは思わなかったっしょ!」

 

 「あ? 何を言って?……そういやコイツ、どっかで見た気がするな」

 

 「()()()()()()()は渡さねェ! シャウ!!」

 

 「ジョセ……? お前、あの時のアイス屋か!?」

 

 「さっき おめェが、他の女の名前を叫んでるのを聞いたっしょ! ジョセフィーヌを裏切ったな!?」

 

 「ま、待て、ジョセフィーヌなんてホントは居ねェんだ!」

 

 呆れたぜ、痴情のもつれかよ。

 どいつもコイツも、女に振り回されやがって……情けねェ。

 おーおー、コックの奴。荷物を持ったままだから、避けるだけで精一杯じゃねェか。

 女共の荷物が増えてなけりゃ、あんな敵どうとでもなっただろ。まったく。

 

 「なぁゾロ! アイツの動き、面白ェよな!?」

 

 「ん? ああ、確かに妙な体術だな……」

 

 「これ持っててくれ! おれ、ちょっと闘ってみてェ!」

 

 「っオイ!」

 

 くそ、荷物が多すぎて前が見づれェ!

 砲弾の入った木箱は分かるが、残りは全部食料だろ?

 なんで、こんな大量にありやがる。

 

 「クソ、とんだ災難だぜ。あのヤロー、妙な勘違いしやがって!」

 

 「なんだ、ルフィーと交代してきたのか」

 

 「戦う動機がバカバカしくてな。結局なんなんだ、アイツは?」

 

 ──「アイツは、海イタチのネロ。〝六式〟もとい〝四式使い〟だよーん」

 

 「へェ〜、そうなのか。って、誰だ急に!?」

 

 「おっす! さっき振りだなオマエ! ワンゼだよーん!」

 

 「お前は、料理大会にいた〝スモウレスラー〟!?」

 

 またコイツの知り合いかよ。変な奴と縁がありすぎだろ!

 おれが武器屋にいる間、一体なにをしてたんだか……。

 

 

 「もきゅ……それにしても、もきゅ。上質な小麦粉だなー」

 

 「あ! てめェ、それ!? おれがプリンちゃんに貰った小麦粉じゃねェか!」

 

 「なにっ!? あの野郎、いつの間にクスねやがった!?」

 

 「いくよーん!〝ラーメン拳法・奥義〟!!

 

 「スモウで闘うんじゃねェのかよ!?」

 

 「?」

 

 「不思議そうにしてんじゃねェー! てめェが、スモウレスラーって名乗ったんだろうが!」

 

 「おれは〝お料理格闘家〟! そしてコレが、食べられる夢の戦闘服(メン)正装(フォーマル)スーツ〟だよーん!!」

 

 「食い物で遊びやがって……おい、ちょっと持ってろマリモ」

 

 「なっ!?」

 

 チッ、さっきの小麦粉の件もある。今は荷物番に徹してやるが……。

 あの麺の鎧。一見ふざけてるのかと思いきや、打撃技が効かねェようだ。

 まあ、斬っちまえば済む話だが……コックのヤツは〝蹴り〟でしか闘わねェしな──

 

 そういや、海賊だってのにウチで刃物を使うのは、おれとブルックと……

 ナミか。

 短刀もそうだが、あの女の本来の武器は〝斧〟なんだよな?

 使ってる所は一度も見た事ねェけど、あの怪力で斧を振り回すんだとすりゃ……アイツ、実はかなり強ェんじゃねェのか?

 

 


 

 ー 大穴の向こう側 ー

 

 「くしゅん! イタタッ……!」

 

 「もう! 怪我してるんだから、じっとしてて()()()()

 

 「クシャミは、しょうがないでしょ! 怪我だって、ただの捻挫だし平気よ」

 

 「ほら、ちゃんと固定するから診せて?」

 

 「固定って……包帯もないし、あんたの(ストリング)も敵を縛るのに使っちゃったんでしょ?」

 

 「あ、丁度いいロープがあるわ。コレをほどいて使えば──」

 

 「待って、ビビ!? そのロープは───!!

 


 

   〜 少し前 〜

 ー 中層・大通り ー

 

 カリファと出くわすなんてトラブルはあったけど、あと少しで下町まで戻れそうだ。

 あれだけ人の往来で賑わってた大通りも、今はガランとしている。

 街のあちこちで騒動が起きてるから、一般人は建物に避難してるんだろう。

 今、この大通りに居るのはオレと───

 

 「なんで着いてくるんだよ、ドレーク」

 

 「仕方ないだろ。船があるのが、同じ港なんだ」

 

 「あの女から情報を聞き出さなくて良かったのか?」

 

 「奴も教会の異端審問官(インクイジター)だ。あれ以上の情報は吐かんだろ」

 

 そうか? 結構ペラペラ喋ってたけど……。

 まあドレークにとって、半裸の女性から情報を聞き出すのは難易度高すぎるか。

 

 

 「そもそも、どうして教会が襲ってくるんだ?」

 

 「目的は口封じだな。教会にハメられたんだ。おれも、()()()()も」

 

 「オレ達も?」

 

 「〝ドレーク海賊団〟および〝麦わらの一味〟には、この街の市長襲撃容疑がかけられている」

 

 「……でも、濡れ衣なんだろ?」

 

 「ああ、市長は眠っていただけだ。だがその状況を、()()に利用されちまった!」

 

 「その秘書が、さっきの女って訳か」

 

 「察しがいいな。大方、市長の秘密でも暴く目的で潜入していたんだろう」

 

 そりゃまあ、秘書って言えばカリファだしな。

 それにこの展開は、原作のウォーターセブン編と全く一緒だ。

 

 まさか、この街の市長がアイスバーグだったなんて!

  ──『違うわ。市長はウミット。M・Gの支部長も兼任してるそうよ』

 ウミット? なんか聞いたコトあるような、ないような……?

  ──『闇の世界の帝王。その一人とされている男よ。ビッグ・マムのお茶会にいたでしょ?』

 ああー! あの連中の一人か! いたいた。

 

 確か、二つ名は〝海運王〟〝深層海流〟

  ──『深層海流……公に出来ない品物を、水面下で輸送するという意味の比喩かしら?』

 なんだか密輸組織のボスってイメージだな。

 

 

 「ウミットのガードは硬い。秘書といえど、易々と情報は掴めなかったんだろうな」

 

 「それで騒動を利用して、その隙に……か。情報っていうのは、犯罪の証拠とかか?」

 

 「それはない。糾弾する気なら奴らにとって〝証拠〟など必要ないからな」

 

 「いくらでも捏造できるって事か?」

 

 「教会に〝正義〟を期待するな。まあ、海賊のオマエに言うのもおかしな話だがな」

 

 正義か。目の前にいるドレークも、やっぱり海軍に所属してるのかもしれない。

 その場合は密特殊部(S W O R D)の可能性が高いから、迂闊には聞けないけどな。

 

 なんだかんだで、他の話は色々と聞けたんだ。この辺で軽く、現状を整理しておくか!

  ──『私の見立てだと、敵の勢力は2つ。教会と……おそらく、ウミットの配下ね』

 じゃあ〝バロックワークスもどき〟が、ウミットの手下だな。

  ──『まだ断定は出来ないけど、ミキータの異名は〝運び屋〟だもの。いかにもでしょ?』

 違法な品を運ぶって意味の〝運び屋〟か。確かに。

  ──『どちらにせよ、敵戦力の底は不明なままね。今は、みんなとの合流を急ぐべきよ』

 

 判ってる。そこの角を曲がれば、もう下町の入り口が見えてくる──!

 

 

 「アイスのお兄ちゃーん!」

 

 ん? この声は、アイスの子か! 向こうの2階から手を振ってるみたいだ。

 

 

 「あのねー! 外はあぶないから、出ちゃダメなんだよー!」

 

 「そっかー、分かった! ありがとう!」

 

 「こんどはアイス一緒にたべようねー!」

 

 「おい、一般人とあまり関わるな。あの子供が、海賊を助けたなんて吹聴されかねん」

 

 「そういう問題もあるのか……。なら、あの子には悪いけど もう返事はしないで──

 

  ビュウゥーゥゥッ!!!

 

 「わ!」「く、突風だ!」「うお! 飛ばされるーっ!?」バサッ

 

 びっくりしたー。

 急に、下町の方から突風が吹いたせいで身体ごと飛ばされるトコだった。

 幸いマントが飛ぶだけで済んだけど、ビビからの借り物だ。急いで拾いに行かないと!

 

 

 「……おい、マントだ」

 

 「拾ってくれてたのかドレーク! ありがとう」

 

 「その、なんだ。おれは新人類(ニューカマー)に偏見は無いんだが……あの子供がな」

 

 「ん?」

 

 「───!?」ガビーン!

 

 アイスの子が、エネル顔で固まってる!?

 って、そりゃそうだ! 他の考え事ですっかり忘れてたけど、マントの下はキャミソールドレスだった!?

 もう関わったらマズいとか言ってられない。

 ここで弁明しておかなきゃ、あの子にトンデモないトラウマを残す事になるぞ!

 

 「聞いてくれ! コレには訳が……!」

 

 「あ、はい。だいじょうぶです。あはは、似合ってますよ? それでは」パタン

 

 急によそよそしくなって、窓 閉められた!?

 そして何より、小さな子に敬語で気を使われるオレって一体……

 

─────────

──────

───

 

 「しっかりしろ! 植物好き!」

 

 子供の発言で気を失うなんて、相変わらずメンタルがよわよわね。

 けれど今は、丁度いい機会───

 

 「なっ!? 新人類(ニューカマー)が性別を自在に変えられるという話は真実だったのか!?」

 

 「エンポリオ女ホルモンの事かしら? けれど、私は新人類(ニューカマー)じゃないわ」

 

 「ハッ──! 済まなかった。配慮が足りなかったな」

 

 「その勘違いはともかく。やっぱり貴方、海賊にしては紳士的すぎない?」

 

 「……一体、何を言っている?」

 

 「フフ、そう警戒しないで? ひとつ、お願いがあるだけだから───」

 

 ドレークは、私掠撰で……おそらくはSWORD(ソード)。そして、西回り航路。

 これだけの条件が揃っているのなら、きっと───

 

 


 

 

 〜 再び 下町・大穴手前の戦い 〜

 

 「──〝グリル=ショット〟!!ジュワァッ!!

 

 「ギャー、(メン)正装(フォーマル)スーツがぁぁ!?」

 

 「食材で遊ぶんじゃねェ!」

 

 「のごっ!?」

 

 ちっ、麺が斬れねェなら交代してやろうと思ってたが、炒めて()()()()にしちまいやがった。

 熱くてスーツを脱いだ敵を、そのまま蹴り飛ばして決着だ。

 

 

 「おう、さっき突風が吹いたが荷物は無事か? マリモくん」

 

 「ふざけんなっ! ルフィーと2人して、おれに全部持たせやがって!!」

 

 「そのルフィーは……なんだ、まだ戦ってんのか」

 

 「倒す気なら、とっくに倒せてんだろ。多分、敵の()()を見たくて長引かせてやがる」

 

 ルフィーの相手は、特殊な体術を使うヤローだからな。

 〝六式〟とか言ってたか? アイツは4つしか使えねェみたいだが……。

 

 瞬時に地面を10回以上蹴っての〝高速移動〟

 空中で足踏みをして滞空し続ける〝空中歩行〟

 蹴りで斬撃を飛ばす……これは飛ぶ斬撃と同じ理屈だな。

 それと、体の力を抜き攻撃を回避するあの技。あれは、エダも似た様な事をたまにしてるな。

 

 回避の技は〝覇気〟に通じるものがありそうだ。

 あれを極めれば、ウソップの使う〝見聞色〟とやらが身に付くんじゃねェか?

 おれも一度、死の境地で感じた()()感覚とも似てるな。

 そう考えりゃ、この戦いはいい参考になるぜ。

 

 「お前の一撃がいくら強くても、当たらなけりゃ意味がないっしょ!(ソル)〟!

 

 

 「そこだァ! 〝ゴムゴムのスタンプ〟!!ドゴォン!!

 

 「ぐはっ!? な、なんで、後ろにいると分かったっしょ……」

 

 「かん」

 

 「勘って、またアイツは身も蓋もねェコトを」

 

 「ンなこたァいいから。てめェら、さっさと荷物を持てよ!」

 

 「しっしっし、行くぞ ゾロ! ナルト! こんな大穴、敵がいなけりゃひとっ飛びだ!」

 

 「バカ! 食材には卵もあるんだ! ゴムゴムで飛んだら割れちまうだろうが!」

 

 コックの意見に賛同するのも癪だが、荷物が厄介だな。

 女共が全部押し付けやがったせいで、かなりの量だ。これじゃ、無理な運び方は出来ねェ。

 面倒だが、迂回して無事な道を通るしかないな。

 

 「よしお前ら、船へは別の道で行くぞ。着いて来い!」

 

 「テメーが先導したら、迷うのが確実だろクソ剣士!」

 

 「うるせェ、クソコック! 道なら大体わかってんだ」

 

 「マ、マジか!?」「スゲーな、ゾロ!」

 

 おれだって、エダに街の構造は聞いてんだ。

 ここは坂の街。船を停めた港は一番低い土地にあるって話だ。

 

 「ようは、とにかく下へ向かえば港に着くって話だ」

 

 「下かー。じゃあよ、この穴に落ちればいいのか?」「そうなるな」

 

 「なってたまるか! このアホ共! クソ、時間を無駄にした。急いで迂回路を見つけねェと!」

 

 ちっ、テメーも道が分からねェクセに。文句だけ言いやがって!

 下がダメだってんなら、何処へ行きゃいいんだ? まさか上か? 

 上なんて空しかねェだろ……ん? 上に何か浮いてやがるッ!? なんなんだ、あの四角いのは!

 

 

 「ナルトさーん!」「なんで呼ぶのよ!? 私は別に助けに来た訳じゃ……!」

 

 「あれは! コゼットちゃん! プリンちゃーん!」

 

 「おぉ! アイツら空飛ぶ絨毯(じゅうたん)に乗ってんのかー!?」

 

 「港まで、空から案内します」「勝手に着いてきなさい! ナルト……さん

 

 「うぉぉぉ! 2人ともありがとう! おれも、今ソッチに!!」

 

 「ウソっ!? ()()()()!?」「ギャー! コッチに来るなっ! 乗せるとは言ってないでしょ!」

 

 あのグル眉、さっそく空中移動をモノにしやがった…………エロパワーで。

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