東方ヤンデレ物語   作:永遠の東方牢人生

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ヤンデレ文2

逆境とは⁉️

 

逆境とは思うようにならない境遇や、不運な境遇のことを言う‼️(出典「逆境ナイン」島本和彦著)

 

今まさに炎の漫画家◯◯にはとてつもない逆境が、ヤンデレというかつてない逆境が立ち塞がっているのだ‼️‼️

 

 

「◯◯さ〜ん、あーん。ご飯美味しいですか?」

「あーん。あ…ああ、美味しいよ。文の料理は流石だなぁ〜」

「えへへへへへ、そうでしょう。◯◯さんの好みは全て把握してますからね。妻として当然の義務です」

「ソ、ソウナンダー」

◯◯が文に捕まって既に数週間の時が流れていた。その間◯◯は文々。新聞に掲載する漫画を描いたり文の手伝いをしたりしていたが、その間家に軟禁状態であった。

「あのー文?」

「なんですか?あなた 」

「そろそろ、漫画のネタを探しに外に取材をしたいのだg…ヒッッ」

暑さの残る厳しい気候であるにも関わらず、◯◯は本能的に部屋の気温が下がったことを感じ取った。

「どうしてですか?どうして他の女と喋りたいなんていうんですか?浮気ですか?」

先程まで上機嫌だった文の顔が一瞬で人を殺しかねないほどの表情に変わる。文から放たれる妖気で部屋の壁やガラスは震え、家全体も軋み始めた。これは到底◯◯に耐えられるものではなかったので、◯◯は慌てて弁解した。

「違う違う違う‼️ほらあれだよ、ただの取材だし。それにこの取材で新聞の購買数も必ず上がるはずだ。文々。新聞は俺達の合同作品、つまり子供みたいなものだろ。いや、子供に違いないんだ。だから、これは必要なことなんだ。決して外に出たいだとか、ここから逃げ出したいなんて考えてないから。ほんとだから‼️」

「ホントウ、デスカ?」

文は一切光の灯っていない目を向けて◯◯に確認する。

「本当に決まってるじゃないか。俺達で出来の良い子供を作ろう。な、な❗️、な‼️」

◯◯は殺されまいと必死に文を宥める。

「わかりました。◯◯さんがそこまで言うならこの後行きましょう。それにしても◯◯さん、新聞を私達の子供だなんて♥️やっと夫としての自覚がでてきたんですね、嬉しいですアナタ 」

すっかり機嫌を直した文は◯◯に抱きつき甘え始める。

(ヤ、ヤバイぞ…このままだと飼い殺しかいずれマジで殺されるかの2択しかない…非常にマズイぞ、これは。一体どうすれば…)

◯◯は必死に打開策を考えるが何も思いつくことができず、今日1日を過ごしたのであった。

 

 

 

 

その晩◯◯は自室の寝床でこれからのことについて考えていた。

(どうする…この状況はかなり危険だ。どうにかして日本に帰らなければ…)

その時◯◯の脳裏に今日の取材のことが思い出される。

(そういえば今日の取材、文が常にいたとはいえ何事もなく終えることが出来たな。てっきり誰とも喋らせてもらえないと思っていたが…文はデートだと言って楽しんでいたし。実際俺も楽しかっt…)

この時、◯◯の中である思いが芽生え始めた。

(この状況…よく考えたら文さえ受け入れれば全然危険じゃないんじゃね。日本に戻ることはできないが、美人で料理上手で優しい嫁さんを貰えるし。それに今更戻ったって俺に居場所はあるのか?確実に俺は行方不明になっているだろう。雑誌には俺の代わりに別の連載が始まっているだろうし。アシスタントのやつらも別の仕事にもうついてるだろうし…ここにいて文と結婚するのが最良ではないのか?そういうことにしておくのが楽なんじゃないのか?)

◯◯の中で「もうどうにでもなれ」という感情が占め始めていた。

「とりあえず一度トイレに…」

◯◯が立ちあがろうとしたその時、部屋の隅の机が目についた。ふとそこに近づき机の上のある物を取る。それは次の新聞で載せる予定の漫画の原稿であった。短編では無くストーリー形式で連載しており、今は主人公が敵の策略で絶対絶命のピンチに陥っているシーンのネームを入れているところだ。それを見た瞬間、◯◯の心の眠れる獅子が呼び起こされる‼️

(お、俺はなんて、なんて馬鹿なことを考えていたんだ。今逆境に立つ主人公を描く作者が逆境に、現状に甘んじて諦めようとするなんて。俺の漫画にできて俺にできないことなど一つたりとしてないのだ‼️)

己の漫画によって初心を思い出した◯◯は燃え盛っていた。

「俺はやってる、諦めてたまるか‼️やってやるぞおおおおお」

「◯◯さん 」

「おおお…え?」

突如聞こえたこの場にいないはずの声に◯◯は戦慄した。恐る恐る振り返るとそこには満面の笑みを浮かべた文が布団の上に立っていた。

「あやややややややややや」

「◯◯さん、私の口癖うつってますよ。やっぱり私達、似た者同士ですね♪」

余りの出来事に◯◯は飛び上がり部屋の隅まで退避してしまう。既に◯◯の眠れる獅子は豚となり、燃え盛る炎は鎮火していた。

「な、な、なんで文がここに?ていうかいつからここに…」

「もちろん、◯◯さんがこの部屋に入ってからずっとですよ」

「最初から?」

「はい、最初からです。で、なんでここにいるのかというとですね…◯◯さんと一緒に寝るためです。夫婦になってしばらく経つのに別々に寝るなんておかしいですからね。そうですよね◯◯さん?」

「いや、今どきそういう夫婦もあr…」

「◯◯さん?」

「はい、おかしいです。夫婦は一緒に寝るものです」

「よろしい。流石ですよ、あなた 」

文の恐怖の笑顔に脅迫され、◯◯は速攻で手のひらを返す。

「それにいずれは本当の子供もつくりますしね。まぁ、それは今はいいんです。ところで◯◯さん、今何を考えてましたか?」

「え、あっ、いや、その…」

ここから逃げ出す決意を固めていたなどと言えるわけもなく、◯◯はただ言葉を詰まらせることしかできない。

「しょうがないですね。私が代わりに答えてあげます。◯◯さん、あなたは最初の方は私との暮らしに納得しかけていましたが、それが甘えだと思いこここら逃げ出す決意を固めた。そうでしょう」

「な、な、なぜそれを‼️」

文はその場から一歩一歩、◯◯に近づきながら答える。

「◯◯さんの考えていることなんてお見通しなんですよ。私をなめすぎです。◯◯さん、私との暮らし、実際悪くないんでしょ。だから一瞬外への帰還を諦めようとした。もういいじゃないですか。実際外に帰っても◯◯さんの居場所はありませんよ」

「そ、そんなことはない。いや、そんなことはどうでもいい。俺は漫画家として、逃げるわけには…」

「逃げじゃないですよ」

「え?」

文は既に部屋の隅に座り込む◯◯の目の前まで移動し、その場にしゃがみ込み◯◯と目を合わす。

「◯◯さんは本当に私から逃げられると思っているんですか?この妖怪の山から一人で降りることすらできないのに。そもそも帰還するためのお金は私の文々。新聞からの収入なのに。◯◯さんは私なしでは生きることもできないんです。だからしょーがないんですよ。100%無理なことに挑戦しないことは逃げじゃありませんよ」

「逃げじゃない…?」

「はい、逃げではありません。だから安心してください。それに◯◯さんはそもそも幻想郷から出られなくなっています」

「どういうことなんだ?」

「私の料理は妖怪用なんですよ。それを人間が食べたら少しずつ妖怪化していくんです。◯◯さんは既に少しだけですが妖怪化しています。だから幻想郷から出られないんですよ」

「そ、そんな…」 

文の言葉に◯◯の心は完全に折れてしまっていた。文は憔悴し完全に闘志を失った◯◯を見て、思わず笑みをこぼす。

「◯◯さん、どうやらお疲れのようですね。とりあえず一緒に寝ましょう。私が癒やしてあげますから」

文はそう◯◯に言葉をかけ、◯◯を抱きかかえる。文は◯◯をすぐそこの布団に運び共に夜を過ごすのであった。

 

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