警官というより正義の味方と裏の彼女達   作:モンターク

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というわけでまた試験的に書いてみました。
時系列としてはパトレイバー側はグリフォン事件解決後です。
リコリコ側は4話終了後?です。


偶然は重なる

国家的事業であるバビロンプロジェクトにより急激に普及した多足歩行式作業機械「レイバー」による犯罪に対抗するため警視庁警備部には11番目の機動隊である特科車両二課…通称特車二課が新設されていた。

電波塔事件以来日本は世界で最も治安が良い国といわれていたが、それでもレイバーの犯罪が増加しつつあるからだ。

 

そしてその特車二課には現状2つの隊が存在する。

まず南雲しのぶ警部補を隊長を務める第一小隊。機体はAVS-98 イングラム・スタンダードを使用。現役の警視庁警察官から選抜された人員で構成されるエリート部隊。

そしてもう一つの部隊は後藤喜一警部補が隊長を務める第二小隊。機体はAV-98 イングラムを使用。こちらは即席警官といった警察学校を通ってない面々が多く、特に2号機に乗る太田功巡査の気性の荒さが原因で良くも悪くも独立愚連隊という印象が強い。そのため都民からの評判は非常に悪い。

 

そんな第二小隊と裏のお話。

 

―――――――――

 

『第12管区より通報、江戸川区葛西に205発生、第2小隊全機出動せよ。繰り返す、江戸川区葛西に205発生、第2小隊全機出動せよ』

 

「レイバーをまわせ!リボルバーカノン急げ!だらだらしてるやつは海に叩き込むぞ!!」

 

特車二課整備班班長の榊清太郎の一声で整備班は慌ただしく動き出す。

 

「遊馬、今日もまたレイバーの喧嘩?」

 

「どっかのチンピラがレイバー使って喧嘩してるって通報が入ったんだ。たく…第一小隊が出てる時はすぐこれだ」

 

1号機フォワード(操縦担当)の泉野明とバックアップ(指揮担当)の篠原遊馬が準備しつつもそう呟く。

遊馬に関してはぼやいてもいる。

 

「暴力団だろうが暗殺者だろうが俺たちがいなければ都民の生活がままならなくなるだろうが!第一小隊の先輩方がいなくても俺が!」

 

それに対して2号機フォワードの太田功は豪語し

 

「太田巡査、今日もリボルバーカノンの使用は最後まで取っておいてくださいね」

 

2号機バックアップの熊耳武緒はそんな大田を宥める。

 

「収納完了しました」

 

「こっちも終わりました」

 

1号機キャリア運転手の山崎ひろみと2号機キャリア運転手の進士幹泰が報告し

 

「おう。じゃあいってこい」

 

やる気なさそうな隊長である後藤喜一が最終チェックをして出動する。

これが特車二課第二小隊の変わらない風景だ。

多少人員が違うことがあれど雰囲気は変わらない。

 

13号埋立地ことお台場があそこまで発達したにも関わらず、特車二課が配置されてる埋立地は城南島となりの放置気味の場所ということもあってか相変わらず悲惨な状況である。マシになったのはコンビニが近づいただけか。

それでもUber Eats等は警察の規則上禁止されており、出前は上海亭のみである。

そんなところから出発していく二台のキャリアとパトカー達であった。

 

――――――――――

 

だが現場に付く前に驚きの指令が入ってくる。

 

「出動停止、出動停止。第二小隊は帰還せよ」

 

「はぁっ!?現場はもう目の前だぞ!?」

 

大田が指令に激怒していた。

なんと現場は目と鼻の先にあるにも関わらず、出動取り消しの判定を食らってしまったのだ。

その上、現場には地元警察署の警官と公安らしき黒服の姿が見える。

暴れだしてるレイバーがいないのは幸いではあるが、どうにも締まらない。

 

「どうして遊馬?」

 

「俺が知るか!俺らが止めに入る前に仲良く握手でもしたんじゃないのか?」

 

「そんなバカな」

 

「我慢ならん!俺が文句言ってくる!」

 

大田は怒り出し、現場へ行き封鎖している黒服に文句を言おうとするもそこへ後藤のパトカーから通信が入る。

 

『大田、駄目だ。帰還するぞ』

 

「し、しかし隊長!レイバーがまだ暴れだしてるかもしれないのに現場に入れんとはこれは」

 

『いいからいいから。ハイ撤収』

 

後藤の気の抜けた声で撤収していく。

暴れだしそうな大田は進士と山崎が抑え込んでいる。

 

そんな時…。

 

「ん…?」

 

野明はふと見かけた制服姿の女の子達を見かける。

ベージュ色でリボンは薄いピンク色。

 

(高校生…いいなぁ…都会の女の子はああいう制服で)

 

野明もまた元はと言えば女子高生。そう思うのも当然だろう。出身が北海道というのも尚更だ。

 

一つの歪みであることも知る由もない。

 

――――――――――

 

だがこれらのアレが何回も続けば異常と気づく。

 

「今回も無駄足かよ…」

 

「俺に銃を撃たせろ!!」

 

「落ち着きなさい!」

 

今日も無駄足の出動で第二小隊はあまりよろしくない雰囲気。

遊馬はぼやき、大田はキレかけて、熊耳と進士がそれを二人がかりで止めている。

 

「でも平和が一番じゃないですか。無駄足であることを良いと思うべきです」

 

山崎はそうつぶやきつつ、書類の整理をしている。

 

「でも…」

 

だが野明はどこか引っかかってた。

出動かと思ったら途中で取りやめが何回も続けばというのもあるが、その現場には必ずあの制服を着た女子高生がいた。

都市部ならいざしらず、女子高生がいかなさそうな工場地帯やらにも見かけた。

家出少女なのかもしれないが流石に違和感がある。

 

「うーん…」

 

野明は考え込みつつも基地内を歩き回る。

 

「ん?」

 

そこでばったりと遊馬に出くわす。

 

「どうしたんだ野明?お前らしくない」

 

「だってこんなにも出動掛かったと思ったら出動中止が何回も続くなんて異常だよ?」

 

「人間間違いは何回もするもんだ。警察も例外じゃない」

 

「でも…その現場の近くには必ず同じ服装の女子の高校生がいるし」

 

「女子高生がいるって珍しくもなんともないじゃないか。だいたい女子高生がいるからってなんだってんだ?」

 

「…そうだよね」

 

遊馬に言うことも一理ある。だが何か引っかかる野明。

そこに…。

 

「ええ!?脱線事故!?」

 

進士が慌てて声を出す。

野明と遊馬が休憩室のテレビを見ると、そこには脱線事故のニュースが映し出されていた。

 

『今日夕方、東武伊勢崎線・東京メトロ半蔵門線の北押上駅で地下鉄が衝突し脱線事故が発生しました。これにより駅内の非常用バッテリーに引火し爆発が起こったものの、死傷者はゼロとのことです』

 

「うひゃーっ、脱線事故かぁ…」

 

「怖いねえ遊馬」

 

「死傷者がゼロというのは不幸中の幸いですね」

 

「ああ、無人運転の回送電車で、駅の乗客もすぐに避難したそうだからな。はぁ…銃はどこだ…」

 

「ん…?」

 

進士達が喋る中、野明はテレビの映像内でまたあの女子高生を目撃する。

 

(また…?)

 

首を傾げる野明。

 

そしてその様子をドアから覗き込むように後藤が見ていた。

 

 

――――――――

 

隊長室。

ここには小隊長の後藤喜一と南雲しのぶの席がある。

 

「こりゃあまずいなぁ…」

 

「まずいって何よ?また第二小隊がやらかしたの?」

 

後藤がそうボヤキ、南雲もその話に乗る。

いつもの光景である。

 

「いや…あれだけ出動からの出動中止が続いたのもあるけど、泉が例のやつに気づきそうなんだ」

 

「例の…それはまずいじゃないの。確かに最近アレと鉢合わせして横取りされることが多くなったけど」

 

「ああ…テロリストがレイバーを使ってなにかしようとしてるってことだからかち合うとは思ってたが…嫌なもんだねえ…今回のあの北押上駅の脱線事故も多分連中が関わってるんだろう」

 

「わかるの?後藤さん」

 

「勘…というか…()()()()()()()()俺はここに来たようなもんだし」

 

「それは散々聞いたわよ。私にも悩みのタネを植え付けてくるなんて…」

 

南雲もどうやらその例のことについては知っているようだった。

いや無理やり知らされたも同義だったようだが。

 

「まあでもこんな情報流しても笑い話にしかならないからねえ…はぁ…皆で幸せになりたいのに」

 

後藤はぶつぶつ言いながらも新聞を見ていた。

そこには8年連続世界一平和という輝かしい称号が乗っていた。

 

「8年連続ねえ……」

 




後藤さんが左遷された理由はまあ…そういうことです。
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