あと地味に内海については変えます。
一応結末自体は漫画版準拠ですが…。
DirectAttack
通称『DA』
警察・政府公認の独立治安維持組織。
犯罪者や犯罪を行おうとする人物を秘密裏に抹殺するいわゆる暗殺者であり、それにより治安を維持し、結果日本は世界一の平和と言われるほどになった。
だが政府と協力関係にありながら指揮下に置かれず強い特権を有しているなど謎が多い。
そこに所属するエージェント達のことをリコリスと言い、DAは女の孤児を育てリコリスとして活動させている。『制服姿の女子高生は日本でもっとも他人に警戒されない姿であるため』ということもあり、ユニフォームは制服姿である。
ここは押上にある喫茶リコリコ。
外見からして和風であるいわゆる和菓子喫茶店であるが、実はDirectAttackの支部の一つである。
ただしDAとは違い、民間のいわゆる何でも屋ということも行っており、表向きには万屋兼喫茶店とも言える。
そしてその喫茶はあまり客はいないので、今日も従業員である千束とたきなは暇であった。たきなは掃除する中、千束はテレビを見ている。
『次のニュースです。またあの第二小隊がやりました。本日午前10時頃、江東区門前仲町の工事現場でレイバーを取り押さえ中に太田功巡査のパトレイバーが多数の発砲を行いました』
『往生せえやー!』
イングラムがリボルバーカノンをぶっ放してる映像が映し出されている。
「おっほほほっほーっ!派手にやるねえ」
「なんですか千束。暇なら掃除手伝ってください」
「みてみてこの映像!レイバーだよ!」
千束はまた興奮しているようで目を輝かせている。
「千束はスーパーカーもですが、そういうのが好きなんですか?」
「そりゃあもちろん!できることなら一回動かしてみたいよ!あ、レイバーって知ってるよね!」
「レイバー…本来は労働者の意味を持つ単語ですがそれから転じて労働者が使う作業用ロボットの名称です。バビロンプロジェクトでレイバーを使って作業することが奨励された結果、今では建設現場などでも多用されてて」
「あーはいはい…やっぱり知ってるんだ」
「それくらいは常識です。私を世間知らずと勘違いしてるんですか?」
「いや…まあいいや」
この前のパンツの件しかり色々とあったが、とりあえず飲み込むことにした千束。
「ついでに聞くけどバビロンプロジェクトってなんだっけ?」
「バビロンプロジェクト…過密化が進む首都圏の人口問題や温暖化による水面上昇に備えるため、東京湾の一部を埋め立てや干拓によって陸地化し、防波堤を作る都市構造計画のことで延空木の計画とは並行して進められている国家的なプロジェクトです」
「なるほどぉ…だいたいわかった!」
「絶対わかってないですよねそれ」
「そうかなぁ…」
『昨日の夢は今日の希望、そして明日の現実へと、歩一歩着実に実を結びつつあります。豊かな明日へ向けて、バビロンプロジェクトは未来への挑戦です。政府広報』
このようにテレビで政府広報が流れるほど政府は推進しているようだ。
裏で孤児が犠牲になっているのを知ってか知らずに。
「あ、そういえばレイバー犯罪に対する部隊とかは作ったの?そこらへん最近めんどくさくて聞いてなかったけど」
「一応レイバー犯罪に対応できるようにはなったとは聞きました。詳しくは知りませんが相応のマニュアルはできたと」
「へーっ…まあでも確かに…シャフト・エンタープライズの件はDAも介入が難しいとは聞いたし。それで特車二課が大活躍してたとかは聞いたね」
「そのせいで世界一平和の称号が揺るぎかけてるそうです」
「ふーんっ…」
シャフト・エンタープライズ。
表向きは世界的に展開する多目的企業であるが、企業利益のためなら違法行為に出ることも辞さない企業体質であり、特にその内部の企画7課は表向きはゲームの制作をしていたが、裏では軍用レイバーの開発をしておりサターン、ブロッケン、ファントム、グリフォンといったレイバーで、日本を文字通り踏み荒らした。
DirectAttackも探りはいれていたものの、日本国内はともかく海外には手を出せない上、シャフト・セキュリティ・システムという事実上の私兵部門の存在や、AIのラジアータもリソースを総動員したものの、主犯の内海がそれ以上の策士ということもありDAとしても後手後手ということになってしまい、結果事件の解決を表の自衛隊、警視庁と特車二課に任せるしかなかったという。
最終的に日本支社のシャフト・エンタープライズジャパンやそのシャフト製レイバーをOEMしていたトヨハタオートについては警視庁が確保し、パイロットのバドは子供ということもあり罪には問えずに最終的にはアメリカの警察官に引き取られ、内海はリコリスが射殺したものの、腹心の黒崎などについては国外逃亡を許してしまった。
「ああ、それでDA上層部も躍起のようだ。ここ数日で複数のレイバー事件がもみ消されている。テロリストが関わってるそうだが、情報はそれくらいしか流れてこない」
そう話すのはこの店のマスターであるミカ。千束からは先生と呼ばれる。
大柄の褐色髭男であるが、これでも千束達を見守る保護者である。
「ああ、やっぱりぃ?全く、変に力の入れどころはあるんだから」
やれやれと思う千束であった。
――――――――
一方の警視庁。
警備部特車二課課長の福島隆浩が第二小隊の後藤隊長をいつも通り叱っていた。
「全く!またマスコミの対応で広報はてんてこ舞いだ!グリフォンを倒した件はいいが、いつもいつも…!」
「はい、すみません。ちゃんと指導はしてるつもりなんですが」
「…はぁっ……とにかく!明日までに太田功巡査以下2号機担当の者には始末書の提出を!」
「はい…あ、そうだ」
「駄目だ!」
「まだ何も言ってないんですが…」
「どうせあの連続出動中止の件だろう!あの件に関しては触れるなと散々厳命したはずだ。そもそも君自身もここに来る前にそれを身を以て感じただろう!」
付き合いも長いゆえか後藤の思考も大分読めるようになったらしい。
「まあそうですが…」
「…私だって悔しいさ。
「……」
福島課長は珍しく悔しがるような表情を見せる。
裏の治安維持の一端を知ってもそれでも警察官を続けているようだが、その悔しさは変わらないようだ。
「……そのことにつきましてですが、少し課長に相談が」
「変に刺激するのは駄目だ」
「いえ、ちゃんと『特車二課』としての仕事をしようと思いまして」
一見普通の言葉に聞こえるが、後藤の表情は悪巧みしているようなものであった。
そして福島の耳にその「悪巧み」をささやくのであった。
ちなみに福島課長も漫画版準拠です。