警官というより正義の味方と裏の彼女達   作:モンターク

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いまを生きていく

(アタシは…アタシは…!)

 

引き続き布団の中で潜ってしまっていた野明。

 

(アタシは…警察官で…アルフォンスのパイロットで…だから…!)

 

野明はその心の中に秘めていたものを掘り起こすかのように飛び起きる。

グリフォンの件を乗り越えた彼女は前のように長く悩むことはなかったのだ。

そしてせっせと制服に着替えた後、射撃場へとやってくる。

 

「泉、どうした?」

 

「い、泉さん?」

 

「太田さん!太田さんって元機動隊でしょ!」

 

「あ、ああ…そうだが…」

 

「ならアタシに拳銃の撃ち方レクチャーしてよ!」

 

「あ…な、なんだと!?」

 

野明はイングラムの操縦の際にも射撃を使わないほうが良いと後藤が言うほど射撃は得意ではなく、本人も射撃訓練はイングラム及び生身双方であまり行っていないので太田からしてみれば驚きも良いところだ。

 

「し、しかし…」

 

「警察官は射撃も完璧じゃないといけないんだよね!太田さんはいつもそう言ってたよね!?」

 

「い、言ってた…かもしれないが…」

 

太田は破天荒ではあるが意外にも女性には弱い方である。

女性にもぶっきらぼうな態度を取れるのは第二小隊では恐らく遊馬くらいであろう。

 

「でしょ!だから!」

 

「わ、わかった!」

 

当然押し切られる太田であった。

 

数時間後。

その練習を終えた野明は遊馬がいる屋上に来ていた。

 

「野明、もういいのか?」

 

「いいか…はわかんない」

 

遊馬の隣に座り込む野明。

先程よりは悩みの表情はないがまだ影がある表情である。

 

「まさか国が裏であんなことしてるなんてな。俺も驚いたよ」

 

「うん…」

 

「しかも明治以前から存在するって話だぜ?あんな昔から子供使ってあんなことしてたとか夢も希望もねえよな」

 

遊馬はどこか投げやりな言葉ではある。

遊馬なりにショックを受けていたのである。

 

「うん…びっくりだよ。でも…」

 

「進まなくちゃ…って言うんだろ?」

 

「遊馬、アタシの心読めるの?気持ち悪い」

 

「んなアホな。長くバディやってりゃ少しくらいはわかるさ。確かに重大な陰謀が裏にあるとわかっても俺たちには何もできない。少なくとも今まで通りレイバー犯罪を取り締まることしかできないからな。バラしたら今度は俺達が文字通りバラされるかもしれんし」

 

「うん。だからせめて…何があっても大丈夫なようにアタシも準備はしておこうかなって」

 

「だから拳銃撃ち始めたのか?やめとけやめとけ。野明に射撃の才能はないって」

 

「んもー。心の持ちようだよ。アタシだって警察官の端くれだし。レイバーを無力化できたとしてもその中の人が何するかはわからないって遊馬もわかってるでしょ?」

 

「はいはい。まあでも確かにその心構えは大事だ。俺もなんかしねえとな…」

 

「遊馬も銃撃つの?」

 

「それもそうだが…その前に腹ごしらえだ」

 

「え」

 

空気を読めないその発言に思わずずっこける野明であった。

 

――――――

 

「やっぱりレイバー置こうよ!」

 

「駄目だ。本当にスペースがない」

 

「スペース買ってよー!」

 

「駄目だ」

 

千束はミカに相変わらずレイバーを強請っていた。

なお最近見ている映画もレイバーが出てくるものばかりとすっかりハマっていた。

 

「千束、そこまでレイバーがほしいんですか?スーパーカーよりも?」

 

「それとそれはまた別!だからレイバーがほしいの!」

 

「そうですか…」

 

千束のレイバー熱に関してはたきなも少し引くほどである。

数週間前の松下さんの一件で悩んでたと思ったらすぐこれである。

 

「あ、そうだたきな。この映画おすすめだよ」

 

「なんですかこれ」

 

「簡単に言うとコンピューターウイルスにレイバーが感染して暴走しちゃうやつ。それを止めるために方舟をぶっ壊すんだよ」

 

「よく知りませんけど端折り過ぎじゃないですかその説明」

 

「あーでも続編のやつはレイバーほぼ出てこないからあんまりおすすめできないよ。ある意味面白いけど」

 

「それもはやレイバー映画じゃないですよね」

 

「この監督ある意味おかしい人だからねー」

 

すっかり映画談義をする二人であった。

 

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