機動戦士ガンダム Living Days   作:すからぁ

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プロローグ
プロローグ


 今から四百万年以上前に人類の祖先であるアウストラロピテクスが誕生した。

やがて時が経ち、人類は知能を伸ばしていき、それは自身がより快適に生活していくのにコミュニケーションを取っていき、発展していった。そして、その裏には多くの欲望があった。コミュニケーションの力と、その欲望があった為に、人類はここまで進化してこられたのかも知れない。

しかしコミュニケーションと欲望は必ずしも人類に有益を与えるものではなかった。その証拠に戦争がある。

人類の歴史は戦争の歴史と言っても過言ではないのだ。幾度となく戦争を繰り返し、その度に文明を発達させてきた人類はその数を増やし続けていった。原因は機械文明の発達による生活の安泰化によるものである。機械文明が発達すればする程、人類の生活は豊かになっていく。機械文明を発達させる上で必要になる人工知能は、更なる進化を続けていった。

だが、これに拍車を掛ける事態が起こる。とある、一人の学者が人工知能は人類をいずれ破滅に導く存在であると、提唱したのだ。そこからシミュレーションが行われ、来るべき日に人工知能は“シンギュラリティ(技術的特異点)”と呼ばれる時を迎え、いずれは人類に反逆を起こすものと、考えられるようになった。

それを危惧した人類は、人工知能の発展を最低限に止めようと動いた。その結果、人類は破滅する事なく、増え続けて行ったのである。

しかし当然ながら、増えすぎた人口を地球は受け入れられる筈がない。環境問題や食糧問題、人種の問題、経済格差等、多くの問題を抱えた地球の負担は、既に限界を迎えようとしていた。

やがて、こうした人類の増加に対応する為に、アメリカや、EUを始めとする先進国同盟は人類宇宙移民計画を企て、実行した。その際に必要となったのが、マスドライバーと呼ばれる装置である。地球上から宇宙へ大型の質量を送り出す為に必要となるその装置は、宇宙移民計画の為に優先で作られ、それは現実になった。これにより、宇宙空間へ容易に物資を送り届ける事か可能となっていったのだ。その後、こうしたマスドライバー施設は幾度の改修を受ける事となり、いつしか、“人類の宝”として人々の記憶に認知されていく事となるのだった。

 

 

 遂に最初の宇宙コロニーが誕生。人類が宇宙進出するにあたり、その叡智の結晶の、“結晶”を当時の人々はそのままコロニーの名前に当て嵌め、Cコロニー(クリスタルコロニー)と名付けた。

この後、地球上の様々な国が協力する形で地球連邦政府が樹立する。地球連邦政府は、本部をアメリカ、カリフォルニアに置き、更に人類宇宙移民計画を進めていく。増え過ぎた人々は次々と宇宙へ移民するようになり、地球は人口爆発増加の危機から救われたかのように思われた。

 

 

 宇宙に進出した人類は、人口増加に備える為にコロニーを製造し続けていった。Cコロニーの集団はCコロニー群と呼ばれ、Cコロニー一群などと言った呼ばれ方をするようになった。

 だが、宇宙に進出するにあたり、問題が生じていた。それは、物資の輸送の問題である。

宇宙への進出が進んでいった、ある時を境に地球はコロニーへの物資の輸出を打ち切り始めたのだ。この結果、コロニー側は食糧難等の問題を引き起こすことになった。

 これに対し、コロニー側は地球連邦政府に対して物資の調達を求め、交渉していった。

 だが地球連邦政府はこれを拒否した。彼等は既に宇宙に進出した人間達を別物として認識するようになっており、地球の問題と宇宙の問題は別問題だと主張した為である。

この出来事がきっかけとなり、やがて地球と宇宙に亀裂が走る事となっていくのである。

 

 

Cコロニー郡の一つ、Cコロニー14郡にて。こうした地球連邦政府の対応に憤怒する者達が続出するようになった。それらはやがて統合していき、一つの国家を作り出す。

当時の革命家の一人に、スージー・デウスという人物がいた。彼は多くの人間達を束ね、一つの国家を作り出した。後々、地球連邦軍と長き戦いを繰り広げることになるデウス帝国の誕生である。

やがてスージー・デウスは地球連邦に宣戦布告をした。宇宙生活の中で培った、独自の技術を用いて。

 

 

 デウス帝国は独自の技術で生み出した宇宙戦闘機を投入し、人類史上初の宇宙間戦争が始まった。これに対し連邦軍も宇宙用戦闘機を多数投入するものの、技術力ではデウス帝国の方が上回っており、連邦軍は圧倒的に不利だった。次第にデウス軍は勢いを増し、地球圏の制圧まであと少しと及んだ矢先の事だった。

しかし実は連邦軍は更なる兵器を極秘に用意していたのだ。当時の主力であった宇宙戦闘機を圧倒的に上回る人型機動兵器、MS(モビルスーツ)を製作していたのである。最初に製作されたプロトタイプMSは人型としてどこまで稼動できるかを確認するための試作機に過ぎず、武器は一切所持していない。このようなプロトタイプMSの活躍により、武装を施した次のMSの製造に移る事が可能となった。

そして連邦軍は遂に切り札を製造。その兵器の名前はGUNDAM(ガンダム)と名付けられ、対デウス帝国軍の切り札として投入された。最大の特徴として、そのガンダムは、ビームライフルと呼ばれる、当時の宇宙戦艦に用いられていたビーム兵器を凝縮した兵器を所持しており、それを利用した攻撃を用い、鬼神の如き強さを発揮したとされている。この、ガンダムの活躍により、窮地に陥っていた地球連邦軍の救世主として君臨していた。

こうしたガンダムの活躍もあってか、連邦軍は危機的状況から一転、デウス軍に勝利したのだ。

 

 

 この時のガンダムは、現代から見て最初のガンダム(ファースト・ガンダム)と言われている。だが、これに関しては歴史の闇に葬り去られてしまっている。何故この時代にファースト・ガンダムのようなMSといったものが導入できたのか等、多くの謎が、現代にも残っている。そして当時の、ガンダムのパイロットの正式名称もデータには残っておらず、ただ、白い悪魔(ホワイト・デーモン)という名前だけが残されただけだった。

 このガンダムの話は後の時代でガンダム伝説という形で語り継がれることになる。この時代に、あったかも知れない物語の話や、プラモデルといった形で、それらは残されていくことになるのだ。

 

 

 クリスタルコロニー建造後に勃発した戦争と言う事を示すという事で、後にクリスタルウォーと呼ばれるその大戦は、多くの犠牲者を出したが、それと同時に戦争の新たなる可能性を導き出した。これがきっかけで年号もC.W(クリスタルウォー)となり、新しい時代の幕開けとなった。

この大戦の後、スージー・デウスは何者かによって殺害され、一代でデウス帝国は潰えたかのように見えたのだが、彼の側近であったブラマンジェ・メリクリファーが国王の座に着き、以後彼の子孫達がデウス帝国を動かしてしていったのである。

 

 

 月日が流れ、大活躍したそのファースト・ガンダムを基にMSの製造が本格的に開始されたと思われたが、違った。寧ろMS製作には困難が生じた。当時にしてはコストが高過ぎた為である。

この時代はMSを製作するのにも莫大な予算が掛かり、製造は困難を極めた。どうにかしてMSを製造しようとは試みるも、使用している材質を変えない限りは高コストのままMS生産を続けなければならなくなる。結局連邦はMSを主力とはせず、従来の宇宙戦闘機を改造したものを量産していった。そして、ファースト・ガンダムに用いられたビーム粒子を用いた兵器も、戦艦に搭載されている主砲のまま使用されるに留まった。宇宙戦闘機にビーム粒子を用いるという事は、この時代では出来なかったのである。

こうした背景もあり、かつてデウス帝国軍に対して猛威を振るった、“ガンダム”という存在は地球圏では徐々に風化していくことになるのである。

 

 

 クリスタルウォーに年号が変わってから一世紀を迎えた頃。人類はMS製造の為の新たなる装甲素材を発見する。その名はCメタルと呼ばれた。外宇宙から突如姿を現した小惑星に含有されている金属成分を加工したもので、これは後に地球連邦軍並びにデウス帝国軍がMSの装甲材質となる小惑星としてCメタルを地球へ輸入する為に用いられるようになった。

その小惑星から発掘された金属成分は、従来の金属を遥かに凌駕する強度を誇り、MS等の兵器に採用する価値のあるものとして、以後のMS製作には必ずこのCメタルが用いられるようになった。Cメタルの〝C〟はクリスタルの意味で、クリスタルウォーという年号で発見されたことからこの名が付けられた。又、CメタルはMSの装甲素材として以外にも利用されていく事になる。

このCメタルにより、MS製造のコストは大幅に削減。連邦はMSを量産することに成功し、戦力を着実に伸ばしていったのである。MS量産と言う夢が叶った瞬間でもあった。

Cメタルは現代のMSにも活かされている装甲素材であり、従来の金属を遥かに凌駕する優秀な装甲として、利用されていくことになる。これ以外にも、既存人類において多くの福音を齎す事となるこのCメタルは、正に、夢の金属素材としてこの時代を長きに渡って支えていく存在へとなっていくのだ。

 そして、これらを組み合わせたバッテリー類はハイ・バッテリーと呼ばれるようになり、主にMSの動力源として組み込まれていく事になる。

 

 

 後にデウス軍は独自の技術で連邦より性能の優れたMSを大量に生産することに成功。デウス軍独特の技術と言うのは、モノアイというカメラアイを利用した技術で、従来の連邦軍の機体と違い、モノアイは敵パイロットに心理的な恐怖を与えると同時に、武装を使用する際、カメラアイが動く事で狙いを的確に絞る事が出来ると言うメリットがあった。この為、デウス帝国はこのモノアイの技術を採用したのである。また、これらのMSの装甲材質は連邦軍のものと同様にCメタルから出来ていた。

と言うのも、デウス帝国は、地球連邦が見つけた小惑星とはまた異なる、Cメタルが含まれている小惑星を発見し、この小惑星から採掘される金属成分が、地球連邦が宇宙より輸入していた金属成分と一致しており、デウス帝国は地球連邦軍と同様に、そこから採掘された金属成分を加工し、CメタルをMSの装甲素材として利用した。これによりデウス軍は着実に再び地球圏の支配へ向けての準備が進んでいくことになる。連邦軍はそのような事など知らず、低コストの量産型MS製造を続けていた。

 

 

 MSという強力な兵器が量産されていく中で、Cメタルの存在は次第に連邦軍とデウス軍の両陣営が奪い合う事になる。この夢の素材を独占せんと、地球連邦軍は資源衛星を設立。それを奪おうと、デウス帝国軍は再び宣戦布告した。これが、第二次クリスタルウォーの始まりだった。

通称、Cメタル戦争と呼ばれるこの戦争は、両陣営共に、MSの武器には実弾兵器を用いて戦争を開始。だが技術面で劣る連邦は不利な状況にあった。デウス軍は容赦無く連邦を襲う。しかし連邦軍も応戦し、敵の兵器を破壊していった。MS同士の抗争は、時代の進歩を意味していた。

デウス軍は当初、優勢に動いていた。しかし数で勝る連邦の脅威には勝てず、結果、第二次クリスタルウォーは再び連邦軍の勝利で終わった。

この戦争の後、Cメタルの資源衛星の管理は地球連邦下のものとなっていく。

 

 

 傷ついたデウス軍は再び自国へ帰還。またしても次の機会を待った。その間、戦艦のみに装備されていたビーム粒子を用いた兵器は遂にMSにも標準装備されるようになり、戦力も充実させていった。だがその内にCメタルの装甲素材は次第に減少していく事となる。

 その後、長きに渡る、地球連邦とデウス帝国の冷戦状態が始まった。互いに大規模な戦争が生じることなく、地球圏やデウス帝国内はまだ、比較的平和だった時代と言える頃。しかしその緊張状態は徐々に、肥大化していく事になる。この間にも、デウス軍はCメタルの素材を裏ルートで輸入をし続け、MSの生産もし続けていたのであった。

 

 

時が経ち、C.W0172年の事だった。地球連邦軍とデウス帝国軍が長きに渡る冷戦状態だった頃。その間にも両軍のMSの技術が来るべき対立に備え、ほんの少しずつではあるが、発展していた時代。

この頃、デウス帝国との冷戦状態に業を煮やしていた地球連邦軍から、派生して生まれた連邦反乱軍と呼ばれる組織が誕生していた。

連邦反乱軍は地球連邦政府のデウス帝国への対応の仕方等に反感を抱く者達が集まって製作された組織であり、その規模は、当初は連邦政府よりも小さかったのだが徐々に拡大していくことになった。

連邦反乱軍はこの後、突如デウス帝国の民間コロニーを襲撃する。コロニーの人間のほとんどが反乱軍により虐殺されてしまったのであった。

これを連邦軍の攻撃だと勘違いしたデウス軍は地球連邦政府に宣戦布告。これにより、長きに渡った冷戦状態が崩壊してしまったのである。C.W歴における、デウス対連邦の歴史を作り出してきたクリスタルウォー史の中で最も激しい戦争である、〝デウス動乱〟の勃発だった。

 

 

 激しい戦いが行われ続け、終戦間際となった頃。地球連邦内の組織で、ニューヨークに本部がある国際平和機関(後の平和国連盟)は突然の年号発表。C.WからP.C(ピースセンチュリー)(平和世紀)へと年号を変えたのだ。

デウス動乱が勃発したのはC.W0172年。年号が変わったのはその十年後の0182年である。これにより、同年の暦はP.C0001年となり、実質戦争が終結したのはその年という事になる。何故年号を変えたのかと言えば、これ以上戦争を続けることに意味があるのか?と異議を唱えた当時から国際平和機関の最高議長を務めていたチャール・ポレクが平和主義を唱えた為であった。

動乱の終盤、連邦反乱軍の指導者は戦死。その為実質反乱軍の勢力は地に落ち、一つの勢力が無くなった。

 

 

 そしてデウス軍は最強の兵器である、“コロニーカノン”を投入。襲撃された民間コロニーを改造して、コロニーそのものを巨大な大砲にし、そこへビーム粒子ではない、新たな粒子、プラズマ粒子を用いたその兵器は、当時の連邦軍に大きな衝撃を与えた。常識的に考えればこれ程の技術を持っているデウス軍は連邦に負ける筈が無い。

だが、実際は違った。連邦軍が百五十年以上振りに開発した、ある機動兵器の存在のおかげで連邦とデウスはほとんど変わらない程に戦えた。その機動兵器こそが、ガンダムである。

 

 

 MSが様々な形で投入されていくこの時代、連邦軍は究極のMSを製作するために、百五十年以上前のガンダム伝説を想定して作られたガンダムを開発した。名はクリスタルガンダムと呼ばれる。

ファースト・ガンダム開発以来一切開発されていなかったガンダムタイプ。今になって何故開発されるようになったのかと言えば、技術で優れるデウス軍を当時破ったのはガンダムだと言うガンダム伝説を信じる製作者によって開発されたためである。だが当時の、ガンダムのデザインは行方不明の状態にあり、角があり、二つの目をしていればガンダムと言う言葉を信じつつ開発したため、頭部デザインはファースト・ガンダムとはまた異なるものとなってしまった。

 

 

 こうしてデウス動乱は、地球連邦軍の勝利と言う形で幕を閉じた。デウス帝国軍はこの戦いに敗れた際に、その力を使い果たした。よって、帝国軍という組織は崩壊する事になったのである。これにより、長きに渡るデウス帝国軍の歴史はデウス動乱終結と共に遂に潰えたのであった。

この動乱の後、地球圏に敵対する組織がなくなった地球連邦軍。そして地球連邦内に存在していた国際平和機関は平和国連盟へと名称を変え、その立ち位置を不動のものとした。平和国連盟はその主な目的として、連邦組織の監視という形で、戦後に存在していく事となる。

 

 

 P.Cと年号が変わった現代。果たして、それは本当に平和を意味することが出来るのだろうか。三度のデウス軍との大戦に勝利した地球連邦はこの先どのような変化を見せていくのだろうか。全ては、今後のP.C歴が物語っている。

 




大まかな時代背景や、起きた事についてです。
本作の舞台はこのプロローグから五年後の話が舞台となります。
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