MULAストーリー番外編短編集 作:Lcrcl (エルマル)
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私は、鬼として生まれた。
でも、鬼としては余りにも貧弱だった。
「オメェのような弱っちぃ奴が鬼なわけあるか!」
「ざーこ!雑魚は道端に寝転がってろ!」
ドガッ!
「かはっ…!」ドサッ
そのせいで私は他の鬼に恨みを持つ雑魚妖怪から虐められていた。
「コイツで鬼共への恨みを晴らそうぜ!」
「いいな、ちょうど苛ついてたんだ…ぐへへ」
ドゴッ、バキッ!
「が、ぁッ…グッ!?」
「ほれ見ろ、苦しんでやがんぜ?」
「けひひひっ!」
殴られ蹴られ、私の体はボロボロだった。
「オラッ、起きろよ!」グィッ
「いっ…!」
「おいおい。そんな顔すんな、よっ!」ボカッ
「ぐふっ……」
今ので口から血を吐く…これが私の日常だった。
「ハァ、ハァ…」
「誰が息していいツッたぁ!?」ガシッ
「んぐゥ!?」
「知ってるか?息を大きく吸った状態で肺に針を刺したら……」スッ
妖怪の1人が針を出して私の胸に近付ける。
止めろ、やめろ、やめ…!
「ねぇ、アンタ達…その子に何してるの?」
『あ?』ポイッ
「ガッ、ぅ………?」
そこらに私は投げ捨てられ、頭を打つ。遠ざかる意識で朧げながら見えたのは…
「炎天…桜舞」シュバッ
『ゲヒャッ!?』ズドッ!
女の人に瞬殺される妖怪達だった。
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「ッ………あれ…?」
気が付くと、そこは知らない天井だった。
「あら、目が覚めたのね」
赤い服を着た女の人が覗き込む。
「誰だ…?」
本来なら私は気を張っているハズだが、怪我をしている私にそんな気力は湧かなかった。
「私はアルミ、ニンゲンだけど妖怪の敵じゃないわ…友達もいるし」
「私は、鬼人正邪………鬼だ」
「それにしては、雑魚妖怪にボコされてたけど…どうやら事情がありそうね」
ニンゲン…アルミの赤い目が私を射抜く。まるで心を読まれているような気分だ。でも不思議だ、アルミからは嫌悪感を全く感じない。
「訳ありなら、相談に乗ってあげてもいいわよ?」
………この人なら、私の味方でいてくれるかもしれない。
「実は…」
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「なるほどね……」
私は自分の過去を包み隠さずアルミに話した。
彼女は時に悲しそうな顔をしながら、親身に聞いてくれた。
ギュッ
「…!?」
「辛かったわね?でも大丈夫…私が味方になるから」
あ、ああ…
「本当……?」
この人は、私を……
「もちろんよ」ニコッ
…助けてくれるんだ。
あの日から、私の生活は一変した…いい意味で。
アルミ…さんから鍛えて貰い、まずは雑魚妖怪をボコボコにした。でも他に虐められてる妖怪がいたら助けた…アルミさんと同じように。
他の鬼達とはあまりつるまない、元から疎外感はあったしな……
「正邪さん!」
「おう、どうした?」
「あそこの森で果物が取れたんです、正邪さんもどうですか?」
「1つ貰うよ…お、美味いじゃないか」
時に、助けた妖怪達からはお礼をされる。私は別にこの為にやってるワケじゃないんだがな?
あ、そういえば。私は自分の名前をもじってこう呼ばれている…『貴人聖者』と。正直、少し照れくさい。
「………」フッ
「?」
アルミさん…本当に、ありがとうございます。私は弱者を守る鬼として、生きていきます。
鬼人正邪、元鬼説を俺は考えてまして。
鬼なのに弱いが故に虐められ、それで捻くれたのでは?という過去を思いつきました。
ココでは捻くれる前にアルミに救われた感じですね。
個人的に善人正邪は気に入ってるので、結構出すつもりです。
次回もよろしくおねがいします。
誰の過去を知りたい?
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