MULAストーリー番外編短編集 作:Lcrcl (エルマル)
ここは、『夢に咲く。』のパラレルワールド。凡そは同じように空原咲夢が狂気に呑まれた嶺宮御兎を倒す…これは、それと同時代の日本で『妖怪ウォッチ』の要素を一つまみしたお話である。
side三人称
2043年、夏のある日のこと。部屋でゴロゴロしている青年と少女がいた。
「暑い~…」
「だな~、エアコン付けるか」
「私は冷蔵庫のアイス取ってくる~」
少女…妖怪、ゆきおんなのトウカは部屋を出て、青年…人間で逸脱者の
「りんごとぶどう、どっち?」
「ぶどうで」
「ほい」
アイスバーを貰い、開けて口に含む。とても美味しい。しばらく味を楽しんだ後、トウカが話しかけた。
「そう言えばさ」
「?」
「今日は何するの?」
時間はまだ昼前。高校から出てる宿題は夏休みの最初の数日で終わらせたので残ってない、つまり完全に自由な状態である。
「この世界に来た妖怪でも探すか?」
「ん~…ありだね」
トウカは元々この世界にいたワケではない、ワームホールのようなものに巻き込まれてこっちに来たのだ…と言っても、戻る手段はあるのでトウカは自分の意志でこちらに残っている。
「最後に会ったのは未来から来たって言ってた子だよね」
「ハレ女だな。つっても年代からしてココも未来なハズだが」
2043年は『妖怪ウォッチ』というゲームが発売されてから丁度30年。時代的には『シャドウサイド』と同じ時代である。しかし向こうの世界から来るのは基本的に所謂ケータ時代の妖怪たちだ。
「てかその後に"例のトンネル"でウ魔に会ってるだろ。メダルもあるし」
「じゃあウ魔が最新か。"あの子"ってホント何者なんだろうね?」
あの子、とはえんえん少女である。トウカから貰った妖怪大辞典のとあるページで封印を解く度に、その夜夢で彼女と出会うのだ。
「この世界の考察では怪異説が一番有力だぞ。多分妖怪じゃない」
「へぇ~…怖っ」
「でも俺としては外に連れて行きたいんだよな、寂しそうだし」
「ソレは私も思ったね」
当然のように考察とか言ってるが、この世界では我々の世界同様『妖怪ウォッチ』はゲームやアニメとして展開された。つまり剛太は30年前のゲームのガチ勢をしている変人である。
「じゃ、行こうか」
「おうよ」
準備が整った2人は早速出かけ、妖怪が出没しそうなエリアに足を運んだ。
妖怪が出そうな場所、ショッピングモール。そこでトウカは人間に化けつつ2人で妖怪を探す。
「お、いたな。あそこにムダヅカイとはらわシェルがいる」
「ホントだ…さっそくバトる?」
「あぁ。出てこい、まさむね!」
『おおっと、召喚の構え』
友達のメダルを妖怪ウォッチ零式にセットし、レバーを回して召喚する。ちなみに周囲からウォッチはただの腕時計に見えるようにしてある。
『イサマシ、召喚であります』
「まさむね…む、剛太か」
「人が多いから周囲に見えないお前が頼りだ、頼めるか?」
「任せろ」
人々に取りついているムダヅカイやはらわシェルに狙いを定め、まさむねは床を蹴った。
「ムダ?誰だお前───」
「名刀マサムネ」
『ぐわぁ!』
まさむねは必殺技を横なぎに放つことで複数体を一発で倒し切った。
「見事だな、まさむね。ありがとよ」
「礼には及ばぬ。ではな」
そう言ってまさむねはドロンと帰っていった。
「お、お前はまさか"青い死神"か…!?」
「何だその物騒な異名」
別に俺そんな名前付けられるような事してないぞ?と剛太は内心思ったが、一方的に妖怪をフルボッコに出来る人は普通そんな異名が付いてもおかしくない。
「この世界には妖怪より強い人間がいるって聞いたんだ…」
「ソレは俺の事だな」
「ひぃぃぃぃ!?メダルはあげるからお助けを~!」
必死に命乞いをするムダヅカイたちだが、明らかなオーバーリアクションである。
「別に取って食ったりしないぞ?取りつくのはやめろって言いに来ただけだ」
「やめます!やめますから!」
「殺さないでぇぇ!」
「ダメだコイツら話にならねぇ」
結局命乞いは止まらなかったので、メダルだけ貰って別れるのであった。
コレが剛太とトウカの日常である。
隣冬剛太
この世界の主人公。咲夢とは同い年(高1)で、逸脱者。ウォッチなしで妖怪が見え、それでトウカに遭遇した。使うウォッチは零式(メダル全対応)。
トウカ(ゆきおんな)
妖怪になった経緯がちょっと違うゆきおんな。ウスラカゲ族。外見は極ふぶき姫に若干にているが、別人。姫トリオや極ふぶき姫本人とは知り合い。トウカは彼女の前世の名前で、自らそう名乗っている。メダルに記載された名前もトウカ。
まさむね
名刀を使い戦う武士。しょうブシで剛太の仲間になっており、召喚頻度が高い。『ネタバレすると、彼はいずれくさなぎになるリーナ』…ネタバレされてしまった。
次回もよろしくおねがいします。
誰の過去を知りたい?
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