転生したらキメラだった件   作:仮面大佐

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第9話 オークロード

 ひょんな誤解から、大鬼族と戦闘になってしまった俺たちだが、誤解も解け、大鬼族を連れて、村へと戻る。

 宴が行われているが、現在、緊張感が凄まじかった。

 何せ、リムルに全員の視線が向けられていたからだ。

 

リムル「はむっ。」

 

 リムルが肉を口に入れると、全員が固唾を飲んで待っている。

 すると、リムルが震え出す。

 

リグルド「リ、リムル様………?」

リグル「お口に、合いませんでした……?」

 

 リグルドとリグルが不安そうにそう聞いてくる。

 でも、この反応なら。

 

リムル「うんっっっまぁぁい!」

 

 リムルがそう言うと、周囲から歓声が上がる。

 リムルは、人間の姿を得て、やっと味覚を得たのだ。

 それは美味いだろう。

 そこから、本当の意味で宴会ムードになっていた。

 みんな酒を飲んだり、食べ物を食べたりして大いに盛り上がる。

 俺も、焼き串を食べている。

 俺は、リムルに気を遣って、食べていなかったのだ。

 そんな中、俺は、カイジン、リグルド、リグルの三人と一緒に、大鬼族のリーダーから話を聞いていた。

 

カイジン「ぶっ〜!豚頭族(オーク)が、大鬼族(オーガ)に仕掛けてきただって?そんな馬鹿な!」

大鬼族「事実だ。」

カイジン「あり得るのか?そんな事?」

リグルド「分かりません。」

レイト「分かんないけど、異常なのは確かだな。」

ゴブタ「そんなにおかしい事なんすか?」

 

 俺たちがそう話してる中、ゴブタが肉を食べながらこちらに来る。

 

リグル「ゴブタ。」

カイジン「当然だ。大鬼族と豚頭族じゃあ、強さの桁が違う。格下の豚頭族が仕掛ける事自体、あり得ん。」

 

 確かに、俺が知るゲームだと、オークとオーガでは、オーガの方が強いというのが、お約束とも言えるのだから。

 すると、リーダーは、忌々しそうに言う。

 

大鬼族「だが、奴らは来た。いきなり俺たちの里を襲撃してきた。武装し、鎧を身につけ、森を埋め尽くす程の圧倒的な戦力。あの忌まわしい豚どもに………里は蹂躙され尽くしたのだ!」

カイジン「豚頭族が鎧を?」

大鬼族「ああ。人間の着用する様な、フルプレートメイルだ。」

 

 それを聞いた俺たちは、つぶやく。

 

レイト「だとすると……。」

リグルド「やはり、オークだけで動いているとは思えませんな。」

カイジン「オークたちがそんな高価なものを大量に用意できるわけがない。不自然だ。」

大鬼族「その通りだ。軍勢の中に、仮面をつけた魔人がいた。」

レイト「仮面の魔人………。」

大鬼族「あれは上位魔人だ。間違いない。」

 

 リーダーは、そう語った。

 なるほどな。

 

リグルド「そいつとリムル様とレイト様を間違え、戦いを挑んだという訳ですな?」

大鬼族「ああ。」

ゴブタ「……つまりどういうことっすか?」

リグル「豚頭族が誰か魔王の勢力のいずれかに与した、ということではないか?」

ゴブタ「なるほど……っす?」

 

 ゴブタは、リグルの説明を聞いても、いまいちピンと来ていない様だった。

 魔王と聞くと、シズさんが言ってた事を思い出す。

 シズさんは、魔王、レオン・クロムウェルによってこの世界に召喚された。

 無論、そいつとは限らないが。

 

カイジン「魔王か………。」

リグルド「しかし魔王が何故?」

大鬼族「分からぬ。はっきりしているのは、300人ほどいた同胞は、たった7人しか残ってないということだ。」

リムル「なるほどな。そりゃあ、悔しいわけだ。」

レイト「リムル。」

 

 リムルは、そう言いながらこちらに来る。

 

大鬼族「肉はもう良いのか?リムル殿。」

リムル「ちょっと食休み。………お前の妹、凄いな。」

大鬼族「うん?」

 

 そう言うリムルの視線の先には、ホブゴブリン達に囲まれたリーダーの妹さんだった。

 

リムル「薬草や香草に詳しくて、あっという間にゴブリン達と仲良くなった。」

大鬼族「箱入りだったからな。頼られるのが嬉しいんだろう。」

リムル「………で、お前ら、これからどうすんの?」

大鬼族「どう………とは?」

リムル「今後の方針だよ。」

レイト「確かにな。再起を図るにせよ、他の地に移り住むにせよ、仲間の命運は、君の采配にかかってるはずだろ?」

 

 ちなみに、紫色の髪の大鬼族と橙色の大鬼族は、ゴブリンたちと一緒に踊っていて、黒の大鬼族は、肉を豪快に食べていた。

 

大鬼族「知れた事。力を蓄え、再度挑むまで。」

リムル「当てはあるのか?」

大鬼族「うっ………。」

 

 リーダーは、何も考えていないのか、リムルの問いには答えず、酒を飲む。

 思念伝達で、リムルと話し合う。

 

レイト『これ、完全にノープランだよな?』

リムル『だな………。ちょっと、提案してみるか。』

レイト『何を?』

リムル『まあ、見てろって。』

 

 リムルがそう言うと、リーダーに提案する。

 

リムル「…………提案なんだけどさ、お前たち全員、俺たちの部下になる気はあるか?」

大鬼族「なっ………部下?」

リムル「まっ、俺たちが支払うのは、衣食住の保障のみだけどな。」

レイト「拠点があるのと無いのとだと、大分違うだろ?」

大鬼族「しかし………それでは、この街を俺たちの復讐に巻き込む事に………。」

リムル「まあ、別に、お前たちの為だけって訳じゃ無い。」

レイト「数千の武装した豚頭族が攻めてきたんだろ?誰か魔王が糸を引いているかも知れない。」

 

 俺がそう言うと、リグルドが口を開く。

 

リグルド「豚頭族どもは、このジュラの大森林の支配権を狙っているやもしれませんな。」

リムル「うん。この街だって、決して安全とは言えないだろうな。」

レイト「そんな訳で、こちらとしても、戦力は多いに越したことはない。」

リムル「それに、もし、お前たちに何かあったら、俺たちも一緒に戦う。俺たちは、仲間を見捨てない。」

レイト「ああ。」

大鬼族「なるほど………。少し、考えさせてくれ。」

レイト「分かった。じっくり考えてくれ。」

リムル「さてと、俺はもう少し、肉を貰ってこようかな。」

レイト「俺も。」

 

 俺とリムルは、肉を貰いに行く。

 そんな中、リーダーは森の中を歩いていて、青色の髪の大鬼族と橙色の髪の大鬼族が、リーダーに話しかける。

 

大鬼族「悪い話では無い。」

大鬼族「だけど、決めるのは、貴方自身だよ。我らは、貴方と姫様に従うから。」

 

 二人の大鬼族は、リーダーにそう声をかけて、リーダーは奥に向かっていく。

 その翌日、俺とリムルが居る天幕に、リーダーがやって来る。

 

リムル「………決めたのか?」

大鬼族「大鬼族の一族は戦闘種族だ。人に仕え、戦場を駆ける事に抵抗はない。主達が強者なら、尚の事喜んで仕えよう。」

レイト「ああ。」

大鬼族「契約は、豚頭族の首魁を討ち滅ぼすまでで良いか?」

リムル「その後は、自由にしてもらって構わない。」

レイト「俺たちに協力して国を作るのも良いし、旅立つのも選択肢にあるな。」

 

 俺とリムルの言葉を聞いたリーダーは、息を吐いて、その場に跪く。

 

大鬼族「昨夜の申し出、承りました。あなた様方の配下に、加わらせて頂きます。」

リムル「うむ。」

レイト「ああ。」

 

 何だか、弱味に付け込む様な形になってしまったな。

 この決断は、自分の不甲斐なさを飲んだ、一族の頭としての物だろう。

 俺たちは、人間態になる。

 

リムル「顔を上げろ。」

レイト「君達を受け入れる。皆をここに呼んでくれ。」

大鬼族「はっ。」

 

 そう言って、リーダーは、残りの大鬼族達を呼びに行った。

 俺とリムルは。

 

レイト「リムル。」

リムル「ああ。俺たちに出来る事は、あの頭の決断を、悔いなき物にしてやるだけだ。」

レイト「だな。」

 

 しばらくすると、残りの大鬼族達がやって来る。

 俺とリムルは、思念伝達で話し合う。

 

レイト『彼らにも、名前をやるか?』

リムル『だな。俺が、頭と妹と紫色と青色の奴を名付ける。』

レイト『じゃあ、残りは俺がやるわ。』

リムル『頼むわ。』

 

 そんな風に話し合った後、リムルが口を開く。

 

リムル「俺たちの配下になった証に、名をやろう。」

大鬼族一同「あっ………。」

大鬼族「俺たち、全員に………?」

リムル「名前がないと不便だろ?」

大鬼族「しかし………。」

大鬼族「お待ちください。名付けとは本来、大変な危険を伴う物。それこそ、高位の………。」

レイト「大丈夫だ。」

大鬼族「ですが………。」

 

 おそらく、姫様が言いたいのは、低位活動状態(スリープモード)の事だろ?

 今回も、分担して行うから、問題ないだろ。

 

リムル「それとも、俺達に名前を付けられるのは嫌か?」

大鬼族「そういう事では………。」

大鬼族「異論などない。」

大鬼族「お兄様………。」

大鬼族「ありがたく頂戴する。」

大鬼族「若がそう言うのなら。」

リムル「うん。じゃあ、始めよう。」

レイト「君は………ああ。」

 

 俺とリムルが、大鬼族達に名付けをすると、気を失ってしまう。

 しばらくすると、声が聞こえて来る。

 

???「紫苑。そろそろ交代の時間です。」

紫苑「いいえ、姫様。リムル様のお世話は、私がします。どうぞ、お休みになってください。」

???「レイト様のお世話は、私がしましょう!」

???「紫苑に火煉ったら、もう。」

 

 何か、女の人の声が聞こえて来る。

 目を少しずつ開けていくと、人の姿が。

 

リムル「んっ………。」

レイト「んん………。」

紫苑「あっ………。」

「「「リムル様、レイト様、おはようございます。」」」

リムル「えっと………どちら様でしたっけ……?」

 

 あれ、記憶が曖昧だ。

 確か、大鬼族達に名付けをしようとしてたら、気を失った筈………。

 すると。

 

???「お目覚めになられたか、リムル様、レイト様。」

リムル「ん?」

レイト「大鬼族の若様だよな?」

紅丸「はっ。今は進化して鬼人となり、頂戴した名の、紅丸を名乗っています。」

 

 そうだ。

 名付けをした途端、スリープモードになったんだったな。

 どういう事だ?

 ていうか、鬼人?

 大鬼族じゃなくて?

 すると、科学者が答える。

 

科学者『鬼人とは、大鬼族の中から稀に生まれる種族の事です。』

レイト『へぇ………。』

 

 俺はそう言いながら、紅丸を見る。

 体は一回り小さくなったが、うちに秘められた魔素量が増大している。

 リグルドショックの再来だな。

 すると、姫様が話す。

 

朱菜「リムル様、レイト様、朱菜です。お目覚めになられて、本当に良かった。」

 

 姫様は、更に美少女になった感じだな。

 紫色の髪の大鬼族と橙色の髪の大鬼族が俺とリムルに話しかける。

 

紫苑「紫苑です。リムル様に付けて頂いた名前、とても気に入っています。」

火煉「火煉です。レイト様に名付けてもらったこの名前、とても気に入っています。」

 

 紫苑の方は、野生味が薄れて、知的な感じになったな。

 火煉もまた、野生味が薄れ、知的な感じになっているな。

 ていうか、二人とも、おっぱいがでかい。

 

レイト「紅丸の後ろに控えているのは、白老だったな。リムルの首を飛ばそうとした。」

白老「ホッホ、いじめてくださいますな。一瞬で貴方に対応され、焦ったのはこちらでしたぞ。」

 

 白老は、鬼人へと進化した影響か、大分若くなった気がするな。

 で、紅丸の隣に居るのが………。

 

レイト「確か、蒼影だったな。」

蒼影「はっ。ご回復、お喜び申し上げます。リムル様、レイト様。」

 

 蒼影は、イケメンになってるよ。

 すると、科学者が説明する。

 

科学者『上位の魔物に名付けをすると、それに見合う魔素を消費します。』

レイト『そういうの、早く言って欲しかったなぁ。』

 

 俺がそう思う中、一人居ない事に気づく。

 

リムル「ん?あと1人はどうした?」

紅丸「ああ。奴は、カイジン殿の工房に入り浸ってて………。」

???「リムル様とレイト様が目覚めただべか。」

リグルド「おっ、来た様ですな。」

 

 どんな風になってるんだろうな。

 もしかして、ダンディな風になってたり。

 

???「リムル様、レイト様!」

「「ん?」」

???「元気になって、良かっただよ。」

「「おお!」」

黒兵衛「分かっかな?おら、黒兵衛だ。」

 

 普通におっさん!

 何か、ホッとするな。

 

レイト「仲良くしような、黒兵衛!」

黒兵衛「んだ!」

 

 俺たちがそうしている中、ジュラの大森林に起こった異変は、確実に侵食を続けていた。

 一方、ジュラの大森林の中央に広がるシス湖。

 その周辺には、湿地帯が広がっていて、蜥蜴人族(リザードマン)が支配する領域となっている。

 

蜥蜴人族「ほ、報告します!シス湖南方にて、豚頭族の軍勢を確認!我ら、蜥蜴人族の領域への侵攻と思われます。」

首領「豚頭族だと?戦の準備をせよ。豚ごとき、蹴散らしてくれるわ。」

親衛隊長「数はどのくらいなのだ?」

蜥蜴人族「それが………。」

副隊長「どうした?歯切れが悪いぞ。早く言え。」

蜥蜴人族「それが………豚頭族の軍勢、その数………およそ20万………。」

 

 その言葉に、親衛隊長と副隊長が叫ぶ。

 

親衛隊長「バ………バカな!?我々の20倍もの軍勢だと?」

副隊長「ちゃんと確認したのか?」

蜥蜴人族「魔力感知と熱源感知で、何度も確認しました。この命に賭けて、真実であります。」

首領「………ご苦労。下がって休むが良い。」

蜥蜴人族「はっ。」

 

 首領がそう言うと、偵察部隊は、下がっていく。

 首領は呟いた。

 

首領「20万だと………?そのバカげた数の豚どもの胃袋をどうやって、満足させる事が出来ると言うのだ?」

側近「そもそも奴らは、勝手気ままで、協調性のない連中。」

側近「20万などと言う途方もない数を、統率出来ようはずもない。」

側近「噂ですが、豚頭族の軍勢が、大鬼族の里を滅ぼしたとか。」

「「何だって!?」」

 

 側近達が、その噂に驚く。

 そんな中、首領がポツリと呟く。

 

首領「豚頭帝(オークロード)。」

部下達「あっ………。」

首領「20万もの軍勢をまとめ上げている豚頭族が居るのならば……伝説のユニークモンスター、豚頭帝の存在を疑わねばなるまい。」

親衛隊長「ん………。」

副隊長「豚頭帝………。」

 

 首領の言葉に、側近達が騒めく。

 

側近「オ………豚頭帝。」

側近「いや………しかし………。」

側近「だが、万が一そうであるなら、豚頭族どもが、大軍をまとめ上げる事ができた理由の説明はつきますな。」

側近「しかし、その目的は………?」

側近「そんな事はどうでもよろしい!問題は勝てるかどうかですぞ!」

 

 側近達がそう言う中、首領が口を開く。

 

首領「本当に豚頭帝が生まれたのだとすれば、勝利は厳しいだろう。」

 

 その言葉に、部下達が騒めく。

 首領は、言葉を紡ぐ。

 

首領「豚頭帝は、味方の恐怖の感情すらも食らう、正真正銘の化け物なのだからな。………可能性の話だ。………だが、打てる手は全て打つべきだ。」

親衛隊長「打てる手………。」

副隊長「と言いますと?」

首領「援軍を頼むべきだろうな。………息子よ!我が息子はおるか?」

 

 首領がそう叫ぶと、その息子が現れる。

 

ガビル「ここにおりますよ。………ですが、親父殿。その呼び方は、些か不粋ではありませぬか?我輩には、ガビルというゲルミュッド様から頂いた名前があるのですから。」

 

 そう、ゲルミュッドは、この蜥蜴人族にも、ガビルという名前を付けていたのだ。

 

首領「呼び方など、どうでも良かろう。」

 

 首領がそう言う中、ガビルの妹である親衛隊長とガビルが目を合わせる。

 副隊長は、ガビルの幼馴染だ。

 

首領「お前にやってもらいたい事がある。」

ガビル「………伺いましょう。」

 

 一方、俺たちは、白老がゴブタ達をしごいているのを見ていた。

 理由は、ゴブタがお気楽に剣術を習いたいと言ったからだ。

 

白老「ほらほら!打ち返してこんか!」

 

 そう言って、ゴブタ達を滅多打ちにする。

 まさに鬼コーチだな。

 すると、紅丸がある話をする。

 

リムル「豚頭帝?」

レイト「何だそれ?」

紅丸「まあ、簡単に言うと………化け物です。」

リムル「本当に簡単だな。」

紅丸「数百年に一度、豚頭族の中に生まれると言われている、ユニークモンスターです。」

レイト「ユニークね………。」

紅丸「何でも、味方の恐怖の感情すらも食う為、異常に高い統率能力を持つんだとか。」

リムル「うへぇ………。」

紅丸「里を襲った豚頭族どもは、仲間の死にまるで怯む事が無かった。あるいは………と思いまして。」

レイト「なるほど………。」

 

 恐怖の感情すらも食うって、やばいな。

 つまり、死という恐怖に怯まない無敵の軍隊が出来るわけだ。

 やばいな。

 

紅丸「まあ、可能性で言えば、非常に低い話です。」

リムル「ふ〜ん?」

レイト「他に、里が襲われる理由に心当たりはないか?」

紅丸「そうですね。関係あるから分かりませんが、襲撃の少し前に、ある魔人が里にやってきて、『名をやろう。』………と言ってきたんですが、あまりに胡散臭かったので、追い返しました所、悪態をつきながら帰っていきましたね。」

 

 魔人か………。

 襲撃の際にも、魔人が居たという事は、関係ありそうだな。

 

レイト「魔人ね………。」

リムル「そいつから、恨みを買っているかもしれないって事か。」

紅丸「仕方ありませんよ。主に見合わなけりゃ、こっちだってごめんだ。名を付けてもらうのも、誰でも良いってわけじゃありませんからね。」

 

 紅丸のその言葉に、嵐牙も頷いていた。

 俺たちは、主に相応しいと認められたのか。

 それは嬉しいな。

 すると、紅丸が何かを思い出そうとする。

 

紅丸「なんて名前だったかな?確か………ゲラ、ゲリ、ゲレ、ゲロ?」

嵐牙「フッ!」

紅丸「ん?」

 

 嵐牙と紅丸が背後に視線を向ける。

 すると、木の影から、蒼影が現れる。

 

蒼影「ゲルミュッドだ。」

紅丸「そう、それだ。」

リムル「ゲルミュッド………。何か、どっかで聞いた事がある名前だな。」

レイト「確か、リグルの兄貴に、名前を付けた奴だったな。」

リムル「あちこちで名前を付けてんのか?なぜ?」

レイト「分からん。」

 

 どうやら、色んな場所で、ゲルミュッドという奴が暗躍しているみたいだな。

 すると、蒼影が報告する。

 

蒼影「報告がございます。リムル様、レイト様。」

レイト「ああ。」

蒼影「蜥蜴人族の一行を目撃しました。」

リムル「蜥蜴人族?豚頭族じゃなくて?」

蒼影「はい。湿地帯を拠点とする彼らが、こんな所まで出向くのは異常ですので、取り急ぎ、ご報告をと。」

リムル「ふ〜ん。」

蒼影「何やら、近くのゴブリン村で、交渉に及んでいる様でした。ここにも、いずれ来るかもしれません。」

レイト「分かった。」

 

 蜥蜴人族も、豚頭族の襲撃に備えようとしているのか?

 俺は、白老にコテンパンにされたゴブタ達を見ながらそう思った。

 一方、ガビル達は。

 

ガビル「全く、親父殿と来たら………。『ゴブリン村を巡り、協力を取り付けてこい。』……だと?豚頭族に恐れをなすなど、誇り高き蜥蜴人族の振る舞いとは思えぬ。昔は、あんなにも大きく偉大な男だったというのに。」

部下「ねぇねぇ、ガビル様は、いつ首領になるの?」

ガビル「む?」

 

 部下の質問に対して、ガビルが止まって答える。

 

ガビル「いやいや。少々不遜なことを言ってしまったが、我輩など、親父殿には遠く及ばんよ。」

部下「そうかな?今のガビル様なら、きっと全盛期の首領にも劣らねぇぜ。」

部下「然り。」

ガビル「いや………そんな事は………。」

部下「だって、ガビル様、名持ち(ネームド)だし。」

部下「うん。その槍捌きにおいて、右に出る者なし。」

部下「あんた、今立たないで、いつ立つんだよ?」

ガビル「えっ!?」

 

 部下達の言葉に、ガビルは満更でもない表情を浮かべる。

 

ガビル(うん………う〜ん………。えっ、何?ひょっとして………我輩ってば、結構いけてる?)

 

 そう思うガビルだった。

 ガビルは、咳払いをする。

 

ガビル「ううん!そうだな………親父殿も年だ。少々強引なやり方でも、我輩が支配者に足る力を持っている所を、お見せしよう。」

部下達「おお〜!」

ガビル「それでこそ、安心して引退していただけるという物。」

部下「じゃあ!」

ガビル「フフッ……!うむ!豚頭族の軍勢の撃退を持って、蜥蜴人族の首領の座を、受け継ぐ事にしよう!」

部下「さっすが、ガビル様だぜ!」

部下「ヒュ〜ヒュ〜!」

部下「かっくいい〜!」

部下「至極、当然。」

 

 部下達は、ガビルを煽てて、ガビルコールを始める。

 それを見て、ガビルは満更でもなさそうだった。

 

ガビル「フフフッ……。ふ〜ん。行くぞ!ふ〜ん!我輩に着いてこい!お前達の未来は明るい………ゲホッ!ゲホッ!」

部下達「おお〜!」

 

 ガビルはかっこつけた余り、咳き込んでしまうが、移動を再開する。




今回はここまでです。
蜥蜴人族のオリキャラを1人出しました。
この小説で、色んなリクエストが来て、嬉しいです。
それだけ、見てくれてるのだから。
現在、悩んでいるのは、レイトのヒロインを誰にするか、シズさんの新たなユニークスキルをどうするか、ジュウガのオリジナルフォームを出すかという感じです。
ヒロインの候補として上がっているのは、ヒナタ、悪魔三人娘です。
そして、ワルプルギスが終わった直後のオリジナルエピソードとして、電王とのクロスオーバーエピソードを投稿する予定です。
近いうちにやる逃走中で、神山飛羽真役の内藤秀一郎さんに、深海カノン役の工藤美桜さんが出るみたいですね。
次回も楽しみにして下さい。

ジュウガのオリジナルフォームは必要か

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