転生したらキメラだった件   作:仮面大佐

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今回は、トレイニーが、豚頭帝の討伐を依頼するまでです。


第10話 ガビル参上!

 紅丸達が仲間になってから、数日が過ぎた。

 その間、俺は火煉を呼び出していた。

 

火煉「どうしましたか?レイト様。」

レイト「何。渡したい物があるんだ。」

火煉「渡したい物?」

レイト「ああ。これだ。」

 

 俺は、アタッシュケースを取り出して、火煉に渡す。

 

火煉「あの………これは?」

レイト「開けてみろ。」

火煉「はぁ………。」

 

 火煉は、少し戸惑いながら、アタッシュケースを開ける。

 そこには、ベイルドライバーとカブトバイスタンプが入っていた。

 

火煉「これ………レイト様が持ってる、バイスタンプですよね………?」

レイト「ああ。それを使えば、仮面ライダーベイルに変身出来る。」

火煉「ベイル…………。」

 

 そう、実は、カブトバイスタンプ………というより、ベイルの力が、火煉と共鳴していたのだ。

 そこで、火煉に渡す事にした。

 

火煉「よろしいのですか………?」

レイト「ああ。それで、豚頭族を倒せる筈だ。」

火煉「ありがとうございます!」

レイト「ああ。ただ………。」

火煉「ただ………何ですか?」

レイト「その為には、ある作業をしないといけない。」

 

 それは、俺のキメラ細胞を、火煉に入れる事だ。

 それを聞いた火煉は、顔を赤らめていた。

 

火煉「つまり………レイト様の体の一部を、私に………?」

レイト「まあ、そうだ。」

 

 それを聞いた火煉は、やけに嬉しそうだった。

 何でだろ?

 火煉は了承して、俺は、移植者(ウツスモノ)を使い、キメラ細胞を移植する。

 何故、火煉の細胞と混ぜた物を使わないのか。

 それは、シズさんと火煉では、状態が違うからだ。

 シズさんは、イフリートによって延命されていたとはいえ、体は大分ボロボロだった。

 その為、直接埋め込んだら、シズさんの体が保たないから、シズさんの細胞とミックスした物を作っているのだ。

 火煉は、健康そのものなので、気にする事なく、そのまま移植する。

 ちなみに、科学者曰く。

 

科学者『告。個体名火煉にキメラ細胞の埋め込みが成功しました。この様子だと、拒絶反応は起こらないでしょう。』

 

 との事だった。

 その後、ベイルへの変身方法を教えた。

 ちなみに、ここ最近、リバイスドライバー、ツーサイドライバー、リベラドライバー、ウィークエンドライバーの作成が完了した。

 無論、バット、コブラ、クイーンビーのバイスタンプも作成できている。

 ただ、バリッドレックス、ボルケーノ、ローリング、サンダーゲイル、ギファードレックス、フィフティゲイル、ホーリーウィング、パーフェクトウィングに関しては、まだ力が足りないので、作成不能だ。

 あと、ジャンヌとアギレラの武器関連のバイスタンプである、クジャク、タートル、ハシビロコウ、トリケラ、バッファローに関しては、作成済みだ。

 俺と火煉は、朱菜の様子を見に行く事に。

 途中、リムルと紫苑と合流する。

 俺たちは、中へと入る。

 中には、朱菜、ガルム、ドルド、ミルドが居た。

 

リムル「すごいな。」

「「「「ん?」」」」

レイト「もう絹織物が出来たのか。」

朱菜「リムル様!レイト様!」

ガルム「ども。」

ドルド「こんにちは。」

ミルド「うん。」

リムル「やっぱ、喋らねぇ!」

レイト「喋らないんだ。」

 

 すると、朱菜がリムルの方へと寄っていく。

 そして、リムルを抱きしめる。

 

朱菜「いらして下さったんですね!リムル様!レイト様も!」

レイト「ああ。」

リムル「それで、どんな具合だ?」

朱菜「はい。カイジン様が作ってくださった織り機は、とても使いやすいです。」

リムル「そうか、良かった。」

レイト「この調子で、皆の衣類の製作を頼んだぞ。」

朱菜「はい!お任せ下さい!」

 

 すると、紫苑と火煉が口を開く。

 

紫苑「では、リムル様、レイト様。参りましょう。お昼が冷めてしまいます。」

火煉「っ!?レイト様!丁度、お昼を作ってきましたんで、食べませんか!?」

レイト「ああ。頼む。」

朱菜「あっ、紫苑、火煉。秘書のお仕事は、ちゃんと出来ているのですか?」

紫苑「勿論です、朱菜様。」

火煉「問題なく、行えています。」

 

 紫苑はリムルの、火煉は俺の秘書を名乗り出た。

 現在は、お互いの秘書兼護衛役だ。

 ただ、紫苑が料理を作ったという単語に、火煉は驚いた様な反応をしていたな。

 何か、嫌な予感がするな。

 すると、朱菜はリムルを掴む。

 

朱菜「フフフ………。私が、リムル様のお世話をしても良いのですよ?」

紫苑「いいえ、姫。それには及びません。私がきちんとお世話いたします。」

レイト「2人とも………?」

火煉「まあ、2人は置いておいて、私たちは先に戻りましょう。」

レイト「そうだな。」

 

 俺と火煉は、先に戻る事にした。

 それにしても、朱菜と紫苑って、リムル関連になると、張り合うんだよな。

 朱菜は、どちらかというと、リムル寄りだからな。

 まあ、気にする事はないか。

 戻ると、紅丸、蒼影、白老の三人がいた。

 

紅丸「ああ、これはレイト様。」

白老「お食事ですかな?」

レイト「ああ。俺は火煉に、リムルは紫苑に手料理をいただくよ。」

「「「うっ………!?」」」

 

 俺は、リムルの座席の隣に座る。

 気になったので、火煉に聞く事に。

 

レイト「なあ、何で、紫苑が手料理を作るって言うだけで、そんな反応をするんだ?」

火煉「…………実は、紫苑の手料理は、酷いのです。」

レイト「………マジで?」

火煉「マジです。」

 

 なるほど。

 だからか。

 でもまあ、料理が出来ないのは、仕方ないんじゃないか?

 

火煉「では、お持ちしますね。」

レイト「ああ。」

 

 俺は、ギフテリアンとしての姿から、人間としての姿になる。

 でも、火煉の料理は酷くないよな?

 すると、リムルを連れた紫苑が戻ってくる。

 

紅丸「………ああ、これはリムル様。」

白老「………お食事ですかな?」

リムル「ああ。紫苑が手料理を作ってくれたっていうのでな。」

「「「…………。」」」

 

 予め、俺から聞いていた事もあり、そこまで驚いていなかったが、冷や汗を垂らしていた。

 

リムル「お前達やレイトも一緒にどうだ?」

レイト「いや、俺は火煉が作ってくれたのを食べるから。」

紅丸「いや………俺は今、腹が減ってなくて………。」

白老「ええ。お茶だけで。」

蒼影「私は………。」

 

 蒼影がそう言うと、分身する。

 どうやら、分身のスキルを使えるみたいだな。

 

蒼影「村の周囲を、偵察に行って参ります!」

 

 そう言って、蒼影は逃げた。

 紅丸は冷や汗を流しまくり、白老は気配を消し始めた。

 リムルが紅丸達の反応に首を傾げる中、紫苑は料理を取りに行き、入れ替わりで火煉がやって来る。

 

火煉「お待たせしました。」

 

 そう言って、俺の目の前に置いたのは、鶏肉の肉団子と野菜がたっぷり入ったすまし汁だった。

 普通に美味そう。

 

レイト「それじゃあ、いただきます。」

火煉「はい!」

 

 俺は箸を取り、一口食べる。

 美味しい。

 

レイト「美味しいな!」

火煉「ありがとうございます!」

リムル「へぇぇ………美味そうだな。」

 

 すると、紫苑がやって来て。

 

紫苑「お待たせしました。さっ、召し上がれ。」

レイト(やっぱりかぁ………。)

火煉「……………。」

 

 紫苑の料理は、料理と言っていいのか、分からない代物だった。

 それを見た火煉は、口を抑えていた。

 すると、リムルから思念伝達が来て。

 

リムル『助けてくれ!レイト!!』

レイト『ごめん………無理。』

リムル『そんな!?』

 

 リムルからの助けを、俺は断った。

 ていうか、あんなもん食ったら、無事で済まないだろ。

 俺は、火煉の作ってくれたすまし汁を食べる。

 ていうか、紫苑の料理から、食材の怨念みたいなのが聞こえてくるぞ!

 すると、何を思ったのか、リムルは目を閉じて、スプーンを右斜め後方に突き出す。

 そこには、先程入ってきたゴブタの姿が。

 ゴブタは、スプーンを咥えると、顔を青ざめる。

 

ゴブタ「むぐっ………!?」

リムル「むぐっ………?」

ゴブタ「うっ、うぐっ………!ぐわぁぁ!!」

 

 すると、ゴブタは震えて、首を抑えながら床に倒れる。

 しかも、緑色の肌が、紫色になっていく。

 

リムル「ああっ………。」

レイト「うわぁ………。」

ゴブタ「うぐぐ………!」

火煉「……………。」

紅丸「……………。」

白老「……………。」

 

 それを見ていた俺たちは唖然となり、火煉、紅丸、白老は顔を青ざめ、口を抑えていた。

 まるで、新たな犠牲者が出てしまった事に恐れながら。

 しばらくすると、ゴブタの天に伸ばした手が、床に力無く倒れる。

 この場は、静寂が包まれる。

 紫苑がつぶやく。

 

紫苑「…………あれっ?」

火煉「紫苑………。」

リムル「紫苑。」

紫苑「は………はい!」

リムル「今後、人に出す飲食物を作る時は、紅丸の許可を得てからするように!」

 

 しれっと、紅丸が巻き込まれた。

 本当に、あれは酷い。

 食材の怨念が聞こえた気がするぞ。

 俺たちがそんな風にしている一方、蜥蜴人族(リザードマン)のガビルは、近隣のゴブリン村から、着実に協力を取り付けていた。

 尤も、豚頭族の侵略に恐れをなしたゴブリン達が、勝手に軍門に下ってるだけだが。

 

部下「う〜ん………。これで、総勢7千匹になりましたな。」

部下「さっすが、ガビル様!交渉も上手!」

ガビル「いやいや、精一杯やって、たまたま結果が出ているだけの事。」

 

 ガビルは、部下の褒めに、謙遜した態度をとる。

 すると、別の部下が、口を開く。

 

部下「謙遜すんなよ。実力だよ。」

部下「そうですよ!もっと自信を持ってくださいよ!」

部下「然り。次期、蜥蜴人族の首領なのだからな。」

ガビル「そ………そうか?」

 

 部下からそう言われたガビルは考える。

 

ガビル(やっぱり、我輩………いけてるのかもしれん!)

 

 ガビルはそんな風に思い、部下達に話しかける。

 

ガビル「あ〜。それで、次はどこに向かうのだ?この辺りに、他に村はあるのか?」

部下「もう一つ、集落があるって話ですよ。」

部下「しかし、先ほどの村の者が、おかしな事を言っておった。」

ガビル「おかしな事?」

 

 ガビルが、三人の部下の真ん中の青色の蜥蜴人族に尋ねる。

 

部下「何でも、牙狼族を操るゴブリンの集落だとか。」

ガビル「はあ?ゴブリンが牙狼を?そんな訳ないだろう。」

部下「ごもっとも。更に言えば、そのゴブリン達の親玉、スライムとキメラという新種の魔物だという。」

ガビル「はあ?」

 

 ガビルは、その言葉に耳を疑った。

 スライムは、色んな魔物の食糧になり、キメラという魔物は聞いた事がないからだ。

 

ガビル「状況がよく分からぬが………。ならば!そのスライムとキメラを支配下に置けば、牙狼族をも支配出来るという事だな。」

部下「おおっ!」

部下「一石二鳥!」

部下「なんて奥深い考えだ!やはり、あんたについてきて良かったぜ!」

ガビル「フフッ。我輩に任せておくがいい!」

部下「いよっ!ガビル様!あっ、そ〜れ!」

『ガビル!ガビル!ガビル!ガビル!』

ガビル「フフフ………!フフフフ………!ヌア〜ハッハッハッ!!」

 

 部下達がガビルコールをして、手拍子も、ガビルが乗っている竜もする。

 それには、ガビルは高笑いを浮かべる。

 俺たちの村に向かうようだ。

 一方、俺とリムルは、カイジンと黒衛兵が話し合うのを見ていた。

 

カイジン「へぇ〜………。焼き入れんの時の温度、勘なのかい?」

黒衛兵「んだ。火の色を見れば、大体分かるだよ。」

カイジン「俺は、測るなあ………。」

黒衛兵「おらも戻しの時は、きちっと測るだよ。」

カイジン「ああ。外が寒いと、粘りが出ねぇからな。」

 

 それを見ていた俺とリムルは。

 

リムル『黒衛兵、すっかりカイジンと意気投合してるよな。』

レイト『ああ。二時間も、専門的な会話が続くくらいにはな。』

黒衛兵「あっ、それだったら、おらがいい土を教えてやるだ。」

カイジン「それはありがてぇ。」

 

 そんな俺たちは、うっかり中座するタイミングを逃して、今に至る。

 すると、カイジンと黒衛兵は、こちらを見てくる。

 

カイジン「なっ?」

黒衛兵「鍛造って、面白いべ。」

リムル「おっ………おう。」

レイト「そうだな。」

 

 カイジンと黒衛兵は、そんなふうに言い、再び専門的な会話に戻る。

 すると、リグルドが入ってくる。

 

リグルド「リムル様とレイト様はいらっしゃいますかな?」

リムル「ナイスタイミング!」

レイト「どうした?リグルド。」

リグルド「リムル様、レイト様。蜥蜴人族の使者が訪ねてきました。」

 

 蜥蜴人族の使者が遂に、この村にも来たか。

 俺とリムルは、リグルドと共に使者がいる場所に向かおうとすると。

 

紅丸「リムル様、レイト様。」

レイト「ん?」

紅丸「俺たちも同席して構わないか?蜥蜴人族の思惑が知りたい。」

リムル「勿論だ。」

レイト「ああ。」

 

 さて、蜥蜴人族は、何を考えているのか。

 敵なのか味方なのかを、見定めなければならないな。

 俺は、リムル、リグルド、紅丸、紫苑、火煉、白老と共に、蜥蜴人族の一団がいる場所へと向かう。

 そこには、蜥蜴人族が並んでいたが、使者が居ない。

 

リムル「どいつが使者だ?」

レイト「ん?」

 

 すると、蜥蜴人族達は、槍で地面を突く。

 すると、先頭に居た三人の後ろにいた蜥蜴人族達が、二つに分かれて、その奥から、竜みたいなのに乗った蜥蜴人族が現れる。

 随分と芝居かかった登場だな。

 すると、その使者が槍で地面を突くのをやめさせて、大きくジャンプする。

 

ガビル「我輩は、蜥蜴人族のガビルである。お前らも配下に加えてやろう。光栄に思うが良い!」

部下「よっ!ガビル様!」

部下「最高!」

部下「かっこいい!」

部下「いかしてる!」

「「「「「「「はあ?」」」」」」」

 

 ガビルは、部下に盾の光の反射で自分を光らせるという、少し痛い演出をする。

 ていうか、配下に加わる?

 俺たちが?

 すると、1人の蜥蜴人族の部下が口を開く。

 

部下「ご尊顔をよ〜く覚えておくがよいぞ。このお方こそ、次の蜥蜴人族の首領となられる戦士!」

ガビル「ふ〜ん!」

部下「頭が高い!」

「「「「「「「はぁ?」」」」」」」

 

 なんだアイツ、偉そうに。

 何様のつもりだ。

 すると、リムルの方からミシミシという音が聞こえてきた。

 

リムル「えっ………ちょ………紫苑さん、やめて!スライムボディーが、スリムボディーになっちゃう〜!!」

紫苑「うう〜………!はっ………。」

リムル「うっ………。」

紫苑「すみません、すみません!」

 

 紫苑は、リムルを潰しそうになり、紅丸にリムルを持たせて、高速で謝る。

 火煉は、青筋を立てていた。

 一方、リグルドは、ガビルに話しかけていた。

 

リグルド「ゴホン!恐れながら、ガビル殿と申されましたかな。配下になれと突然申されましても………。」

ガビル「やれやれ。皆まで言わねば分からんか?貴様らも聞いておるだろう?」

レイト「豚頭族の侵攻に関してか?」

ガビル「どうやら、話が分かる奴が居るようだな。」

 

 やっぱり、そんな所か。

 どうやら、蜥蜴人族達も、豚頭族の事を脅威に感じているみたいだな。

 

ガビル「しからば、我輩の配下に加わるが良い。このガビルが、貧弱なお前達を、豚頭族の脅威より守ってやろうではないか!貧弱な……貧弱……貧弱………ワオ〜。」

 

 ガビルは、俺たちを見ながら、そう言う。

 まあ、この村は、貧弱な奴は居ないからな。

 ちなみに、ガビルは、紫苑と火煉のおっぱいを見て、ワオと言った。

 すると、ガビルはしゃがみ、部下達と話し合う。

 

ガビル「ゴブリンが居ないようだが………。」

部下「あれ〜?」

部下「ここは確かに、ゴブリンの村のはず………。」

部下「っていうか、貧弱な奴が誰も居ないよ。」

 

 そんな風にガビル達は話し合っていた。

 俺とリムルは、思念伝達で話し合う。

 

レイト『どう思う?リムル。』

リムル『まあ、豚頭族が攻めてくるのなら、蜥蜴人族との共闘ってのも、選択肢の一つではあるんだが………。』

レイト『アイツに背中を預けるのはなぁ………。』

リムル『真に恐れるべきは、有能な敵ではなく、無能な味方であるって………ナポレオンの言葉だっけ?』

レイト『うん。その言葉は、ナポレオンの名言だな。』

 

 そんな風に話している中、ガビルが咳払いをする。

 

ガビル「ああ〜ゴホン!聞けばここには、牙狼族を飼い慣らした者達が居るそうだな。その2人は幹部に引き立ててやる。連れてくるがいいぞ。」

 

 そんな風に言うと、紫苑が再びリムルを強く握りしめる。

 すると、紅丸が良い笑顔で。

 

紅丸「コイツ、殺して良いですか?」

リムル「フッ………良いよ。」

レイト「何許可出してんだ!ストップ!」

火煉「レイト様。」

レイト「ど、どうした、火煉。」

火煉「私のベイルの力で、この者達を一掃して良いですか?」

レイト「後々面倒臭いからやめろ!」

 

 紅丸と火煉が、そんな風に言うもんだから、俺は必死に抑える。

 

リムル「えっと………。」

レイト「牙狼族を飼い慣らしたっていうか、仲間にしたのは、俺たちなんだけど………。」

ガビル「スライムとキメラが?冗談を言うでない。」

レイト「ん………。」

リムル「嵐牙。」

嵐牙「はっ!ここに!」

 

 リムルが嵐牙の名を呼ぶと、紫苑の影から、嵐牙が現れる。

 それも、本来の大きさの。

 

レイト「お前に話があるそうだ。」

リムル「聞いて差し上げろ。」

嵐牙「御意!ふん!」

 

 嵐牙は、スキル・威圧を発動して、周囲の蜥蜴人族は威圧に怯える。

 

紅丸「あれっ?あんなにデカかったですかね?」

リムル「アレが本当の大きさなんだよ。」

レイト「まあ、威嚇するには、あのサイズの方が何かと都合が良い。」

火煉「なるほど………。」

 

 紅丸の疑問に、俺とリムルがそう答えると、火煉が納得する。

 嵐牙は、ガビルに話しかける。

 

嵐牙「主達より、お前の相手をする命を受けた。聞いてやるから、話すが良い。」

ガビル「…………貴殿が、牙狼族の族長殿か?」

 

 へぇ。

 他の奴が萎縮してる中、平然としているな。

 根性があるのか、鈍いかのどちらかだが。

 

ガビル「美しい毛並み。鋭い眼光。流石、威風堂々たる佇まい。しかし………主がスライムとキメラとは、些か拍子抜けであるな。」

リムル「ああん?」

レイト「あ?」

 

 どうやら、後者の方だな。

 鈍い奴だ。

 嵐牙も、怒っているのか、目を細める。

 

ガビル「どうやら、貴殿は騙されておるようだ。よかろう。この我輩が、貴殿を操る不埒者を、倒して見せようではないか!」

部下「ガビル様、かっけ〜!」

部下「見せてやって下さいよ!ガビル様!」

部下「ガビル無双を!」

部下「あっ、そ〜れ!」

部下達『ガビル!ガビル!ガビル!ガビル!』

 

 部下達が、ガビルコールをして、ガビルはポーズを取る。

 すると、嵐牙が呟く。

 

嵐牙「蜥蜴風情が………!我が主達を愚弄するか………!!」

リムル(あっ、やばい。)

レイト(アイツ、死んだな。)

 

 ガビルがポーズを取る中、嵐牙は周囲から赤いオーラを出しつつ、目を光らせて、ガビルに迫っていく。

 すると、後ろから鼻歌が聞こえてくる。

 

ゴブタ「て〜ん、てってって〜ん!」

嵐牙「グワァァァ!!」

 

 嵐牙が咆哮を出す中、ゴブタが後ろから現れる。

 

ゴブタ「お〜おいっ、何やってるんっすか?」

紅丸「ゴブタ!?」

リムル「お前、生きてたのか?」

レイト「死んだかと思った。」

ゴブタ「ま〜たまた、酷いっす。ちゃんと生きてるっすよ。」

 

 どういう事?

 そう首を傾げていると、科学者が伝える。

 

科学者『告。個体名紫苑の手料理に抵抗して、毒耐性を獲得したようです。』

 

 え、毒耐性?

 という事は、紫苑の料理は、毒があるのか?

 ていうか、俺とリムルは、毒耐性なんて持ってないのにな。

 そんな風に青褪めていると、嵐牙がゴブタを咥える。

 

嵐牙「いい所へ来たな。」

ゴブタ「えっ?」

 

 すると、嵐牙はゴブタに槍を持たせ、ガビルの前に置く。

 

ゴブタ「えっ?へっ?何すか、この状況!?」

嵐牙「蜥蜴。」

ゴブタ「ええっ?れ

嵐牙「この者を倒せたのなら、貴様の話、一考してやろう。」

ゴブタ「な………何で?」

 

 嵐牙、意外と冷静だな。

 まあ、嵐牙が相手をすると、ガビルが死ぬからな。

 すると、ガビルがゴブタを侮ったのか、口を開く。

 

ガビル「構いませんぞ。部下にやらせれば、恥はかきませんからな。なあ、スライム殿にキメラ殿。」

レイト「ムカッ。」

 

 よし、言ったな。

 じゃあ、ゴブタには、遠慮なく行かせてあげよう。

 

リムル「ゴブタ!遠慮はいらん!やったれ!」

ゴブタ「ええっ!何なんすかもう………。」

レイト「お前が勝ったら、黒衛兵に頼んで、お前専用の武器を作ってやるよ!」

ゴブタ「ああっ!ほんとっすか?ちょっとやる気出たっす。」

リムル「負けたら、紫苑の手料理の刑な!」

ゴブタ「それだけは勘弁っす〜!」

 

 リムルの言葉に、ゴブタは、オーラを出してやる気になる。

 その言葉に、俺、火煉、紅丸、リグルドが顔を青褪め、当の本人は。

 

紫苑「何やら、非常に不愉快な会話です。」

 

 そう言われたもんだから、紫苑はリムルを捻る。

 今のは、リムルが悪い。

 ていうか、紫苑の奴、自分の料理が最悪なのを自覚してないのか!?

 ガビルは、槍を振り回す。

 

ガビル「ふ〜ん!」

部下達『ガビル様〜!』

ガビル「準備は良いかな?」

ゴブタ「おお〜!」

嵐牙「では、始めろ!ワオ〜ン!!」

 

 嵐牙は、試合開始の咆哮を出す。

 ガビルは、ゴブタを侮っていた。

 

ガビル「フッ………。偉大なるドラゴンの末裔たる我ら、蜥蜴人族が、ホブゴブリンなんぞに………。」

ゴブタ「ふ〜ん!」

ガビル「ん?」

 

 そんな事を口にする中、ゴブタは自分が持つ槍を思いっきりぶん投げる。

 

ガビル「ぬおっ!?」

 

 その槍は、ガビルには当たらずに、部下達の目の前の地面に突き刺さる。

 

ガビル「おのれ!小癪な!」

 

 ガビルはそう言って、槍をゴブタに向かって振るうが、既にゴブタは居ない。

 

ガビル「あっ………。バカな、消え………たあァァァァァ!!ァァァァ………ふん。」

 

 ガビルは、背後に現れたゴブタの回し蹴りを頭にくらい、そのまま気絶する。

 部下の蜥蜴人族達は、呆然とする。

 まさか、ゴブタの奴、影移動を使いこなしているとはな………。

 

ゴブタ「ハァ〜………。」

嵐牙「終わりだな。勝負あり!勝者ゴブタ!」

紅丸「おっしゃ!」

リグルド「よ〜し!」

紫苑「やった!」

火煉「ええ。」

 

 すると、嵐牙とリグルドが、ゴブタを胴上げする。

 

リグルド「わっしょい!」

ゴブタ「アハハ………!」

リグルド「わっしょい!」

ゴブタ「高いっす!」

嵐牙「さすがは、ゴブタ!我が見込んだだけの事はある!」

リグルド「ようやった!ホブゴブリンの力を、よくぞ見せつけた!」

紫苑「見直したぞ。私に対する先ほどの失礼な発言は、聞かなかったことにしてやろう。」

火煉「見事です。貴方は強いですね。」

紅丸「俺たちと戦った時より、強くなっている様だな。」

白老「鍛えがいのありそうな才能を持っている様ですじゃ。」

 

 どうやら、皆、ゴブタの勝利を確信してたみたいだな。

 それを見ていた俺たちは、思念伝達で話し合う。

 

リムル『まさかゴブタが勝つとは……。俺はてっきりいちゃもんつけてボコボコにするのかと。』

レイト『俺も。まあでも、良いじゃん。勝ったんだし。』

リムル『ああ。俺は空気の読める男だから、期待通りだったことにしよう。』

 

 そんな風に話し合って、俺はゴブタに声をかける。

 

レイト「よくやった!約束通り、黒衛兵に武器を頼んでおく!」

ゴブタ「やったっす!」

リムル「お前ら、勝負はゴブタの勝ちだ!」

部下達『…………ハッ!?』

 

 リムルがそう声をかけると、固まっていたガビルの部下達は、動き出す。

 

リムル「豚頭族と戦うのに協力しろという話なら、検討しておくが、配下になるのは断る。」

レイト「今日の所は、さっさとそこのソイツを連れて帰れ!」

 

 俺とリムルがそう言うと、部下達は、ガビルを抱える。

 

部下「い、いずれまた来るぜ!」

部下「然り、これで終わりではないぞ。」

部下「きっ!お………覚えてろ〜!!」

 

 そんな、三流の悪役が言うような捨て台詞を吐きながら、蜥蜴人族達は、走り去っていく。

 

リムル「さてと。」

レイト「俺たちも、今後の方針を立てないとな。」

 

 その夜、豚頭族を偵察しに行っていた蒼影、リグルド、レグルド、ログルド、リリナを始めとするゴブリン、カイジンを加え、会議をする事に。

 蒼影の報告に、俺たちは驚く。

 

蒼影「20万の豚頭族。その本隊が、大河に沿って北上している。そして、本隊と別動隊の動きから予想できる合流地点は…………ここより東の湿地帯。」

リグルド「つまり、蜥蜴人族の支配領域、と言う事ですな?」

蒼影「うん。」

リムル「20万か………。」

レイト「かなり多いな………。それにしても、豚頭族の侵攻目的はなんだ?」

 

 その言葉に、全員が考える。

 カイジンが口を開く。

 

カイジン「う〜ん………。豚頭族はそもそも、あまり知能の高い魔物じゃねぇ。この侵攻に、本能以外の目的があるってんなら、何かしら、バックの存在を疑うべきだろうな。」

黒衛兵「バックの存在だべか?」

リムル「例えば………。」

レイト「魔王とかか?」

 

 その言葉に、全員の視線が、俺たちに向く。

 

レイト「紅丸達の村に来た魔族、ゲルミュッドが関係しているなら………。」

リムル「………まっ、今の所、なんの根拠も無いが。」

 

 そう言って、思念伝達で話し合う。

 リムルのすぐ近くには、シズさんの魂が入ったバイスタンプが置かれている。

 それをチラリと見て。

 

リムル『魔王だとしても、そいつがシズさんを苦しめた、レオンっていう魔王だとは限らないしな。』

レイト『本当に絡んでいるかどうかは、分からないな。』

シズ『そうね………。』

 

 リムルと俺の言葉に、シズさんは頷く。

 どういう事かと言うと、バイスタンプには、疑似的な思念伝達が出来る様にしており、それで、会話が出来る様になっている。

 すると、紅丸が口を開く。

 

紅丸「魔王が絡んでいるかどうかは、分からん。だが………。」

リムル「だが?」

紅丸「豚頭帝(オークロード)が出現した可能性は強まったと思う。」

レイト「確か、数百年に一度、豚頭族の中から生まれる、ユニークモンスターだったか?」

紅丸「はい。20万もの軍勢を、普通の豚頭族が統率出来るとは思えませんから。」

リムル「ふむ………。」

 

 紅丸の言葉を聞いていると、リグルドが口を開く。

 

リグルド「居ないと楽観視するよりは、警戒するべきだと思います。」

リムル「そうだな。」

レイト「じゃあ、今後の方針も、豚頭帝が居ると仮定して、進めるべきだろうな。」

 

 リグルドの意見に、俺たちが頷いていると、蒼影の様子が変わる。

 

蒼影「あっ!」

リムル「どうした?」

蒼影「偵察中の分身体に、接触してきた者が居ます。」

レイト「接触?」

蒼影「リムル様とレイト様に、取り次いでもらいたいとの事。いかが致しましょう?」

リムル「誰だ?」

レイト「ガビルみたいな変な奴は、もうごめんだぞ。」

蒼影「変………ではありませんが、大変珍しい相手でして。その………樹妖精(ドライアド)なのです。」

一同『あっ………!』

リムル「樹妖精!?」

レイト「樹妖精って確か………。」

 

 ゲームだと、木の精霊みたいな存在だったな。

 すると、周囲が騒つく。

 

リグルド「樹妖精様が最後に姿を見せたのは、数十年以上前では無かったか?」

リムル「か………構わん。」

レイト「大丈夫なら、呼んでくれ。」

蒼影「はっ。」

 

 すると机の中心に強い風が起こる。

 紫苑、朱菜、火煉が俺たちの前に立つ中、蔦が伸びてきて固まり、そこから、1人の女性が現れる。

 鬼人達が俺たちの前で警戒する中、その樹妖精は口を開く。

 

トレイニー「魔物を統べる者と、複数の生物の力を宿す者、及びその従者たる皆様。突然の訪問、相すみません。私は、樹妖精のトレイニーと申します。どうぞ、お見知り置き下さい。」

リムル「俺は、リムル=テンペストです。で、そっちが………。」

レイト「レイト=テンペストです。えっと……トレイニーさん。いったい、なんの御用向きで?」

 

 俺とリムルは名乗り、俺が、トレイニーさんに用件を聞く事に。

 トレイニーさんは、口を開く。

 

トレイニー「本日は、お願いがあって、まかり越しました。」

リムル「お願い?」

レイト「それは、何ですか?」

トレイニー「リムル=テンペスト……魔物を統べる者、レイト=テンペスト……複数の生物の力を宿す者よ。貴方方に、豚頭帝の討伐を依頼したいのです。」

 

 トレイニーさんは、そう言った。




今回はここまでです。
火煉が、ベイルに変身します。
火煉は、料理は普通に出来ます。
ちなみに、レイトが作ったバイスタンプの中に、キングコブラバイスタンプがない理由は、レイトは、インビンシブルジャンヌの事を知らないからです。
いずれ、作るとは思いますが。
色んなリクエスト、ありがとうございます。
転スラで、ワルプルギスが終わった直後にオリジナルストーリーとして、電王とのクロスオーバーストーリーを投稿します。
リバイスも、遂に最終回ですね。
ちなみに、いずれ、リバイス、エビル及びライブ、ジャンヌ、アギレラの変身者を出す予定です。

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