俺たちに、ヨウム達が仲間に加わり、宴会になっていたその頃、フォビオは、ある事を思い出していた。
レイト『あのさ、気が短くないか?』
ミリム『
俺に拳をあっさり受け止められ、ミリムにあっさり倒された事だ。
フォビオは、焚き火を見ていたが、悔しさからか、顔を歪める。
フォビオ「くぅ…………!」
フォビオは、手に持っていた枝を折り、焚き火に放り込む。
フォビオ「くそっ!許せねぇ………!」
そう言うフォビオを、仲間達は不安そうに見つめていた。
フォビオ「俺を誰だと思ってる………!黒豹牙フォビオだぞ………!」
エンリオ「魔王ミリムが相手では、不可抗力という物です。例え、魔王カリオン様でも………。」
フォビオ「馬鹿野郎!カリオン様なら、こんな無様は晒さなかっただろうぜ。………俺が未熟だっただけの話よ。…………しかし、このまま成果なく戻るのは、俺の誇りが許さんのだ。」
フォビオは、そう言いながら、焚き火を見つめる。
そして、話を再開する。
フォビオ「……………あいつらは、自分達で街を作っていやがったな。下等な魔物だと侮っていたが、俺たちでも及ばぬ様な、技術を持っていやがる。」
エンリオ「全くです。配下に加えるなどと言わず、我らがユーラザニアと国交を結びたいほどですな。」
フォビオ「ああ。魔王ミリムが居なかったとしても、俺の対応は間違っていた。盟主の片割れに、攻撃するなんてな。頭ごなしに支配しても、奴らの信頼は得られなかっただろうからな。…………だが、今更だぜ。この屈辱は、怪我が癒えても、消えやしねえ。カリオン様に、迷惑をかけねえように、何とかして、復讐してやりたいんだよ。」
フォビオは、自分の対応が間違っていた事は分かっていた。
だが、自分の攻撃をあっさり受け止められ、返り討ちにされた。
その屈辱は、あまりにも大きかった。
仲間のエンリオが、諌めるくらいには。
エンリオ「………そうは申されましても………復讐など、現実的では………。」
フォビオ「分かってんだよ!頭では無理だって!…………だけど、こればっかりは、理屈じゃねぇんだよ。く…………!」
レイトとミリムへの復讐に燃えるフォビオを、仲間達は不安そうに見つめる。
すると。
???「ホーホッホッホッ………!」
フォビオ「はっ!?」
突然響く笑い声に、獣人達は、笑い声がしてくる方を見る。
エンリオ「何者だ!」
エンリオがそう叫ぶと、太った男性が出てくる。
クレイマンの仲間である中庸道化連の一員、フットマンだ。
フォビオ「は?」
フットマン「いやいや〜。その悔しい気持ち。この私にも、よ〜く理解出来ますね〜。ご機嫌よう、皆様。私は、フットマンと申します。」
フォビオ「……………フットマン?」
フットマン「中庸道化連が1人、アングリーピエロのフットマンとは、私の事。どうぞ、お見知り置きを。」
「「………………。」」
いきなり現れたフットマンに、フォビオとエンリオは、警戒心を顕にする。
すると、フットマンの後ろから、女の子が出てくる。
クレイマンと話していた、ティアだ。
ティア「そんなに警戒しないでほしいな〜。あたいは、ティア!貴方達の敵じゃないよ!」
フォビオ「……………何の用だ?」
フットマン「ホーホッホッホッ!私はね。怒りと憎しみの感情に呼ばれて、やって来たのですよ。」
フォビオ「怒りと憎しみ?」
フットマン「上質な怒りの波動を感じました。」
フォビオ「うっ…………!」
フットマンの言葉に、フォビオは言葉を詰まらせる。
フォビオは、レイトとミリムに、怒りと憎しみの感情を抱いていた。
その結果、この謎の魔人を誘き寄せた事に気づいたのだ。
フットマンは、フォビオに話しかける。
フットマン「何をお怒りになっているのか、是非とも、お聞かせ下さい。…………きっと、力になってご覧にいれますから。」
フォビオ「あ…………。」
フォビオが、フットマンの言葉に俯くと、エンリオが前に出る。
エンリオ「フォビオ様。このような者どもの話を聞く必要はございません。排除してもよろしいですか?」
エンリオがそう言うと、仲間の獣人達も、身構える。
エンリオ「我々は、魔王カリオンの獣王戦士団に属する者。野良の魔人程度が、相手になるとでも思ったか?」
フットマン「…………力が欲しいのでしょう?ございますよ。とびっきりの力が…………。当然ですが、危険も大きい。しかし、その危険に打ち勝った時、得られる力は絶大です。」
フォビオ「……………ほう。」
エンリオ「フォビオ様!?」
フットマンの言葉に、フォビオは興味を示し、エンリオは驚く。
それを見たティアは、畳み掛ける。
ティア「勝ちたいんだよね?魔王ミリムに、レイトって奴に!だったらさ、あんたも魔王になっちゃいなよ〜!」
フォビオ「魔………王…………!」
エンリオ「あ…………。」
ティアの言葉に、獣人達は驚く。
しばらく、静寂が訪れ、その場には、焚き火が爆ぜる音がした。
フォビオ「…………魔王だと?その様な戯言で、俺を騙せるなどと…………。」
フットマン「
フォビオ「はっ!」
フォビオは、フットマンの言った言葉に驚く。
フットマンは、話をする。
フットマン「ご存知ありませんか?」
フォビオ「カリュブディス…………だと?」
エンリオ「あ…………!」
ティア「あ〜あ。あの大怪魚の邪悪な力なら、魔王に匹敵するんだけどな〜。要らないんなら、他を当たるから、もう行くね。………ほら、行こ!」
フットマン「ホッホッホッ………。残念ですねぇ………。」
ティアとフットマンは、その場から去ろうとする。
そんな2人を、フォビオは呼び止める。
フォビオ「待て。」
「「フッ。」」
フォビオが呼び止めた事に、ティアとフットマンは、ほくそ笑む。
エンリオは、フォビオに声をかける。
エンリオ「なりません!フォビオ様!」
フォビオ「…………俺は、最初から面白くなかったんだ。何で、
エンリオ「フォビオ様…………。」
フォビオ「詳しく聞かせろ。」
フォビオの言葉に、フットマンとティアは振り返る。
フットマン「おお〜!流石にフォビオ様ですね〜。そうでしょうとも!魔王となるのは、貴方を置いて、他には居ませんとも!」
ティア「やっぱり、強い者が魔王にならないと、間違ってるよね。あたいもそう思うよ!その点、フォビオ様なら適任だよね!」
そうして、フォビオは、フットマンとティアから、話を聞く事にした。
エンリオ達は、それを見ていた。
フォビオ「…………この話、てめぇらに、何の得がある?目的は何だ?」
ティア「魔王になったら、あたい達を贔屓にしてくれたらいい!当然、色々と、便宜を図ってもらいたいしね。」
フットマン「ホッホッホッ。我々だけでは、カリュブディスを従える事は、出来ませんからねぇ。」
ティア「せ〜っかく、封印された場所を見つけたけど、このままじゃ、宝の持ち腐れだし。」
フットマン「タイミングよく、フォビオ様をお見かけしましてね。」
フォビオ「…………なるほどな。だが、俺がカリュブディスを従える事が出来るかどうかは………。」
ティアとフットマンの話を聞いたフォビオは、不安そうにそう言う。
すると、フットマン達は。
フットマン「ホーホッホッホッ!フォビオ様なら、必ずや成功するでしょう!」
ティア「大丈夫!大丈夫!」
フォビオ「…………俺が魔王になった時に、自分達が最も役に立ったって、実績が欲しいって事か。」
フットマンとティアの話を聞いたフォビオは、そう呟く。
一考の末、出した答えは。
フォビオ「…………その話、引き受けようじゃねぇか。」
フォビオは、引き受けてしまった。
その先に待っているのは、傀儡となる未来だとは、気付かずに。
フットマンとティアが、焚き火で温まる中、フォビオは、エンリオ達に声をかける。
フォビオ「お前達は戻れ。」
エンリオ「フォビオ様!」
フォビオ「事の顛末を伝えるのだ。」
エンリオ「しかし…………。」
フォビオ「カリオン様には、迷惑はかけられねえ。三獣士の地位を返上し、野に下るとお伝えしてくれ。…………今まで仕えてくれて、感謝する。」
エンリオ「フォビオ様…………。」
フォビオ「俺は修羅となり、俺の力を、魔王ミリムと、あのレイトって奴に認めさせてやる。」
エンリオ「あ…………。分かりました。カリオン様に、ご報告致します。………しかし、カリュブディスの力は未知数。くれぐれも、お気をつけ下さい。」
そう言って、エンリオ達は、ユーラザニアへと戻っていった。
そんな中、エンリオが思った事は。
エンリオ(フォビオ様は、愚かなお方ではない。本当にカリュブディスが居るんだとしても、従える事が出来るはずだ。)
そう思っていた。
エンリオ達を見送ったフォビオに、フットマン達が話しかける。
フットマン「では、向かうとしましょう。」
フォビオ「ああ。俺とカリュブディスの力を合わせたなら、あの魔王ミリムと、レイトの憎たらしい面を、泣きっ面に変えてやれるだろうぜ。」
フットマン「ホッホッホッ!その意気です。」
ティア「うんうん!あたいも応戦してるよ〜!」
そうして、フォビオ達が動き出す。
一方、テンペストの嵐ノ湯では。
ミリム「ぷは〜!」
紫苑「ぷはっ!」
朱菜「ぷは〜!」
ミリム、紫苑、朱菜の3人が、潜水対決をしていた。
それを、火煉は呆れながら見ていた。
ミリム「どうだ!私の勝ちなのだ!私の方が、長い時間潜ってられるのだ!」
紫苑「いいえ。勝ったのは私です。」
朱菜「違います。ほんの僅かの差ですが、私の勝ちです。」
火煉「お風呂で潜水しちゃダメでしょ。」
ミリム、紫苑、朱菜の3人は、そう張り合い、火煉がそう突っ込む。
ミリム達は、火煉の事を無視する。
ミリム「負けを認めないとは、狡いぞ!紫苑!朱菜!よ〜し!だったら、もう一回だ!決着をつけてやる!」
紫苑「良いでしょう。もう一度。」
朱菜「本来なら、お風呂に潜るのは良くない事ですが、やりましょう。」
火煉「朱菜様も、分かっているのなら、止めてくださいよ…………。」
火煉の呆れ声と共に、再び潜水する音が、俺たちが入っている男湯の反対の女湯から聞こえてきた。
リムル「はぁ…………。あっち、楽しそうだな〜。向こうに行けば良かったかな………。」
レイト「本音がダダ漏れだぞ。」
まあ、男湯に居るのは、フューズなのだが。
リムルは、フューズに話しかける。
リムル「なぁ。いつまでこの街にいるつもりだよ。」
レイト「まだ、納得してない感じですか?」
フューズ「えっ?あ…………いえ。リムル殿とレイト殿の疑いは、とっくに晴れているんですがね。」
レイト「晴れてんのかい。」
リムル「じゃあ、何でだよ。」
フューズ「いやぁ…………。ここは、実に居心地がよろしくてですな…………。ろくに休みも無かったですし、ゆっくり羽を伸ばすのも、良いのではないかと…………。」
居心地良いのは、ありがたいな。
今後、人間との取引も増えるだろうし、そう思ってもらえるのは、嬉しいもんだ。
リムルは、呆れ顔で言う。
リムル「お前なぁ………。『あなた方が本当に人間の味方なのかどうか…………しっかりと、確かめさせて貰う事にします。』とか、かっこいい事言ってたくせに。」
フューズ「ふぅ…………。」
レイト「聞いてないね。」
リムルの言葉に対して、フューズは息を吐きながら、お酒を飲む。
俺が苦笑していると、リムルは、きつめにフューズに聞く。
リムル「おい!」
フューズ「え?」
レイト「そういえば、ヨウム達の件は、どうなってるんですか?」
リムル「そうだぞ!俺たちの代わりに英雄に仕立て上げる協力をしてくれる約束!」
フューズ「ああ………。」
リムル「ああ………じゃないって!もうヨウム達は旅立ったんだぞ。英雄として、各地で名を売る為にな。」
リムルは、青筋(?)を浮かべながらそう聞くと、フューズは答える。
フューズ「それなら、問題ないですよ。既に仕込みは終わらせております。」
レイト「そうなのか?」
フューズ「ええ。ちゃんと、豚頭帝を倒した英雄として、名を広められる様に、根回ししてあります。そして、リムル殿とレイト殿達は、それを手伝った害のない魔物達だ………と、噂になる様に。」
リムル「そっか………なら良いや。」
流石はギルドマスター。
仕事が早いな。
ただ、一つ懸念点があるとしたら………。
レイト(やっぱり、他の異世界人が、この街をどう思うかだよな………。)
そう、この街は、魔物の街。
異世界人は、人間だから、ゲームをやっている人からしたら、絶好の獲物といえるだろう。
何せ、俺とリムルが定めた掟によって、こちら側から、仕掛ける事はないからな。
まあ、今、そんな事を考えても意味はないか。
すると、フューズが風呂から上がろうとする。
ちなみに、ヨウムには、俺のキメラ細胞を埋め込んだ。
白老に厳しくしごかれて、怪我が酷かったから、自然治癒力を高める為に。
フューズ「さて、私はお先に…………。」
フューズが上がろうとすると、リムルが声をかける。
リムル「ああ、そうだ。お前達のブルムンド王国へも、道を作ろうかと思ってるんだけど。」
フューズ「えっ?いや………えっ?いやいや…………。それは、ありがたい事ですが、大規模な国家事業になりますぞ。莫大な予算が…………。」
リムル「そこだよ、フューズ君。」
フューズ「く………君?リムル殿にそう呼ばれると、何だか、背中がむず痒いのだが………。」
レイト「まあ、そんな事はいいさ。要は、今後の取引の為にやるんだろ?」
リムル「ああ。当然だが、作業は、俺たちが引き受けようじゃないか。ただし。」
フューズ「ただし?」
リムル「我が国の特産品を、他の国にも売りつけたいので、諸々の相談ができる人物の紹介を頼みたい。」
フューズ「分かりました。お安い御用です。」
レイト「ありがとうございます。」
すると、女湯の方から、ミリム達の声が聞こえてきて、リムルは頬を赤く染める。
そんなリムルに、俺は呆れていた。
一方、フォビオ達は、カリュブディスが封印されている場所に着いた。
フォビオ「ここに?」
ティア「そうだよ〜。」
フットマン「まだ、復活していませんが、破壊への渇望が漏れ出ています。そうした感情が大好物な我々だからこそ、発見できたのですけどね。」
フォビオ「確かに………異様な妖気を感じるな。カリュブディス………。」
フォビオは、カリュブディスの妖気を感じ取っていた。
フットマンは、フォビオに声をかける。
フットマン「カリュブディスの復活には、本来、大量の死体が必要です。」
フォビオ「死体?」
フットマン「カリュブディスとは、精神生命体の一種です。この世界で力を行使するには、肉体を与えてやらねばなりません。」
フォビオ「なるほど…………それで?」
フットマン「貴方の役目は…………。」
フットマンは、その先を言わなかった。
だが、フォビオは、それだけで察した。
フォビオ「まさか、お前………!」
フットマン「従えるとは…………つまり、カリュブディスをその身に宿し、ご自身と同一化するという事なのですよ。」
フォビオ「俺の体に………!?」
ティア「辞めるなら、今だよ。」
フォビオ「うっ………!」
ティア「でも…………。」
フォビオ「でも?」
ティア「この封印は、もう長く持たないかも………。」
ティアの言葉に、フォビオが質問をする。
フォビオ「持たなかったら、どうなる?」
ティア「いずれ、自動的に復活しちゃう………かな?」
フォビオ「死体が必要なんだろ?」
ティア「そうだけど…………封印されてても、自分の復活に必要な魔物の死体ぐらいは、用意出来ちゃうんじゃないかな………。そうなったらあたい達は、くたびれ損になっちゃう!」
フットマン「そうですね〜。」
ティア「けど、復活しちゃったら、制御は無理だろうし、純粋な破壊の意思だから、誰の命令も聞かないだろうし………。」
ティアとフットマンがそう話す中、フォビオが口を開く。
フォビオ「復活する前に封印を解き、その力を奪わないとダメという訳か?」
ティア「えっ?あ………うん。そういう事。」
フットマン「流石です。」
フォビオ「良いだろう。カリュブディスの力、我が物としてやろう!」
そう言って、フォビオは洞窟の中へと入っていく。
その時に、フォビオは呟く。
フォビオ「やってやるぜ。カリュブディスを俺の体に従えて、あの小生意気な魔王ミリムと、あのレイトって奴を………!」
フォビオの決意は固かった。
一方、フットマンとティアは。
フットマン「行きましたねぇ。」
ティア「行ったねぇ。」
フットマン「流石は、脳が筋肉で出来ているカリオンの部下ですねぇ。」
ティア「簡単だったねぇ。」
そう言った直後、2人は高笑いする。
フットマンは、ティアに尋ねる。
フットマン「これで終了ですか?」
ティア「クレイマンからは、『カリュブディスを復活させて、ミリムに向かわせろ』………としか、聞いてないよ。………あっ!」
フットマン「ん?」
ティア「用意してたレッサードラゴンの死体、要らなくなっちゃったねぇ。」
フットマン「………しかし、備えあれば憂いなしですからね。」
2人は、再び高笑いをする。
フォビオは、クレイマンの策略に利用されたのだ。
一方、俺は。
レイト「ああ〜!疲れたなぁ………。」
俺は、そう呟く。
徹夜で、クローンライダーの量産や、シズさんの肉体の作成を行なっていた事もあり、だいぶ疲れた。
シズさんの肉体も、あと少しで完成するな。
すると。
???「おい。」
レイト「ん?」
???「悪く思うなよ。」
肩を叩かれて、振り返ると、そこにいた男に突然、笑顔でスプレーをかけられる。
レイト「っ!?」
すると、意識が遠のいていく。
科学者が、何かを言っている。
科学者『告。催涙スプレーの類を確認。意識レベルが低下。』
そんな事を言っているかも、意識がだんだん遠のいていく。
あの人の顔は…………。
レイト「桜井………侑斗………?」
それだけ呟いて、俺は意識を手放す。
その間、何か、電車に乗っている夢を見ていた。
すると。
レイト「はっ!?」
俺は目を覚ますと、自室にいた。
すると、火煉、蒼月、グルドが目の前に居た。
火煉「レイト様!」
蒼月「お目覚めになりましたか。」
グルド「良かったです………。」
レイト「え………?どういう状況?」
火煉「いえ、なかなか見当たらなくて、探していたんですが、レイト様の自室に居たとは………。」
何で俺、自室で寝てんの?
ていうか、異常に疲れてるんだけど………。
蒼月「火煉君。そんな事よりも………。」
火煉「はっ!そうでした!至急、会議室に来て下さい!」
レイト「わ、分かった…………。」
何とか、動けるぐらいには大丈夫だったので、会議室に向かう。
会議室には、主要な全員が集まっていた。
リムル「レイト!お前、ずっと何処にいたんだよ!?」
レイト「すまん………。心配かけた。で、これはどういう状況だ?」
蒼月「…………カリュブディスが復活したんだってさ。」
レイト「カリュブディス?」
リムル「これから、どういう奴なのかを話すらしいから、お前も聞けよ。」
レイト「ああ。」
俺は、自分の座席に座り、トレイニーの妹であるトライアから、話を聞くことに。
トライア「カリュブディスは、はるかなる昔に生まれ、死と再生を繰り返しております。凶暴なる天空の支配者。流石は、森の支配者にして、守護者たる、暴風竜ヴェルドラ様の申し子と言えるでしょう。」
リムル「ヴェルドラの申し子?」
レイト「どういう事だ?」
トライア「カリュブディスは、ヴェルドラ様から漏れ出た、魔素だまりから発生した魔物なのです。」
じゃあ、俺とリムルとカリュブディスは、兄弟みたいなもんか?
俺とリムルも、ヴェルドラと縁がある魔物だしな。
すると、フューズが立ち上がる。
フューズ「カリュブディスが復活したのなら、魔王以上の脅威となりますよ。何しろ、魔王と違い、話が通じる相手ではないのです。」
ベスター「言ってみれば、知恵なき魔物。固有能力の
メガロドンねぇ………。
メガロドンバイスタンプが効くかな?
これは、豚頭帝よりも厄介な気がするな。
トライアは、悲痛な表情で、語る。
トライア「状況は最悪です。召喚されたメガロドンは、なぜか近くにあったレッサードラゴンの死骸を、依代にした模様。」
レイト「なぜか………?」
トライア「その数は、13。」
リムル「魔王並の化け物一体と、召喚された空飛ぶサメが13体。それは、一体何の冗談だ………。」
何故か、近くにあったレッサードラゴンの死骸か…………。
これは、何者かが、カリュブディスを復活させた可能性が高いな。
朱菜が、俺とリムルに話しかける。
朱菜「リムル様、レイト様。」
リムル「ん?」
朱菜「どうなされます?」
レイト「そりゃあ、迎撃だろうな………。」
ミリム「フッフッフッ………!」
すると、ミリムが笑い出す。
ミリム「何か、重要な事を忘れてはいないか?」
レイト「何だ?」
ミリム「カリュブディス如き………この私の敵ではない!軽く捻ってやるのだ!」
ミリムはそう言って、服を脱ぎ捨てて、魔王としての服装になる。
確かに、ミリムは強いからな。
心強いな。
そう思っていると。
紫苑「その様なわけには参りません。」
ミリム「い………!?」
火煉「そうですね。これは、私たちの街の問題ですし。」
レイト(断るんかい。)
ミリム「えっ?だが、私はマブダチ………。」
朱菜「そうですよ。友達だから、何でも頼ろうとするのは、間違いです。リムル様とレイト様が、どうしても困った時は、是非とも、お力添えをお願い申し上げます。」
朱菜がそう言うと、ミリムは露骨に落ち込む。
レイト「ま、まあ………俺たちを信じてくれ。」
リムル「そ、そうだぞ。」
ミリム「折角………折角………私の見せ場がやって来たと思ったのに………。」
リムル「カリュブディスを倒す!準備しろ!」
一同「はっ!」
レイト「ベスター。クローンライダーは出せるか?」
ベスター「現状、作成完了している物は、出せます。レイト様。」
レイト「よし。カリュブディスが相手だ。出し惜しみなしで出せ!」
ベスター「はっ。」
俺は、ベスターにクローンライダーを出す様に指示をした。
全員が、準備に動く中、フューズが俺たちを見る。
フューズ「倒すって………。あの、分かってるんですか?相手は、
リムル「盟約を結んだガゼル王の応援も期待出来るし、やるだけやってみるさ。」
レイト「ああ。この街は、絶対に守ってみせるさ。」
フューズ「…………逃げないのですか?」
レイト「…………逆に聞くけど、逃げてどうするんだ?」
リムル「俺たちが、この国で一番強い。絶対に勝てそうもないなら、すぐに逃げて、次の策を考えるけど、そうじゃないなら、正面から自分の目で、敵の強さを確かめるべきだろ?」
それを聞いたフューズは、納得したかの様に笑う。
フューズ「…………なるほど。魔物の主達。そうでしたね。」
リムル「王を失ったら、終わりの人間とは、その辺りは違うんだよな。」
レイト「そうだな。」
フューズ「しかし、あれですな………。リムル殿とレイト殿は、我々人間の様な考え方をされるのですね。とても、魔物とは思えませんよ。」
まあ、元人間だからな。
すると、リムルが口を開く。
リムル「う〜ん。そうかもな。信じられないかもしれないけど、実は、俺たち、元人間なんだよ。」
レイト「…………俺たちは、シズさんと同じ異世界人だったんだ。………多分な。」
リムル「向こうで死んで、俺はスライムに、レイトはキメラに生まれ変わったんだけどね。」
そう言って、俺たちは、人間態になる。
フューズは、エレンが持っているシズさんのバイスタンプに問いかける。
フューズ「そうなんですか?」
シズ「ええ。あの2人も、私と同じ異世界人。」
レイト「俺たちは、シズさんの肉体を譲ってもらった。シズさんと似てるのに、情けない真似は出来ないしな。」
リムル「そうそう。」
エレン「やっぱり、2人は信じられるよ!」
フューズ「うん。」
それにしても、リムルは唐突に話すな。
まあ、俺も話す予定だったし、別に良いか。
そうして、ジュラ・テンペスト連邦国首都、中央都市リムルと、武装国家ドワルゴンの中間地点で、カリュブディスとメガロドンとの戦いが始まろうとしていた。
今回はここまでです。
何故、レイトの目の前に、桜井侑斗が現れたのかは、電王編にて、理由が判明します。
そして、遂に始まる、カリュブディスとの戦い。
クローンライダーを出します。
それにしても、メガロドンと聞くと、メガロドンバイスタンプが浮かびますね。
インペリアルデモンズに関しては、蒼月に変身させようかなと思っております。
リクエスト、ありがとうございます。
これも、他の小説も、頑張っていきます。
ジュウガのオリジナルフォームは必要か
-
必要
-
いらない