転生したらキメラだった件   作:仮面大佐

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第18話 暴風大妖渦(カリュブディス)

 厄災、暴風大妖渦(カリュブディス)が復活した。

 そいつは、空泳巨大鮫(メガロドン)という鮫型の魔物を連れて、中央都市リムルへと向かっていた。

 こちらの戦力は、紅丸達鬼人勢、ゴブタ達 狼鬼兵部隊(ゴブリンライダー)、ゲルドとが率いる猪人族(ハイオーク)部隊、ガビル率いる龍人族(ドラゴニュート)達、クローンライダーから、ライオトルーパー、ゼクトルーパー、黒影トルーパー、デモンズトルーパー、メイジ、ダークネクロム、アバドン、あとは、火煉、グルド、蒼月の3人の仮面ライダー達だ。

 更に、ドワルゴンから、援軍として、ペガサスナイツ100騎が派遣された。

 ペガサスナイツを率いていたドルフさん曰く。

 

ガゼル「弟弟子達が困っているのなら、助けるのは当然であろう。」

 

 との事。

 あの人、兄弟子風を吹かせてくるよな。

 まあ、心強い援軍なのは、間違いないが。

 

リムル「さて…………。」

レイト「行くぞ。」

一同「おう!」

 

 こうして、俺たちとカリュブディスが激突する。

 紅丸は、一体のメガロドンへと向かっていく。

 

紅丸「食らえ!黒炎獄(ヘルフレア)!」

 

 紅丸の黒炎獄が、メガロドンに命中して、こんがり焦げた状態で、メガロドンが落ちていく。

 

リムル「流石、紅丸。こんがりと良く焼けた。」

レイト「だけど…………。」

朱菜「お兄様の攻撃でも消滅しないとは、驚きです。」

 

 そう。

 紅丸の黒炎獄を喰らった敵は、大抵消滅しているのにも関わらず、メガロドンは焦げただけだった。

 どういう事かと首を傾げていると。

 

科学者『解。カリュブディスには、エクストラスキル、魔力妨害があり、半径300メートルの範囲内は、魔素の動きが乱され、魔法の効果が低下します。』

レイト『なるほどな………。って、ちょっと待て。それって、メイジが不利なんじゃ………。』

科学者『告。クローンライダーのメイジは、魔法が上手く発動せず、苦戦を強いられています。』

 

 まずいな………。

 それじゃあ、ウィザード系列の仮面ライダーは、苦戦を強いられるな。

 何せ、魔法の効果が低下してるから、ダメージがあまり期待出来ない。

 

レイト『メイジの部隊は、後方支援に回して、他のライダー達で、カリュブディスとメガロドンに攻撃しろ。』

科学者『了。』

 

 クローンライダーは、科学者さんが、俺の指示を聞いて、クローンライダーに指示を出している。

 メイジは後ろに下がって、残りのライダー達で、攻撃していく。

 一方、ゲルド達は。

 

ゲルド「くっ………!俺が動きを止める!お前達は、グルドを中心に攻撃しろ!」

猪人族「ゲルド様!」

グルド「行きますか!」

 

 ゲルドと、オーバーデモンズに変身したグルドの二人が、メガロドンの動きを止める。

 

ゲルド「やれ〜!!」

猪人族達「うわぁぁぁぁ!!」

 

 ゲルドがメガロドンの動きを止めて、部下達が攻撃するが、メガロドンに吹き飛ばされる。

 

ゲルド(さて、どうする!仲間は動けない。コイツを攻撃するには………。)

ガビル「助太刀いたしますぞ!」

グルド「ガビルさん!行きますよ!」

ガビル「渦槍水流撃(ボルテックスクラッシュ)!」

 

デモンズフィニッシュ!

 

 ゲルドがメガロドンを抑える中、ガビルがやって来て、グルドと共に、メガロドンを倒す。

 

ヤシチ「ガビル様、かっこいい!」

カクシン「然り!」

ガビル「怪我人の手当てを!」

スケロウ「任せとけ!」

 

 ガビルの指示のもと、負傷者にフル・ポーションを使う。

 ゲルドとグルドの二人が、仲間に回復薬をかけている中。

 

ガビル「ゲルド殿が動きを止めて下さったおかげで、楽に仕留める事が出来ましたぞ。」

ゲルド「助太刀感謝する、ガビル殿。グルドも、助かった。」

グルド「はい。」

 

 ガビル達がそう話す中、メガロドンが更に一体迫ってくる。

 

ガビル「我輩達が落とす。あとは、ゲルド殿!」

ゲルド「うん!今度は、仕留めてみせる!」

グルド「分かりました!」

ガビル「はあ!」

ヤシチ「ガビル様、かっこいい!」

 

 ガビルはそう言って、メガロドンの一体へと向かっていく。

 一方、ペガサスナイツは。

 

ドルフ「我がペガサスナイツの誇りに賭け、ここで阻止するのだ!」

一同「おお!!」

 

 ドルフさんのその声と共に、メガロドンに突っ込んでいく。

 一方、ゴブタ達、 狼鬼兵部隊(ゴブリンライダー)は。

 

ゴブタ「でやぁぁぁ!!」

 

 叫び声を出しながら、メガロドンに突っ込んでいくが、すぐに退却行動を取る。

 

ゴブタ「一旦、退却っす!」

 

 メガロドンが地面に落ちると、他のゴブリン達が、メガロドンに攻撃していく。

 それを見ていた白老は。

 

白老「ほっほう。囮役と攻撃役。きちんと、自らの役割を見極めよ。死ぬ気でな。」

 

 そう言った。

 それを見ていた俺たちは。

 

リムル「白老の采配、見事なもんだ。」

レイト「なんか、死ぬ気でなって、聞こえた気がするんだが………。」

紅丸「若返って、鬼教官ぶりに、磨きがかかったからな…………。」

 

 確かに、あれは本当に鬼教官と言えるだろうな。

 すると。

 

ミリム「なあ、私も一緒に遊びたい。」

リムル「あ!」

レイト「ミリム!?街で待ってた筈じゃあ………!?」

ミリム「け………見学ぐらい、良いであろう?街に居ても暇なのだ。」

 

 やっぱり。

 ミリムの性格上、絶対、街で待ってる筈が無いからな。

 カリュブディスとメガロドンを見たミリムは。

 

ミリム「なあなあ!やはり私が………!」

リムル「ダメ。」

ミリム「うぅ………。」

レイト「そんな目で見るな。」

 

 リムルにダメと言われたミリムは、目をウルウルさせながら、こちらを見てくる。

 すると、科学者から、報告が入る。

 

科学者『告。クローンライダー部隊の損耗率が上昇。デモンズトルーパー、ライオトルーパー、ゼクトルーパー、黒影トルーパーを中心に、被害が広がっています。』

レイト『損耗率が高い部隊は、他の部隊の援護に回りつつ、損耗率を上げさせるな。』

科学者『了。』

 

 俺は、そう指示を出す。

 一方、メガロドンの上に来た蒼華と蒼月。

 蒼月は、デモンズに変身していて、コンドルゲノミクスを発動している。

 

蒼華「蒼影様!」

蒼月「今です!」

蒼影「うむ!」

 

 蒼華の影から、蒼影が現れる。

 影移動を使ったのだろう。

 すると。

 

蒼影「操妖傀儡糸!」

 

 蒼影が糸を出すと、蒼影が乗っているメガロドンが、突然、他のメガロドンに攻撃する。

 恐らく、操っているのだろう。

 

ミリム「おお〜!メガロドンを操って、同士討ちにさせているのだ!」

リムル「もう、何でもありだな、あのイケメン…………。」

レイト「凄いな…………。」

 

 蒼影って、本当に凄いよな。

 何でもありかよ。

 

蒼影「頃合いを見て、始末しろ。」

蒼華「心得ました。」

蒼月「あとは、お任せ下さい。」

 

 蒼影は、蒼華と蒼月に指示を出して、他の龍人族(ドラゴニュート)達と共に移動する。

 蒼影は、メガロドンを操って、カリュブディスに向かい、紫苑と火煉は、嵐牙の上に乗って、他のメガロドンに向かっていた。

 しかも、嵐牙は、空を飛んでいた。

 

リムル「空を?」

レイト「嵐牙の奴、いつの間にあんな技を覚えたのか?」

紅丸「…………というか、いつ紫苑と火煉と組んだんだ?」

 

 俺、リムル、紅丸がそんなふうに声を出す中。

 

紫苑「今回は何としても活躍し、目立たねばなりません。」

火煉「そうですね。」

嵐牙「うん。我も、その意見には賛成だ。」

 

 2体のメガロドンに迫る中、火煉は、ベルトを操作していた。

 

カブト!

charge!

 

 火煉は、カブトバイスタンプを起動して、アーキオーインジェクターに押印して、カブトバイスタンプをバイスタンプホルダーに戻して、ベイリングノックを押し込む。

 

ベイリングインパクト!

 

紫苑「はぁぁぁ!断頭鬼刃!!」

火煉「はぁぁぁ!!」

 

 紫苑の斬撃と、火煉の手刀によって、メガロドンが真っ二つに斬れる。

 

嵐牙「ワオーン!!」

 

 嵐牙は、黒い雷を出して、メガロドンを黒焦げにする。

 それを見ていたミリムは、俺とリムルの腕を引っ張る。

 

ミリム「私も!私も!」

リムル「ダメだって言ってるだろ。」

レイト「大丈夫だから。」

ミリム「う〜…………。」

 

 ミリムが、頬を膨らませながら、カリュブディスが居る方を向くと、メガロドンは粗方片付けられていた。

 

紫苑「はぁ…………。さて。」

火煉「残るは…………。」

ベイル(カリュブディスのみか…………。)

火煉「そうね、ベイル。」

嵐牙「どの程度の強さなのか、見極めてやろうでは無いか。」

紫苑「それでこそ、嵐牙。」

 

 紫苑、火煉、嵐牙、ベイルは、そう話す。

 一方、 狼鬼兵部隊(ゴブリンライダー)は、メガロドンに追い詰められ、白老の眼前に、迫る。

 白老は、目を赤く光らせ、刀を抜刀して、メガロドンを細切れにする。

 そんな白老は、ゴブタに声をかける。

 

白老「不甲斐ないのう。それなりに成長しておるが、たった一匹も仕留められぬとは。修行をますます厳しくせねばならんわい。」

ゴブタ「ちょっ………!これ以上厳しくされると、死んじゃうっすよ!じじい!!」

白老「じじいじゃと?」

 

 白老がそう言う中、ゴブタは白老をじじい呼ばわりして、白老は目を赤く光らせる。

 自分の失言に気づいたが、もう時既に遅し。

 

ゴブタ「ええ………!ああ〜!!」

リムル「ん?何だ?」

レイト「どうせ、ゴブタ辺りが、白老をじじい呼ばわりしたんだろ?」

紅丸「リムル様、レイト様。」

リムル「ああ。」

レイト『クローンライダーの損耗率は?』

科学者『告。ライオトルーパー、ゼクトルーパー、黒影トルーパー、デモンズトルーパー、メイジ、ダークネクロム、アバドンは、損耗率は半分ほどです。』

レイト『メガロドンで、かなり削られたか………。損耗率を上げるな。』

科学者『了。』

 

 俺は、科学者に指示を出す。

 そんな中、蒼影は、自分が乗っていたメガロドンを始末し、カリュブディスに乗る。

 

リムル「後は、カリュブディスだけか………。」

レイト「ああ。」

紅丸「あいつの実力なら、大丈夫でしょう。それに…………。」

 

 そう。

 カリュブディスの上には、蒼影だけでなく、紫苑、嵐牙、火煉も居て、その周囲を、飛行可能な者たちが取り囲む。

 そこから、一斉攻撃をする。

 だが…………。

 

リムル「全然、効いてないみたいだな。」

レイト「カリュブディスがデカすぎるから、ダメージがそこまで通ってないんだろうな。」

紅丸「…………ですね。」

 

 俺たちがそう話す中、カリュブディスの気配が変わる。

 何かを仕掛けてくるな。

 俺たちは、思念伝達で、警戒を呼びかける。

 

リムル『何か仕掛けてくるかもしれない。』

レイト『全員、油断するな。』

紫苑「了解です。」

蒼影「承知。」

火煉「はい!」

嵐牙「心得ました、我が主たちよ!」

 

 俺たちの声にそう答える。

 すると、カリュブディスが唸り声を出す。

 火煉達が警戒していると、ドルフさんが、何かに気付いたのか、大声を出す。

 

ドルフ「回避!距離を取れ!!」

 

 ドルフさんの声と共に、ペガサスナイツは、少し下がる。

 すると、カリュブディスの鱗が剥がれ、火煉達を襲う。

 

紫苑「ああ!」

嵐牙「うわ!」

火煉「鱗が…………!?」

蒼影「くっ…………ふん!」

 

 3人と一匹は、カリュブディスから振り落とされる。

 何とか着地するが、そこに、鱗が襲いかかってくる。

 それを見た俺は、科学者に聞く。

 

レイト『科学者!今の攻撃による損耗率は!?』

科学者『告。メイジが何体か撃墜され、地上にいるライダー達も、一部が撃破されている模様。』

レイト『まずいな………。少し下がらせろ!』

科学者『了。』

 

 科学者の指示で、カリュブディスの鱗が飛んでいるエリアから、クローンライダーを下がらせた。

 すると、リムルが声をかけてくる。

 

リムル「行くぞ、レイト。」

レイト「ああ。折角だ、新しいスキルを試すとしますか。変身!」

 

スクランブル!

キングクラブ!クロコダイル!仮面ライダーキマイラ!キマイラ!

 

 俺たちはそう言って、蒼影達の居る場所に向かって行く。

 勿論、俺はキマイラに変身して。

 一方、蒼影達は、鱗に苦戦していた。

 

蒼影「うう………避けられぬ………!」

紫苑「避ける?何を甘えた事を!」

火煉「でも、数が多すぎる!」

嵐牙「アオーン!」

 

 嵐牙の雷で、鱗は一旦離れたが、全員が疲弊していた。

 そんな中、嵐牙が蒼影に話しかける。

 

嵐牙「蒼影よ。主は、影移動で逃げるが良い。我が紫苑と火煉の盾となろう。」

紫苑「バカな………!」

火煉「死ぬ気ですか!?」

嵐牙「フフフ…………リムル様とレイト様ならば、生き残る確率が高い方を選択されるだろう。」

蒼影「生き残る確率か………。ならば、俺も残ろう。ああ、勘違いするなよ。死ぬ前に本体は撤退するから、気にするな。」

紫苑「フフッ………蒼影らしいな。」

火煉「ですね。………なら、全員で生き残りましょう!」

 

 そう言って、火煉達は、鱗へと向かっていく。

 だが。

 

リムル「ほんと、お前らって、バカだよな。」

レイト「こういう時は、俺たちを頼ってくれよ。」

紫苑「リムル様!」

火煉「レイト様!」

レイト「行くぞ、リムル!」

リムル「ああ!食らいつくせ、暴食者(グラトニー)!」

レイト「俺も。吸収之王(アブソーブドレイン)!」

 

 俺とリムルのこのスキルは、魔王ゲルド戦以降に進化した物だ。

 そのスキルによって、鱗があっという間に吸い込まれる。

 

紫苑「あ、あぁ………。」

蒼影「あれだけの鱗が、一瞬で………。」

火煉「凄い…………。」

リムル「あとは、俺たちに任せろ。お前達は、一旦下がって、少し休むと良い。」

蒼影「我々は、まだお役に………。」

レイト「慌てるな。それに………あれを見ろ。」

 

 そう言って、カリュブディスに指差す。

 すると、鱗が、凄まじい速度で再生していたのだった。

 

リムル「鱗が再生を始めている。次にあれを使われた時、また守ってやれるかは分からないからな。」

レイト「しばらく、俺とリムルで相手をするから、紅丸の指示で攻撃してくれ。」

蒼影「…………ご武運を。」

紫苑「お気をつけて、リムル様。」

火煉「レイト様も、無理をなさらぬ様に。」

嵐牙「我が主達よ。すぐに応援に戻ります!」

リムル「ああ。」

レイト「行くぞ!」

 

 俺とリムルは、カリュブディスに向かっていく。

 すると、鱗が飛んでくる。

 

リムル「さてと。やるだけやってみるか。」

レイト「だな。」

 

 俺たちは、遠距離攻撃手段を用いて、カリュブディスに攻撃していく。

 すると、カリュブディスが、目から光線を放つ。

 俺たちは躱すが、躱した先の森から、火が出てくる。

 

リムル「あ〜あ………。」

レイト「くそっ!」

 

 俺たちは毒付く中、再び鱗が襲ってくる。

 だが、気になる事がある。

 

リムル「う〜ん………少しは痛がってる……か?」

レイト「悪いけど、どういうわけか、俺に鱗が集中するんだけど!?」

リムル「確かに、何でレイトに?というより、こいつ、もしかして、超速再生を持ってるんじゃ無いか?」

 

 リムルの疑問に、俺の方は、科学者が答えてくれた。

 

科学者『解。体組織の修復速度から判断し、個体名カリュブディスが、エクストラスキル、超速再生を所持していると考えて、間違いありません。』

レイト『鱗の再生速度は?』

科学者『告。鱗の再生は、超速再生により、3分程度で完了すると推測。』

レイト『3分か…………。』

 

 カップラーメンを作る感覚で、あの鱗の大量射出が出来るようになると考えると、かなり厳しいな。

 それに、本当に、俺に攻撃が集中するな。

 さてと。

 まずは、やってみますか。

 俺は、ツインキメラバイスタンプを3回倒す。

 

クロコダイルエッジ!

 

 クロコダイルエッジを発動して、鰐の顎を模したライダーキックを放ち、カリュブディスの翼の一部を切り落とし、即座に吸収之王で、取り込む。

 すると、更に、俺の方に攻撃が集中する。

 一方、紅丸達は。

 

紅丸「全員!持てる手段を尽くして、カリュブディスを攻撃しろ!効きが悪くても良い!奴に回復の暇を与えるな!!」

一同「おおお!!」

 

 紅丸の指示と同時に、地上部隊は、カリュブディスに攻撃を集中させる。

 空からも、ペガサスナイツが攻撃する。

 戦力としては、十分以上。

 総攻撃で、一気に撃墜と思ったのだが。

 戦いは、夕方まで続いていた。

 

リムル「ふう…………。」

レイト「カリュブディスに与えられたダメージは、3割程度って所だな。」

リムル「総力戦で3割か………。」

レイト「クローンライダーも、かなり損耗してる。このままじゃ、ジリ貧だぞ。」

 

 そう。

 やっぱり、抵抗が激しく、クローンライダー達は、かなり損耗していた。

 どうしたものか………。

 そう思っていると。

 

カリュブディス「グ………グエ、グア………!」

「「ん?」」

カリュブディス「お…………おのれ、ミ………ミ…………ミリムとレイトめ…………!」

リムル「ミリムにレイト?そう言ったよな?」

レイト「あ…………俺、カリュブディスの依代になった奴が分かったかもしれん。」

 

 まさか、アイツか!?

 それなら、やけにリムルより俺に攻撃が集中したのも、納得がいく。

 そいつの名前を告げると。

 

リムル「………え?じゃあ、何?俺の中にヴェルドラが居るのを察知したとかじゃないの?」

レイト「じゃない。」

リムル「じゃあ、ミリムに頼って良いんじゃね?」

レイト「…………ていうか、ミリム、寝てるぞ?」

 

 俺とリムルが、ミリムの方に向かうと、ぐっすり寝ていた。

 

リムル「ミリム!」

ミリム「うわ〜!寝てないのだ!起きていたのだ!」

レイト「どう見ても寝てたろ?」

ミリム「瞑想していただけだ。ちゃんと、お前達を応援していたのだぞ!」

レイト「…………まあ、良いや。」

リムル「こいつ、どうやら、お前に用事があるみたいなんだけど………。」

ミリム「何!?むむ!アイツは、この前来たフォビオとやらを依代にしている様だな。」

「「やっぱりか……………。」」

 

 やっぱり、フォビオを依代にしてたか。

 俺にパンチを受け止められたのが、余程気に入らなかったのか?

 そう考える中、ミリムはこっちに来る。 

 

ミリム「では、私が相手をして良いんだな!?」

レイト「ああ。遠慮なくやってくれ。俺は、少し疲れた。」

リムル「それにしても、俺たちが邪魔したみたいで、悪かったな。」

ミリム「良いのだ、気にするな、なのだ!やるのだ!」

リムル「あ、それと………。」

ミリム「はい?」

レイト「フォビオって、魔王カリオンの配下だろ?生かして、助けたいんだけど………。」

ミリム「ワッハハハ!その程度、造作もない!最近学んだ、手加減を見せてやるのだ!」

レイト「手加減ね…………。」

 

 若干、不安だが、任せるとしよう。

 ドルフさん達には、退避してもらった。

 すると、カリュブディスが再び呻き声を出す。

 

カリュブディス「ぐっ………!グガァァァ!ミリ…………ミリムめ!」

 

 カリュブディスは、ミリムに向かって、鱗を射出する。

 だが、ミリムは慌てていなかった。

 

ミリム「その技は、もう見たのだ。今度は、私が見せてやろう。」

 

 ミリムがそう言って、手を空に掲げると、鱗の動きが止まる。

 そして、手を下げると、鱗は落ちていく。

 

ミリム「これが………手加減という物だァァ!!竜星拡散爆(ドラゴ・バスター)!!」

 

 ミリムの攻撃が、カリュブディスに着弾すると、爆発する。

 それを見ていた俺たちは。

 

「「手加減って、一体…………。」」

 

 そう呟いた。

 リムルが、フォビオを回収した。

 まあ、フォビオが無事な時点で、手加減と言えるだろうな。

 俺とリムルは、二人で協力して、カリュブディスの魔核を、フォビオから除去する作業をしていた。

 科学者が、報告する。

 

科学者『告。個体名フォビオから、個体名カリュブディスの魔核を分離。半分吸収しました。隔離して、解析鑑定を行います。』

 

 その報告と同時に、俺たちは、地面に腰を下ろす。

 

リムル「ふぅ…………。」

レイト「疲れた………。頼む。」

紅丸「はい。」

 

 紅丸は、フォビオに回復薬をぶっかける。

 すると、ドルフさんが話しかける。

 

ドルフ「リムル殿、レイト殿。」

リムル「ドルフさん。助力を感謝する。」

レイト「おかげで、カリュブディスを倒す事が出来ました。」

ドルフ「いえ。カリュブディスを倒したのは、我々ではなく…………。」

 

 ドルフさんがそう言うと、ミリムの方を見る。

 

ミリム「ん?」

ドルフ「説明してもらえるでしょうか?」

 

 まあ、そうなるわな。

 

レイト「いや…………その…………。」

リムル「実は、この少女は、魔王ミリムといって………ね。」

ドルフ「ん?………うん。」

ミリム「フフン!」

ドルフ「ハッハッハッ!リムル殿とレイト殿は、冗談がお好きな様だ。」

ミリム「む!」

ドルフ「あの様な高出力の魔法兵器を所持していたのなら、最初にそう申して欲しかったですぞ。」

 

 あ、信じてないな。

 いや、信じたらまずいもんな………。

 すると、ミリムが叫ぶ。

 

ミリム「冗談ではない!私は魔王なのだ!!私がカリュブディスをやったのだ!」

ドルフ「なるほど。兵器については秘密………っと。分かりますぞ。奥の手は、隠しておくに限りますからなぁ。」

ミリム「魔王だと言っておるだろう!」

ドルフ「人類にとっても、災禍となりうるカリュブディスを始末できたのは、行幸でした。私も、王への報告がありますれば、今回は、これにて失礼致します。」

ミリム「おい、こら〜!!」

リムル「本当に助かりました。」

レイト「ガゼル王に、よろしくお伝えください。」

 

 そう言って、ドルフ達ペガサスナイツは去っていった。

 そんな中、リムルはフォビオに話しかける。

 

リムル「よ、目覚めたか?」

フォビオ「ん………ぐっ………。こ………こは、どこだ?俺は………俺は一体………。」

レイト「自分が何をしたのか、覚えているか?」

 

 俺がそう声をかけると、フォビオは、すぐに土下座をした。

 

フォビオ「すみませんでした!俺は、ミリム様にとんでもない事を………。あなた方にも、迷惑をかけてしまった様で………。」

レイト「まあ、それに関しては良いけど。」

リムル「何でこんな事をした?」

トレイニー「なぜ、カリュブディスの封印場所を知っていたのですか?」

トライア「偶然見つけた、などとは言わせませんよ?」

レイト「…………だってさ。」

フォビオ「ああ………はい。それは………。」

 

 フォビオは話した。

 太った男の道化師のフットマン、小さい女の道化師のティアと名乗る者達が、接触してきた事を。

 

トレイニー「ティアと、フットマン斗名乗る仮面の道化。…………こんな仮面でしたか?」

 

 そう言って、トレイニーは、笑った顔の仮面を地面に描く。

 それを見たフォビオは。

 

フォビオ「いや………。俺の前に現れたのは、涙目の仮面の少女と、怒った仮面の太った男だった。」

紅丸「あ…………。」

 

 紅丸は、その怒った仮面の太った男という単語に反応していた。

 そんな中、ガビルが口を開く。

 

ガビル「あの〜………。そのラプラス殿も………。」

レイト「ラプラス?」

ガビル「ラプラス殿は、ゲルミュッドの使いとして、我輩の前に現れた者なのですが………。今、トレイニー殿が仰った仮面を被っておりましたぞ。」

リムル「ん!」

ガビル「それに、中庸道化連(ちゅうようどうけれん)という、何でも屋の副会長だと名乗っておりましたなぁ。」

 

 中庸道化連か。

 どうやら、魔王ゲルドの一件に、今回のカリュブディスの一件。

 暗躍している奴が居るみたいだな。

 

リムル「点と点が繋がったな。」

トレイニー「なるほど。あの者の名は、ラプラスというのですね。」

紅丸「フットマンね…………。その名、覚えておくとしよう。」

朱菜「ええ。お兄様。」

レイト「その中庸道化連は、協力する体を装って、自分達の手を汚さずに、相手を利用して、目的を達成するのか………。」

リムル「厄介そうな相手だなぁ………。」

 

 リムルがそう言うと、ミリムの方を見る。

 すると、ミリムは反応する。

 

ミリム「むむ………?私は何も知らないのだ。寧ろ、そんな面白そうな奴らが居るなら、是非とも会ってみたかったのだ。」

レイト「そうか………。」

ミリム「もしかすると、ゲルミュッドではなく、クレイマンの奴が、何か企んでいたのかもしれないな。内緒で………。」

リムル「クレイマン?」

レイト「確か、魔王の一人だったか?」

ミリム「そうだぞ。奴は、そういう企みが大好きなのだ。」

 

 どうやら、クレイマンって奴が、黒幕の可能性が高いな。

 すると、フォビオが話しかける。

 

フォビオ「…………誰の企みに乗せられたといえど、今回の一件は、俺の責任だ。魔王カリオン様は関係ない。だから、俺の命一つで許して欲しい。」

 

 そう言って、フォビオは頭を下げる。

 だが、俺たちの答えは決まっている。

 

リムル「…………次からは、もっと用心して、騙されないようにしろよ。」

フォビオ「は?」

レイト「動けるなら、行っていいぞ。」

フォビオ「いや………俺は、許されないだろう。特に、貴方には…………。」

レイト「別に、お前の命は要らない。」

リムル「なあ、ミリム?」

ミリム「うむ!当然なのだ!軽く1発くらい殴ってやろうかと思っていたが、私も大人になったものだなぁ。」

レイト「殴るつもりだったんかい。」

 

 それは、まあ、進歩したな。

 来た時と比べれば。

 

ミリム「全然腹が立っていないから、許してやるぞ。」

リムル「という事だ。気にするなよ。」

ミリム「そうだぞ。…………カリオンもそれで良いだろ?」

レイト「え?」

 

 すると、ミリムが後ろを向きながらそう言ったので、振り返ると、ガタイが良い男がやって来た。

 

フォビオ「カ………カリオン様!」

カリオン「フン。気づいていたのか、ミリム。」

ミリム「当然なのだ。」

 

 どうやら、コイツが魔王カリオンか。

 すると、俺とリムルに話しかける。

 

カリオン「よう。そいつを殺さずに助けてくれた事、礼を言うぜ。」

 

 カリオンはそう言うと、目を細める。

 どうやら、俺とリムルを見極めているのだろう。

 

カリオン「…………お前達が、ゲルミュッドをやった仮面の魔人なんだろ?」

リムル「ああ、その通りだ。」

レイト「何だ?俺たちに仕返しでもしに来たのか?」

 

 それを聞いた火煉達は、身構える。

 カリオンは、少し呆けた表情をしたが、すぐに笑みを浮かべる。

 

カリオン「フッ。いや。立て。」

フォビオ「あ…………はい。」

 

 カリオンの命令に、フォビオは立つ。

 そして、徐にフォビオに近寄ったカリオンは、フォビオを思い切り地面に叩きつける。

 カリオンは、俺たちに声をかける。

 

カリオン「…………悪かったな。」

リムル「え?」

カリオン「部下が暴走しちまった様だ。俺の監督不行き届きって事で、許してやって欲しい。」

レイト「あ、ああ…………。」

カリオン「今回の件、借りにしておく。何かあれば、俺様を頼ってくれて良い。」

リムル「それなら、俺たちの国との不可侵協定を結んでくれると、嬉しいんだが………。」

カリオン「そんな事で良いのか?」

レイト「ああ。」

カリオン「良かろう。魔王の………いや。獣王国ユーラザニア、獅子王(ビーストマスター)カリオンの名にかけて、貴様達に刃を向けぬと誓ってやる。」

リムル「ああ。」

 

 どうやら、何とかなりそうだな。

 すると、カリオンは、フォビオを抱える。

 それも、血だらけの。

 

カリオン「おら、帰んぞ。」

「「一杯血、出てますけど!?」」

カリオン「では、また会おう。リムル、レイト。」

 

 そう言って、カリオンとフォビオ、部下一人が、魔法で、転送された。

 

リムル「さてと、終わったな。」

レイト「俺たちも帰ろう。俺たちの街に!」

一同「はい!」

 

 こうして、カリュブディスとの戦いは、多数のクローンライダーを失ったものの、無事に終わり、獣王国ユーラザニアとの国交を結べそうだった。




今回はここまでです。
長らくお待たせしました。
色んな小説の投稿をしていたら、これがだいぶ遅くやってしまいました。
次回は、ほぼオリジナルといっても、差し支えない内容になる予定です。
何せ、レイトは、イングラシア王国には行きませんから。
その代わり、シズさんが………。
そこから先は、次回を楽しみにしてて下さい。
あと、もしかしたら、神楽坂優樹に関しては、登場はかなり削られると思います。
それでも、出せる限りは出したいですが。
そして、この話では描写されていませんが、レイトは、仮面ライダーダイモンに変身できる様になりました。
魔核を半分にしたのは、今後の流れに関係してきます。

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