転生したらキメラだった件   作:仮面大佐

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第24話 ドワルゴンとの国交樹立

 俺たちは、武装国家ドワルゴンに向かい、英雄王、ガゼル・ドワルゴと会談をする事になった。

 俺たちは場所を移して、話す事に。

 

リムル「ガゼル王にまずは感謝を。」

レイト「ああ。カイジン達の罪を取り消してくれて、ありがとう。」

ガゼル「他の大臣どもを納得させる為には、国外追放とするのが最適だったからな。」

リムル「あ……………最初から許すつもりだったって事か。」

ガゼル「それに、貴様らの様な怪しげな者に、我が国内で自由にさせるのは、面白くないと思ったからだ。」

レイト「まあ、それもそうか。」

 

 確かに、初見からすれば、怪しいと思うのは、無理もないよな。

 片方は喋るスライムで、もう片方は、新種の魔物だしな。

 

ガゼル「とはいえ、カイジンやガルム達を手放すなど、断腸の思いであったわ。」

レイト「ガルムのおかげで、防具類も用意できたし、ドルドやミルドは、建設関係で大いに役立ってくれている。」

リムル「それに、カイジンが俺たちの手の届かない分野を取りまとめてくれているので、どうにかこうにか、集団としてやっていけてるんだ。」

ガゼル「奴らも我が国で燻っておるよりは、自由にその腕を振るえる環境に身を置く方が良かろうて。ベスターはどうした?来ておらぬのか?」

レイト「実は、誘ったんですが…………。」

 

 そう。

 ドワルゴンに向かう前に、ベスターにも声をかけていたのだ。

 たまには息抜きとして、ドワルゴンでゆっくりさせるのもありだと思って。

 だが、ベスターの返答は。

 

ベスター「う〜ん……………。折角ですが、成果を出すまでは、ガゼル王に出す顔を持ち合わせておりません。」

 

 そう答えて、ベスターはテンペストに残ったのだ。

 ベスターが言った事を俺が伝えると。

 

ガゼル「ハハハハッ!ベスターらしいのう。奴もまた、その才を存分に発揮できる場を得たという事か。ハハハハッ!」

 

 ガゼル王は、ベスターの行動に納得していた。

 だが、すぐに笑いを止め、真面目な顔で俺とリムルを見てくる。

 

ガゼル「……………で、リムル、レイトよ。」

リムル「んっ?」

ガゼル「改めて聞きたい事がある。」

レイト「俺たちも、その為に来たしな。」

ガゼル「あの暴風大妖渦(カリュブディス)を倒したという高出力の魔法兵器とは、一体どの様な物なのだ?」

リムル「ん〜………………。」

ガゼル「戦略級魔法をも凌ぐ前代未聞の威力だったそうだが。」

 

 やっぱりか……………。

 魔法兵器じゃなくて、魔王ミリムなんだよな……………。

 まあ、説明する為に来たんだ。

 ちゃんと言わないとな。

 

レイト「あれは……………本当に魔王ミリムの力なんだよ。」

ガゼル「魔王ミリム。」

ドルフ「あの日もそんな冗談を言っておられましたが……………。」

リムル「冗談じゃなくてね……………。」

ドルフ「申し訳ないが、信じられません。あの少女が……………天災(カタストロフ)級の魔王だなんて……………。」

レイト「まあ、気持ちは分かります。」

 

 そうだよな。

 そんな事を言われても、信じられないよな。

 あれでも魔王なんだよな……………。

 すると、ガゼル王は、笑みを浮かべる。

 

ガゼル「フッフッフ…………!法螺にしては、荒唐無稽すぎるな。よかろう。信じるぞ、リムル、レイトよ。」

レイト「あ……………。」

リムル「はぁ……………。」

ガゼル「よいな、ドルフ。」

ドルフ「はっ。しかし……………いつの間にか、最古の魔王と知り合いになるとは…………。リムル殿とレイト殿は、本当に不思議な御方だ。」

紫苑「フフンッ!」

火煉「紫苑。何故、貴方が誇らしげなんですか。」

 

 ドルフの言葉に、紫苑は自慢げにして、火煉は突っ込む。

 すると、朱菜がやって来る。

 朱菜が持ってきたワゴンには、蒸留酒が乗っていた。

 

朱菜「お待たせしました。」

レイト「お。」

ガゼル「それは?」

リムル「ああ。ちょっとした手土産だ。」

 

 リムルが朱菜に合図をすると、四つのグラスに酒を注ぐ。

 それを、ガゼル王の元に運ぶ。

 

朱菜「どうぞ。」

ガゼル「うむ。」

朱菜「ドルフ様も。」

ドルフ「ありがとう。」

 

 ガゼル王とドルフさんは、朱菜からグラスを受け取る。

 ガゼル王は、グラスを見ると、声を出す。

 

ガゼル「これは…………ドルドが作ったのか?」

リムル「その通り。」

ガゼル「うむ。」

 

 俺とリムルも、朱菜から酒を受け取る中、ガゼル王は、グラスをじっと見つめていた。

 

ガゼル「素晴らしいな。この薄さ、細やかな模様。これは、解毒の刻印魔法か。気が利くな。」

レイト「俺たちが毒味しても良いんだけどな。」

ガゼル「フッ。貴様らが毒を盛るなどとは思っておらぬわ。」

 

 そう言ってくれるとは、余程信頼してくれているんだな。

 ガゼル王は、匂いを嗅ぐ。

 

ガゼル「品があるな。」

 

 そう言って、ガゼル王は酒を飲み、ドルフさんも続いて飲む。

 

ガゼル「おお、これは…………!」

ドルフ「あっ……………!」

ガゼル「美味い…………!」

ドルフ「素晴らしい…………!」

リムル「じゃあ、俺たちも。」

レイト「だな。」

 

 俺たちも、酒を飲む。

 これも、かなり美味いよな。

 すると。

 

科学者『告。耐毒抵抗、成功しました。』

レイト『あいよ。』

リムル「成功するなよ!折角のアルコールを消してどうする!」

 

 俺は、科学者の言葉にそう答え、リムルが叫ぶ。

 いきなり叫んだリムルに、俺は肘でつつく。

 

ガゼル「どうした?」

リムル「あっ、いや、何でもない。」

レイト「やれやれ……………。これは、リンゴで作った蒸留酒なんだ。果実を輸入出来る目処が立ったから、この先、量産出来ると思う。」

ガゼル「輸入とは、このドワルゴン以外にも、貴様達と国交を結ぼうという者が現れたのか。ブルムンド王国辺りか?」

リムル「うん。そこもだけど、この果物は獣王…………。」

 

 リムルがそう答えると、ガゼル王とドルフさんが、俺たちに詰め寄る。

 

ガゼル「ユーラザニアか!?」

レイト「そ、そうだ。」

ドルフ「誇り高き獣王が、他国と取り引きを!?」

ガゼル「貴様ら、魔王ミリムだけでなく、魔王カリオンにも懐かれたのか!?」

ドルフ「恐るべき魔王たらし…………!」

 

 おい、言い方!

 俺が心の中でそう突っ込んでいると、リムルが説明をする。

 

リムル「いやいやいや。たまたま魔王カリオンの部下を助けてさ。それが縁で、互いに交易しようって話になったんだ。」

レイト「まあ、まだ使節団の派遣程度の付き合いだがな。」

 

 俺とリムルがそう言う中、ガゼル王が椅子に座り、ドルフさんが言う。

 

ドルフ「だとしても、テンペストの重要性は、一気に跳ね上がる!いずれは、ファルムス王国に代わる貿易の中心地になるかも!」

ガゼル「うむ。確かにな。」

リムル「買い被りすぎだ。」

レイト「スムーズに交易するには、輸送路の整備もしないといけないしな。」

ガゼル「未来の話はともかく、今飲んでいるのは、ファルムスから輸入しているどの酒よりも美味い。成果を期待しているぞ。」

 

 ガゼル王はそう言って、酒を飲む。

 ファルムス王国か……………。

 確か、ヨウムの出身地だったな。

 そう思う中、ヨウムはくしゃみをする。

 

ヨウム「へっくしょん!」

カジル「風邪か?」

ヨウム「ったく。誰かが俺の噂をしてる様だぜ。」

 

 一方、そんな事を露知らずの俺は、ファルムス王国について、ガゼル王に質問をした。

 

レイト「ファルムス王国って、どんな国なんだ?」

ガゼル「まあ、西方諸国でも、1・2を争う大国だな。我が国も、食糧はファルムスや帝国からの輸入に頼っておる。」

 

 ガゼル王はそこまで言うと、身を乗り出して、俺たちに話しかける。

 

ガゼル「…………とはいえ、ここだけの話だが…………。」

リムル「ん?」

 

 俺たちも、身を乗り出してガゼル王の話を聞く。

 ガゼル王が言った事は、俺が抱くある不安を煽るには十分だった。

 

ガゼル「俺はあの国王は好かん。」

リムル「そうなのか?」

レイト「というと?」

ガゼル「あの王は欲深すぎる。だから、是が非でもユーラザニアとの貿易を成功させろ。そして、兄弟子に酒を融通するのだ、弟弟子達よ。」

リムル「ああ……………。兄弟子は今関係ないだろ。」

 

 欲深いか……………。

 なんか、胸騒ぎがするな。

 すると、紫苑がリムルの頭に胸を置きながら言う。

 

紫苑「大丈夫で〜す。」

朱菜「あっ、紫苑…………!」

火煉「いつの間に……………!?」

 

 やっべ!

 今は、かなり不味いだろ!

 俺たちが青ざめる中、紫苑は顔を赤くして言う。

 

紫苑「リムル様とレイト様なら、きっと〜。ユーラザニアとの貿易もババ〜っと素敵に纏めて下さいま〜す!」

リムル「おい!」

レイト「ダメだ、酔っ払ってやがる!」

紫苑「私たちの食卓にも〜当たり前のように美味しい料理が並ぶ様になりました!そこに美味しいお酒が加わるのも、約束されたも当然の話なのです!リムル様とレイト様にお任せを〜!」

「「あっ!」」

「「ああ〜!!」」

 

 紫苑がそう言いながら、再び酒を飲み、ぶっ倒れる。

 リムルはすかさずスライムの状態になり、紫苑を支える。

 

リムル「セーフ…………。」

朱菜「あ……………。」

紫苑「うぃ〜……………。」

リムル「ったく、この娘は本当にもう…………。」

火煉「すいません!お見苦しい所をお見せしました!」

 

 火煉がそう謝る中、ガゼル王とドルフさんは顔を見合わせ、笑う。

 

「「ハハハハッ!」」

レイト「悪いな、リムルの秘書が。」

ガゼル「よいよい。早く部屋に連れて行ってやれ。」

朱菜「失礼します。」

 

 そう言って、リムル、朱菜、紫苑は部屋へと戻る。

 

火煉「レイト様?戻らないんですか?」

レイト「ちょっと、ガゼル王に話があってな。先に戻っててくれ。すぐに戻るから。」

火煉「分かりました。」

 

 そう言って、火煉は先に戻る。

 ガゼル王が、俺に話しかける。

 

ガゼル「どうしたのだ?話とは?」

レイト「……………ファルムス王国に関してです。」

ガゼル「ほう。」

 

 俺はそう言って、椅子に座り直して、ガゼル王と向き合う。

 

ガゼル「ファルムス王国がどうしたのだ?」

レイト「……………ファルムス王国の国王が欲深いとは、どういう感じなんですか?」

ガゼル「文字通りだ。ファルムス王国は、我がドワルゴンや他国との貿易で、莫大な利益を得ているからな。」

レイト「俺たちのテンペストが、ファルムス王国に代わる貿易の中心地になるという事は、ファルムス王国の利益が減ると言う事ですよね?」

ガゼル「そうだな。」

 

 俺の質問に、ガゼル王はそう答える。

 つまりは、あり得るかもしれないのだ。

 

レイト「だとしたら、ファルムス王国が、俺たちのテンペストを潰しにかかる可能性は、高いという事ですよね。」

ガゼル「恐らくな。」

ドルフ「無理もありません。」

レイト「……………やっぱりか。」

 

 そう。

 ファルムス王国からしたら、俺たちは、自分達の利益を奪う余所者という事になる。

 しかも、俺たちの国は、魔物の国。

 そんな国は、潰しても構わないという思想になりそうだ。

 

ガゼル「まあ、気持ちは分からんでもない。」

レイト「…………………。」

ガゼル「……………お前達を見ていると、対照的に思えるな。理念は同じだが。」

レイト「え?」

ガゼル「リムルは今を、貴様はその先を見据えている。ファルムス王国の動向を知ろうとする辺りからな。」

レイト「…………………。」

ガゼル「だが、そんな弱気な態度を見せてはいかん。それでは、国民も付いていっていいのか、不安になる。だからこそ、弱味を見せてはならんのだ。」

レイト「…………………はい。」

ガゼル「まあ、ファルムスがどう動くのかは、まだ分からん。用心した方が良かろう。」

レイト「分かりました。」

 

 そう言って、俺はガゼル王に礼を言って、その場から退出する。

 やはり、ファルムス王国の動向は、気にした方が良いかもしれないな。

 そんな事を気にする中、原稿を再確認する。

 一夜が明け、ドワルゴンとテンペストの二国間友好宣言の日がやって来た。

 俺たちは、テンペストのイメージを持って、ここに立っている。

 しっかりと挨拶をして、好印象を与えないとな。

 紫苑がリムルを持ち上げ、リムルは言う。

 

リムル「初めまして、皆さん!」

 

 そう言うリムルは、裏声だった。

 緊張しているんだな。

 まあ、無理もないか。

 

リムル「ジュラ・テンペスト連邦国、略してテンペストの盟主、リムル=テンペストです!」

レイト「同じく、テンペストの盟主、レイト=テンペストだ。」

 

 俺たちがそう言うと、ゴブタ達から拍手が上がり、周囲も釣られて拍手をする。

 

リムル「あっ、どうも、どうも!」

 

 リムルがそう言って、挨拶をする。

 そして、口を開く。

 

リムル「え〜、私は、魔物と人間の橋渡しとなる様な国家を築きたいと願っております。ここドワルゴンは、まさに魔物と人間の共存共栄がなされており、私の目標です。ガゼル王には、私の理想に賛同していただき、感謝の念に堪えません。これからも、共に助け合える関係を守りたい。それには、皆様の協力が欠かせません。我が国には、私とレイトを始め、沢山の魔物が暮らしています。魔物の国と言っても、差し支えないでしょう。ですが、その心根は、皆様と何ら変わる所は無いのです。出来れば、魔物だからと言って、恐れるのではなく、新たな友として受け入れて欲しい。この言葉が偽らざる本心である事をここに誓い、私の挨拶に代えさせていただきます。」

 

 リムルがそう言い終えると、周囲から拍手と歓声が上がる。

 次は、俺の番だな。

 

レイト「俺からの挨拶を始めます。ここ、ドワルゴンは、リムルが言った通り、魔物と人間が共存している。確かに、魔物と人間の共存が難しい事だというのは、重々承知している。それでも、俺たち魔物と人間が、手を取り合う事が出来ないという事はない!このドワルゴンが、その証明なのだから!魔物と人間の二つの種族が、手を取り合う新時代の架け橋になってみせる!その新時代がどの様になっていくのか、未来はまだ暗闇の中だ。だけど、俺は信じてる!それが不可能では無いと!この言葉が偽りのない本心である事を誓い、挨拶とします。」

 

 俺はそう言って、挨拶をしめる。

 再び拍手と歓声が上がる。

 その後、ガゼル王からは。

 

ガゼル「短すぎる。謙り過ぎる。情に訴えかけ過ぎる。はっきり言って0点だ。レイトの方は、幾分かマシだったがな。」

リムル「うう……………。」

レイト「はい。」

ガゼル「国を治める者が、国民に謙る物ではない。まして、他国の住民に下手に出れば、舐められるだけだ。」

リムル「うう……………。」

レイト「はい。」

ガゼル「こうなったら良いなどと、甘えた統治は厳禁だ。素晴らしい物とは、自然にやって来るのではなく、自ら掴み取りに行く物なのだ。」

「「はい。」」

 

 そんな風に言われた。

 まあ、無理もないか。

 俺たちは、ガゼル王からの忠告を、聞き入れる。

 その後、リムルから夜の蝶に行く事を誘われた。

 あんまりそんな事をしていると、朱菜達から反感を買うだけだぞ。

 仕方なく、リムルのお目付け役として付いていく事にした。

 すると。

 

火煉「あ、レイト様。」

レイト「どうした、火煉?」

 

 火煉達と会った。

 リムルからは、朱菜達には夜の蝶に行く事は黙っておいてくれと言われた。

 すると。

 

火煉「どこへ行くんですか?」

レイト「ん?」

朱菜「実は、ゴブゾウから、リムル様達が夜の蝶という店に行くと聞きまして……………。」

レイト「あ。」

 

 はい、終了。

 ゴブゾウがあっさりバラしたとさ。

 俺は、もうその事が本当である事を明かした。

 どうせバレているのだ。

 隠していても意味は全くない。

 俺は、お目付け役として行く事にしたというのを伝えた。

 それで何とかなった。

 リムル達と合流して、夜の蝶へと入っていく。

 まあ、今は楽園だが、後で地獄になるけどな。

 エルフの胸に挟まれているリムルを見ながら、そう思っていた。

 すると、俺にも話しかけてきた。

 

エルフ「随分とご無沙汰だったじゃない。私たちの事、忘れちゃったのかと思った。」

レイト「まあ、気軽に行けなかったしな。」

 

 俺は、当たり障りのない受け答えをする。

 ここで鼻の下を伸ばすと、確実に地獄を見るからな。

 一方、ゴブタ達の方に、エルフが一人やって来る。

 

エルフ「いらっしゃい、坊や達。スライムさんとキメラさんのお友達ね。大歓迎よ。」

ゴブタ「ぬっ、お……………おお〜!」

エルフ「うふふ…………。」

ゴブタ「おっ、お世話になるっす!」

エルフ「うふっ、何のお世話かしら?」

ゴブタ「好きです。」

エルフ「あら、嬉しいわ。」

 

 ゴブタはそう言って、跪き、手を伸ばす。

 が、エルフの方は、受け流していた。

 

エルフ「お連れさん達はもう出来上がってるわよ。」

レイト「お連れ?ああ……………。」

 

 そう。

 カイジン達が既にいたのだ。

 カイドウが話しかける。

 

カイドウ「リムル殿。今日は俺まで呼んでくれて嬉しいよ。」

リムル「カイドウさんにはお世話になったし、これくらいはさせてくれ。」

カイドウ「やっぱり、レイトの旦那にも言えるが、その姿の方がしっくり来るなぁ。まあ、レイトの旦那は、少し変わったか?」

レイト「まあ、な。」

 

 まあ、カイドウと会った時は、普通のギフテリアンだったのが、今はヘルギフテリアンだしな。

 リムルが話しかける。

 

リムル「人型はお気に召さなかったか?」

カイドウ「いや、そういう訳じゃねぇが…………。どうにも一致しなくてな………。」

レイト「まあ、無理もない。今日は、ゆっくり兄弟で語り合ってくれ。」

カイジン「馬鹿野郎!」

レイト「のわっ!?」

 

 俺がそう言うと、カイジンが叫ぶ。

 

カイジン「こんな場所で野郎と話してどうする?せっかく綺麗な姉ちゃんが居るんだ!俺たちも楽しもうぜ!」

カイドウ「そうだぞ、レイト殿!お姉ちゃん達に失礼ってもんだ!」

 

 似てるな、この二人。

 というより、カイジン達も、下手したら地獄を見るかもしれないんだぞ?

 すると、二人のエルフの声がする。

 

エルフ「ゴブタちゃん、凄〜い!」

エルフ「上手ね〜。」

「「ん?」」

 

 俺たちが振り返ると、ゴブタが椅子か何かを持って、逆立ちしていた。

 何をしているんだ。

 ちなみに、ゴブタは、高価なグラスを足に乗っけられ、エルフの言葉に目や鼻から血を出してぶっ倒れた。

 リムルと俺は、ママに話しかけていた。

 

リムル「ママさん、ちょっと良いかな?」

エルフ「なあに、スライムさん、キメラさん?」

レイト「ちょっと、よかったらこれらを店に置いてくれないかな?」

エルフ「何、これ?」

リムル「うちで作った新商品の酒だ。ガゼル王にも卸すから、あんまり沢山は渡せないんだけど、お得意様限定で出してみてよ。感想が聞きたいから。」

エルフ「あらまあ。でも、良いの?」

レイト「一人一杯のサービスで、いくらまで出せるのか、リサーチして欲しい。」

エルフ「あらあら。二人は強かなのね。スライムさんの方は、昼間カチカチになって、演説してたのが嘘みたいね。」

リムル「えっ!?見てたの!?」

エルフ「しっかりとね。」

リムル「あ……………あれは、まあね、演技だよ、演技!初心っぽく見えただろ?」

エルフ「ウフフッ。そういう事にしておきましょう。」

 

 嘘つけ。

 演技じゃなくて、普通に緊張してただろ?

 すると、ママさんが言う。

 

エルフ「でもね、私は好感を持ったわよ。」

リムル「え?」

エルフ「誠実そうって思えたから。キメラさんもね。やはり、人を惹きつけるのは、誠実さだと思うのよね、私は。その点、スライムさんなら満点だった。キメラさんは、少し誠実さが欲しかったけどね。」

レイト「そっか。」

エルフ「私も見てみたいわ。人間や魔物、エルフ、どんな種族でも垣根なく、皆が笑い合える国を。」

リムル「ありがとさん。」

 

 そう言って貰えるのは、嬉しいな。

 ただ、全ての国が、ドワルゴンやブルムンドみたいな、良い国とはあり得ない。

 ファルムス王国みたいな、不安な要素がある国もあるのだ。

 もし、テンペストが攻められたら、俺は、守り切れるのだろうか?

 そんな不安がありつつも、夜は更けていく。

 俺たちは、宿に帰る事になった。

 

カイドウ「おっとっとっと。おいおい、しっかりしてくれよ、兄貴!いくら何でも飲み過ぎだじょ〜。」

カイジン「お前こそ〜。」

 

 カイジン達ドワーフは、かなり酔っ払っていた。

 ゴブタは、貧血になっていた。

 

レイト「おい、大丈夫か?」

ゴブタ「目が回るっす……………。」

リムル「ったく。良いか、お前達。宿に帰る時、誰にも見つからない様にするんだぞ。今夜見た夢は、俺たちだけの秘密だからな。」

ゴブリン達「はい!」

ゴブタ「はいっす。」

リムル「ほら、行くぞ。」

ゴブリン達「うん。」

朱菜「お手伝いしましょうか?」

リムル「ああ、すみませ…………ああああ!シュッ、シュシュ…………!」

 

 リムル達が移動しようとした瞬間、朱菜が声をかけ、リムルは慌てる。

 朱菜の隣には、火煉も居た。

 地獄が始まるな。

 すると、朱菜を見た科学者が、報告をする。

 

科学者『告。笑顔の裏側に、激しいエネルギーを感じます。』

レイト『だろうな…………。ていうか、カイジン達は逃げたな。』

 

 科学者の報告を聞きつつ、後ろをチラリと見ると、カイジン達が逃げていた。

 

リムル「なっ、ななっ、ななな…………!?」

朱菜「なぜここに、ですか?」

リムル「ハッ!うんうんうんうん!」

火煉「ゴブゾウとレイト様が、全て話してくれたので。」

リムル「なっ!?ゴッ、ゴブゾウ!?レイト!?お前ら、どうして〜!?」

ゴブゾウ「はえ?おら、朱菜様と火煉様にどこに行くか聞かれたで、お答えしただけっす。」

レイト「というより、いずれバレるだろ。」

リムル「何してくれてんだ、お前ら〜!」

 

 そう言われてもな。

 早めにバレた方が、傷は浅いだろ。

 すると。

 

紫苑「酷いです、リムル様。」

リムル「ハッ!?」

 

 路地裏から、紫苑の声が聞こえてきて、紫苑が現れる。

 しかも、剛力丸を背負って。

 

紫苑「置いていくなんて…………あんまりです!」

リムル「いっ、いや、だって、そのえ〜っと…………ふえっ!?」

 

 リムルが言い訳をしようとする中、紫苑は地面を蹴る。

 

紫苑「黙って行くなんて、酷いです!」

リムル「うっ、ぐ…………!」

朱菜「貴方達が、リムル様とレイト様を夜遊びに誘ったのですか?」

 

 朱菜はそう言って、カイジン達に声をかける。

 どうやら、逃げきれなかったみたいだな。

 その後、俺は先に宿に戻った。

 火煉も同伴で。

 そして、火煉からしこたま怒られた。

 こうして、説教される事があったものの、ドワルゴンでの予定を全て終え、帰国の途に就いた。

 ちなみに、リムルは1週間、朝食は紫苑が作った物を食べる羽目になった。

 一方、とある国では。

 

???「あっ、姐さん、来やしたぜ。あれがヨウム。英雄っす。」

 

 その姐さんと呼ばれた人物は、ヨウムを見ていた。

 ヨウムは、その女性と一緒にいた人に話しかける。

 

ヨウム「よう、イサーク。どうした?」

イサーク「姐さんが、ちょっと話があるってんで、聞いてもらえませんかね?」

ヨウム「姐さん?」

 

 イサークという男がそう言い、ヨウムが首を傾げる中、その女性は、フードを取る。

 その女性は、クレイマンと接触していたミュウランだった。

 

ミュウラン「私は、魔法が得意なので、英雄の貴方のお役に立てると思います。聞けば、ヨウム様の元には、魔法使いは少ない様ですし。」

 

 それを聞いたロンメルは、不安げな表情を浮かべるが、ヨウムは答える。

 

ヨウム「……………残念だな。魔法使いは間に合ってる。」

カジル「女が何の役に立つって言うんだ?」

 

 ヨウムがそう答え、カジルがそう毒づくと、ミュウランは眉を顰め、挑発する。

 

ミュウラン「ふ〜ん。なら、本物の魔導師(ウィザード)の恐ろしさを見せてあげる。」

ヨウム「ふ〜ん。」

 

 こうして、ミュウランとヨウムが戦う事になった。

 流石に、街から離れた森に移動して。

 ちなみに、アギトには変身していない。

 ミュウランは移動して、ヨウムはミュウランを追う。

 

ヨウム「おおらっと!?何っ!?ぐっ………!」

 

 すると、ヨウムは地面に開いた穴に嵌る。

 

ミュウラン「地面固定(アースロック)。」

 

 ヨウムが脱出しようとする中、ミュウランが魔法を発動して、ヨウムは動けなくなる。

 

ヨウム「くうっ、動けねぇ!」

カジル「あんな単純な魔法に、あの様な使い方が!?」

ミュウラン「空気遮断(エアシャット)!」

 

 カジル達が驚く中、ミュウランは別の魔法を発動して、その魔法は、ヨウムを取り囲む。

 

ヨウム「待ってろ、てめえ!叩きのめしてやる!」

 

 ヨウムはそう言って、アギトに変身しようとするが、ミュウランが発動した魔法によって、その中は、真空状態になる。

 ヨウムが苦しむ中、ミュウランは言う。

 

ミュウラン「終わりよ。呆れた。まさか、状態異常への対策も取っていないなんて。対魔法戦が全然なってないじゃないの。」

 

 ミュウランは呆れながら言い、魔法を解除する。

 ヨウムは、息を吸って言う。

 

ヨウム「あ〜負けだ、負けだ。よっ。」

 

 ヨウムは、素直に降参して、穴から脱出して、ミュウランに近寄る。

 

ヨウム「あんた、強いな。名前は?」

ミュウラン「………………ミュウラン。」

ヨウム「よろしくな、ミュウラン。」

 

 ヨウムは、笑いながらミュウランに握手を求める。

 ミュウランは、少し戸惑いながらも、手をヨウムの方に向ける。

 二人は、握手をする。

 ミュウランは、何を企んでいるのか。




今回はここまでです。
レイトは、別で説教されました。
そして、いよいよ暗躍していた悪意が、テンペストに牙を向きます。
ちなみに、ファルムス王国側、ファルムス王国の襲撃を受けているテンペストに関しては、描かない予定です。
原作とほぼ同じ上に、そこまで書いていたら、私のメンタルが持たないと思ったからです。
というより、ファルムス王国側の異世界人に関しては、私は本当に嫌いなので。
まあ、田口省吾に殺された異世界人に関しては、まだ情状酌量の余地はあると思いますが。
あと、暗躍するのは、ファルムスとクレイマンだけではありません。
別の悪意もまた、テンペストに迫ります。
ちなみに、ヒナタがレイト達を襲う理由は、原作とは異なります。
厄災の黙示録が、始まる。
この悪意に、レイトは、どうなってしまうのか。
仮面ライダーダイモンに変身するアヅマみたいに、愚かな人類に絶望してしまうのか。
それとも………………。

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