転生したらキメラだった件   作:仮面大佐

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第27話 麗人との対決と絶望

 俺は、仮面ライダーダイモンへと変身して、ヒナタと相対する。

 

ヒナタ「それが貴方の本気?」

レイト「まあな。」

ヒナタ「まあ、例え姿が変わっても、貴方はここで死ぬの。」

レイト「死んでたまるか。」

 

 俺とヒナタはそう言い合い、お互いに身構える。

 そして、お互いに駆け出し、攻撃しあう。

 ただ、俺はヒナタの攻撃が当たる訳にはいかないので、ヒナタの攻撃は、躱したり、受け流したりする。

 お互いの攻防は激しい。

 ヒナタが攻撃しようとする中、俺はトライキメラバイスタンプを2回倒す。

 

オクトパスエッジ!

 

 俺はヒナタの剣を逸らし、カウンターで、左足にタコの足を模したエフェクトと共に蹴りを放ち、蛸足でヒナタを包み込む様に攻撃する。

 無論、反撃に備えて、すぐに離れるが。

 ヒナタにキックが直撃して、ヒナタは少し怯む。

 その周囲は、地面が抉れる。

 

ヒナタ「やるじゃない。でも、これで終わりよ。」

レイト「どうかな。」

 

 すると、ヒナタの剣が、虹色に輝きだす。

 それを見て、俺はトライキメラバイスタンプを、3回倒す。

 

ヒナタ「死になさい!七彩終焉突撃(デッド・エンド・レインボー)!!」

レイト「やられてたまるか!」

 

クロサイエッジ!

 

 ヒナタの虹色の突き攻撃と、右拳にクロサイの頭部を模したエフェクトを纏わせ、パンチ攻撃がぶつかり合う。

 俺とヒナタの攻撃は、拮抗状態にあった。

 

ヒナタ「ハァァァァァ!」

レイト「オラァァァァァ!」

 

 しばらくの拮抗状態の末、俺のクロサイエッジが押し勝ち、ヒナタの剣を吹っ飛ばす。

 ダメージは受けなかった。

 何とかなったか……………?

 一方、火煉達は、イマジン達と応戦していた。

 

火煉「こいつら……………!」

蒼月「早く倒しましょう!」

グルド「ああ!」

 

 火煉達は、テンペストに向かおうとするが、イマジン達がそれを阻止する。

 

イマジン「無駄な事だ。貴様らはここで死ぬのだ!」

火煉「いや!私たちは、テンペストに戻る!」

蒼月「行きますよ!」

グルド「うむ!」

 

 火煉達は、攻撃を更に激しくする。

 火煉は、パンチやキックの際に、赤黒い衝撃波を纏わせ、イマジン達を倒していく。

 蒼月は、蜘蛛の糸を使ったりして、敵を拘束したり、蒼影の様に、敵を切断したりする。

 グルドは、持ち前の怪力を使い、イマジン達を倒していく。

 3人の奮戦により、残ったのは、リーダー格のイマジンのみとなった。

 

イマジン「おのれ……………!」

火煉「あとはお前だけだ!」

蒼月「止めだ!」

グルド「覚悟しろ!」

 

 3人は、変身に用いたバイスタンプを取り出して、起動する。

 

カブト!

スパイダー!

クワガタ!

charge!

 

 3人は、それぞれのバイスタンプをオーインジェクターに押印して、ベルトの両側を押し込む。

 

ベイリングインパクト!

デモンズフィニッシュ!

 

「「「ハァァァァ!!!」」」

イマジン「のわぁぁぁぁ!!」

 

 火煉の足にカブトムシの角の、蒼月の足に蜘蛛の足の、グルドの足にクワガタの顎を模したエネルギーが纏い、トリプルライダーキックを放つ。

 イマジンは、3人のキックを食らい、そのまま爆発する。

 イマジンが殲滅され、3人は変身解除する。

 

火煉「片付いた……………。」

グルド「早くテンペストに戻りましょう!」

蒼月「はい!」

蒼影「待て。」

 

 3人がテンペストに戻ろうとすると、蒼影が現れる。

 

火煉「蒼影!傷だらけじゃない!」

蒼影「俺の事は気にするな。今、テンペストは結界に覆われていて、突破不可能だ。」

蒼月「やはり……………。」

グルド「では、どうすれば…………。」

蒼影「リムル様の事は確認できた。だが、リムル様も足止めを食らっているそうだ。」

火煉「そう…………。レイト様は!?」

蒼影「嵐牙によると、まだ結界の中だ。リムル様達を逃す為に、残ったそうだ。」

 

 それを聞いた火煉は、顔を青ざめる。

 蒼月は、火煉の肩に手を置いて、落ち着かせる。

 

蒼月「まだ死んだ訳じゃない。とにかく、リムル様とレイト様が来るであろう場所に向かいましょう。」

グルド「となると……………研究所などがある洞窟ですな。」

火煉「きっと……………レイト様も…………!」

蒼影「行くぞ。」

 

 火煉達は、洞窟へと向かっていく。

 一方、リムル、シズさん、嵐牙は。

 

リムル「くそ…………!」

シズ「数が多い……………!」

嵐牙「貴様ら!そこを退け!」

 

 リムル達もまた、イマジンと応戦していた。

 

イマジン「お前達はここで死んでもらおう!」

リムル「ふざけんな!こんな所で死んでたまるか!」

シズ「ええ!」

嵐牙「我が主!シズ殿!行きますぞ!」

 

 リムル達は、イマジン達に攻撃を激化させる。

 リムルは、自前の剣と魔法でイマジン達を倒していく。

 シズさんは、格闘戦でイマジンを倒していく。

 途中、ライジングマイティに変身した。

 嵐牙は、黒稲妻で、イマジン達を薙ぎ払う。

 しばらくして、リーダー格のイマジンのみが残る。

 

イマジン「何っ……………!?」

リムル「後はお前だけだ!」

シズ「覚悟して!」

嵐牙「我らに刃向かった事、後悔するが良い!」

 

 シズさんは、ライジングマイティからマイティフォームに戻る。

 ライジングマイティのキックは、周囲に被害を及ぼすからだ。

 シズさんは、強化マイティキックの構えを取り、イマジンに向かって駆け出す。

 

シズ「ハァァァァ!!」

 

 シズさんはジャンプして、宙返りを行い、キックを放つ。

 シズさんのキックは、イマジンに命中して、シズさんは下がる。

 

シズ「後はお願い!」

リムル「ああ!黒炎獄(ヘルフレア)!」

嵐牙「承知!」

 

 リムルは黒炎獄を、嵐牙は黒稲妻を放ち、イマジンは爆散する。

 シズさんは、変身解除する。

 

リムル「片付いたか……………?」

シズ「そうみたい……………。」

嵐牙「早く戻りましょうぞ!」

リムル「そ、そうだな!空間転移で戻るぞ!」

 

 リムル達は、空間転移で戻ろうとするが、転移されない。

 

嵐牙「ん?」

シズ「転移されない……………。」

リムル「どうした?」

 

 リムルは、大賢者に聞く。

 

大賢者『告。転移先の特定が不能です。』

リムル「はっ!?」

大賢者『何らかの結界により、テンペストが外界と隔絶されていると推測されます。』

リムル「マジか……………どこか、テンペストの近くに転移可能な場所はないか?」

大賢者『検索……………ヒットしました。』

リムル「よし!行くぞ!」

 

 それを聞いたリムルは、胸騒ぎがしていた。

 すぐに、近くに転移出来ないかと大賢者に聞く。

 リムル達は、転移する。

 一方、俺とヒナタは。

 

ヒナタ「……………驚いた。まさか、七彩終焉突撃(デッド・エンド・レインボー)を跳ね返すなんてね。」

レイト「言っただろ。俺は死ぬ訳にはいかないんだ。仲間の為にもな。」

ヒナタ「………どうやら、貴方をみくびっていたみたいね。もう七彩終焉突撃(デッド・エンド・レインボー)も効かないか。なら…………星幽束縛術(アストラルバインド)!」

 

 ヒナタはそう叫んで、お札を投げる。

 すると、お札が俺の周囲を取り囲み、俺を動けなくする。

 

レイト「何だこれ…………!?」

科学者『告。魂を覆う星幽体(アストラルボディ)を縛る結界です。』

レイト「どうにか出来ないか!?」

科学者『告。ダイモンの力を使えば、抵抗可能です。』

レイト「分かった!」

 

 マジかよ……………!

 まあ、ダイモンの力を使えば…………!

 俺は力を溜める。

 

レイト「ハァァァァァ…………!ハァァァァ!!」

 

 すると、オクトパス、クロサイ、オオムカデの遺伝子の力によって、結界が破れ、俺はすぐにヒナタに向かって攻撃する。

 ヒナタは、すぐに躱す。

 

ヒナタ「これぐらいでは止まらない?」

レイト「当たり前だ。こんな程度で止まってたまるか……………!」

ヒナタ「そう。精霊召喚!」

 

 そう言って、精霊を召喚して、俺に向かわせる。

 俺は、精霊達に攻撃する。

 

レイト「鬱陶しいな!」

 

 俺が精霊に攻撃する中、ヒナタの方から声が聞こえてきた。

 

ヒナタ「神へ祈りを捧げ奉る。我は望み、精霊の御力を欲する。」

 

 詠唱!?

 という事は、精霊を召喚したのは、詠唱をする際の時間稼ぎか!

 なら、いつまでも精霊の方に構ってられない。

 俺は、トライキメラバイスタンプを4回倒す。

 

オオムカデエッジ!

 

 俺は、オオムカデエッジを発動して、オオムカデを模したエフェクトで精霊に攻撃する。

 精霊は三体倒したが、二体は勝手に消える。

 すると、魔法陣が現れ、上空にまで登っていく。

 これ、ヤバいやつだな。

 俺は即座にトライキメラバイスタンプを一回倒し、バイスタンプのアクティベートノックを押す。

 

マッドリミックス!

 

 リミックス必殺技を発動しようとする中、ヒナタの詠唱は続く。

 

ヒナタ「我が願い、聞き届け給え。」

科学者『告。この攻撃は、物質だけでなく、魂さえも打ち砕きます。』

レイト「マジかよ…………!?」

 

 嘘だろ!?

 頼むぞ……………!

 あのアルティメットリバイスの必殺技を相殺したんだ。

 どうにかなるか……………!?

 すると、詠唱が完了したのか、叫ぶ。

 

ヒナタ「万物よ尽きよ!霊子崩壊(ディスインテグレーション)!!」

レイト「くそっ!!」

 

 ヒナタがそう叫ぶ中、俺もトライキメラバイスタンプを倒す。

 

必殺!カオス!トライキメラチャージ!

 

 ヒナタの魔法が俺に向かってくる中、俺の発動したリミックス必殺技で、オクトパス、クロサイ、オオムカデがその魔法に向かう。

 二つの技はぶつかり合う。

 あの魔法に当たったら、俺が終わる。

 だが、拮抗状態にあるが、見た感じ、いつ大爆発を起こしてもおかしくない!

 どうする、どうすれば……………!?

 そう考える中、科学者が提案してくる。

 

科学者『告。』

レイト「何か思いついたか!?」

科学者『この状況で、助かる方法が一つだけ存在します。』

レイト「早く教えてくれ!」

科学者『それは……………。』

 

 俺は科学者に問う。

 そして、科学者の答えを聞く。

 リスキーだが、やるしかない!

 俺はそう決意して、トライキメラチャージのエネルギーを高めた。

 

レイト「ハァァァァ!!」

ヒナタ「っ!?」

 

 すると、徐々に俺の方が押していく。

 あと少し……………!

 すると、高まりに高まったエネルギーが臨界点を超え、爆発する。

 それに、俺はそれに巻き込まれる。

 ヒナタが堪える中、結界が破壊される。

 強大なエネルギーのぶつかり合いに、結界が耐えきれなくなったのだ。

 しばらくして、爆煙が晴れて、ヒナタが俺が居た場所を見ると、そこには、トライキメラバイスタンプとキメラドライバーのみが転がっていた。

 

ヒナタ「敵は討ったわ。シズ先生。」

 

 ヒナタはそう言って、左目にモノクルを付けて、その場から去っていく。

 それからすぐに、俺は周囲を見渡す。

 

レイト「……………行ったか?」

 

 周囲を見渡すが、ヒナタの姿は確認できない。

 

レイト「ハァァァァ……………。死ぬかと思ったわ……………。」

 

 俺は盛大にため息を吐き、その場に崩折れる。

 どうやって助かったのかというと、あの爆発の直前に、咄嗟に分身体を生み出し、それを身代わりにしたのだ。

 丁度、オクトパスエッジ発動の際に出来た穴があったので、そこに隠れ潜んでいた。

 とはいえ、爆発があったからこそ、隠れる事に成功したのだ。

 もし隠れているのが目撃されてたら、終わってた。

 今回ばかりは、やばかった。

 俺は、キメラドライバーとトライキメラバイスタンプを回収する。

 即座に、テンペストに空間転移で戻ろうとするが、戻れない。

 どういう事かと思っていると。

 

科学者『告。転移先の特定が不能です。』

レイト「何っ!?」

科学者『何らかの結界により、テンペストが外界と隔絶されていると推測されます。』

レイト「マジか……………どこか、テンペストの近くに転移可能な場所はないか?」

科学者『検索……………ヒットしました。』

レイト「よし!行くぞ!」

 

 俺は、そこに転移する。

 そんな中、丘に居る女性は、ある事を呟く。

 

???「どうして、こんな事に…………。」

 

 そんな風に呟く。

 俺が転移すると、そこには、リムル達がいた。

 

リムル「レイト!」

シズ「キメラ君!」

レイト「無事だったんだな。」

火煉「レイト様〜〜〜!!」

レイト「のわっ!?」

 

 すると、火煉が涙を流しながら俺に飛びついてくる。

 

火煉「心配したんです…………!」

レイト「心配かけて悪かった。それで、何が起こっている?ファルムスが攻めてきたのか?」

蒼月「その通りです。」

 

 俺は、蒼月やリムル達から、事情を聞く。

 火煉達は、テンペストの外で特訓をしていたらしい。

 そんな中、火の手がテンペストから上がるのを見て、戻ろうとした。

 だが、イマジンとの妨害に遭って、最初は、桜井侑斗が応戦して、どうにかなったが、しばらく移動すると、別のイマジンの攻撃に遭い、応戦していたそうだ。

 リムルとシズさんの方も、イマジンと応戦していて、ついさっきここに到着したそうだ。

 

レイト(何故、イマジンに桜井侑斗が?)

 

 てっきり、ファルムスの妨害に遭っていたのかと思っていたが、違うのか。

 ファルムス側がイマジンを出したのか?

 いや、恐らく、ヒナタの口ぶりからも、西方聖教会が関わっているのは確か。

 魔物を敵視しているのなら、イマジンと手を組むなんて、あり得ない筈。

 何にせよ、中に入らないとな。

 

ガビル「これが結界!」

蒼月「ガビル君、うるさい。」

 

 ガビルの叫びに、蒼月はそう言う。

 俺はリムルに聞く。

 

レイト「リムル。一度、結界から出たんだ。入り方位は分かるよな?」

リムル「ああ。多重結界を使えば、中に入れる筈だ。」

レイト「分かった。」

リムル「蒼影。大魔法を発動させている奴は、俺達が抑えるから、お前達は、この結界を張っている者を探し出せ。」

レイト「蒼月も頼む。」

蒼影「御意。」

蒼華「はっ。」

蒼月「分かりました。」

リムル「ただし、戦闘行為は禁じる。相手の正体と強さを確認しろ。」

蒼影「それで、連絡はどの様に?」

リムル「あ……………。」

 

 そうか。

 俺達が結界の中に入ると、連絡が取れないか。

 すると、リムルが糸を出し、自分と蒼影の腕に巻き付ける。

 

リムル「これを伝えば、結界があっても思念伝達が出来るんじゃないか?」

蒼影「なるほど。」

レイト「行け!」

蒼影「はっ!」

 

 すると、蒼影、蒼華、蒼月達は、姿を消す。

 リムルは、嵐牙に話しかける。

 

リムル「嵐牙は影に入ってろ。」

嵐牙「はっ!」

レイト「火煉、グルド。行くぞ。」

火煉「はい。」

グルド「承知。」

リムル「ガビルはここで待て。シズさん、行くぞ。」

ガビル「お気をつけて!」

シズ「うん。」

 

 俺たちは、多重結界を使い、中に入り、駆け出していく。

 テンペストの様子は、酷い有様だった。

 

シズ「酷い…………!」

火煉「……………っ!」

グルド「急ぎましょう。」

 

 俺たちは、議事堂がある場所へと急ぐ。

 到着すると、住人が多く集まっていた。

 俺たちに気づいたのか、声を出す。

 

住人「ああっ…………!おお、リムル様とレイト様だ。」

住人「リムル様、レイト様!お戻りに………!」

 

 住人達が話し始める。

 だが、俺達が来ても、暗い雰囲気は拭えなかった。

 まさか……………。

 すると、リグルドが駆け寄ってくる。

 

リグルド「リムル様〜っ!レイト様〜っ!」

 

 そう叫びながら、俺たちの前で土下座をする。

 

リムル「あっ!」

レイト「リグルド!無事だったのか!」

リグルド「は、はい!よくぞ、お戻りになられました!ご無事で何よりです!」

リムル「遅くなってすまん!」

リグルド「とんでもございません!」

火煉「何が起こったの?」

レイト「説明してくれ。」

リグルド「それが…………。」

 

 俺と火煉の言葉に、リグルドは口淀む。

 すると、背後から声をかけられる。

 

カイジン「旦那方、良くぞ無事で。」

リムル「あっ!」

レイト「カイジン!」

 

 後ろには、カイジン、ガルム、ドルド、ミルドの3人がいた。

 だが、俺たちを見るなり、視線を逸らす。

 それを見て、とある予想が的中してしまったと予感した。

 まさか……………!

 すると、リグルドが口を開く。

 

リグルド「リムル様、レイト様!状況の報告と相談がございますので、こちらの対策本部へ………。」

 

 リグルドはそう促すが、俺は見抜いた。

 何かを必死に隠そうとしているのが。

 すると、リムルが何かに気づいたのか、カイジンに声をかける。

 

リムル「カイジン、あれは?」

シズ「まさか…………!?」

カイジン「あっ、いや、その…………。」

リグルド「少し問題が起きただけでして!ハハハ…………。」

火煉「誤魔化さないで。」

グルド「リグルドさん。広場に何があるんですか!?」

リグルド「うっ!?うぅ……………。」

 

 やはりか。

 つまり、広場の先にあるのは、俺の予想通り…………。

 すると、爆発音が起こる。

 

リムル「あっ!」

レイト「紅丸か?」

シズ「何が…………!?」

レイト「行くぞ!」

 

 俺、リムル、シズさん、火煉、グルドは、そちらに向かう。

 一方、紅丸とゲルドは、とある路地に居た。

 その視線の先には、グルーシスが居て、グルーシスの背後には、ミュウランとヨウムが居た。

 グルーシスは、剣を構える。

 まるで、ミュウランを庇うつもりで。

 それを見た紅丸は。

 

紅丸「貴様もその女を庇うのか?悪いが、今の俺に余裕はない。さっさとそこを退け!」

グルーシス「へへっ。それは出来ん。冷静さを欠いた今のお前に、この女を渡すわけにはいかねえよ。」

 

 それを聞いた紅丸は、体から炎を出す。

 

紅丸「ほう。俺が冷静ではないだと?冷静じゃなかったなら、既にお前達は消し炭にしているさ。良いから大人しく…………!」

グルーシス「悪いな。どうあっても俺は、この女を守る!」

紅丸「大人しくしろって言っているんだ!」

 

 グルーシスは、獣身化を発動して、紅丸に向かうが、紅丸はそう叫びながら衝撃波を放ち、グルーシスは吹っ飛ぶ。

 

グルーシス「ぐあっ……………!」

紅丸「ぬおおおお!」

 

 グルーシスが吹っ飛ぶ中、紅丸はグルーシスを掴み、地面に叩きつける。

 グルーシスは、地面を転がる。

 

グルーシス「くっ…………!だが、俺はまだ…………!」

紅丸「チッ。これ以上抵抗するなら、本当に…………!」

 

 紅丸がそう言いながら、グルーシスを掴む。

 そこに、俺たちが入る。

 

リムル「やめろ、紅丸!」

レイト「紅丸!やめるんだ!」

 

 俺達がそう叫ぶと、紅丸はグルーシスを地面に捨てて、俺たちの方を向く。

 

紅丸「リムル様、レイト様。」

 

 そう言って、跪く。

 ゲルド達も含めてだ。

 俺とリムルは、紅丸に聞く。

 

リムル「説明してくれ。」

レイト「一体、どういう状況だ?」

紅丸「この結界です。魔法が使用できなくなり、俺たちの力の減少も生じました。そのせいで、街の者にも犠牲が……………!」

リグルド「べっ、紅丸殿!!」

紅丸「あっ…………!その話はまた後で………!」

リムル「ん?」

リグルド「ううっ……………!」

 

 やはりか。

 火煉達も、顔を青ざめる。

 シズさんもまた、顔を青ざめていた。

 この状況が、空襲の時の街の様子と似てしまっているからだろう。

 燃える街。

 そして、犠牲者。

 リグルド達は、俺たちの事を思って、秘密にしようとしていたのだろう。

 そんな中、紅丸が言う。

 

紅丸「その時、俺達が弱体化した原因が、その女の使った魔法にあると。」

 

 そう言って、紅丸は後ろの女性を見る。

 それを聞いた火煉は、カブトバイスタンプを取り出すが、俺はすぐに仕舞わせた。

 次は、ゲルドが口を開く。

 

ゲルド「術者を見つけ、捕らえようとした所、ヨウムが邪魔をしましたので、やむなく戦闘となってしまいました。」

レイト「なるほどな……………。」

 

 そう言う事か。

 ヨウムやグルーシスが庇っているのは、どういう事だ?

 すると、ヨウムが口を開き、土下座をする。

 

ヨウム「リムルの旦那にレイト旦那。すまねぇ…………!」

レイト「ん?」

ヨウム「アンタ達を裏切る気なんざ、これっぽっちもないんだ!ただ、このミュウランを助けてやりたいだけなんだ!」

リムル「ミュウラン……………。」

 

 ミュウランね……………。

 すると、当のミュウランがヨウムに言う。

 

ミュウラン「良いから、私を見捨てなさい。」

ヨウム「そんな事……………言うな。」

ミュウラン「貴方まで巻き添えになる必要なんてないわ。」

ヨウム「言うなって言ってんだろ!あっ。」

 

 ミュウランとヨウムがそう話す中、グルーシスがヨウムの隣に立つ。

 

グルーシス「リムル…………様、レイト…………様。客人である俺が口出し出来ぬは、百も承知。ですが、それでも、話だけでも聞いてはもらえませんか?」

 

 グルーシスがそう言って、土下座をする。

 状況を整理する必要があるな。

 

リムル「ああ。」

レイト「良いだろう。」

 

 俺とリムルがそう言って、ミュウランの方へと足を進める。

 すると、ミュウランが口を開く。

 

ミュウラン「いいえ。ヨウム、グルーシス………私は、貴方達に庇われる資格なんてないの。」

ヨウム「ミュウラン…………!」

ミュウラン「私のせいで、この街にどれだけの犠牲が出た事か。あの惨状を生み出したのは、私なのよ。」

リムル「惨状…………?」

レイト「………………。」

 

 ミュウランのせいで?

 どういう事だ?

 とはいえ、犠牲が出たのは間違いないな。

 

リムル「どういう意味だ?」

 

 リムルがそう問うと、ミュウランは立ち上がり、俺たちの横に立つと、呟く。

 

ミュウラン「見てもらえれば分かります。」

 

 そう言って、広場の方に向かう。

 俺たちも、ミュウランの後を追う。

 広場に近くなるにつれ、血が増えていく。

 そして、負傷した住人達も、その住人達の啜り泣きもまた。

 俺達が駆け出すと、そこには、予想通りの光景が広がっていた。

 倒れていたのは、テンペストの住人達であるのには、間違いない。

 だが、ピクリとも動かない。

 つまり、死んでいるのだ。

 俺たちは、それを見て、呆然としていた。

 予想通りとはいえ、ショックが大きすぎる。

 リムルが呟く。

 

リムル「どういう事だ…………。一体、何が…………これ、全員……………死んでいるのか?」

 

 リムルが呟く中、レグルドが答える。

 

レグルド「人間達が容赦なく…………。」

リムル「人間達……………。」

レイト「ファルムスか……………。」

レグルド「我々は、リムル様とレイト様の申し付け通り、人間達を受け入れておりました。その結果…………。」

リグルド「黙れ。……………黙れ。」

レグルド「あっ……………!も…………申し訳ありません……………。」

 

 リグルドとレグルドが話す中、俺の心は、後悔に満ちていた。

 

レイト(俺たちの言葉……………俺たちの言葉が……………。)

 

 そう思う中、ある光景が蘇る。

 それは、ゴブリン達と牙狼族が仲間になり、ルールを話していた時だ。

 

リムル『知っての通り俺たちは大所帯になった。そこでレイトと話し合いで、なるべくトラブルを避けるためルールを決めた。』

『ルール?』

レイト『ああ。そのルールは3つ。一つ、人間を襲わない事。二つ、仲間内で争わない事。三つ、進化して強くなったからと言って他種族を見下さない事。これらを最低限守って欲しい。』

 

 そう命じたのだ。

 つまり、この惨状を生んだのは、俺たちの命令が原因なのだ。

 俺たちの言葉が、広場に倒れている者達を殺してしまったのか……………。

 すると、ミュウランが口を開く。

 

ミュウラン「私が大魔法を使用しなければ、こんな事にはならなかったでしょう。」

 

 そう言ったミュウランに、俺たちは視線を向ける。

 コノ女ノセイデ……………!

 俺の心の中は、ミュウランへの殺意や憎悪で満ちていた。

 殺スベキダナ。

 そう思いながら、手をきつく握ると、誰かが俺の手を握る。

 後ろを向くと、シズさんが居た。

 

リムル「シズさん……………。」

レイト「何すんだよ。この女が…………!」

シズ「2人ともやめて!その人が原因じゃないから!」

 

 何言ってんだよ。

 現にこの女は、『大魔法を使用しなければ、こんな事には』って言ったのに。

 すると。

 

科学者『告。大魔法、魔法不能領域(アンチマジックエリア)の影響だけでは、弱体化は起きません。原因というならば、個体名、蒼影達に調べさせている人間達の方が、より因果関係は上だと推定します。』

 

 科学者はそう言う。

 それを聞き、シズさんの言葉を聞いた事で、冷静になった。

 そうだ。

 ファルムスどもの方が、何かをした可能性が高い。

 このミュウランは、わざと俺たちを怒らせて、自分だけが殺されようとしているのか。

 ヨウムとグルーシスを守るために。

 俺たちは深呼吸をして、落ち着かせ、ミュウランに話しかける。

 

レイト「……………ミュウランだったな。詳しく話を聞きたい。会議室に来てもらおう。」

ミョルマイル「リムル様、レイト様。」

 

 俺がそう言う中、ミョルマイルが現れる。

 

レイト「ミョルマイル。」

ミョルマイル「よろしければ、わしも会議に参加させてもらえませんか?今回の件について、外の者の視点でお話しできるかと。」

リムル「来てたのか…………ああ、助かるよ、ミョルマイル。」

 

 そうして、俺たちは会議室に向かい、報告を受ける。

 謎の襲撃者にファルムスの騎士達が攻撃してきたそうだ。

 やはり、ファルムスが関与していたか。

 報告を聞いていると、紅丸が悔しそうに言う。

 

紅丸「弱体化が無ければ、白老が負ける事は無かったんだ…………!」

レイト「白老が負けた!?」

 

 マジかよ。

 弱体化も込みであるとはいえ、白老が負けるなんて……………。

 すると、リグルドが咳払いをする。

 

リグルド「重傷ですが、命に別状はありません。同じく重傷のゴブタと共に、朱菜様が治療に当たっております。」

リムル「そうか…………。」

リグルド「ファルムスの騎士達は、去り際に…………!」

 

 リグルドは、苛立ちを込めて言う。

 リーダーと思しきフォルゲンという人物曰く。

 

フォルゲン「この街は、魔物に汚染されておる!我らは人類の方を守る者として、魔物の国など、断じて認めぬ!故に、西方聖教会とも協議し、この国への対応を考えるものなり!時は今日より1週間の後!指揮官は、英傑の誉れ高いエドマリス王、その人である!降伏して、恭順の意を示すならばよし!さもなくば…………神の名の下に、貴様達を根絶やしにしてくれようぞ!」

 

 そう言って、去っていったそうだ。

 何が恭順だ。

 どうせ、恭順した場合は、奴隷として扱うだけだろうが。

 前世の日本の歴史の授業でも、大体そういう物だろうしな。

 

リムル「茶番だな。」

レイト「下らないな。」

リグルド「ええ。仰る通りだと。」

 

 俺とリムルの言葉に、リグルドはそう言う。

 すると、ヒナタの言葉が蘇る。

 

ヒナタ『君たちの街がね、邪魔なのよ。だから潰す事にしたの。』

 

 ヒナタはそう言った。

 となると……………。

 

リムル「最初から、西方聖教会とファルムス王国はグルだな。」

レイト「となると……………リムル達を襲ったイマジン達は、違う目的で、リムル達の邪魔をしたという事か。」

リムル「恐らくな。まあ、イマジン達の目的は知らないが、教会が俺たちを目の敵にする理由は、魔物の存在を認めないという教義による物なのだろう。だとすれば、ファルムス王国は何だ?」

レイト「その答えは、大体分かってる。だが、それに関しては、ミョルマイルとコビーから話してもらおう。」

 

 そう言って、ミョルマイルとコビーに話しかける。

 2人は商人なので、諸外国の事情にも詳しい筈だ。

 まあ、俺からしたら、大体理由は分かるけどな。

 気になるのは、イマジン達の行動の理由だ。

 西方聖教会とファルムス王国と繋がっていないのは確定だが、何の為に?

 そう考える中、ミョルマイルが口を開く。

 

ミョルマイル「そうですな。現在、この街、テンペストを中心に、新たな交易路が生まれ、流通に大きな改革が起き始めております。」

リムル「それで?」

ミョルマイル「交易路は重要です。関税を掛けるだけでも、かなりの収益が見込まれますからな。」

コビー「ファルムス王国は、西側諸国の玄関口と呼ばれる程に、交易で潤っている国なのですよ。」

レイト「要は、テンペストが繁栄すると、ファルムス王国にとっては、損失となるという事だな。」

コビー「はい。」

ミョルマイル「それも、とても大きな。」

リムル「なるほどな。俺たちは、知らず知らずのうちに、虎の尾を踏んだのか。」

 

 まあ、そうなるな。

 だからこそ、西方聖教会と協力して、叩き潰そうとする位には。

 俺の予想通りの流れだな。

 想定外なのは、ファルムス王国が動くのが早い事と、イマジン達の介入だな。

 すると、リムルはミョルマイルに話しかける。

 

リムル「ミョルマイル君。」

ミョルマイル「はい。」

リムル「テンペストの現状、そして、ファルムス王国から大軍が向かっているこの事態を、一刻も早く、ブルムンド王国に伝えてくれるか?」

ミョルマイル「勿論です。テンペストの正当性を訴えましょう。」

レイト「頼む。」

ミョルマイル「あ〜では、早速、支度を。」

 

 そう言って、ミョルマイルは去っていく。

 俺は、ミュウランに話しかける。

 

レイト「さて、ミュウランだったな。どういう経緯で俺たちにちょっかいを出す事になったのか、説明してもらおうか。」

 

 俺がそう言うと、ミュウランはまっすぐ見てくる。

 

ヨウム「ミュウラン……………。」

ミュウラン「良いのよ。何も隠す事はないわ。」

 

 ヨウムがそう言う中、ミュウランはそう答え、俺たちを見てくる。

 

ミュウラン「私はミュウラン。魔王クレイマンの配下です。」

コビー達「ええっ!?」

カイジン達「ああっ…………!」

リグルド「魔王だと…………!?」

リムル「そうか……………。」

レイト「どうやら、魔王クレイマンが、糸を引いているという事だな。」

 

 魔王クレイマン……………。

 ミリムが度々口にした名前だな。

 一方、当のクレイマンは、自分の城で、窓際に立ち、月を眺めながら、ワインを飲んでいた。

 そして、ほくそ笑む。

 まるで、計画通りに行っていることに。




今回はここまでです。
書いていて、凄く辛いです。
ただ、次回が、今回よりも更に辛くなりますね。
そして、リムルやレイトの心境には、後悔の色が立ち込める。
次回、リムルの悪魔が顕現する。
ここ最近、転スラとジオウを書こうかなと思いました。
活動報告にリクエスト欄を入れたので、気が向いたら、リクエストして下さい。
いよいよ、ジュウガドライバーのセットに、デストリームドライバーのセットが届くので、楽しみです。
何とか、次回の話は、その二つで遊びながら、執筆していこうと思います。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
この小説で、リムルがジオウになるという案がありますが、それは良いですね。
いよいよ、ファルムス王国との戦い、魔王への進化が近づいてきました。
これからも応援の程、よろしくお願いします。

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