転生したらキメラだった件   作:仮面大佐

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第36話 魔人達の策謀

 俺たちが会議をしようとする中、神聖法皇国ルベリオスの霊峰にある大聖堂では、男がラプラスを睥睨していた。

 ただ、人間ではなく、吸血鬼族(ヴァンパイア)だった。

 それも、祭服に身を包んでいた。

 

???「唯一神ルミナス様の御前を汚す事は、断じて許さん!」

ラプラス「やばっ……………!」

???「消し飛べぃ!」

 

 その男が右手に赤いオーラを纏わせるのを見て、ラプラスは逃げる事に。

 だが、逃げる事は叶わずに、その男の攻撃を喰らい、色んな場所が切断される。

 

ラプラス「こら…………あかん。」

 

 ラプラスはそう呟く。

 西方聖教会。

 その発端は、ルミナス信仰の国内布教を目的として、神聖法皇国ルベリオスの下に作られた組織だ。

 現在、聖騎士団団長の坂口日向(ヒナタ・サカグチ)の統率の元、もはやルベリオスの下部組織とは言えないほどの影響力を得たが、ただ1人、神ルミナスの代弁者であるルベリオスの法皇の言葉には、耳を貸すという。

 イングラシアの自由学園。

 そこの給湯室では、1人の女性がお茶を出す準備をしていた。

 すると、窓から切り刻まれた筈のラプラスが入ってくる。

 

ラプラス「いや〜………………マジで死んだかと思ったわ……………。」

 

 ラプラスはそう呟きながら、中に入る。

 すると、女性と目が合い、口を開く。

 

ラプラス「ん?……………誰や、あんた?(なんやエライ別嬪さんやけど、なーんか懐かしいような………………。)」

 

 ラプラスは、その女性に声をかけながらそう思う。

 すると、女性がため息を吐きながら言う。

 

???「……………バカが。」

ラプラス(え?今、バカ言われた?)

???「こちらへどうぞ。主がお待ちです。」

 

 女性の言葉にラプラスが戸惑う中、女性はそう言って、ラプラスを案内する。

 案内される中、ラプラスは女性に聞く。

 

ラプラス「なぁ、あんた。主が待ってる言うてたけど、ワイが誰だか知っとんのか?」

???「……………中庸道化連のラプラス殿でしょう?主より伺っていますので。」

ラプラス「………………そか。」

 

 ラプラスの質問に、女性はそう答え、ラプラスは納得する。

 すると、部屋の主が口を開く。

 

???「やあ、ラプラス。大変だったみたいだね。それで、西方聖教会の正体は、何か掴めたのかい?」

ラプラス「いやあ、それがなんと……………警備が厳重すぎて無理やったわ!」

 

 部屋の主の質問に、ラプラスはそう言う。

 それを聞いた部屋の主は、漫画(・・)を読みながら、ラプラスに聞く。

 

???「ふ〜ん……………それで?ヒントくらいは掴んだんだろ?」

ラプラス「なんや……………苦労して手に入れた情報やから、高く売りつけたろ思たのに。」

???「あはは。君は嘘つきだからね。」

ラプラス「酷いお人やなぁ。ホンマ同情してしまうで。知らずにあんさんの計画に巻き込まれとるあのスライムとキメラには。さすが……………自由組合総帥(グランドマスター)の顔とひん曲がった野望を同居させてる変人……………神楽坂優樹(ユウキ・カグラザカ)殿や。」

 

 そう。

 部屋の主は、レイトたちが出会った日本人の1人、神楽坂優樹だった。

 中庸道化連と繋がっていたのだ。

 そんな中、ラプラスに変人呼ばわりされたユウキは、口を開く。

 

ユウキ「お褒めに与り光栄だけど、依頼料の引き上げは無しだぜ?」

ラプラス「……………本当、敵わんわ。」

ユウキ「まあ、そう言うなって。約束の報酬はもう、準備できてるからさ。」

ラプラス「え!?ほな…………っ!?」

ユウキ「ああ。僕の中にいた君たちの会長の魂は、無事、人造人間(ホムンクルス)に定着したよ。」

 

 ユウキはそう言って、ラプラスは頭を掻くが、次の言葉にラプラスは歓喜する。

 ラプラスは、ユウキに話しかける。

 

ラプラス「(会長が…………遂に…………!)どこや!?早く会わせてーな!!」

ユウキ「落ち着けよ。さっきから、そこに居るって。」

ラプラス「は?えっ?」

 

 ラプラスがそう言うと、ユウキはラプラスの後ろを指差す。

 そこに居たのは、先ほどの女性だった。

 

ラプラス「まさか……………この別嬪さんが?」

 

 そう。

 その女性こそが、ガザリームなのだ。

 しばらくすると、ラプラスの笑い声が響く。

 

ラプラス「ぶわははははっ!!なんですのん、その格好?趣味を変えはったんですか!?似合ってる言うたらおかしいけど……………前とイメージが全然違いますやん!?」

カガリ「うるさいぞ、ラプラス。それが二百年ぶりに対面したこの俺…………魔王カザリームに対する態度か。十年もかけて、ようやく肉体を手に入れたんだ。多少の不便は我慢するさ。」

ラプラス「いやいや………道理で、懐かしい感じがすると思ったんや。」

 

 ラプラスが爆笑する中、カザリーム改め、カガリはそう言う。

 ラプラスがそう言う中、足を揃えて言う。

 

ラプラス「お帰りなさい、カザリーム会長。中庸道化連一同、待っとったでぇ。ワイもフットマンもティアも……………クレイマンもな。」

 

 ラプラスは、爆笑していた態度から改め、そう言う。

 そんな中、ユウキが水を差すように言う。

 

ユウキ「感動の再会に水を差す様で悪いんだけどさ、魔王カザリームの完全復活とは、まだ行かないんだよね。」

カガリ「まぁな。正直な所、全盛期の力には遠く及ばない。レオン・クロムウェル…………忌々しい野郎だ。」

 

 ユウキがそう言うと、カガリは悔しそうに手を握りしめる。

 それを見たラプラスは、声をかける。

 

ラプラス「まぁまぁ、やられちゃったんは、二百年前の話やん?今は呪術王(カースロード)カザリームの大復活を喜ぼうやないの。」

カガリ「その程度の年月で薄れる屈辱ではないがな。……………だが、ボスに出会えたのは、紛れもない幸運だった。」

 

 ラプラスがそう言うと、カガリはそう言う。

 三人は椅子に座って、シュークリームを食べ、お茶を飲みながら話をする。

 

カガリ「……………10年前、俺の魂は本当に消滅寸前だったからな。肉体を失って消耗していたんだ。ボスに憑依出来なければ、確実に死んでいたわ。」

ラプラス「ボス……………。」

ユウキ「新しい体の性能に文句を言うのは勘弁してくれよ。結構高くついたんだぜ?」

カガリ「分かってるよ。魔導王朝サリオンの特注品だろ?脆弱だし、俺の趣味に合う外見ではないが、自分で動かせる物質体(マテリアル・ボディ)があるのと無いのと大違いだ。」

 

 カガリはそう言う中、ユウキはそう言って、カガリはそう返す。

 すると、ラプラスが震えだす。

 

ラプラス「…………フフッ。フフフッ…………!ブッ……………!ブフッ!ブハハハハっ!!」

カガリ「おい、いつまで笑ってんだ!ラプラスお前!」

ラプラス「いやいや!口調との違和感がきつすぎて、笑えますよってに!」

カガリ「……………分かったわよ。力が戻りきらない今は、秘書のフリも続けないといけないのだし、当分はそれらしく喋るとするわ。」

ラプラス「ブハハハハッ!!」

カガリ「ツボってんじゃねぇ。」

 

 ラプラスが笑い出した事に、カガリは青筋を浮かべながらそう言って、ラプラスは引き続き笑い続ける。

 それを見ていたユウキは。

 

ユウキ「……………ところで、そろそろ本題に入らせてもらって良いかな?西方聖教会。なんか掴めたんだろ?」

ラプラス「……………せやな。会長がボスと言うのなら、あんさんはワイにとってもボスや。駆け引きは無しで語らしてもらいまっさ。」

 

 ユウキの質問に、ラプラスはそう言いながら答える。

 

ラプラス「西方聖教会本部には、怪しい物は何もなかった。そりゃ、参拝者なんかも来るんや。分かりやすくヤバいもんが置いとるわきゃない。そんでわいは、霊峰の頂上を目指す事にしたんや。法皇しか入れん奥の院なら、何かおるかも思てな。そしたら…………なんや偉そうな吸血鬼のおっさんが、赤い光線ぶっ放してきて、わい、バラバラにされてしもてん。あれはやばいで。マジで死んだかと思った。」

ユウキ「いやいや、何で君、生きてるの?」

カガリ「こいつは殺しても死なないだろうからね。」

 

 ラプラスの言葉に、ユウキは呆れとも驚きとも言える表情を浮かべながら言うと、カガリがそう言う。

 そんな中、ラプラスが言葉を続ける。

 

ラプラス「問題はその正体や。神聖なはずのあの場所に、なんで吸血鬼族(ヴァンパイア)がおったのか。しかも奴は、教会の祭服みたいなんを着とった。つまり、教会に属しとるっちゅー事や。」

ユウキ「ルミナス教のお偉いさんが魔人…………それも、上位種族の吸血鬼族(ヴァンパイア)か。」

 

 ラプラスとユウキは、そう話す。

 すると、心当たりがあるのか、カガリが口を開く。

 

カガリ「……………魔人、どころでは無いかもな。」

ユウキ「心当たりがあるのかい?カザリーム。」

カガリ「赤い光線を放ってきたと言ったな。」

ラプラス「せや。」

カガリ「それは、血を魔粒子化させて放出する血刃閃紅波(ブラッドレイ)という技だ。」

ラプラス「知っとるんか、会長!?」

カガリ「魔王ヴァレンタイン。”鮮血の覇王”の二つ名で呼ばれる、奴の得意技だ。」

 

 ユウキの質問に、カガリはそう答える。

 ラプラスに攻撃した男の正体は、魔王の1人、ヴァレンタインという人物だったのだ。

 それを聞いたラプラスは驚く。

 

ラプラス「魔王!?マジでか!?」

カガリ「逃げて正解よ、ラプラス。奴は全盛期の俺と互角だった男だからな。」

ラプラス「ひょええええ……………!」

カガリ「昔、奴とは何度か殺り合った。その度に、周辺の里や集落なんかが巻き込まれてな。それで話し合い……………多数決で決着をつける風習が生まれたんだよ。」

ユウキ「もしかして、それが魔王達の宴(ワルプルギス)?」

カガリ「ええ。三名の票で発議というのは、魔王が七柱(ななにん)だった頃の名残でもあるのよ。」

ラプラス「会長!口調が無茶苦茶でっせ!」

カガリ「黙りなさい、このクソ野郎。」

 

 ラプラスが驚く中、カガリは、魔王達の宴(ワルプルギス)ができた理由を語る。

 ラプラスがカガリを揶揄う中、ユウキが口を開く。

 

ユウキ「……………じゃあ、そいつが魔王ヴァレンタインなのは事実として、何で奥の院(そんな所)に居たんだろうね。一番あり得そうなのは、法皇の正体が魔王だった…………とかかな。」

カガリ「あの男、ヴァレンタインは、人間や亜人を餌としか見ていない。そんな男が人類の守護者を名乗っているのだとしたら……………何かがあるのでしょうね。」

ラプラス「ん〜…………せやけど、どうやってヒナタの目を誤魔化しとるんや?法皇が魔王なんて知ったら、あの魔物絶対許さへん女が黙ってる筈無いやん?」

ユウキ「だから、”何か”があるんだろ?どうあれ、この情報は使えるね。お手柄だよ、ラプラス。」

 

 ユウキ、カガリ、ラプラスの三人は、疑問を出し合うが、答えも出ずに、ユウキはラプラスを褒める。

 ラプラスは、ユウキに質問する。

 

ラプラス「ワイの報告はこれで終わりやけど、クレイマンの奴は、うまい事覚醒できたんでっか?ファルムス王国になんやさせる言うてましたやん?」

ユウキ「ああ、それね。ほら、あの国って、異世界人を大量に抱え込んでるじゃん?そろそろ力を削いでおこうと思って、魔物の国(テンペスト)の特産品の情報を流したんだよ。強欲な王なら、必ず仕掛けるだろうと思ってさ。」

ラプラス「……………結果は?」

 

 ラプラスの質問に、ユウキはそう答える。

 再びの質問に、ユウキは肩をすくめながら答えた。

 

ユウキ「スライムとキメラの二匹相手に、まさかの全滅。ちょっと力を削ぐつもりが、ほとんど削げちゃった。」

ラプラス「は……………はあ!?ファルムスの連中は、そないに魔国(テンペスト)を舐めとったんか!?」

ユウキ「いや、そんな事ないよ。四万の軍勢でもって、ノリノリで侵攻したみたいだし。いや本当、あの人たち何なんだろうね。僕としては、たった2人で軍勢を滅ぼした事より、ヒナタと戦って生き延びた事が驚き…………って言いたいけど、ヒナタと戦ったのはレイトさんで、彼は仮面ライダーだしね。無理もないか。」

 

 ユウキが肩をすくめながら言った事にラプラスは驚くが、ユウキはある種の納得と驚愕を含んだ言葉で言う。

 そんな中、ラプラスが聞く。

 

ラプラス「あ、ほな、人間の魂は集まったんちゃうんか?」

カガリ「いや、魂は一つたりとも残留していなかった。どうやら、先を越されたらしいわ。」

ユウキ「というわけで、クレイマンの覚醒に必要な魂の回収は失敗。」

カガリ「獣王国(ユーラザニア)の方も、魔王ミリムの暴走で住民が事前に退避したせいで、魂の回収は出来なかったものね。」

ラプラス「あらら。(ワイもてんやわんやしとったけど、アイツも大変やったんやな。あとで慰めに行ったろ。)」

カガリ「私の好物で遊ぶな。」

 

 ラプラスがそう聞くと、カガリとユウキはそう答える。

 それを聞いたラプラスは、シュークリームでジャグリングをしながらそう思い、カガリに咎められる。

 そんな中、ユウキが口を開く。

 

ユウキ「まあでも、結果的にファルムスが負けてくれて、好都合かな。」

ラプラス「どういう事でっか?」

カガリ「四万もの軍勢をたった2人で屠った魔人達だぞ?御大層な教義を掲げている西方聖教会が野放しにする訳には行かないだろう。」

ユウキ「そして、それほどの魔人を2人も相手にするのなら、ヒナタが出ない訳にはいかない。」

 

 ユウキの呟きに、ラプラスが首を傾げると、カガリとユウキが答える。

 それを聞いたラプラスは、シュークリームを食べながら言う。

 

ラプラス「なるほど。西側諸国を掌握する上で、最も邪魔なんはルミナス教。西方聖教会の目を引き付けてくれる魔物の国の存在は……………。」

ユウキ「そう。むしろ都合が良いって事。想定外な事は起こったけど、僕らの計画自体は狂っていない。ただ……………。」

カガリ「1番の想定外は、貴様の報告だよ、ラプラス。」

ラプラス「ひょ?」

 

 ラプラスの言葉に、ユウキは頷く。

 そんな中、カガリがそう言って、ラプラスは反応する。

 

ユウキ「西方聖教会をもっと調査したい所だけど…………魔王ヴァレンタインが居るとなると、迂闊な事は出来ない。もう一度潜入してもらうつもりだったのに………………。」

ラプラス(なんや、ワイが悪いみたいになっとる………。理不尽……………。)

 

 ユウキの言葉に、ラプラスは傷つく。

 だが、すぐに妙案を思いつき、口にする。

 

ラプラス「……………まあ、魔王を誘き出すだけやったら、何とかなるんちゃいます?クレイマン、魔王ミリム、魔王フレイ。魔王達は三人の連名で色々出来るんやろ?開けばええやん。魔王達の宴(ワルプルギス)を。」

 

 ラプラスはそう提案する。

 それを聞いたユウキとカガリは、顔を見合わせて、カガリが口を開く。

 

カガリ「……………ラプラスにしては、冴えてるじゃない。」

ラプラス「せやろ?(さて……………どう動くんかな、あのぷにぷにとキメラは。)」

 

 カガリの言葉にそう返しながら、そう思う。

 道化達は、暗躍を続ける。

 一方、テンペストの牢では、エドマリス王が目を覚ます。

 エドマリス王は、右腕を拘束されていた。

 

エドマリス(ここ………は…………余は一体…………?)

 

 エドマリス王がそう思っていると、紫苑が声をかける。

 

紫苑「目が覚めましたか。」

エドマリス「こ、ここはどこだ!?ヌシは誰じゃ!?余が誰か分かっておるのか!?余は大国、ファルムスが王、エドマリス…………。」

紫苑「知っています。ここは、ジュラ・テンペスト連邦国の地下牢の一つです。私は、盟主リムル様の第一秘書紫苑。捕虜の尋問を仰せつかりました。」

 

 エドマリス王がそう言う中、紫苑は遮って、そう言い、牢の中に入る。

 

エドマリス「捕虜…………じ、尋問…………?」

紫苑「貴方には、ファルムス王国の内情について、全てを話してもらいます。殺さなければ何をしても良いと、お許しはいただいておりますので。リムル様とレイト様は、私に仕返しの機会を下さったのだと思います。…………ですが、私個人としては、正直な話、殺された事に対する怒りは、あまり無いのです。負けたのは私の弱さ故ですし、その上、こうして蘇らせて頂きました。」

エドマリス「蘇え……………!?」

 

 エドマリスが呆然とする中、紫苑は話し続ける。

 エドマリスが驚く中、紫苑はエドマリスに尋ねる。

 

紫苑「ところで、ご存知ですか?リムル様とレイト様は、人間がお好きです。私たち、配下の魔物が無闇に人間を傷つける事をよしとはしないでしょう。」

エドマリス「そ、そうか!では、穏便に話そうぞ!余も主らに協力するのはやぶさかではない……………!」

紫苑「……………とはいえ、やはり許せない事もあるのです。」

 

 エドマリスは、そう言おうとするが、紫苑の表情に恐怖する。

 

紫苑「貴方の決断が、リムル様とレイト様に人間を殺させた。リムル様とレイト様の綺麗な手を、お前は人間の血で汚させた!!千に刻んでもなお足りない。この世に生を受けた事を、未来永劫、後悔させて差し上げましょう。」

 

 紫苑はその事を怒っていた。

 そして、剛力丸を抜刀して、エドマリスに向かう。

 

エドマリス「ぎゃああああっ!!」

 

 地下牢内に、エドマリスの悲鳴が響く。

 それを聞いていたレイヒム大司祭は、怯えていた。

 そんなレイヒム大司祭に、ミュウランが話しかける。

 

ミュウラン「貴方も教会について、話す事があるのなら、早く話したほうが身の為よ?王を助けようとした……………あの魔法使い(ラーゼン)の様になりたいのなら、別だけれど。」

 

 ミュウランはそう言って、向かいの牢屋を見る。

 そこには、ラーゼンだった肉塊があった。

 それを見て、レイヒムは再び恐怖する。

 それからしばらくして、俺とリムルが、エドマリス王の元へと向かう。

 

エドマリス「(この足音は…………あの鬼女ではない!)た……………助けてくれ。そこの………娘達?頼む。ここから、出してくれ…………。余が間違っていた。そなたらの主殿達に釈明したい。お願いじゃ…………面会の許可を………。」

 

 エドマリス王は、そう言うまでに衰弱していた。

 心は紫苑によって、折られたようだな。

 そう言う中、俺たちは口を開く。

 

エドマリス「余は、ファルムスが国王…….。」

リムル「知ってるよ。」

レイト「俺たちの声をもう忘れたのか?」

エドマリス「……………っ!!」

 

 エドマリス王の言葉を遮り、リムルは仮面を被り、俺は仮面ライダーダイモンに変身する。

 エドマリス王は、それを見て思い出したのか、後ろに下がる。

 

エドマリス「ひぃぃぃぃ!!た、たす…………助け…………っ!」

リムル「釈明するのなら、俺たちより先にすべき相手がいるだろ。ファルムス王国の国民はこれから苦労するぞ。」

レイト「捕虜をどうするのかは、会議で決める。それまで、じっくりと考えておくんだな。これは、俺たちとアンタ(エドマリス)が背負っていく業なんだからよ。」

 

 俺とリムルは、そう言う。

 そう、これは、俺たちとアイツが背負うべき業なのだ。

 そう言って、去っていく。

 一方、ファルムスに居た異世界人の1人、水谷希星の元には、シズさんがいた。

 

シズ「希星ちゃん。大丈夫?」

希星「シズさん……………大丈夫。」

 

 シズさんの問いに、希星はそう答える。

 希星は、シズさんに聞く。

 

希星「シズさんって、ウチらと同じ日本人なんだよね?」

シズ「………………ええ。私も、この世界に召喚されたから。」

希星「え……………?」

 

 希星の問いに、シズさんはそう答える。

 そこから、シズさんは語った。

 自分はかつて、太平洋戦争が起こっていた頃の日本から、魔王レオン・クロムウェルによって、この世界に召喚された。

 その魔王レオンに、上位精霊であるイフリートを同化させられた。

 その為、魔王レオンに憎しみを覚えた。

 そんなある頃、ピリノという少女と風狐と出会ったが、自分が殺めてしまった。

 その後、勇者によって救われ、英雄として名を馳せ、子供達を救おうとしていた事。

 この森にやってきて、俺たちによって救われた事を。

 

シズ「……………これが、私の出来事。あの2人には感謝してるの。私が嫌いで憎めないこの世界に、温かい場所を作ってくれた事を。」

希星「そう……………なんだ。ウチは…………。」

 

 希星は、シズさんの話を聞いた後、語り出した。

 希星は、ファルムス王国に召喚され、橘恭弥と田口省吾と違い、大したスキルを持っていないと判断され、雑に扱われていた。

 そんなある日、待遇にキレて、『死んじまえ』と叫んだ次の瞬間、自分のユニークスキルである狂言師(マドワスモノ)の効果で、周囲の人が自殺をする。

 それを知ったラーゼンによって、スキルを封印されて、今に至る。

 そう言う中、希星の目からは、涙が溢れていた。

 

希星「アイツら…………勝手にウチを召喚しておいて、使えないって言って雑に扱ったり、自分の行動を支配しようとしたりして……………ウチが何をしたって言うの?!お母さんに……………会いたいよ………………!!」

 

 希星はそう言って、泣き出す。

 これまで抑えてきた母に会いたいという想いが溢れ出たのだ。

 それを見ていたシズさんは、希星を抱きしめて、子供をあやす様に、優しく叩く。

 そんな中、俺は中に入る。

 

レイト「邪魔するぞ。」

シズ「レイト君。」

希星「アンタは……………。」

レイト「俺はレイト=テンペスト。この街の盟主の片割れだ。」

 

 それを聞いた希星は、怯える表情を浮かべる。

 そんな中、俺は言う。

 

レイト「アンタの今後の処遇に関して、伝えに来た。」

希星「ど、どうなるの……………?」

レイト「………………アンタに関しては、あの2人と違って、住人を殺めてないからな。よって、今後のテンペストの文化の発展に協力する事。それを伝えに来た。」

希星「え………………?」

 

 俺がそう言うと、希星は鳩が豆鉄砲を食ったような表情を浮かべる。

 すると、俺に聞いてくる。

 

希星「な、なんで……………?」

レイト「こう見えても、俺は日本人の転生者でね。日本人同士のよしみとしてだ。それに、アンタには情状酌量の余地があるからな。」

希星「え………………!?」

レイト「まあ、テンペストの文化の発展を手伝えよ。」

希星「は……………はい!」

 

 こうして、水谷希星は、テンペストの文化の更なる発展に協力する事になった。




今回はここまでです。
今回は、中庸道化連達の暗躍に、エドマリス王達の話です。
そして、原作と違い、生存した希星は、今後のテンペストの文化の更なる発展に協力する事になりました。
希星にとっても、それは朗報となるでしょう。
希星に関しては、田口省吾や橘恭弥と違い、情状酌量の余地はありますからね。
次回は、人魔会談へと入っていきます。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
人魔会談の流れ自体は、アニメ版をベースにしつつ、漫画版の奴も加えていく感じにする予定です。

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