転生したらキメラだった件   作:仮面大佐

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第42話 魔王達の宴(ワルプルギス)

 トレイニーさん絡みの用事を済ませて、少し野暮用を済ませた後、俺たちは、紅丸の報告を聞いていた。

 ちなみに、朱菜は今、リムルの服を仕上げている最中であり、俺はもう新しい服に身を包んでいる。

 その服装というのは、アヅマの服装の上に、ジョージ・狩崎のミリタリーロングコートを着用している感じだ。

 あと、野暮用というのは、この世界に現れたゴモラという敵を倒して、並行世界のテンペストに住むプロス=テンペストと共に、ベリアルを撃破した事だ。

 

紅丸「部隊は、ジュラの大森林の入り口に展開させています。」

リムル「ああ。」

紅丸「避難民に扮した足の速い獣人戦士達が、逃げるふりをしつつ、敵をゲルドとグルドの罠へと誘き寄せ、一網打尽にします。」

ゲルド「かつて、俺たちの故郷だった荒れ果てた大地。」

グルド「今は滅びた豚頭族(オーク)の王国であるオービックの跡地が、クレイマンの軍勢の墓地となるでしょう。」

 

 俺とリムルは、そう聞く。

 クレイマンの策謀で滅びた場所が、決戦の地になるとはな。

 俺は自然と呟く。

 

レイト「因果は巡るな。」

ゲルド「ええ。」

紅丸「敵の力量は完全に見切りましたからね。勝利は確実です。」

リムル「まだ戦いが始まってもいないのに!?」

レイト「随分と自信があるよな。」

紅丸「リムル様とレイト様の覚醒により、ユニークスキル”大元帥(スベルモノ)”の祝福(ギフト)を得て、敵の動きを、川の流れのように完全に読み取れる様になりましたからね。」

 

 そう。

 俺とリムルの進化により、ユニークスキルを得た者が多くいる。

 火煉だって、ユニークスキル”粉砕者(クダクモノ)”を手に入れてるしな。

 まあ、紅丸らしいな。

 それを聞いて、朱菜は笑みを浮かべる。

 すると、紅丸が提案をする。

 

紅丸「……………という事で、一つ作戦を閃いたのですが。」

リムル「なんだ?」

紅丸「折角だから、霧の先にあると思われるクレイマンの城を、落としてやろうかと思いまして。」

レイト「何が”折角”だよ。流石に危険じゃないのか?」

紅丸「大丈夫です。攻め込むのは蒼影と白老。二人ともやる気になっていますし……………。」

 

 ついでにコンビニ行くみたいな感覚で言うんじゃないよ。

 俺がそう思う中、紅丸がそう言うが、朱菜が割り込む。

 

朱菜「お待ちを!お兄様!」

紅丸「お……………おお、どうした?朱菜。」

朱菜「どうしたではありません!クレイマンという魔王は、人を操る危険な力を持つそうではありませんか!万が一、蒼影や白老が操られでもしたら……………!」

紅丸「いや、あいつらなら大丈夫……………。」

朱菜「ダメです!」

紅丸「あっ……………。」

朱菜「どうしてもと言うのなら………………私も参ります!」

 

 朱菜がそう言うと、紅丸はそう返す。

 だが、それすらも食い気味に遮った朱菜は、そう宣言する。

 それを聞いた俺たちは、流石に驚いた。

 

リムル「おいおい!」

朱菜「……………という訳ですので、リムル様、レイト様。私に出撃許可を下さいませ。」

レイト「うむ………………。」

 

 俺とリムルが驚く中、朱菜はそう言う。

 正直な話、クレイマンの本拠地という危険な場所に朱菜を送り込むのは、躊躇いがあるな。

 とはいえ、クレイマンが居ないうちに城に攻め込んで、落とすのも悪くはない。

 なら、依頼するか。

 そう思い、俺はガンデフォンを取り出して、ある人に電話をする。

 

レイト「もしもし?少し依頼をしたいんだ。探偵として。鳴海荘吉さん。」

荘吉「………………聞こう。」

 

 そう。

 電話の相手は、鳴海荘吉だ。

 俺は、依頼をした。

 クレイマンの本拠地に攻め込む朱菜の護衛の依頼を。

 探偵料として、金は払う事を。

 それを聞いた荘吉さんは。

 

荘吉「良いだろう。その依頼、引き受ける。」

レイト「ありがとう。探偵料は、荘吉さんの事務所の金庫の中に入れておくから。」

荘吉「ああ。」

 

 そうして、荘吉さんも、朱菜に同行する事になった。

 そんな中、蒼影、白老、朱菜が口を開く。

 

蒼影「リムル様、レイト様。」

リムル「うおおっ!?」

蒼影「ご心配には及びません。自分が朱菜様をお守りしますので。」

白老「わしもおりますれば。敵本丸には、カリオン様が囚われておるやもしれぬし、やはり調査は必要でしょうぞ。」

朱菜「リムル様、レイト様!私とて怒っているのです!クレイマンを許せぬこの気持ちを、抑えるのが難しいのです!」

レイト「はぁ……………まあ、荘吉さんにも、朱菜の護衛に回ってもらう様に手配したから、大丈夫だとは思うけどな。」

リムル「レイトまで……………。分かった。朱菜の参加を認めよう。」

朱菜「ありがとうございます!」

 

 蒼影、白老、朱菜、俺の言葉を聞いてか、リムルが折れた。

 リムルは、口を開く。

 

リムル「朱菜の安全を第一に考える様に。良いな?」

紅丸「朱菜の我儘を認めてくれて、助かります。」

朱菜「私は転移できますので、万が一の場合でも大丈夫です。」

白老「そうじゃな。わしの方が逃げ遅れそうじゃ。」

レイト「ふっ。」

蒼影「我々は、精神攻撃への耐性はありますので、そうそう遅れは取らぬでしょうが、朱菜様が居るなら、その心配は皆無です。カリオン様に関しては、発見してから考えるとしましょう。」

 

 リムルがそう言うと、朱菜達はそう話す。

 確かに、クレイマンの精神支配は、一種の精神攻撃だから、荘吉さんも大丈夫な筈だ。

 何せ、シュラウドは本来、フィリップと荘吉さんがWに変身させる予定だったらしいしな。

 恐らく、荘吉さんも、精神攻撃への耐性は持ち合わせている筈だ。

 Wの候補であった照井竜も、精神攻撃への耐性を持ち合わせている事から。

 俺とリムルは頷き合い、口を開く。

 

レイト「くれぐれも状況を見極める様にな。」

リムル「作戦開始は日が変わった瞬間。魔王達の宴(ワルプルギス)開始直後とする。良いな?」

紅丸達「了解しました!」

 

 俺とリムルがそう言うと、紅丸達が返事をする。

 すると、蒼影が口を開く。

 

蒼影「ところで、竜を祭る民が100名ばかり、クレイマン軍に合流しております。」

リムル「竜を祭る民ってなんだ?」

蒼影「竜皇女であるミリム様を祭る者どもです。」

レイト「ミリムの配下……………ではないな。本人曰く、配下は作らない主義らしいから、勝手に敬っているだけだな。まあ、100人位なら問題はない筈だ。」

蒼影「はっ。」

朱菜「では、仕上げてしまいましょう。動かないでくださいね。」

 

 竜を祭る民か。

 一応、ミリムからそれに関する愚痴を聞いていたので、存在は把握している。

 多分、クレイマンの軍勢に無理矢理従軍させられているのだろう。

 そう思う中、作業は進んでいく。

 俺は、少しラボの方に向かう。

 ジュウガドライバー等の作業自体は終わっている。

 とはいえ、最終調整が必要だろう。

 そう思い、作業を始める。

 ちなみに、後でと言ったが、すぐに探偵料を渡しておいた。

 その後、準備が終わった。

 

朱菜「まあ、よくお似合いです!リムル様!」

紫苑「はい!とても素敵です!」

嵐牙「その凛々しきお姿、我が主人に相応しい!」

シズ「似合ってるよ。二人とも。」

火煉「レイト様もお似合いです!」

リムル「そ……………そうか?」

レイト「ありがとうな。」

 

 俺たちがその姿になると、皆が褒める。

 そして、朱菜は、荘吉さんを連れて、蒼影と白老と合流する為に、転移魔法で転移する。

 俺たちは、迎えが来るまでの間に、他の魔王の話を聞くことにした。

 ヴェルドラとラミリスに。

 

リムル「なあ、魔王って十人居るんだよな?」

レイト「確かに。ミリムにラミリス、カリオン、フレイ、レオン、クレイマン。残りの四人はどんなやつなんだ?」

 

 そう。

 俺たちが把握しているのは、その六人だけだ。

 そう聞くと、ヴェルドラが答える。

 

ヴェルドラ「魔王か。何人かは戦った事もあるぞ。2000年近く前だったか。我が戯れに滅ぼした吸血鬼族(ヴァンパイア)の都があってな。」

レイト「戯れって………………。」

ヴェルドラ「そこを統べる女吸血鬼が魔王の一柱(ひとり)だったと記憶しておる。洒落の分からん奴でな、めちゃくちゃにブチ切れおってな。」

レイト「そりゃあ、都を滅ぼされて、キレない人は居ないだろ。」

ヴェルドラ「うっ………………今では、我もちょっぴり悪かったかなと思ったぞ…………。」

リムル「ちょっぴりかよ……………。」

 

 そりゃあ、自分の都を滅ぼされたら、誰でもキレるだろ。

 流石に、ヴェルドラも反省しているようだが。

 ほんの少しだが。

 

レイト「それで、そいつの名前は?」

ヴェルドラ「確か……………ルルス?いや、ミルスだったか………………。」

 

 忘れんなよ。

 こりゃああれだな。

 場合によっては、吸血鬼族(ヴァンパイア)の魔王が敵になる可能性も考慮した方が良さそうだな。

 すると、ラミリスが口を開く。

 

ラミリス「吸血鬼族(ヴァンパイア)の魔王なら、結構前に代替わりしたよ!今はヴァレンタインって男。」

ヴェルドラ「何?そうなのか。」

 

 代替わりとかもあるんだな。

 とはいえ、恨みはそう簡単には薄れるものではないだろう。

 警戒するに越した事はないからな。

 すると、ヴェルドラが叫ぶ。

 

ヴェルドラ「うおおおっ!」

レイト「どうした!?」

ヴェルドラ「ここで真なる敵が現れるとは……………!次号への見事な引きである!」

リムル「真面目にやれよ!ネタバレすっぞ!」

シズ「アハハハ………………。」

ヴェルドラ「そうカリカリするでない。あとは、巨人族(ジャイアント)の魔王、ダグリュールだな。」

レイト「ダグリュール?」

ヴェルドラ「ああ。何度か喧嘩したが、勝負はついておらぬ。」

 

 ヴェルドラがそう叫ぶので、リムルはそう叫んで、シズさんは苦笑する。

 ヴェルドラは、ダグリュールという魔王の名前を出した。

 ヴェルドラと互角に戦う存在か。

 強そうだな。

 すると、ラミリスはヴェルドラに聞く。

 

ラミリス「そういえば、師匠って、ギィとは戦った事無いの?」

ヴェルドラ「む?…………………うむ。奴ははるか北方に居を構えておるしな。まあ、あんな何も無い所には、行く必要もないのだ!」

 

 ラミリスの質問に、ヴェルドラは途中、言葉を詰まらせるも、そう答える。

 ヴェルドラから、若干の怯えを感じた。

 ヴェルドラが怯えるとはな。

 何があるんだ?

 そう思う中、ラミリスが口を開く。

 

ラミリス「そっかあ。あいつ強いもんね。なにせ、ギィはこのアタシとミリムと同格!最古の魔王の一柱(ひとり)だからね!」

 

 ラミリスはそう言う。

 なるほどな。

 まあ、ギィというのは、ミリムの悪魔を介して見た記憶で、ミリムと戦っていた存在の事だろう。

 ミリムと互角に渡り合う時点で、強者なのは間違いない。

 

ラミリス「あと、二人が知らないのは、ディーノちゃんかな。」

リムル「ディーノちゃん?」

レイト「それは……………来たか。」

 

 ラミリスがそう言う中、聞こうとするが、ある気配を感じる。

 すると、扉が現れる。

 それも、かなり凝ったデザインの。

 

トレイニー「……………迎えが来たようですね。」

シズ「ええ。」

ラミリス「相変わらず仰々しいねぇ。」

リムル「空間を繋げる扉か。凝ってるな。」

レイト「ああ。誰か来るぞ。」

???「お迎えに参りました。ラミリス様。」

 

 俺たちがそう話す中、扉が開き、緑髪のメイドが現れる。

 その気配は、ディアブロと同種の気配だった。

 つまり、あのメイドも原初の悪魔の内の一人という事だろう。

 すると、ラミリスが話しかける。

 

ラミリス「久しぶりじゃん、ミザリー!相方のレインは元気?」

ミザリー「おかげさまで変わりありません。……………そちらがリムル様とレイト様ですね?」

レイト「ああ。」

リムル「おう。」

ミザリー「我が主、ギィ様より、お連れするよう仰せつかりました。どうぞ、こちらの門を通り、魔王達の宴(ワルプルギス)……………その会場へお進みください。」

 

 ラミリスがミザリーという名前のメイドと話す中、ミザリーはこっちを見て、そう言う。

 ラミリスは、先に行った。

 そこから先に進めば、魔窟となっているだろう。

 だが、覚悟はとっくに出来てる。

 俺とリムルは頷き合い、中へと入っていく。

 その後ろに、紫苑と嵐牙、火煉とシズさんも入っていく。

 しばらく歩くと、会場に到着する。

 だが、とんでもない気配を感じた。

 目の前を見ると、赤髪の男が俺たちが居る場所の先にある椅子に座っていた。

 あれがギィという魔王だろう。

 一つだけ言えるのは、やばいという事だ。

 ムラのある魔素(エネルギー)量だが、あれは偽装の類だろう。

 解析能力が無い奴は論外で、偽装に気づけるか否かで、篩にかけているのだろう。

 本当の実力なんて、まるで分からないな。

 すると、そのギィが話しかけてくる。

 

ギィ「座ったらどうだ?扉の前に突っ立っていたら邪魔だろう。踏み潰されても知らんぞ?」

 

 ギィはそう言ってくる。

 それを見て、俺とリムルが首を傾げると、背後の扉が開いて、大きい奴が現れる。

 恐らく、巨人族(ジャイアント)の魔王、ダグリュールだろう。

 

ダグリュール「退いてもらえるか?小さいの達よ。」

リムル「あ、ああ……………。」

レイト「すいません。」

 

 ダグリュールは、俺たちにそう言って、椅子に座る。

 俺たちも、椅子に座る事にした。

 ダグリュールからは、隠す気がないのか、出鱈目な魔素(エネルギー)量が溢れ出ている。

 ヴェルドラと喧嘩出来るというのは、間違いないだろう。

 すると、新たな来客が来る。

 二人の従者を連れた男が入って来た。

 その男は、犬歯が目立っていた。

 恐らく、ヴァレンタインという名の吸血鬼族(ヴァンパイア)だろう。

 だが、気になる事がある。

 

レイト(ん?従者のメイドの方が魔素(エネルギー)量が多い?)

 

 そう。

 確かに、ヴァレンタインという名の魔王も中々だが、そのメイドの方が多い。

 すると、奇才之王が口を開く。

 

奇才之王『測定可能な範囲の解析において、対象者の魔素量は、当代の魔王より多いと推定されます。』

レイト(やっぱりか。つまり、何らかの理由でついて来たのか?だが、何の為に?)

 

 奇才之王の返答に、俺はそう考える。

 だが、すぐにやめる。

 今、そんな事を考えていても無駄だからな。

 どの道、俺たちが生き残るには、クレイマンを倒す必要がある。

 すると、あくびが聞こえてくる。

 

???「ふぁぁぁ……………。」

 

 欠伸が聞こえてきて、後ろをチラリと見ると、気怠げな男が入ってくる。

 すると、ラミリスを見て反応する。

 

???「あ。いよーっす、ラミリス。今日はまた一段とチビだな。」

ラミリス「は?喧嘩売ってる訳!?ディーノの癖に生意気なんですけど!」

ディーノ「バカ。俺が勝つの分かってるのに、売るわけないじゃ〜ん。」

ラミリス「はっ……………!ふ〜ん!死にたいみたいね!今日の私は絶好調なんだからね!」

ディーノ「いやいや。だって、お前、前に会った時より縮んでるよね?」

ラミリス「だってしょうがないじゃん!私、最近生まれ変わったばかりだし!」

 

 あれがディーノという魔王か。

 ラミリスとの関係性は、分かったな。

 すると、近づいてくるベレッタとフランを見て、反応する。

 

ディーノ「あれ!?なんでお前、従者を連れてるの?1人で来た俺が格好悪いじゃん!」

ラミリス「ふふん!まあね!この2人の前には無力だと知るが良いわ!これでぼっちとかバカにしてた奴を見返せるってもんよ!主にアンタよ!」

ディーノ「えー……………なんだよ。ボッチ仲間だと思ってたのに。じゃあ、壊しても良い?」

ラミリス「はぁ!?ダメに決まってんじゃん!!ギィに言いつけて鉄拳制裁の刑に処してもらうからね!」

 

 まあ、関係性は掴めたな。

 ディーノは席に着くと寝始める。

 周囲の魔王は特に何も言わないので、問題無いのだろう。

 さて、参考として、魔素(エネルギー)量を測るか。

 俺とリムルが見ようとすると。

 

ディーノ「………………っ!」

 

 ディーノは少し顔を起こして、俺たちを睨んでくる。

 どうやら、気づかれたな。

 性格こそ軽いが、実力を測る事は出来ないな。

 すると、再び入ってくる一団があった。

 そいつらは、全員が背中から翼を生やしていた。

 恐らく、あれがフレイという有翼族(ハーピィ)の魔王だろう。

 すると、リムルが顔をにやけていた。

 こいつ、また変な事を考えていやがるな。

 俺がゴミを見るような目をリムルに向ける中、気になる事があった。

 

レイト(ん?あのライオン頭……………。)

 

 気になるのは、フレイではなく、後ろの従者の男の方だ。

 記憶に引っかかる気配を感じたのだ。

 すると、火煉が話しかけてくる。

 

火煉「レイト様。」

レイト「どうした?」

火煉「後ろの従者の男、気になりませんか?」

 

 火煉も気付いたみたいだな。

 少し、探ってみるとするか。

 すると、すぐに気配の正体に見当がつく。

 

レイト(なるほど……………そういう事か。となると、話の流れが見えて来たな。)

奇才之王『是。マスターの考えている事で、概ね合っていると推測します。』

 

 やっぱりな。

 となると、ミリムの考えも読めて来そうな気がするな。

 すると。

 

???「お前達がリムルとレイトか。」

 

 そんな風に声をかけられたので、俺とリムルは振り返る。

 そこに居たのは、金髪の男だった。

 恐らく、魔王レオン・クロムウェル。

 

レイト「そうだが。」

リムル「そうか。お前がレオンか。」

シズ「……………久しぶりね、魔王レオン。」

レオン「久しいな。元気にしていたか?」

シズ「……………ええ。2人のおかげで。」

 

 俺たちがそう反応する中、シズさんがやって来て、レオンと対峙する。

 シズさんとしても、因縁の相手との再会だもんな。

 

シズ「魔王レオン。あなたには、聞きたい事がたくさんあるのよ。」

レオン「そうか。だが、私には無いな。」

シズ「……………………。」

レオン「とはいえ、リムルとレイトには少し興味がある。招待してやるから、聞きたい事があるのなら、来たら良い。罠だと思うなら、拒否してくれて構わないよ。」

 

 シズさんがそう言うが、魔王レオンは素っ気なくそう言って、シズさんはレオンを睨む。

 シズさんは一息ついて、俺たちの方を見てくる。

 俺とリムルも、一息ついて、椅子に座る。

 

リムル「分かったよ。」

レイト「受けてやるから、招待状でも送ってくれ。」

レオン「ああ、そうしよう。……………尤も、お前達がこの場を生き残れたらだがな。」

 

 俺とリムルがそう言うと、レオンはそう言う。

 俺たちが振り返ると、2人ほど入ってくる。

 片方はミリムだった。

 元気そうだな。

 カリオンが行方不明……………とはいえ、どこに居るのかは分かるが、これで魔王は八人。

 という事は、隣に居るのがクレイマンか。

 すると。

 

クレイマン「さっさと歩け!このウスノロ!」

 

 クレイマンはそう叫んで、ミリムを殴る。

 それを見て、周囲には驚愕の雰囲気が広がる。

 だが、ミリムは反撃せずに椅子に座る。

 どういう事だ?

 そう思い、俺はミリムを見る。

 それを見て、大体察した。

 なるほどな。

 そう思う中、クレイマンが声高に言う。

 

クレイマン「皆さん、お待たせ致しました。」

 

 クレイマンの心を見ると、優越感に浸っていた。

 自分の力を誇示出来て、そんなに嬉しいのか。

 見せかけの力なのにな。

 すると、もう1人の青髪のメイドが現れて、口を開く。

 恐らく、ラミリスが言っていたレインというメイドだろう。

 原初の悪魔の1人。

 

レイン「それでは、出席者をご紹介いたします。悪魔族(デーモン)、”暗黒皇帝(ロード・オブ・ダークネス)”ギィ・クリムゾン様。妖精族(ピクシー)、”迷宮妖精(ラビリンス)”ラミリス様。」

ラミリス「ふわぁ……………へへん!」

レイン「竜魔人(ドラゴノイド)、”破壊の暴君”(デストロイ)、ミリム・ナーヴァ様。巨人族(ジャイアント)、”大地の怒り(アースクエイク)”ダグリュール様。吸血鬼族(ヴァンパイア)、”鮮血の覇王(ブラッディロード)”ロイ・ヴァレンタイン様。堕天族(フォールン)、”眠る支配者(スリーピング・ルーラー)”ディーノ様。有翼族(ハーピィ)、”天空女王(スカイクイーン)”フレイ様。妖死族(デスマン)人形傀儡師(マリオネットマスター)”クレイマン様。」

クレイマン「うん。」

レイン「人魔族(デモンノイド)、”白金の剣王(プラチナムセイバー)”レオン・クロムウェル様。そして、妖魔族(スライム)、ジュラ・テンペスト連邦国盟主、リムル=テンペスト様。巍骸魔(ギフ)、ジュラ・テンペスト連邦国盟主、レイト=テンペスト様。…………以上でございます。」

 

 レインの呼びかけに、会釈をしたり、反応をしたりして、終わる。

 すると、クレイマンが抱えていた狐を机に置いて立ち上がり、叫ぶ。

 

クレイマン「本日は私の呼びかけに応えていただき、誠にありがとうございます。それでは、始めましょう。我らが宴を。ここに、魔王の宴……………魔王達の宴(ワルプルギス)の開催を宣言します!」

 

 クレイマンはそう言う。

 その顔は、本当に笑顔だった。

 俺たちを叩き潰せるのがそんなに嬉しいのか?

 絶対に、お前の思い通りにはいかないだろう。

 良いぜ、その優越感、きっちりとへし折ってやるぜ。

 俺たちの親友であるミリムを殴った件、策謀で俺たちの国を滅ぼそうとした件などなど。

 それらをまとめての報いを受けてもらうぜ。

 ただでは死なせない……………!

 ケロロ軍曹のクルル曹長にリバイスのカゲロウは、こう言った。

 

クルル『相手がすっかり良い気になった所を一気に突き落とす…………のが超クールなんだって?…………同感だ。』

カゲロウ『幸せの絶頂から地獄に叩き落とさなきゃ……意味が無いだろ。』

 

 クレイマンはまさに、すっかり良い気になっている。

 それを一気に突き落とす。

 徹底的にな。

 俺とリムルは、そんなクレイマンを睨む。

 一方、戦場では。

 

ヤムザ「一体、どうなっているのだ!?」

 

 ヤムザは苛立っていた。

 クレイマンに捜索を言われてからも、捜索していたが、一向に見つからない事に。

 すると、部下の1人が入ってくる。

 

部下「や…………ヤムザ様!」

ヤムザ「ん?」

部下「獣人を見つけて追ってる途中、奇襲を受けたようです。」

ヤムザ「おい、お前。誰にやられた?獣王国(ユーラザニア)の連中か?それとも……………おい!?」

部下「……………死にました。」

 

 部下がそう言うと、ヤムザはその者に聞く。

 だが、聞く中、その者は倒れて、絶命した事を確認する。

 その首元には、クナイが刺さっていて、ヤムザはそれを抜く。

 

ヤムザ(魔国連邦(テンペスト)へ避難した獣人の戦士団か?三獣士がこちらの動きを察知して対策に出た可能性もあるが……………だが、例え援軍を送ったとしても、魔国連邦(テンペスト)からでは到底間に合わぬはず。)

 

 ヤムザはそんな風に考える。

 実は、間に合っている事に気づいていない。

 そんな中、外から叫び声が聞こえて来て、外に出る。

 

ヤムザ「今度は何だ!?また新手か!くそっ!あいつら、一体どこから湧いてくるんだ!?」

 

 ヤムザはそう叫ぶ。

 一方、紅丸は、思念伝達でゲルドとグルドに合図を送る。

 

紅丸『ゲルド、グルド。始めろ。』

ゲルド『承知。』

グルド『分かりました。』

 

 紅丸の合図を受け取った2人は、他の猪人族(ハイオーク)に合図を送る。

 すると、クレイマンの軍勢から距離をとる。

 それを見ていたクレイマンの軍勢は、疑問に思うが、すぐに叫ぶ。

 

手下「罠だ!何か仕掛けてくるぞ!この場に留まって…………!」

 

 軍勢の1人がそう言う。

 だが、それこそが罠だったのだ。

 ゲルドとグルドは、エクストラスキル、土操作を発動する。

 すると、軍勢の足元に穴が開き、落ちていく。

 だが、翼がある奴は真っ先に脱出する。

 

手下「危なかった…………。飛翔出来る者が居なければ、我が隊は全滅……………。」

ガビル「それは不運であるな。」

 

 そう言う中、龍人族(ドラゴニュート)の部隊が、攻撃を仕掛け、落としていく。

 ライブに変身したトリシューラも、銃撃で落とす。

 

ガビル「大人しく落っこちておれば、痛い思いをせずに済んだであろうに。」

トリシューラ「まったくだな。」

 

 この2人はそう言う。

 一方、地面の方では、這い上がって脱出しようとするが、容赦なく落とされていく。

 地面の中でも、戦闘が起こっていた。

 

蒼月「ハアッ!」

 

 蒼月は、インペリアルデモンズに変身した状態で、敵を倒していく。

 NEVERも、全員が変身した状態で応戦していた。

 

克己「フッ!ハアッ!」

 

 克己はエターナルエッジや格闘術でその周辺にいる兵士を倒していく。

 エターナルエッジを投げ、相手の喉元に突き刺し、喉元を引き裂く。

 

マリア「ハアッ!テヤッ!」

 

 マリアは、突風を操り、敵の兵士を倒していく。

 

レイカ「フッ!ハッ!」

 

 レイカは、炎を纏った徒手空拳の格闘戦で敵を倒していく。

 

剛三「オラッ!でやぁ!」

 

 剛三は、槌状のメタルシャフトを振り回して、周囲の敵を薙ぎ払う。

 

京水「ムチ!ムチ!ムチムチ!ぶっとびぃ~!」

 

 京水はそう言いながら、伸縮自在の腕で敵を倒したり、T3マスカレイド・ドーパントを召喚して、攻撃させたりする。

 

賢「GAME・START。」

 

 賢はそう言って、右腕から青いエネルギー弾を放って、敵を倒していく。

 蒼月が戦う中、一体の犬頭族(コボルト)が敵を倒す。

 

蒼月「ん?犬頭族(コボルト)?」

犬頭族「あの!テンペストの援軍に来ました!ファルムスの奴らを倒す為に!」

蒼月「え?ファルムスの戦争は終わったけど…………。」

犬頭族「えっ!?」

 

 犬頭族がそう言うと、蒼月はそう言う。

 犬頭族は驚くが、すぐに冷静になる。

 

犬頭族「なら、加勢しますね!」

蒼月「えっ?ちょっと……………。」

 

 犬頭族は、敵を倒していく。

 それを見ていた蒼月は。

 

蒼月「中々に強い……………レイト様にも後でお伝えするか。」

 

 蒼月はそう言って、戦闘に戻る。

 一方、崖の上から見ていた紅丸と三獣士は。

 

アルビス「勝負ありましたね。もう敵方に挽回の策などないでしょう。見事な采配です。紅丸様。私ではここまで的確に兵を動かせません。」

紅丸「勝って当然だ。だからこそ油断は出来ないのさ。」

 

 アルビスの言葉に、紅丸はそう返す。

 すると、アルビスは跪き、紅丸は聞く。

 

紅丸「何故跪いている、アルビス殿。貴女は獣王国(ユーラザニア)の軍の統括だろう。」

アルビス「どうか、アルビスと。今、我ら獣人は、指揮権を魔国(テンペスト)軍に委ねております。貴方が総大将であるべきです。紅丸様。」

 

 紅丸はそう聞くと、アルビスはそう答える。

 紅丸は答える。

 

紅丸「よかろう。この場に限り、アルビス。お前を副官に任ずる。」

アルビス「拝命致しますわ。」

紅丸「さて……………まだ幾らか強者の気配が残っている。折を見て、ゲルド達を…………。」

 

 紅丸は、アルビスを副官に任じた。

 紅丸がそう言う中、スフィア達が口を開く。

 

スフィア「待ってくれよ!総大将殿!」

フォビオ「ここは俺たち、獣人の国!アンタ達に任せっきりじゃあ、カリオン様に怒鳴られちまう!」

スフィア「その通りだぜ!ここでの戦いくらいは譲ってもらいたいね!」

アルビス「紅丸様。軍の指揮はお任せしますので、我らに敵軍首魁共の討伐をお命じくださいませ。」

 

 スフィア達はそう言う。

 それを聞いた紅丸は、アルビスの意図を察する。

 

紅丸「……………貴様。さてはそれが狙いで俺に総大将を譲ったな?」

アルビス「あら、何のことでしょう?」

 

 紅丸はそう聞くが、アルビスは惚ける。

 それを聞いた紅丸は、呆れつつも、笑みを浮かべる。

 

紅丸「…………まあ良い。どの道、お前達にも参戦してもらう予定だった。アルビス、スフィア、フォビオ。三獣士よ!お前達に自由行動を許す!敵軍の首魁を討ち取って来い!」

スフィア「待ってたぜ!大将!」

フォビオ「ようやく暴れられるってもんだ。俺を嵌めたやつの匂いもしやがるし、俺はそいつを追うとしよう……………!」

アルビス「では、後はお任せしますね。紅丸様。」

紅丸「行け!」

三獣士「はっ!」

 

 紅丸がそう言うと、三獣士達も動き出す。

  魔王達の宴(ワルプルギス)が始まる中、クレイマンの軍勢は、追い詰められていた。




今回はここまでです。
遂に、ワルプルギスが始まりました。
つまり、クレイマンの命も、もう長くありません。
レイトは、徹底的にクレイマンを叩き潰すと決めています。
嫌な奴として有名なクルルにカゲロウの言葉を思い出して。
ちなみに、カゲロウはリバイス繋がりで、クルルはクレイマン繋がりでセレクトしました。
クレイマンもクルルも、両方とも子安武人さんですからね。
そして、クレイマンの軍勢が追い詰められる中、コボルトのオリキャラを出しました。
オリキャラとして、リクエストがあったので。
次回と次々回に関しては、レイトは出てきません。
話の流れは、漫画版にアニメ版のセリフとかを混ぜていきます。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
クレイマンをどのようにボコボコにして欲しいというのがあれば、受け付けます。
現状は、ツインキメラとトライキメラのアブゾーブ必殺技、他のアブゾーブ必殺技を叩き込む予定です。
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