転生したらキメラだった件   作:仮面大佐

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第43話 会戦

 紅丸の命により、三獣士も動き出した。

 スフィアは、駆け出すと、技術(アーツ)である《飛翔走》を使う。

 

ヤシチ「わっ!」

ガビル「なんと……………翼もないのに、空を翔るとは……………。」

トリシューラ「いくぞ!」

 

 ヤシチとガビルが驚く中、トリシューラがスフィアの元に向かい、ガビル達も向かう。

 

ガビル「スフィア殿!どこへ行かれる!?」

トリシューラ「何かいたのか?」

スフィア「ガビルさんにトリシューラさんか!あっちの方に気になる気配があってな!」

ガビル「あちら……………敵後方であるか?」

スフィア「ああ!」

トリシューラ「確かに、一際強い気配を感じるな………………。」

ガビル(しかもなんだか……………ちょっとばかし、親しみを覚えるような……………?)

 

 ガビルとトリシューラがそう聞くと、スフィアはそう答える。

 それを見て、トリシューラがそう呟く中、ガビルは何かを感じ取っていた。

 一方、神官団の方は。

 

ヘルメス「ミッドレイ様、やばいですね。完全に負け戦ですよ、これ。先手を取ってた筈が、始まってみれば後手後手……………。」

トート「あ、また一部隊が落とし穴にやられてますね。」

 

 ヘルメスとトートは、解析・探知スキルである龍眼を使って、そう言う。

 すると、ミッドレイは口を開く。

 

ミッドレイ「ぐっ…………!弱い………………弱すぎる!魔王クレイマンの配下共!こんなにも弱かったのか!それに、でかい態度で我ら竜を祀る民を巻き込んでおきながら……………とんだ無能指揮官ではないか、ヤムザめ……………!」

 

 ミッドレイは、頭の血管を浮かび上がらせながらそう言う。

 竜を祀る民達は、ヤムザからこう言われていたのだ。

 

ヤムザ『貴君らは、後方で医療班として働きたまえ。』

 

 と。

 それを聞いていたヘルメスとトートは口を開く。

 

ヘルメス「まあ、奴の悪口には全面的に同意したいですけどね。ヤムザが有能な指揮官だったとしても、かなり厳しいでしょ。」

ミッドレイ「何?」

トート「そもそも、クレイマンは、魔国(テンペスト)の援軍が間に合う事を想定していなかった。敵の策謀がこちらを上回っていたのは確かですね。」

ミッドレイ「バカめ!姑息な作戦など、力で打ち破れば済む話ではないか!」

 

 ミッドレイの発言を聞きながら、ヘルメスとトートがそう言うと、ミッドレイはそう叫ぶ。

 それを聞いたヘルメスは口を開く。

 

ヘルメス「個人の喧嘩や決闘ならいざ知らず、こんな集団戦では、どれだけ軍を統率出来るかが勝敗を分けるんですって!」

トート「今回は、罠まで用意していた敵の作戦勝ちですね。」

ミッドレイ「ふんっ!そんな事、わざわざ言われなくても、見れば誰でも分かるであろうよ。」

 

 ヘルメスがそう叫び、トートがそう言うと、ミッドレイはそう言う。

 そんな中、ヘルメスとトートは話し合う。

 

ヘルメス「なあ、どうやって魔国(テンペスト)は援軍を間に合わせたと思う?」

トート「考えられるのは、転送魔法か転移魔法だけど、転送魔法は有機物を送るのは向いていないからね。」

ヘルメス「となると、転移魔法か。でも、魔素による変質を防ぐ為に、対象者を結界で保護する必要があるからな。軍隊を送るとなると、とんでもないエネルギーが必要だからな。それは流石にないか……………?」

 

 ヘルメスとトートはそんな風に話し合う。

 それを見ていたミッドレイは。

 

ミッドレイ(ヘルメスにトートの奴め。まぁた小難しい事を考えおって……………。)

 

 そんな風に思っていた。

 すると、ミッドレイが口を開く。

 

ミッドレイ「ふん。わしは、ああいう者共の方が余程分かりやすくて好ましい。」

ヘルメス「え?」

ミッドレイ「来るぞ。あれは強いぞ。気は進まぬが、向かってくるなら、仕方がない。相手をしようではないか……………!」

トート「やる気満々じゃないですか。はぁ。了解です。」

 

 ミッドレイがそう言って、2人が前方を見ると、スフィア達がやってきていた。

 それを見たミッドレイは、そんな風に言って、トートもそういう。

 すると、スフィアが先手で攻撃を仕掛ける。

 だが、ミッドレイはそれをあっさり受け止めた。

 

スフィア「っ!止められ……………!?」

 

 己の攻撃があっさりと受け止められた事に驚く中、ミッドレイはスフィアを投げ飛ばす。

 

ガビル「スフィア殿!」

スフィア「思ったとおりだ。気をつけな、ガビルさん、トリシューラさん。あいつら多分、敵陣営の中で最強だ。」

トリシューラ「だろうな。カゲロウ、ホーリーウイングで行くぞ。」

カゲロウ「勝手にしろ。」

 

 ガビルがそう叫ぶ中、スフィアはそう言って、トリシューラは、ホーリーウイングバイスタンプを取り出す。

 そう、予め、強化形態のバイスタンプは渡してあるのだ。

 

ホーリーウイング!

 

 トリシューラは、ホーリーウイングバイスタンプをオーインジェクターに押印する。


『Confirmed!

 

 そして、ツーサイドライバー本体に装填する。


Wing to fly!Wing to fly!

Wing to fly!Wing to fly!』


 そんな待機音が流れる中、トリシューラは変身する。

 

ウイングアップ!

ホーリーアップ!

Wind!Wing!Winning!

ホーリー!ホーリー!ホーリー!ホーリー!ホーリーライブ!

 

 トリシューラは、ホーリーライブへと変身した。

 その一方で、フォビオは森の中を駆けていた。

 

フォビオ「……………いた。ふっ!」

 

 フォビオは獲物を見つけ、加速する。

 一方、フォビオが向かっている先には、フットマンとティアが居た。

 

フットマン「おやおや。これはちょっとまずい流れですねぇ。」

ティア「どうするフットマン?クレイマンに報告する?」

フットマン「それは無理でしょう、ティア。今は魔王達の宴(ワルプルギス)の真っ最中です。それに……………私たちにも野暮用が出来てしまったようですよ?」

 

 フットマンとティアがそう話す中、2人の背後に、フォビオが現れる。

 

フォビオ「よお。この前は世話になったな。”涙目の道化(ティアドロップ)”のティアに、”怒った道化(アングリーピエロ)”のフットマン。」

フットマン「おやおや?これはこれは、フォビオ様ではありませんか。」

ティア「魔王になり損なったフォビオ様!魔王ミリムに負けちゃったフォビオ様!あの時は……………あたい達の役に立ってくれて、ありがとう!」

 

 フォビオがそう言うと、フットマンとティアはそう言う。

 その際、ティアはフォビオを煽っていた。

 そんな中、フォビオが口を開く。

 

フォビオ「へっ。俺を覚えていてくれた様で何よりだ。理由も分からないまま殺されたんじゃ、可哀想だからな。」

ティア「あれあれ〜?何を怒っているんだろう?」

フットマン「不思議ですねぇ。このお馬鹿さんは何を怒っているんでしょうねぇ?」

ティア「何でかな?何でかな?」

フットマン「怒りの感情は大変に美味ですけど、我々には殺されなければならない様な理由など、ありませんねぇ。」

ティア「だよね、だよねぇ!」

 

 フォビオがそう言う中、ティアとフットマンの2人は、煽る様にわざとらしく大声で言う。

 そんな中、フォビオが叫ぶ。

 

フォビオ「うるせぇ!確かに騙された俺は馬鹿だが、バカはバカらしく、落とし前をつけるのに理由なんざ要らねえんだよ!!」

ティア「ふ〜ん。あたい達とやる気なんだ。弱い癖に、無理しちゃダメだよ。」

フットマン「ホ〜ホホホホッ!ダメですよ、ティア。せっかく、フォビオ様が冗談を言って笑わせてくれようとして下さってるのだから!」

 

 フォビオがそう叫ぶ中、2人は煽るのをやめない。

 爪を伸ばしたフォビオは、素早く駆けて、2人の直前にまで迫る。

 

ティア「あっ……………!」

フットマン「速い。」

 

 素早く動いたフォビオに対して、2人がそう反応する中、フォビオは攻撃する。

 2人は、ジャンプして躱す。

 躱した後、2人が身構えると、後ろから穴が現れて、そこから、ゲルドとゲットオーバーデモンズに変身したグルドが現れて、攻撃する。

 

ティア「あっ……………!」

フットマン「ほ?」

 

 2人はそれに気づいて、フットマンは2人の攻撃を受け止める。

 

フットマン「これは、これは……………。」

ゲルド「久しいな、フットマン。」

グルド「俺たちの事を覚えているか?」

フットマン「ええ、覚えていますよ。豚頭帝(オークロード)計画以来ですか?確か、豚頭将軍(オークジェネラル)さん達でしたか。いやいや、立派になった物ですねぇ!!」

 

 フットマンがそう言う中、ゲルドとグルドはそう聞く。

 フットマンはそう答えると、2人をフォビオの方に吹っ飛ばす。

 

ゲルド「そうだ。かつて、豚頭族(オーク)だった頃、我らは貴様と共に、大鬼族(オーガ)の里を滅ぼした。」

グルド「紅丸殿に命じられて来た。助太刀するぞ、フォビオ殿。」

フォビオ「おお!助かるぜ!ゲルドさん、グルドさん!」

グルド「相手にとって、不足なし。」

 

 フットマンの言葉に、ゲルドはそう答えると、フォビオ達と共に並ぶ。

 それを見て、フットマンは口を開く。

 

フットマン「ほほっ。どうです?その後の人生は。罪の意識に苛まれ、お辛いのでは?」

ゲルド「………………最高だとも。」

「「っ!!」」

グルド「こうして、仲間と一緒に、陰謀の裏で暗躍していた連中を屠れるのだからな!」

 

 フットマンがそう聞くと、ゲルドとグルドは、そう答える。

 因縁の対決が起ころうとしていた。

 その頃、クレイマン軍の本陣にあるテントの一つに、伝令が駆け込む。

 

伝令兵「ほ……………報告します!後方にて、三獣士、白虎爪スフィアを確認……………!及び東の森にて、黒豹牙フォビオを確認しました!」

兵士「なっ……………三獣士だと!?奴らは避難民を連れて、魔国(テンペスト)に居るはずではないか!」

伝令兵「し、しかし、現に……………っ!」

 

 伝令兵の言葉に、他の兵士達は驚愕する。

 それを聞いていたヤムザは、考えていた。

 

ヤムザ(どうする?示指のアダルマンに頼るしかないか。だが、すぐにアダルマンをこの地に呼び寄せる事など、叶う筈もない。もはや、立て直しだのと言える段階ではない。)

 

 ヤムザはそんな風に考えていた。

 すると、ヤムザは立ち上がり、部下に話しかける。

 

ヤムザ「お前達、時間を稼げ。」

部下「ヤムザ様、どちらに!?」

ヤムザ「私は一度、傀儡国(ジスターヴ)に戻り、アダルマンを連れて来る。」

部下「アダルマン…………!」

部下「あの死霊の王(ワイトキング)を…………!」

部下「しかし、あの者はあの場から動けないのでは………………。」

ヤムザ「奴ならば死霊を召喚し、軍勢を立て直せる。何としても連れてこよう。私が居ない間の指揮は任せたぞ。」

部下「はっ!」

 

 ヤムザが出て行こうとすると、部下はそう聞き、ヤムザはそう答える。

 ヤムザはそう言って、テントの外に出る。

 そんな中、ヤムザが考えていた事は。

 

ヤムザ(クレイマン様が認めるのは、有能な部下のみ。負けが確定した時点で、生きて戻れても処刑されるだけだ。運良く生き残ったとしても、精神を破壊された操り人形になどなりたくないぞ。…………となれば、自分の身の安全確保が最優先。忌々しいが、この場での敗北は認めよう。……………だが、最後に勝利するのは私だよ。)

 

 ヤムザは、自己保身の事を考えていた。

 アダルマンを連れて来るというのは、ある意味で嘘なのだ。

 テントからは、何も知らない部下達の声が聞こえて来る。

 

部下「隊列を組み直す!ヤムザ様が戻られるまで、何としても持ち堪えるのだ!」

ヤムザ(バカな奴らよ。自ら忠誠を誓った私は、他の指共と違い、監視されていない。行方をくらませれば、クレイマン様とて追跡は困難だろう。五本指筆頭の地位は惜しいが、命あっての物種。どこか、別の魔王にでも取り入って……………。)

 

 部下の声を聞いて、部下を嘲笑いながら、そう思う。

 ヤムザは逃げるべく、転移魔法を発動する。

 だが、発動する瞬間に魔法陣が砕け散る。

 何度もやるが、結果は同じだった。

 

ヤムザ(転移魔法が発動しない!?”空間封鎖”……………敵の能力(スキル)か!)

 

 ヤムザはすぐにそう判断して、テントへと戻り、叫ぶ。

 

ヤムザ「おい!近くに敵が潜んで……………っ!?」

 

 ヤムザはそう叫ぶが、すぐに驚く。

 何故なら、テントの中にいた部下達は、既に絶命していたのだ。

 

ヤムザ「麻痺に……………毒!?それに石化だと!?バカな!?ついさっきまで何事もなかったというのに!?」

 

 ヤムザは、いつの間にか部下がやられていたことに驚く。

 急いで前方の方に出ると、驚きの光景が目に入る。

 

ヤムザ「……………見張りは何をしていたっ!三獣士が筆頭……………黄蛇角のアルビス………………………!!」

 

 そう。

 既に本陣の前には、アルビスが到着していたのだ。

 三獣士は、それぞれの強敵と相手をする。




今回はここまでです。
今回は、漫画版の区切りに合わせたので、短めです。
トリシューラも、ホーリーライブになりました。
次回は、カリュブディスを倒す所まで行く予定です。
クレイマンの軍勢も、追い詰められていく。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
なかなか進まなくてすいません。
リクエストは、絶賛受け付けています。
例えば、クレイマンとの戦いをどうやるのかとかですね。
コラボに関しては、遠慮なくメッセージで送って良いですよ。
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