転生したらキメラだった件   作:仮面大佐

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第50話 悪魔と策謀

 俺とリムルは、魔王として認められ、九星魔王(ノナグラム)の一員となった。

 領土の分配も終わり、ギィ主催の食事会となった。

 ちなみに、レオンとルミナスは、会議が終わると、そそくさと帰っていった。

 シズさんは、レオンに何かを言いたげな表情を浮かべていたが、諦めた様だ。

 俺としても、ルミナスに、ヒナタとの関係があるのなら、聞いておきたいと思ったのだが。

 まあ、いずれ会える様な気がするので、その時にでも聞くか。

 すると、料理が運ばれてくる。

 

ミザリー「こちら、黒毛虎の煮込みシチューとなります。」

 

 ミザリーはそう言いながら、料理を置いていく。

 うまそう。

 それを食べてみると。

 

レイト(うまっ!?奇才之王(シェムハザ)先生!)

奇才之王『了。レシピを解析します。』

 

 俺はそう思うと、奇才之王に頼んで、レシピを解析してもらう事に。

 周囲を見ると、ミリムはテーブルマナーなど関係ないと言わんがばかりに食べまくっていた。

 どうやら、そこら辺はルーズみたいだな。

 ラースも食べまくっていた。

 すると、ミリムとラースが酒を飲もうとして、リムルは口を開く。

 

リムル「あ、おいミリム、ラース!それ酒だぞ?」

ミリム「ワ〜ハッハッハッハッ!良いではないか!操られたフリを頑張ったご褒美なのだ!」

レイト「頑張った?クレイマンにバレなかったとはいえ、ガッツポーズしてたのに?」

ラース「実は、無表情を保つ為に、生ピーマンを齧ったりしてたのだ!」

レイト「ああ……………。」

 

 リムルがそう言うと、ミリムはそう言う。

 俺がそう聞くと、ラースはそう答える。

 そんな事してたのか。

 すると、ダグリュールが口を開く。

 

ダグリュール「操られたフリはもっと早くやめてもよかったのではないか?結局、クレイマンは黒幕の事は喋らなかったからな。」

ミリム「うむ!だが、せっかくリムルやレイトと戦えるチャンスだったのでな!」

レイト「なるほどね………………。」

 

 ダグリュールがそう聞くと、ミリムはそう言う。

 要は、俺たちと戦う為に、わざと操られたフリを続けたわけね。

 リムルがミリムの酒を取り上げてる中、ギィが口を開く。

 

ギィ「本当に美味い蒸留酒(ブランデー)だな。原料はユーラザニアのブドウか?」

レイト「ああ。果実の輸入で、やっと安定的に作れる様になったからな。」

ヴェルドラ「では、我はもう一本頂くとしよう!クワ〜ハッハッハッハッ!」

リムル「お前は遠慮を覚えてくれ。帰ったら飲めるだろ。」

 

 ギィがそう言う中、俺はそう答える。

 ヴェルドラが笑いながらそう言うと、リムルはそう突っ込む。

 酒を飲んでいたダグリュールは口を開く。

 

ダグリュール「勿体無いのぅ、バレンタインめ。彼奴は絶対に気にいるだろうに。」

 

 ダグリュールは酒を飲みながらそう言う。

 ルミナスね。

 まあ、色々と気になる事はあるけどな。

 その一方、ディーノとラミリスは。

 

ディーノ「うわ、これきっつ!?」

ラミリス「ふふん、情けないわね。見てなさいよ。」

 

 ディーノは酒はあまり強くない様で、そんな風に言う中、ラミリスは酒を一気に飲む。

 ほどほどにな。

 魔王として認められ、世界最高峰のレシピも手に入ったからな。

 その後、帰る時になると。

 

ラミリス「フランが3人に見える……………。」

フラン「ラミリス様、お気を確かに!」

ベレッタ「リムル様とレイト様、帰ってしまいますよ!?移住の件、もう一度…………!」

 

 ラミリスは予想通りに酔い潰れており、フランとベレッタがそう言う中、俺たちはテンペストに帰還した。

 テンペストに帰還すると。

 

リグルド「お帰りなさいませ、リムル様、レイト様!!」

ディアブロ「この度は九星魔王(ノナグラム)襲名の儀、誠におめでたき事にございます。何よりも、よくぞご無事でお戻り下さいました!!」

 

 リグルドとディアブロがそう言う。

 色々と聞きたい事があるのだが、一つ言いたい事がある。

 周囲には住人達も跪いているのだが、いつの間に練習したのか?

 ひとまず、執務室の方に移動する事に。

 紅茶を飲んでいると、ドアがノックされる。

 

リムル「どうぞ。」

ハルナ「失礼します。」

 

 リムルがそう言うと、ハルナが入ってくる。

 ハルナはある物を置いていく。

 

レイト「おお、抹茶プリンか。」

ハルナ「はい!朱菜様にはまだまだ及びませんが、私も腕を上げたんですよ。」

ヴェルドラ「ほう?我の分もあるのだろうな?」

ハルナ「もちろんですわ、ヴェルドラ様。」

 

 俺がそう言うと、ハルナはそう言う。

 ヴェルドラがそう反応すると、ハルナはヴェルドラの前にも抹茶プリンを置く。

 すると、ディアブロが抹茶プリンを取ると、口を開く。

 

ディアブロ「ヴェルドラ様。これは約束の分、一回目です。」

ヴェルドラ「クワ〜ハッハッハッハッ!ディアブロよ。貴様はなかなかに義理堅い男の様だ。」

 

 ディアブロはそう言うと、抹茶プリンをヴェルドラに渡す。

 ていうか、一回目?

 

リムル「ディアブロ、お前は食べないのか?」

ディアブロ「ええ。情報の対価として、お支払いしたのですから、気遣いなく。」

レイト「情報?………………おい。」

 

 リムルがそう聞くと、ディアブロはそう答える。

 まさかと思い、ヴェルドラにそう聞くと、ヴェルドラは震えて、吹けていない口笛を吹く。

 

レイト「何で魔王達の宴(ワルプルギス)で決まった事を、ディアブロがもう知っているのかと思ったら……………。」

リムル「何回分で情報を売った?一回?二回?三回?」

 

 そういう事か。

 リムルがそう聞くと、三回という問いでヴェルドラは震える。

 三回分で情報を売ったな。

 

リムル「はぁ……………ヴェルドラ、お前ってさ、別に食事する必要無いよね?」

ヴェルドラ「ば、バカな事を言うで無いぞ、リムルよ!食べる必要があるとか無いとかいう問題ではない!我が食べたいから食べるのだ!そもそも、レイトもだが、お前だって、食事の必要は無いであろうが!」

リムル「うっ……………。」

 

 リムルがそう聞くと、ヴェルドラはそう言う。

 ていうか、あっさり論破されたな。

 ヴェルドラは抹茶プリンを食べていく。

 すると、ディアブロが口を開く。

 

ディアブロ「ちゃんとリムル様とレイト様の護衛を務めたのでしょうね?」

火煉「もちろんです。」

紫苑「私が居ればあなたなど必要無いのだと証明されました。それより、あなたこそリムル様とレイト様から与えられた任務はどうなっているのです?」

ディアブロ「クフフフフフ……………それは抜かりありません。」

 

 ディアブロがそう聞くと、火煉と紫苑はそう言う。

 紫苑の質問に対しても、ディアブロはそう答える。

 

リムル「それにしても、タイミングよく帰ってくるとはな。」

ディアブロ「雑事の最中でしたが、ヴェルドラ様より戻ってこいと連絡があったのです。」

ヴェルドラ「っ!?わ、我は用事を思い出したぞ………………。」

 

 リムルがそう聞くと、ディアブロはそう答え、ヴェルドラは逃げようとする。

 まさか。

 俺とリムルは、ヴェルドラを抑える。

 

リムル「ふん!まあ待てよ、ヴェルドラ君。」

ヴェルドラ「ま、待て、話せば分かる…………。」

レイト「分かるか!!人の仕事の邪魔をしてるんじゃねぇよ!!もしディアブロがしくじってたらどうすんだ!!もう少し、自分の影響力の大きさを考えろ!!

リムル「プリン没収!ハルナさん、ヴェルドラのおやつはしばらく抜きな。」

ヴェルドラ「なっ……………!酷い!酷すぎるぞリムル、レイトよ!!」

シズ「あははは……………。」

 

 リムルがそう言うと、ヴェルドラは涙目でそう言うが、俺は容赦なくそう叫ぶ。

 ディアブロだったから良かったが、他のメンツだと絶対に混乱してたからな。

 リムルはそう言う。

 それを聞いたヴェルドラはそう叫ぶ。

 自業自得だ、反省しろ。

 それを聞いて、ヴェルドラが拗ねて、シズさんが苦笑する中、リムルはディアブロに聞く。

 

リムル「それで、お前はこんな所で油を売ってて良いのか?ファルムスの方は大丈夫なのか?」

紫苑「ふん!茶坊主にはお茶を淹れる仕事がお似合いです。ここはやはり、私が出向きましょう。」

レイト「えぇ………………?」

 

 リムルがそう聞くと、紫苑はそう叫ぶ。

 紫苑が出向くと、絶対にヤバい方向に話が進むから。

 逆らう奴は皆殺しにするとか言いかねないし。

 事態が悪化する。

 すると、ディアブロが答える。

 

ディアブロ「その必要はありません。内通者を使い、全て計画通り。順調に進んでおります。」

リムル「お、おう……………。そうなのか。」

ディアブロ「はい。まず最初に、あの者達の姿を元に戻しました。肉塊になったままでは、不便でしたので。」

レイト「ああ……………。」

 

 ディアブロはそんな風に言う。

 確かに、エドマリス達は肉塊になっていたな。

 遡る事、ファルムスに向かっている頃。

 

ディアブロ「……………やれやれ。紫苑殿にも困ったものですね。厄介な……………素直に回復魔法が通用しないではないですか。一体、どんなスキルを使えば、こうまで法則を捻じ曲げる事が出来るのやら。」

 

 ディアブロは3人を元に戻そうとしたが、回復魔法が通用しなかった。

 理由は、紫苑の料理人(サバクモノ)によって、法則が捻じ曲げられているからだ。

 レイヒムが涙を流す中、ディアブロは口を開く。

 

ディアブロ「少々荒療治になります。耐えて下さいね。」

レイヒム「ぬわぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 ディアブロはそう言うと、作業を開始する。

 レイヒムの悲鳴が聞こえてくると、ヨウムが口を開く。

 

ヨウム「……………あっちの馬車の捕虜3人、無事にファルムスに辿り着けるかな……………。」

グルーシス「既に無事とは言い難いけどな。」

 

 ヨウムが不安そうにそう言うと、グルーシスはそう言う。

 しばらくすると、レイヒムの体は元に戻る。

 

レイヒム「あ…………あああ……………感謝します!感謝しますぞ、ディアブロ殿!!」

ディアブロ「うるさいですよ、ゴミが。さて、次は……………。」

 

 レイヒムがそう言うと、ディアブロはそう吐き捨てて、レイヒムは萎縮する。

 すると、ラーゼンが口を開く。

 

ラーゼン「儂よりも王を……………王を元の姿に……………。」

ディアブロ「ああ……………そういえば、捕虜の1人はあなたでしたね。ラーメン…………ではなく、ラーゼンでしたっけ?もちろん、理解しているのでしょうね?私に願い事をするその代償が高くつくという事を。」

 

 ラーゼンはそう言うと、ディアブロはそう聞く。

 それを聞いたラーゼンは。

 

ラーゼン(……………そうじゃ。瞳以外は殆ど人間に見えても、この男は上位魔将(アークデーモン)……………いや、それ以上の存在。七色の悪魔の一柱(ヒトリ)原初の黒(ノワール)…………。だが、げに恐ろしきは、この悪魔が仕える存在がいるという事実。儚げでありながら、秘めたる力は想像を絶する魔王……………あの瞬間理解した。ファルムス王国は、眠れる獅子を………………それも二体も目覚めさせてしまったのだ。)

 

 ラーゼンはそんな風に思う。

 体を元に戻された後、ラーゼンは口を開く。

 

ラーゼン「儂を……………いえ、私をあなた様の下僕の末席に加えて下さい。今後の身命の全てを捧げます。ですからどうか……………エドマリス王にお慈悲を……………。」

ディアブロ「……………まあ良いでしょう。少々安い対価ですが、使い道はありそうです。あとでちゃんと元に戻してあげますよ。ただし……………リムル様とレイト様に対する不敬は二度と見逃しません。今後もしも叛意を見せたなら、王の命どころか、ファルムスの地から生命の息吹が消え失せる事になるでしょう。」

ラーゼン「無論です。私の忠誠は貴方様のために。」

レイヒム「わ、私も!私も何でも致しますぞ!」

 

 ラーゼンはそう懇願する。

 それを聞いたディアブロはそう言うと、ラーゼンとレイヒムはそう言う。

 それを聞いていたエドマリスは。

 

エドマリス(………………ああ。長年王家に仕えた宮廷魔術師は、ついにファルムス王国を見限ったのだ。)

 

 エドマリスはラーゼンが見限ったのだと感じた。

 そして、あるやりとりを思い出す。

 

リムル『釈明するのなら、俺たちより先にすべき相手がいるだろ。ファルムス王国の国民はこれから苦労するぞ。』

レイト『捕虜をどうするのかは、会議で決める。それまで、じっくりと考えておくんだな。これは、俺たちとアンタ(エドマリス)が背負っていく業なんだからよ。』

 

 俺とリムルの言葉を思い出していた。

 それを思い出すと。

 

エドマリス「(ラーゼンの決断は、きっと正しいのだろう。)余は……………ファルムス最後の王として……………ディアブロ殿の望むように…………協力すると…………約束…………しようぞ。」

ディアブロ「………………ご安心を。私に従うならば、悪いようにはしませんよ。」

 

 エドマリスはそんな風に言う。

 それを聞いたディアブロは、笑みを浮かべながらそう言う。

 ディアブロのユニークスキル、誘惑者(オトスモノ)

 その権能は、思念支配、魅了、勧誘の三つだ。

 屈服した対象を精神的に拘束して、自由意志は術者の制限を受ける。

 この瞬間、3人の捕虜は心身ともにディアブロに隷属したのだ。

 ヨウムは、ディアブロに話しかける。

 

ヨウム「おお〜い、ディアブロさん。捕虜達、生きてるよな?」

ディアブロ「問題ありませんよ、ヨウム殿。直にファルムスの王都です。国盗りの様な些事、さっさと済ませてしまいましょう。」

ヨウム「お……………おう。些事か……………。」

 

 ヨウムがそう聞くと、ディアブロはそう言い、ヨウムもそう答える。

 そして、ファルムス王国に到着して、謁見の間には、たくさんの人が集まっていた。

 

大臣「どの様な魔法をかけても、元の姿に戻らぬとは……………。」

大臣「ショウゴよ、これは一体……………どういう事なのだ?」

大臣「他の2人はどうした?王国軍はどうなったのじゃ?」

 

 大臣達は、変わり果てた姿のエドマリスを見て、ラーゼンにそう聞く。

 それを聞いたラーゼンは口を開く。

 

ラーゼン「落ち着け。儂はラーゼンじゃ。王をお守りして、英雄殿と協力して、逃げ延びてきたのじゃよ。」

大臣「何?貴様は……………いや、貴殿はショウゴではないのか?」

大臣「では、ファルムス軍は敗北したのか?」

大臣「魔物共の討伐に失敗したからと…………おめおめと逃げ帰ってきただけではあるまいな?」

 

 ラーゼンはそんな風に答える。

 それを聞いた大臣達は、信じられないような表情を浮かべていた。

 周囲がざわつく中、ミュラー侯爵が口を開く。

 

ミュラー「静まれ、皆の衆。まずはラーゼン殿の話を聞こうではないか。」

 

 ミュラー侯爵がそう言うと、皆が落ち着いて、話を聞く事にした。

 ミュラー侯爵が頷くと、ラーゼンは話を始める。

 一体、王国軍に何があったのかを。

 それを話し終えると。

 

大臣「本当に……………全員が行方不明なのですか?」

ラーゼン「然り。我が軍と魔物達との戦いが、彼の地に眠る竜を蘇らせたのじゃ。」

大臣「西方聖教会は、完全に消滅したと宣言しておりましたぞ!」

ラーゼン「確かに消滅していたのです。されど、竜種は滅びませぬ。世界のどこかで新たに誕生するのですじゃ。ただし、この様に短い期間で、まして近場で復活するなど想定外でしたがの。ヴェルドラの復活により、あの地にいた騎士や魔物達は消え失せました。残ったのは、我らのみ。」

 

 大臣の1人がそう聞くと、ラーゼンはそう答える。

 ラーゼンが話す中、1人はラーゼンを睨んでいた。

 

大臣「バカな!?」

大臣「そん……………な……………!?」

 

 大臣達はそう言うと、1人が崩れ落ちる。

 それを見たラーゼンは。

 

ラーゼン(……………初陣の我が子でも亡くしたのか。気の毒ではあるが、まだマシだ。この作り話は、事実よりかは幾分優しいのだから。)

 

 ラーゼンはそう思う。

 実際には、リムルによって撃ち抜かれたり、俺によって現れた悪魔によって酷く殺されたのだが。

 すると、扉が開かれる。

 

???「ん?」

ヨウム「遅くなってすまんな。何とかあの人達の説得に成功したぜ。」

 

 周囲の人たちが扉を見ると、ヨウム達が入ってくる。

 ヨウムがそう言うと、ラーゼンを睨んでいた男が口を開く。

 

???「何じゃ貴様は!平民風情が無礼であろう!!」

ラーゼン「お待ち下さい、カルロス卿。その者たちこそ、我らを救ってくれた者。」

大臣「ラーゼン殿達を助けた……………ですと?」

大臣「一体、どういう事ですかな?」

レイヒム「それは私からお答えしましょう。」 

 

 その男……………カルロス卿がそう言うと、ラーゼンはそう言う。

 それを聞いて、大臣達が訝しげにすると、レイヒムが現れる。

 

大臣「レイヒム殿……………。」

レイヒム「あの戦場で両軍がぶつかり、激しい戦闘が行われました。我らは数では上回っていましたが、地の利のある魔物どもに苦戦し、多大な犠牲が出たのです。その混沌とした気配が、復活の鍵となったのでしょう。突如出現したヴェルドラによって、敵味方関係なく、暴風竜を前に、我らは死を覚悟したのです。」

 

 レイヒムはそんな風に説明していく。

 カルロス卿を含めた人たちが驚く中、ラーゼンが説明を引き継ぐ。

 

ラーゼン「ですがその時、立ち塞がった者達が居たのですじゃ!」

レイヒム「それこそが、魔物達の主人であったリムル様とレイト様なのです。」

ラーゼン「儂もレイヒム殿も、死を覚悟しておった。しかし、リムル様とレイト様が、ヴェルドラを説得してくださったのです。」

 

 ラーゼンとレイヒムは交互にそう言う。

 それを聞いたディアブロが満足そうに頷く中、大臣達が口を開く。

 

大臣「会話が成り立ったのですか!?」

大臣「そもそも、邪竜ヴェルドラの濃密な魔素を浴びると、大半の生物は死に絶えるのだ!」

大臣「それをどうやって……………?」

 

 大臣達は、至極当然な疑問を出す。

 それを聞いたレイヒムは口を開く。

 

レイヒム「皆さんもご存知でしょう。魔物どもの主人であるリムル様とレイト様は、ジュラの大森林の盟主であると。」

大臣「それは………………勝手に自称しているだけではないのか?」

 

 レイヒムがそう言うと、大臣の1人がそう言う。

 すると、笑みを浮かべていたディアブロは真顔になる。

 それをチラリと見たラーゼンは、レイヒムと共に冷や汗を流しながら口を開く。

 

ラーゼン「自称などと…………とんでもない!魔物の街をこの目で見ましたが、まさに国の首都と呼ぶに相応しい物でした!かのお方達は、ジュラの大森林の管理者である樹妖精(ドライアド)を従えていたのです!リムル様とレイト様は、この樹妖精(ドライアド)を通じて、ヴェルドラと交渉を行ったのです。」

 

 ラーゼンはそんな風に言う。

 それを聞いた大臣達は。

 

大臣「樹妖精(ドライアド)…………ヴェルドラが眠る地を守る力ある魔物ではないか。」

大臣「その様な物まで従えているなんて…………。」

大臣「邪竜との交渉が可能なのであれば、そのリムルとレイトとやらが我らと敵対していると言うのは非常にまずい……………。」

カルロス「くっ!」

 

 それを聞いた大臣達は、自分たちがとんでもない事をした事に気づき、そう言う中、カルロス卿は睨む。

 すると、ヨウムが口を開く。

 

ヨウム「ああ、皆さん。その点については安心して欲しい。俺はよ、豚頭帝(オークロード)を討伐する際に、リムルさんとレイトさんと協力した。リムルさんとレイトさんは案外気さくな方で、二人は人との協調を望んでいるんだ。」

カルロス「おお!では、その方が間に立って、我等の要望を伝えるのだ。内容については追って沙汰する故、別室で控えておれ。」

 

 ヨウムがそう言うと、カルロス卿は上から目線でそう言う。

 それを聞いて、ヨウムは口を開く。

 

ヨウム「おいおい、待てって。普段ならあの人達も気さくだけどよ、今は違うぜ。その理由はあんた方が良く知ってるだろう?」

カルロス「何だと?」

 

 ヨウムはそんな風に言うと、カルロス卿はヨウムを睨む。

 ヨウムは口を開く。

 

ヨウム「あんたら、リムルさんとレイトさんの国に戦争を吹っかけただろう?あれで仲間に犠牲が出たもんだから、二人とも、スゲェ激怒しちまってるんだわ。」

カルロス「何を言うか、平民風情が!リムルとレイトとやらに顔が効くなら都合がいい。取り成すのも英雄の仕事であろう、何とかせよ!」

ラーゼン「ひっ!か、カルロス卿、控えるのじゃ!!」

 

 ヨウムがそう言うと、カルロス卿は空気を読まずにそう叫ぶ。

 ディアブロからオーラが漏れ出ており、近くにいたミュウランとロンメルは顔を青くして震えていて、グルーシスは震えていなかったが、顔を青くしていた。

 ラーゼンがそう叫ぶ中、ヨウムは口を開く。

 

ヨウム:「いいか、まずはは俺の話を聞け。使者も送らず、宣戦布告をせず、異世界人を好き勝手暴れさせたらしいな?俺は戦争の仲裁に出向いたんだが、それを聞かされて唖然としたぜ。だがよ、俺もこのファルムス王国で生まれた者だ。祖国を滅ぼされるのは忍びないし、何とか交渉してもらえないか頼み込んだんだよ。」

 

 ヨウムはそんな風に説明する。

 だが、それを聞いてもなお、カルロス卿は上から目線の態度を崩さなかった。

 

カルロス「国家の大義を貴様如き平民が語るでないわ!良いか!儂は絶対に認め…………!!」

ラーゼン「控えろと言っておろう!このバカタレが!!

 

 カルロス卿がそう叫ぶと、いよいよディアブロが爆発寸前になり、ミュウランは右往左往して、ヨウムは呆れた表情を浮かべる。

 すると、ラーゼンはそう叫ぶと、魔法を発動して、カルロス卿は凍っていく。

 

カルロス「ギャアアア!!」

ラーゼン「事情を知らぬ者が、出しゃばるでないわ!!

 

 カルロス卿が凍っていく中、ラーゼンはそう叫ぶ。

 ここでディアブロを怒らせたら、大惨事になる為だ。

 カルロス卿が氷漬けになると、ラーゼンは口を開く。

 

ラーゼン「良いか皆の者。今のヨウム殿の言葉は真実じゃ。我等は敗北し、生き残ったのは儂と、レイヒム殿、そして暴風竜の魔素にあてられ、かような姿になられたエドマリス王のみ。我らはヨウム殿の口添えで、解放されたのじゃ。」

 

 ラーゼンはそんな風に言う。

 すると、大臣が口を開く。

 

大臣「大国ファルムスが、魔物に屈するだと…………!?」

大臣「しかし、どうしようもあるまい。卿は暴風竜を敵に回すつもりかね?」

大臣「いや、それは……………。」

 

 大臣の1人が認められないかの様にそう言うが、1人にそう言われて、黙り込むしかなかった。

 魔物に屈するなどというのは認められないが、暴風竜を敵に回したくない。

 そんな思いがあったのだ。

 すると、ミュラー侯爵が口を開く。

 

ミュラー「提案を受け入れようではないか。のう、皆の者。」

 

 ミュラー侯爵がそう言うと、周囲の人たちも頷く。

 すると。

 

ディアブロ「クフフフフ、賢明な判断です。それでは約束通り、この国の王を解放しましょう。」

 

 ディアブロがそう言う。

 大臣達が背後を向くと、そこには玉座の方にディアブロが居たのだ。

 すると、近衛兵達がディアブロに槍を向ける。

 

近衛兵「な、何者だ!いつの間に王の側へ!?」

ディアブロ「これは失礼。ガラ空きだったもので。私の名はディアブロ。偉大なる我が王、リムル様とレイト様の忠実な執事(バトラー)ですよ。」

 

 近衛兵がそう聞くと、ディアブロはそう言う。

 ディアブロがフルポーションをかけると、エドマリスは元に戻っていく。

 

大臣「へ、陛下!」

大臣「その薬は……………!?」

ディアブロ「我が国の特産品の、フルポーションです。極上の回復薬ですよ。」

 

 大臣達がそう言うと、ディアブロはしれっとフルポーションの宣伝を行う。

 布が被せられると、ディアブロは口を開く。

 

ディアブロ「ご気分はいかがですか?エドマリス王。」

エドマリス「あ、ああ……………助かった。感謝する。」

ディアブロ「さて、ファルムスの王よ。我らの主達より、伝言がある。」

エドマリス「…………聞こう、魔物の国の使者殿。」

 

 ディアブロがそう聞くと、エドマリスはそう言う。

 ディアブロが羊皮紙を取り出しながらそう言うと、話を聞く体勢にはいる。

 すると、ディアブロは読み上げる。

 

ディアブロ「では、申し上げます。”これより一週間後、両国代表による和睦協定を行いたい”。”講和条約の締結に先立ち、汝らに選択肢を与えよう”。」

大臣「選択肢…………!?」

ディアブロ「”一つ目は、王が退位し、戦争賠償を行う事”。”二つ目は、魔国連邦(テンペスト)の軍門に下り、属国となる事”。”三つ目は、戦争の継続”。」

 

 ディアブロはそんな風に条件を述べていく。

 それを聞いた大臣の1人が。

 

大臣「無茶だ……………!?」

ディアブロ「それでは一週間後までに、答えを用意しておいて下さい。」

大臣「ま、待ってほしい!それではあまりにも時間が……………!?」

ディアブロ「黙りなさい。私は気が短いのです。」

大臣「しかし、地方の貴族も召集せねば…………!」

 

 大臣の1人がそう言うと、ディアブロはそう言う。

 それに対して、抗議するとディアブロはそう言う。

 また抗議しようとすると、ディアブロは振り向きながら口を開く。

 

ディアブロ「黙れと言っている。お前達の都合など、リムル様とレイト様には関係ない。いいですか?つまらない小細工を弄しようなどと考えない事です。一週間後に返事がなければ、『戦争の意思あり』と受け取ります。いいですね?では、せいぜいよく考えて返事をする様に。」

 

 ディアブロはオーラを出しながらそう言う。

 そのまま去っていき、ヨウム達は一息吐く。

 これが、その出来事のあらましだった。

 

ディアブロ「……………と言う感じに、揺さぶりをかけておきました。」

リムル「お、おお…………というか、箱詰めのアレ、見せちゃったんだな。」

レイト「まあ、クリーンなイメージは失われるが、恐怖心を煽るには最適だろうな。」

 

 ディアブロがそう言うと、リムルはそう言うが、俺はそう言う。

 ヴェルドラの魔素に当てられたという設定を鑑みれば、問題ないだろう。

 すると、ディアブロが口を開く。

 

ディアブロ「それで、講和の条件ですが…………賠償金として、星金貨一万枚を要求しておきました。」

リムル「ぶーっ!?」

 

 ディアブロがそんな風に言うので、リムルは紅茶を吹き出す。

 俺は吹き出さなかったが、驚きはした。

 何せ、星金貨一万枚は、日本円に換算すると、1兆円になるのだ。

 

リムル「それはお前、吹っかけすぎじゃないか?」

ディアブロ「問題ございません。三つの選択肢を与えましたが、答えは一つしかないのです。」

レイト「なるほど。戦争継続が不可能なのは、言うに及ばず、属国になるのも貴族達が反対するのは目に見えている。事実上、ファルムスが取れるのは、賠償金を支払うことだけって訳だな。」

ディアブロ「その通りです。」

 

 リムルがそう言うと、ディアブロはそう言う。

 俺がそう言うと、ディアブロは頷いた。

 リムルが感心する中、ディアブロは口を開く。

 

ディアブロ「ファルムス王国としては、要求を飲むしかない。彼らが取る手段としては、別の第三者に責任を押し付ける方法でしょう。」

リムル「そうなったら、どうするんだ?」

ディアブロ「予定通りです。少なくとも、星金貨千枚は回収出来るでしょう。」

レイト「その根拠は?」

ディアブロ「簡単です。星金貨自体は高額すぎて、使い勝手が悪い。適当な支払い先もないでしょう。」

 

 俺とリムルがそう聞くと、ディアブロはそう説明する。

 ちなみに、火煉は何とか理解している様だが、紫苑は理解していなかった。

 

リムル「なるほど。使い道がなく、貯めておくしかないだろうな。で、更に何を企んでいる?」

ディアブロ「クフフフフフ…………!一つ目の選択を取るという事は、賠償をし、王が退位するという事。退位したエドマリスは権力基盤を失い、自ずと、責任追及の矛先が向かう流れとなるでしょう。」

レイト「貴族達に責任を押し付けられる第三者になる。王立騎士団が俺たちによって壊滅した今、貴族達と敵対するのは致命的で、傀儡となるしかない。でも、それはあくまでも表向きはだ。それを回避するためには……………ヨウムを味方につける。そうすれば、俺たちを味方につけられるという事だ。」

リムル「すげぇな、レイト。」

ディアブロ「ご明察、恐れ入ります。」

 

 リムルがそう聞くと、ディアブロはそう言う。

 俺はそう結論づける。

 リムルは口を開く。

 

リムル「て事は、ヨウムに戦力を貸し出せば良いんだな?」

ディアブロ「はい。ラーゼンより連絡が入る手筈となっております。」

リムル「それで…………勝てるんだろうな?次に王になるやつが他国を巻き込んで連合を組んだりしないか?」

レイト「それに関しては、和室での話し合いで言っていたように、周辺諸国はフューズやガゼル王が圧力をかけているから、大丈夫だとは思うが……………。」

 

 リムルがそう聞くと、ディアブロは頷く。

 リムルがそう聞きながら、抹茶プリンを渡すと、俺はそう言う。

 流石に周辺諸国も、武装国家ドワルゴンを敵に回す真似は避けるだろうからな。

 

ディアブロ「もしもそうなった場合、私自らが参戦する予定ですので、ご安心ください。」

リムル「よし、任せるぞ。何かあったら、報告を頼む。」

ディアブロ「お任せくださいませ、我が王よ。」

 

 ディアブロがそう言うと、リムルはそう言い、ディアブロはそう答える。

 悪魔の暗躍は続くのだった。




今回はここまでです。
今回は、ディアブロが報告するまでです。
ファルムス王国は、賠償責任で話し合う事に。
次回は、ユウキ達、ヒナタ達、ファルムス王国の話をやる予定です。
感想、リクエストは絶賛受け付けています。
電王編や紅蓮の絆編はやりますが、どのタイミングかはまだ考え中です。
ちなみに、アニメではカットされた話はやる予定です。
今後の展開などでリクエストがあれば、受け付けています。
以前からリクエストがあった、ゴジラ関連も含めて。
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